サッポロビール/「極ZERO」発泡酒認定で116億円の酒税納付決定
サッポロビールは、税率の低い「第3のビール」にあたらない可能性があると 国税庁から指摘された「極ZERO(ゴクゼロ)」について、本来の酒税との差額分約116億円を追加で納める方針を固めた。国税庁の指摘により、ビール メーカーが酒税を追加で納付するのは極めて異例だ。近く発表する。
サッポロビールは昨年6月、「極ZERO」をビール系飲料の中で最も税率が低い「第3のビール」として発売。ヒット商品になった。
しかし、今年1月、国税庁から、税率の適用が妥当かどうかを確認するため製造方法について問い合わせを受けた。
サッポロは4日、製造を5月末でとりやめ、税率の高い「発泡酒」として7月15日に再度売り出す、と発表していた。
サッポロビールを抱えるサッポロホールディングスの2014年12月期の最終的なもうけを示す純利益の見通しは50億円。追加で納める116億円は、その2倍以上にあたる
酒税の税率
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区分
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税率(1キロℓ当たり)
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アルコール分1度当たりの加算額
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発泡性酒類
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220,000円
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―
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発泡酒(麦芽比率25~50%未満)
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178,125円
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―
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〃(麦芽比率25%未満)
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134,250円
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―
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その他の発泡性酒類(ホップ等を原料としたもの(一定のものを除く。)を除く。)
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80,000円
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―
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醸造酒類
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140,000円
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―
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清酒
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120,000円
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―
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果実酒
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80,000円
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―
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蒸留酒類
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(アルコール分21度未満)
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(アルコール分21度以上)
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200,000円
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10,000円
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ウイスキー・ブランデー・スピリッツ
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(アルコール分38度未満)
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(アルコール分38度以上)
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370,000円
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10,000円
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混成酒類
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(アルコール分21度未満)
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(アルコール分21度以上)
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220,000円
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11,000円
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合成清酒
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100,000円
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―
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みりん・雑酒(みりん類似)
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20,000円
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―
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甘味果実酒・リキュール
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(アルコール分13度未満)
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(アルコール分13度以上)
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120,000円
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10,000円
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粉末酒
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390,000円
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―
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<サッポロホールディングスの業績推移と予想>
連結/百万円
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11年12月期
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12年12月期
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13年12月期
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14/12期予
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売上高
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454,099
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492,490
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509,834
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537,700
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営業利益
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18,883
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14,414
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15,344
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15,000
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経常利益
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16,807
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13,689
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15,130
|
13,600
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当期利益
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3,164
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5,393
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9,451
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5,000
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総資産
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550,784
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597,636
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616,752
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自己資本
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123,293
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131,795
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151,683
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資本金
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53,886
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53,886
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53,886
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有利子負債
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206,168
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257,646
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247,827
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自己資本率
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22.4%
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22.1%
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24.6%
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今期は今回の過去販売の約116億円の追加酒税支払いと「極ZERO」の一時販売中止、および今後、価格が高くなることでの売り上げ減が生じることになる。
しかし、その業績予想の修正は6月20日現在、行われていない。交渉して、半分に値切ることも可能かもしれないが・・・。
どうして当初から発泡酒に同社が認定しなかったのか、当然、税当局と事前に打ち合わせをし、税率を設定したと思われるが、していなかったとすれば、経営陣の大問題であり、引責・任の問題が浮上することになる。
[ 2014年6月20日 ]
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