「猫神やおよろず」第4話
夢枕獏でも、夢喰いメリーでもなく、悪夢喰いの枕木夕楽々(まくらぎゆらら)ちゃんが登場しました。
夢の中で柚子の思い出を辿るエピソードでありました。
柚子のお父さんの夢を求めてやって来た悪夢喰いの夕楽々ですが(夢を食べるのだな)、彼は既に亡くなっていたのですね。柚子はそのことを悲しい思い出として記憶している。まあ当然ですわな。
疲れて眠り込んだ柚子の夢を堪能していた夕楽々を見て、「なにさらしとんじゃ、ゴルァ!」とばかり頭突きを喰らわしたら自分も柚子の夢の中へ入り込んでしまった猫神さま。そこでは柚子の辛い体験が再現されていたと。
猫神さまの柚子を思うやさしい気持が表されたお話でしたねぇ。悪夢喰いに、「柚子にこんな夢を見さすんじゃない!」と詰め寄りますが、辛い記憶も思い出のひとつと諭されてしまう。
猫神である繭さまは記憶を守護する神でもある。この言葉には確かに一理あるわけです。
人間にとって夢は記憶を整理する処理場となっている。辛い思い出であっても、それは次第にやさしい記憶へと変換される。それは決して無駄にならない経験として人生の糧となるのですな。
時の流れとは残酷であると共に、心を救ってくれる最善の処方箋となる。記憶をどう処理するかはその人自身に掛かっているのかも知れません。柚子はポジティヴな考えの持ち主だからこそ、お父さんの記憶を前向きに変えることが出来たのだと思いました。
でも柚子の一言は興味深かったなあ。
「人は無くなったら天に向かうとしたら、記憶はどこへ行くのでしょう」
肉体はただの入れ物と言う考えだとしたなら、記憶こそは「人間そのもの」であると言えるかも知れない。
猫神さまは「記憶も天に向かう」と言ったけど、私の考えとしては、記憶は人に受け継がれることによって救われるような気がします。
その人が生きていたことを誰かが覚えていることが、その人の記憶の救いなのではないかな。もちろんその記憶も次第に忘れ去られてしまうものだけど、そもそもそうやって少しづつ消えて行くものなんだと思うな。
そうなったらやっぱり記憶は天へ召されるのかも知れない。正に諸行無常の理ありと言ったところでしょうか。
猫神さま、何気に哲学的な示唆を見せるねぇ。
@ムハンホウちぇっそ@

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タグ : 猫神やおよろず
2011/08/04 21:23 | アニメ感想 | COMMENT(0) | TRACKBACK(3)
コメント
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2011/08/04 | あ゛ぁやっちゃったなぁ… ぉぃ… な毎日w |
猫神やおよろず 第4話
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2011/08/05 | 日々“是”精進! ver.A |
「猫神やおよろず」第4話
辛い記憶と、優しい記憶・・・ 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201107300007/ 猫神やおよろず① [Blu-ray] posted with amazlet at 11.07.28 ポニーキャニオン (2011-09-21) 売り上げランキング: 6...
2011/08/05 | のらりんすけっち |
猫神やおよろず 第4話「思い出ハレーションサマー」
夢が絡む話は不思議なムードを醸し出しますね。 いつものドタバタから一転、切なくも後味のよいお話でした。 夕楽々神は準レギュラーぐらいにはなるのかな? 忘れていた楽しい思い出を蘇らすとは夕楽々神...