WHO エボラ対策に回復患者の血清治療 死者2100人超える
世界保健機関(WHO)は5日、西アフリカで感染が広がるエボラ出血熱について、回復した元患者の血清を使った治療を始めることで合意したと発表した。
<開発中ワクチンの全面使用は11月から>
また開発中の2種類のワクチンについても、早ければ11月に使用可能になる見通しを示した。死者は同日、2000人を突破したことも明らかにした。
<血清利用>
今回の感染の死亡率は約53%で、自然治癒した患者もいる。回復した患者には、エボラ出血熱に対する抗体があり、別の患者に血清を投与すれば、免疫を高められる可能性がある。
現在のワクチンは数量に限りがあり、一般感染者への使用はできず、有効な治療方法がない。感染者には時間のゆとりがなく、回復患者の血清を利用し、治療に当たるという。成果が期待されている。
<開発中のワクチンは現在医療従事者に限定使用>数量に限度
2種類のワクチンは米、英の製薬会社が製造している。臨床試験で安全性が確認されれば、医療従事者に優先投与される。現在は米ベンチャー企業の未承認薬「ズィーマップ(ZMapp)」が使われているが、在庫には限りがある。
米国人感染者2人がリベリアから米アトランタに運ばれ、隔離治療を受け回復し助かったが、この2人には、現地でエボラから回復した少年から採取した血清が投与され、また、ZMappも投与されていた。
<2105人死亡、コンゴでも>
WHOが5日発表した患者数と死亡者数は、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの4ヶ国で、死者は2105人。8月下旬にはセネガルでも感染者が1人確認されており、西アフリカでの疑い例も含めた感染者は3967人にのぼっている。死亡率は53%。
中部アフリカ大西洋側のコンゴでは2日現在、別種のエボラ出血熱の感染が拡がり、すでに31人が死亡しているという。
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