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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 15:50:27.59:VVy5aux30
兄「ああ、たまにはどうだ?」
妹「構わないけれど……一体どうしたんだい?」
兄「ただお前と一緒に行きたくなっただけだよ。深い意味は無い」
妹「そうかい。まあ、兄さんの言う通り、たまには良いかもしれないね」
兄「よーし、分かった! 明日、絶対だぞ!」
妹「分かっているさ。それじゃ、おやすみ」
兄「おやすみ!」スタスタ
妹「……ふふ、日ごろの行いのおかげかな」
妹「一緒に登校か……兄さんから言ってきてくれるなんて、な」ワクワク
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 15:54:48.25:VVy5aux30
――翌朝
兄「すかー……すかー……」ゴロゴロ
妹「兄さん、兄さん!」ユサユサ
兄「ん……いもうとぉ……?」
妹「起きてくれ、兄さん。一緒に登校するんじゃなかったのかい?」
兄「ん……ああ!? そ、そうだったな!」ガバッ
妹「少し急いでくれ、兄さん……時間があまり無い」
兄「わ、分かった! とりあえず着替えるから、部屋から出てってくれ!」アセアセ
妹「ああ、分かっている」スタスタ
妹「……やれやれ、世話がかかるな……」クス
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 15:59:16.29:VVy5aux30
兄「いやー、すまなかった!」
妹「構わないよ。急いでくれたおかげで問題なく駅に着きそうだし」
兄「そうかそうか!
いやあ、朝から焦っている妹の姿も見れて、今日は楽しい一日になりそうだなあ!」
妹「……そりゃ焦りもするさ。折角の約束を台無しにしたくは無いからね」
兄「まあ今日じゃなくてもいつでも行けるけどな!」
妹「……やれやれ、分かって無いな兄さんは」ハァ
兄「そうか? 俺は妹に関しては様々な事を知っている筈だが……」
妹「それもまだまだって事さ。さぁ行こうか」
兄「お? おう、そうだな!」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:04:12.29:VVy5aux30
妹「後五分くらいで来るよ」
兄「丁度いい時間に着けたな」
妹「そうだね……なんだかんだで、いつもより早く来れてしまったな」
兄「俺が急いだおかげか!」
妹「まあそれもあるんだけど……私も早く準備したからかな」
兄「お、そうなのか?」
妹「ふふ……私も、そこそこ楽しみだったからね」
兄「楽しみ!? そうかそうか、お前も楽しみだったのかー!」
妹「な、何度も言わないでくれよ……」テレ
兄「畜生、可愛いなあ妹は!」ナデナデ
妹「なぁっ!? に、兄さん止めてくれ! こんな所で……っ!」アセアセ
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:09:19.29:VVy5aux30
――電車内
妹「――全く。度し難い人だな」ツーン
兄「悪かったって。そんな拗ねないでくれよ」
妹「拗ねてなんかいないさ。反省して欲しいとは思ってるけどね」
兄「ただ頭をなでてやっただけじゃないか」
妹「場所を弁えて欲しいんだよ、私は!」
兄「うーん、そうかー。分かったよ。家でならしていいのか?」
妹「それは……いや、そう言う問題じゃないよ、兄さん」
兄「よく分からんなぁ」ノビノビ
妹「分からないのはこっちさ……」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:15:21.07:VVy5aux30
兄「……混んで来たな」
妹「そのようだね……」
兄「……」スッ
妹「……?」
兄「あ、よかったらどうぞ」
爺「ああ、どうもありがとう」
兄「いやいや」
妹「……」スッ
兄「ん? なんだ、お前まで立つ必要なかったのに」
妹「兄さんがそれで私が座ったままだと、嫌だからな」
兄「そんなもんか?」
妹「……そんなものさ」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:21:20.20:VVy5aux30
妹「……なあ兄さん?」
兄「……ん、どうした」
妹「痴漢対策として、私を壁際にしてくれるのは嬉しいんだが……」
兄「……あ、嫌か?」
妹「嫌、そうじゃなくて……なんだか兄さん、眠そうじゃないか」
兄「ん、そんな事、無いぞう」
妹「……いつもより早く起きてるだろう。
眠かったら寝てもいいんだぞ。なんなら、私によりかかっても……」
兄「いや、それは……」
妹「まあ、それは冗談にしても、いつでも寝てもいいからな……私は気にしない」
兄「……そうか」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:26:35.77:VVy5aux30
兄「……」スピー
妹「……兄さん、本当に寝たのか」クス
兄「……」グラッ
妹「っとと」ギュッ
妹(……こ、こんな近くに兄さんの寝顔が……)
妹(普段から精悍な顔つきをしているが……寝ている時も、あまり変わらないのだな)
妹「……そーっと……」ドキドキ
妹(って。な、何をしようとしているんだ、私は……!)カァア
妹(全く、洒落になら――)
ガタンッ
妹「っ!?」チュッ
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:31:59.46:VVy5aux30
妹「――!!」バッ
妹(やってしまった……)
妹(頬に当たった、のか。口同士じゃないだけ、良かったのか……)
妹(少し残念な気はするが……)
妹(いやいや、駄目だ私! そんな事を考えてはならない!)ブンブン
妹(兄さんも、気づいて無いようだしな……)チラ
兄「くかー……」
妹「……はぁ」
妹(降りる駅まで、後三駅、か……)
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:36:58.83:VVy5aux30
兄「ふぅー、見えてきたぞー」テクテク
妹「わざわざ言わなくても分かっているさ、兄さん」
兄「いやなぁ、混み合う電車に揺られてその上長い坂を歩き登ってくるとだなあ」
妹「その気持ちは分からないでもないけど……それにしたって、ほぼ毎日している事だろう」
兄「そうなんだが、今日は妹と一緒だしな」
妹「そんなに特別に感じる事かい?」
兄「あっはっは、そりゃそうだ。お前さえよけりゃ、毎日こうしたい物だぞ?」
妹「そ、そうなのか……それなら……」
兄「ん?」
妹「私も……兄さんさえ良ければ、一緒に来たいと思っていたし……」モジモジ
兄「なにっ、それは本当かぁ!?」ダキッ
妹「わっ!? きゅ、急に抱きつかないでくれ、兄さんっ!」カアァ
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:42:34.25:VVy5aux30
兄「嬉しいぞぉ、お前もそんな事を考えてくれてたなんてなぁー!」ワシャワシャ
妹「か、髪! 弄らないでくれっ、人も見ているんだぞっ!?」バタバタ
兄「はっはっは、いや嬉しさのあまり動転してしまった」
妹「全く……場所を弁えろと言ったばかりだろう……」ハァ
男「まーったく仲がいいなあお前ら」スタスタ
兄「おうチビじゃないか」
男「うるせぇ木偶の坊。朝っぱらから面白い物を見せ付けてくれるな」
妹「ふう……おはようございます、男先輩」
男「おはよう。こいつのシスコンっぷりはどうだ? 面倒くさくないか?」
妹「あはは……慣れてますので」
兄「シスコンとはなんだシスコンとは」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:47:24.73:VVy5aux30
男「誰が何と言おうとシスコンだぁなお前は」
兄「なぁんだとぉ? それならお前は女たらしだな女たらし!」
男「やれやれ、これだから理解に欠ける童貞は困るんだ」
妹「ど、どうて……」
男「ごほん。とにかく、俺はたらしじゃない。
ま、彼女一人作れないお前には分からないだろうが?」
兄「かー、たらしの気持ちなんて分かりたくないね!」
妹「まあ確かに兄さんは女心の理解には疎いですね」
兄「んなっ」
男「だろう? 妹さんにもそう言われてちゃ世話無いわな」
兄「妹……本当か?」
妹「事実だよ、兄さん。ま、頑張りなよ」
兄「なんてこった……」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 16:54:13.08:VVy5aux30
妹「それじゃあ、私は校舎が違うのでこれで」
兄「おーう……」
男「ああ、元気で」フリフリ
男「……いつまで肩落してるつもりだ、お前は」
兄「分かってるけどよー、ショックな物はショックだぞ」
男「仕方ないだろう、お前は童貞だし」
兄「うるさいな、全くなんなんだお前は?
なんでお前にはそんな女の子が引っ付いて来るんだ」
男「なんだ? 分けて欲しいのかよ」
兄「そんな訳無いだろう」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:01:32.12:VVy5aux30
男「そうだよなぁ、お前には妹さんがいるもんなぁ」ニヤニヤ
兄「一々うざったい奴だなお前は!」
男「はいはい……ったく、少しは頑張ったようだが、まだまだだな」
兄「うん? なんの話だ?」
男「なんでもなーい。ほら、行くぞ」テクテク
兄「あ、ちょっと待てって!」テクテク
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:06:02.89:VVy5aux30
兄「そういや、お前は彼女と一緒に登校はしないのか?」
男「学校も違うのにどうやって」
兄「なんだ、違うのか……とうとう他校の生徒にまで手を出したのか」
男「バイト先が同じだった。それだけだろ」
兄「かぁ、呆れた奴だ。今度は何年持ちそうだ?」
男「知らん。こちらとしては何年も持ってほしいもんだよ」
兄「ほーう……」
男「……何を勘違いしてるか分からんが、俺は今まで付き合ってきた女性に別れ話を持ち出したことは無いぞ」
兄「そうなのか……あー、お前、それって」
男「……なんだよ」
兄「……お前も恋愛下手なんじゃ」
男「ほっとけ童貞」
兄「余計なお世話でしたねはっは!」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:12:21.80:VVy5aux30
――昼休み
兄「よぉーし飯だ」スタスタ
男「今日も妹さんの愛妻弁当か?」
兄「ははん、羨ましいか? ……お前のは随分豪華だな」
男「彼女が料理好きでな。休日は家に遊びに行って料理を教えてもらってるんだ」
兄「お前はなんという――」
妹「……兄さん方、ちょっといいかな?」
兄「おお? どうした、妹」
男「oh……」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:19:08.94:VVy5aux30
妹「いや……私も一緒に、昼食を取りたいと思ってね」
兄「なんだって!? ……男、構わないか?」チラ
男「……ん。ちょっと用事を思い出した。二人で食ってていいぞ」スタスタ
兄「……ああ」
男「はは……後でアイスでも奢って貰うからな」
兄「勿論だ」
妹「……うん? 何の話をしているんだ?」
兄「なんでもないさ……それじゃ、食べるか」
妹「そうだね、そうしよう……」ギュッ
妹「え?」
兄「着いてきてくれ」スタスタ
妹「な、兄さん、何処へ――!」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:24:52.46:VVy5aux30
――屋上
兄「今日は晴れてていい天気だな!」
妹「こ、此処につれてきたかったのか……」キョロキョロ
兄「ああ、昼飯を食べるにはもってこいだ」
妹「……しかしいいのかい? 男先輩は……」
兄「いいんだ。あいつは気にすんなって」
妹「そうか……まあ、私も……」
兄「うん?」
妹「な、なんでも無いさ。さあ、早く食べよう?」
兄「おう、そうだな!」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:29:43.01:VVy5aux30
兄「んむ……やっぱりいつ食べても妹の弁当は美味しいな!」モグモグ
妹「よしてくれ兄さん。もう一年以上食べているじゃないか」テレテレ
兄「けど、最近お礼言ってなかったしな。感謝の気持ちを改めると言う事で」
妹「そ、そうかい……まあ、言われて嬉しい事は嬉しいのだけどね……」
兄「なら何度でも――」ブオッ
兄「うおっ、風が!?」
妹「兄さん、ハンカチが飛んでいったよ」
兄「うおお、妹にもらった大事なハンカチがぁー!」
妹「やれやれ……弁当、見ていてくれ。拾ってくるよ」
兄「す、すまない妹……」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:36:45.09:VVy5aux30
妹「ふぅ……風が強いな……よっと」ヒョイ
妹「……結構、しわしわになっているな」パサパサ
妹「誕生日プレゼントにあげてから……何年、経ったかな……」
妹「兄さん……」ギュッ
兄「妹ー、取れたかー?」
妹「ああ、取ったよ。今戻――」ブオッ
妹「るッ――!?」バサァ
兄「――!?」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:42:19.91:VVy5aux30
妹「っ!」オサエオサエ
兄「あ……えっと」
妹「……!!」ジィッ
兄(うわあ……凄い泣きそうな顔してる……)
妹「……」テクテク
兄「……」
妹「……はい」
兄「……ありがとう」
妹「……見えた?」
兄「……白なんだな」
妹「――~~!!」カアアッ
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:48:02.37:VVy5aux30
妹「ま――まったく、兄さんは度し難い人だな!
も、もう少し言葉の選びようくらいあるんじゃないか!?」
兄「そんな事言われても、見てしまったものは仕方ない」
妹「は、鼻の下を伸ばさないでくれっ! こ、この変態!」
兄「そ、そんな怒らないでくれよ……減るものじゃないだろ」
妹「減るんだよ、女として大事な物がね……」
兄「そうなのか?」
妹「全く……本当に分かって無いな、兄さんは……」
兄「す、すまない……」
妹「……こほんっ。まあいいさ。
見てしまったものは仕方ないと言うのは事実だからね。今回は水に流して――」
兄「……白、かぁ……」
妹「聞いてるのかいっ!?」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:54:22.33:VVy5aux30
兄「ただいま」
男「おう、どうだった」
兄「――なんて事が」
男「ああ、そういう経験。俺も昔は――」
兄「止めろ言うな! あの経験を俺は記憶に焼き付けておきたいんだよ……!」フルフル
男「……まあ良かったな童貞くん。嫌われないように頑張れよ」
兄「ああ、そうだな……それだけが重要だ」
男「ま、あの子に限ってそれはまず無いだろうがね」
兄「いやぁどうだか。妹の言うとおり、俺はまだまだ知らないことがたくさん――」
男「……やれやれ」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 17:59:00.49:VVy5aux30
――放課後
男「さぁてと、じゃあな兄」
兄「おう、部活かー?」
男「いや、これから彼女の家に」
兄「はぁ、そうですか。さっさと行ってこい!」
男「はいはい……おう、お客さんだぞ」
兄「なに?」
妹「やぁ、兄さん」
兄「おう、どうした? 今日は部活だったような……」
妹「顧問の先生が出張でね、休みになったのさ」
兄「ほー、そうか。それなら……」
妹「……ああ。今から帰るところ、さ」ニコリ
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 18:03:47.49:VVy5aux30
兄「なんだか今日は長いこと妹と一緒に居た気がするなぁ」テクテク
妹「とは言っても登校、昼食、下校を一緒にしただけじゃないか」
兄「そうだけどさー」ニコニコ
妹「……まあ、楽しそうでなによりだよ」クス
兄「お前は? 嫌だったか?」
妹「そう言う事は直接聞くものじゃないだろう」ムス
兄「そ、そうなのか。うーむ……」
妹「……全く」
妹「楽しくない訳、無いじゃないか」ギュッ
兄「おうわっ!? ど、どうした妹、そんな引っ付いて――」
妹「なあに、いつも兄さんがやっている事じゃないか」ニヤニヤ
兄「お、俺はこんなことしてないぞ!? いいから離れたらどうだっ!?」アセアセ
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 18:22:29.13:VVy5aux30
――自宅
兄「どっと疲れた……まさか電車の中でもくっ付かれたままだとは」
妹「ふふ、今まで引っ付かれていた分は払ったかな」
兄「なんだかんだで……人目を気にしないのはお前のほうじゃないか?」
妹「そ、そんな事ないさ。血を少しだけ引き継いだんだろうね」プイ
兄「そうかぁ? だって肩に頭をのせて寝ようと――」
妹「なっ、く、口にしないでくれ! 恥ずかしいだろう……」カァア
兄「人が少なくなって車両が空いてくると膝に頭を――」
妹「――~~! してない、してない!
それは間違いだよっ! 兄さんの記憶がおかしいだけだっ!」バタバタバタ
兄「……行ってしまった。言いすぎだったのか……?」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 18:28:00.89:VVy5aux30
バタンッ
妹「ふぅ……」ドサッ
妹「全く、失敗だったな……あんな大胆なことはするべきじゃなかった……」
妹「……兄さん、なんだかんだで抵抗しないんだもの。
頭のせた時も、撫でてくれたし――」
妹「……っ。やめだやめだ。今後はあんな軽率な行動は控えよう……」ヌギヌギ
妹「さてと、今日の部屋着はこれとこれ……」
ガチャ
兄「妹、さっきは――」
妹「――」
兄「……え」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 18:34:06.50:VVy5aux30
妹「……」
兄「……」ジロジロ
妹「……兄さん」ギュッ
兄「あ、ああ?」
妹「何をぼさっと突っ立っているんだ……!?」フルフル
兄「あ、いや――」
妹「出て行ってくれっ!!」
兄「お、おうっ!」バタンッ!!
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 18:40:13.82:VVy5aux30
――
兄「……あーうお」
兄「あれから妹に一時間説教をくらい……いつもより少ない夕食を食べて……」
兄「……心なしかいつもより寒い風呂に入って」
兄「ううむ――凄まじい一日だった」ボフッ
兄「はぁ……下着姿で服をぎゅっと抱きしめる妹、可愛かったな……」ポツリ
トントン
兄「ん?」
妹「兄さん、ちょっといいかい」
兄「ああ、大丈夫だ」
妹「失礼するよ……」ガチャ
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 18:46:55.87:VVy5aux30
バタン
妹「……今のが、正しい訪問の仕方だよ」
兄「そ、それを伝えに来たのか……!?」
妹「違うよ……えっと……」
兄「あ……ベッド、座るか?」スッ
妹「……立たないで」
兄「え?」
妹「……隣に座らせてほしいと言ったんだ。いいかな?」
兄「え、あ――ああ、分かった」
妹「……よっと」ギシッ
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 18:52:05.86:VVy5aux30
兄「それで、何の用だ……?」
妹「ふふ、性急だね……そんなに知りたいのかい?」
兄「んー? なんだ、何の用も無いのか?」
妹「だから違うって……」
妹「さっきのことで、少し……」
兄「さっき、と言うと」
妹「……兄さんが急に部屋に入ってきた時のことだよ」
兄「あぁ……」
妹「……わざとじゃないんだろう?」
兄「あ、当たり前だろ!? あれは、タイミングが悪かっただけで」
妹「……ああ、そうだね」
兄「……妹?」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 18:58:03.32:VVy5aux30
妹「少々、言い過ぎたかなと思ってね。
考えてみれば、兄さんは謝罪する為に来てくれたんだ。
その元々の原因も、言わば私にあるようなものだったし」
兄「そ、そりゃそうだけど、見てしまったのは事実だし……」
妹「そうだね。けれど、私だけが一方的に兄さんを責めるのは良く無いと思ったんだ。だから」
兄「……だから?」
妹「お詫びをさせてほしい」
兄「……お詫びだって?」
妹「ああ。なんでも構わない、出来る限りのことはする……それがお詫びだ」
兄「……えーと、本当にいいのか?」
妹「ああ……勿論、何をさせるかは兄さんの良識次第だが、ね」
兄「……それじゃあ」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 19:04:15.61:VVy5aux30
――
妹「……なあ兄さん」ジィッ
兄「くおおおおおお……膝枕される妹ッ……可愛い、可愛いぞ妹……!!」フルフル
妹「……聞いているのか?」
兄「お、おう、なんだ妹」
妹「いや……“さっきみたいに甘えてほしい”って……これで本当にいいのか?」
兄「当たり前だろー? 俺はもう望むことは何も無いぞ!」ナデナデ
妹「っ……これじゃあ、お詫びにならないじゃないか……」
兄「うん? なんか言ったか?」
妹「……なんでもないっ……」プイ
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 19:36:18.72:VVy5aux30
兄「あーもう妹は可愛いなあ……!」
妹「そ、そう何度も繰り返さないでくれ……か、勘違いしてしまうだろう……?」カァアア
兄「うん? 勘違いなんかじゃないぞ?」
妹「え……?」
兄「妹は可愛い。絶対に可愛い! 俺が保障してやる、だから自信持っても大丈夫だ!」
妹「そ……そうじゃ、ない……」
兄「いや、だからお前は――」
妹「……兄さんの、ばか」スッ
兄「あれ? 妹?」
妹「お詫びはおしまいだよ……もう、寝よう」
兄「ん……そうか、また明日なー」
妹「……おやすみ」バタン
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 19:42:22.63:VVy5aux30
――翌日
兄「よぅっし、今日は早く起きれたぞ!」
兄「妹、一緒に――」
兄「ってあれ……? 妹? いないのか……?」
兄「ん、これは……」
“先に行っています。お弁当も作っていないので購買に行ってください。妹より。”
兄「さ、先に行ったのか……」
兄「……一緒に行く予定、だったんだけどな」ポリポリ
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 19:49:06.41:VVy5aux30
――坂
男「よう、一人か」
兄「お前か……」
男「なんだ、元気ないな。今日は妹ちゃんと一緒じゃないのか?」
兄「まあなー……」
男「……さては、喧嘩でもしたんだろう」
兄「そんなんじゃない、筈……」
男「筈って何さ」
兄「いや、俺にもよく分からないんだよ」ポリポリ
男「……まあお前だからな」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 19:55:11.54:VVy5aux30
兄「うーん……どうしたもんかなー」
男「ん……おい、兄」トントン
兄「うん? なんだよ」
男「あれ」
妹「……」
兄「い、妹!?」
男「ほほう……」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:03:07.46:VVy5aux30
妹「おはよう、兄さん。おはようございます、男先輩」
男「ああ、おはよう」
兄「お前、なんでここに……」
妹「お金」チャラ
兄「え?」
妹「購買用の。まさか一銭も持っていないとは思ってないが、念のためね」
兄「あ、ありがとう……」
妹「じゃあ」タッタッタ
兄「あ、おい!? ……そんな、走っていかなくても」
男「……ふうむ」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:10:39.90:VVy5aux30
――昼休み
兄「妹こねえええええ……」
男「今までだってそうだったろ」モグモグ
兄「そりゃ、そうだけどさ?
昨日色々あったおかげで、大分距離が近付いたと思ってたんだけどなぁ」
男「全部勘違いだったと」
兄「そんな馬鹿な……これからは一緒に登校するって約束もしたんだぞ?」
男「はぁ……昨日の今日でその有様って、お前一体何したんだよ」
兄「俺だってわからねぇよ……」
男「本当、無意識にどっかでミスしてんだろうな……」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:16:33.60:VVy5aux30
兄「あーあー、妹……妹……」
男「……うだうだ言ってないで、原因を考えろ」
兄「そうは言ってもなー」
男「昨日、帰ってからだな……何があった? おかしなことは無かったか?」
兄「昨日……? うーん、着替え中に扉開けちゃってこっぴどくしかられたけど」
男「なんだそりゃ」
兄「まあ、色々あってな……その後少し話したし、それが原因ではないと思うんだが」
男「ふうん……」
兄「他におかしな所は……寝る前、か」
男「寝る前ねぇ」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:22:18.58:VVy5aux30
兄「話をしてたんだが、寝る時になると随分冷めた感じになってな。
それまではなんか恥ずかしげだったのに」
男「恥ずかしげ……お前、一体何の話してたんだよ」
兄「何のって言われてもな……俺は可愛いって言ったんだ」
男「はぁ、まあ確かに可愛いなあの子は」
兄「そしたら、勘違いしてしまうだろう? って恥ずかしそうに言うのよ」
男「……で、お前はそれになんて応えたんだ」
兄「いや、あいつ可愛いだろ。だからそれは間違ってない、自信持っていいみたいなことを言ったんだ」
男「……それで?」
兄「急にお終いって言われて、おやすみした」
男「……この、大馬鹿野郎」
兄「妹にも言われたなそれ……」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:28:14.63:VVy5aux30
男「なあ兄。お前は妹さんの事どう思ってるんだ?」
兄「どうって。好きに決まってるだろ」
男「そうか。それは男としてか、兄としてか」
兄「どちらもだ……いや、きっと男として好きなんだろうな」
男「そうだろうそうだろう。そうやって自分の気持ちに正直になれるのがお前の長所だ」
兄「なんだよ気持ち悪いな」
男「でも、だな。お前は妹さんが言うように、女心を全然分かって無い」
兄「……そうなのか、やっぱり」
男「俺が思うにだな――」
男「妹さんは、お前と同じ事をお前に対して思ってるよ」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:34:39.67:VVy5aux30
兄「は……え?」
男「妹さんもお前のことが好きだってことだよ。
じゃなきゃ勘違い云々なんて可愛いこと、絶対に言わないさ」
兄「そう……なのか? 妹も俺のことを……?」
男「お似合いだよ全く」
兄「じゃ、じゃあ……やばい、じゃないか! このままだと俺は嫌われて――」
男「落ち着け。まだ決まった訳じゃない。
それに……妹さんがそんな事でお前を見限るような子だと思うか?」
兄「妹は……今まで何をしても、許してくれた。俺だから、なのかもしれないけど……」
男「妹さんはまだお前のことを完璧に嫌った訳じゃないだろう。
約束したのに先に家を出たことを後悔してるかもしれないな」
男「でも……きっと不安にはなってるだろうな」
兄「不安?」
男「このままお前のことを好きでいていいのか、ってな」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:40:16.48:VVy5aux30
兄「……」
男「兄妹同士だからなあ。妹さんは結構……そこらへんを、気にしているかもしれない」
兄「……世間の目とか、結婚出来ないとか、か」
男「ああ。お前は全然気にし無さそうだけどな」
兄「当たり前だろ……俺は妹が好きなんだ」
男「そう堂々と言えるお前が羨ましいよ……」ハァ
男「いいか、兄。チャンスは次、妹さんと話をする時だ」
兄「ちゃ、チャンス?」
男「ああ。お前の思いを妹さんにぶつけてやれ。下手をこくなよ。
ちゃんと、男として妹さんが好きだって言ってやるんだ。そうすれば……まあ、後はどうにかしろ」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:46:22.29:VVy5aux30
兄「お、おう……」
男「まあ俺から出来るアドバイスはこのくらいだぁな」
兄「はぁ……今だけお前のことを尊敬してやってもいいかもしれない」
男「よせやい、そう言う事は童貞卒業してから言え」
兄「童貞……かぁ」
男「ははん、妹さんとの予行妄想は済んでるか?」
兄「……あ、当たり前だろう」
男「本当かよ。精々頑張れよ。明日お前がどんな顔して学校に来るのか楽しみだ」クツクツ
兄「……男、ありがとうな」
男「やめろって。ま、昨日の分合わせて、またいつか奢って貰うとするよ」
兄「ああ、たんとご馳走してやる」
男「そりゃあ楽しみですね」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 20:52:17.29:VVy5aux30
――放課後、坂
兄「……やっぱり妹は来ない、か」
兄「……一人で帰るのは、慣れてる筈なんだがなー……」テクテク
妹“……まあ、楽しそうでなによりだよ”
妹“そう言う事は直接聞くものじゃないだろう”
妹“楽しくない訳、無いじゃないか”
兄「妹……」
兄「……やるしかないよな」
兄「もし、全て失敗に終わっても」
兄「自分の気持ちだけは、嘘つかないようにしたいしな……」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:11:49.21:VVy5aux30
――
兄「ただいまー」
妹「……おかえり、兄さん」
兄「ああ……帰ってたのか」
妹「うん。本当は、一緒に帰りたかったのだけど……」
兄「……俺とか?」
妹「……そうだよ。よく、分かったね」
兄「まあ……な」
妹「……なあ、兄さん」
兄「うん?」
妹「ごめんね、約束破ったりして」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:17:47.58:VVy5aux30
兄「な……いいんだ、気にするなそんな事」
妹「私から取り付けた約束を、私が身勝手な理由で破ったんだよ……気にしない訳、無いだろう」
兄「……身勝手な理由?」
妹「ああ……はは、おかしな話だけどね、私はある言葉を望んでいたんだ」
兄「……!」
妹「それは元々埒外に無理な言葉だった。兄さんが言わないのは、まあ、当たり前だったのだろうね。
でも、私は要求の通らない子どものように……拗ねて、兄さんとの約束も、破ってしまった」
兄「……妹」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:24:27.22:VVy5aux30
妹「何を言ってるのか、分からないよね? ごめんね。でも、もういいんだ」
妹「はは……こんなんで、その言葉を望むなんて……滑稽なことだよ、全く」
妹「明日からは、これまで通り――」
兄「――妹っ!」ギュウッ!
妹「えっ、に、兄さんっ!? いきなり、どうしたんだ……?」
兄「……俺こそ、ごめん。お前の望んでいた言葉を言えなくて。
お前の気持ちが分からなくて、本当に……」
妹「え……何を、言ってるんだい、兄さん……?」
兄「……今なら、言える筈だ。お前の望んでいた言葉が」
妹「な――」
兄「お前は、勘違いなんかしていない……!」
兄「俺はお前が好きなんだ。
好きだから可愛いって言うんだ。お前のことが……大好きなんだよ!」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:30:11.75:VVy5aux30
妹「そん……なっ……嘘……だよね、兄さん」
兄「嘘な訳あるか。全部本当だ。男としてお前が好きなんだ」
妹「でも……私は兄さんとの約束を破ってしまった。折角一緒に行こうと言ったのに、あんなに冷たくして――!」
兄「……俺がそんな事で、お前を嫌いになると思ってるのか?
大体、お前だってそうじゃないか」
妹「え……」
兄「俺がお前の望む言葉を言えなくて、冷たくした時も……お前は、俺のことを好きでいてくれたんだろ?
どうあっても、許してくれるつもりじゃなかったのか?」
兄「お前は……そういう奴だろ」
妹「……ッ!!」ギュウッ
兄「……好きだよ、妹」
妹「私、も……」カアァア
妹「好き、だよ……兄さんッ……!」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:36:42.36:VVy5aux30
兄「……はぁあ……妹の体は、柔らかいな……」
妹「……落ち着いた途端、言う言葉がそれかい?」
兄「嫌か?」
妹「……ふん。そうやって、答えが分かってるくせに質問するのは、やめてほしいものだね……」ブツブツ
兄「……いや、分からない」
妹「……はぁ。腐っても兄さん、か……」
兄「す、すまない」
妹「……嫌な訳無いだろう」ギュッ
兄「……妹ぉ……」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:40:45.47:VVy5aux30
妹「ところで、兄さんは……躊躇いとかは、無かったのかい?」
兄「何の話だ?」
妹「私を好きになる時……兄妹だから、とかそう言う所の……」
兄「いや……好きな物は好きだし、一切考えなかったな」
妹「兄さんらしいね……一般的に考えると少しおかしいのかもしれないが」
兄「心配しなくても、お前は絶対幸せにしてやるからな」
妹「そ、そういう単語を真顔で言えるのも兄さんらしいよ……全く」
兄「それは男にも言われた気がするなぁ」
妹「そうか……もう一つ、聞きたいのだけど」
兄「うん?」
妹「わ、私と……エッチなことをする事は……考えて、いるのか?」カァアア
兄「」
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:48:18.49:VVy5aux30
兄「そそ、それは、えっと、まだ早いんじゃ……!?」
妹「は、早いとか早くないとかを聞いているんじゃないんだ! か、考えた事はあるのかを、聞いているんだ!」
兄「そ、そりゃ……あるよ」
妹「……そ、そうかい……」
兄「……お前は?」
妹「え!? わ、私かいっ!? そ、それを言うのは、ちょっと憚られると言うか、そもそも私女だし……」
兄「あ、そうか……言いたくないなら言わないでも」
妹「なぁっ……わ、分かったよ、言えばいいんだろう?」
兄「いや、いいぞ? そんな無理しなくても……」
妹「う、うるさいな兄さん! 私だって兄さんを想って自分を慰めたことくらいあるさ!
兄さんの好きな体位とか、プレイとか研究しようと――」
兄「も、もういい、もういいから」
妹「えっ……そ、そうかい。そうだよな……」ブツブツ
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:53:33.65:VVy5aux30
兄「……いやまさかそこまでとは……」
妹「お、お互い様、だろう……?
兄さんだって、私の下着を持っていったことはあるんだし」
兄「あ、ばれてたのか!?」
妹「当たり前だ……私はそこまで鈍くない。兄さんは気付かなかったようだが――」
兄「気付かなかった?」
妹「あ、いや、なんでもない」
兄「はぁ……ばれてたのかぁ……」
妹「ああ……そういう面で、お互い様だからな」フンス
兄「……そうみたいだな」
妹「……な、なあ、兄さん?」
兄「うん?」
妹「キス――して、みないか?」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 21:59:58.67:VVy5aux30
兄「き、キスかあ……」
妹「やましい気持ちがある訳ではないよ?
せ、折角恋が実った訳だし……そういう事は、経験しておくべきだと思うんだよ」
兄「そうは言っても……お前がしたいだけなんじゃ」
妹「そ、それは、その通りなのだけど……に、兄さんはしたくないのかい?」
兄「……いや」ギュッ
妹「んっ……に、にいさ」
兄「ずっと、してみたかった」チュッ
妹「――っ!!」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 22:05:11.97:VVy5aux30
兄「……は、ぁ……っ」スッ
妹「はぁ……はぁ……」
兄「こ、これが、キスか……」
妹「……ずるいな、兄さんは……」
兄「ずるい……?」
妹「こ、こんな不意打ちみたいなキス、されると……」
妹「どきどき、して、しまうだろう……?」
兄「――い、妹っ……!」
妹「ああ、兄さんっ……もっと……!」
兄「分かってる……何度でも、してやるっ」
妹「んっ……!」ギュウウッ
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 22:10:17.43:VVy5aux30
兄「っ……これで、何回、した?」
妹「さあ、ね……何回でも、してもいいよ」
兄「そ、それは……ありがたい、けど」
妹「けど……?」チラッ
兄「あ、見るなっ」
妹「ほほう……いいね、兄さん、分かりやすくて……」
兄「な、何言ってんだ馬鹿!」
妹「馬鹿とは酷いな……兄さん」
妹「私と、キスして……興奮してしまったんだろう?」
兄「――っ!!」
妹「ふふ……仕方ないなあ、兄さんは……」
兄「お、お前は、どうなんだよ……?」
妹「私? 私、は……」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 22:16:29.56:VVy5aux30
妹「手を、貸して……」
兄「え……」スッ
妹「……」
ムニッ
兄「なっ……!?」
妹「どうだい、兄さん……」
兄「ど、どうって、体躯に相応しい小ささ――」
妹「……そうじゃなくて。私の心臓が動いてるの、感じるかな……?」
兄「……あ、ああ」
妹「……このくらい、私はどきどきしてるよ。兄さんと、一杯キスして……」
妹「やましい気分に、なってしまったんだよ……」ニコ
兄「……っ」ゾクゾク
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 22:54:48.67:VVy5aux30
妹「……やましい気分、ね。えっちな気分と言い換えたほうがいいかな」
兄「……どっちも、同じようなものじゃないか?」
妹「そうだけど……えっちな気分と言った方が、興奮しないかい?」
兄「……」ビクッ
妹「ふふ……どうやらこちらが、代わりに反応してくれたようだね……」サス
兄「お、おい触っちゃ……」
妹「……なあ、兄さん。私としたいと思わないかい?」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 23:03:07.53:VVy5aux30
兄「そ、それは……」
妹「お互い好きと言い合えた今。兄さんは私を自由にする権利を得たんだ」
妹「この小さな胸を、お尻を、自由にする権利」
妹「誰にも見せたことの無い、私の秘所を自由にする権利」
兄「……」
妹「勿論私も、兄さんの望むことなら出来る限りしてあげたい。
当然だ、兄さんのことが大好きなのだから」
妹「……私は精一杯兄さんを気持ちよくしてあげようと思ってるんだ。
経験は無いし、下手だとは思うけど、それでも色々勉強したんだよ……」
妹「なあ、兄さん。お願いだ……」
妹「……抱いて、くれないかな?」
兄「……ッ!!」
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 23:09:40.58:VVy5aux30
兄「……分かった」
妹「そ、それじゃあ……!」
兄「ああ……しよう」
妹「兄さんっ……!!」ギュッ
兄「お、おいおい……部屋まで我慢しろよ」
妹「わ、分かってるさ……ただ、少し安心して」
兄「安心?」
妹「ん……断られたら、どうしようか、ってね」
兄「ああ……」
妹「次、こんな事言えるのはいつになるか分からなかったからね……ああ、よかった……」スリスリ
兄「……結局、お前がしたいだけじゃないか?」
妹「ふふ……それはどうかなあ」サスサス
兄「はぁ……さ、行くぞ」
妹「ああ、そうだね」
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 23:15:41.84:VVy5aux30
――兄部屋
妹「よ、っと……」ギシッ
兄「気が早いな……」
妹「ふふ……おいで、兄さん」
兄「あ、ああ……」
妹「さて……制服、脱がせてもらってもいいかい?」
兄「……いいのか?」
妹「ああ、勿論……さ、兄さん」
兄「……分かった」
妹「セーラー服の脱がせ方は、分かるかい? ここを、掴んで……」
兄「こ、こうか」
妹「そう……手が震えているね、兄さん」
兄「うるせっ」
妹「ふふ……私も、どきどきしているから、似たようなものだ」クスクス
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 23:22:21.68:VVy5aux30
兄「よ、っと……」
妹「ん……はぁ、下着、姿だ……どうかな?」
兄「う、おおおう……」ムラムラ
妹「この前も見られてしまったが……いやはや、こんな形で見られることになるとはね」
兄「……想定していた事態じゃないのか?」
妹「ん、まあ、そうなんだけど……下着も、取る?」
兄「……ここはあえて残そうかと」
妹「……えっち」
兄「う、うむ……今のは来た」
妹「ふふ……もうここは我慢出来そうに無い訳か」ナデ
兄「っ……い、妹……」
妹「ああ……今、脱がしてあげるよ……」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 23:30:13.97:VVy5aux30
妹「こういうズボンなら穿いた事あるから、脱がせやすいものだね……」カチャカチャ
兄「そんなものか?」
妹「そんなものさ。兄さん、腰を」ズリズリ
兄「ん……」
妹「よいしょっ……ふふ、凄いな……パンツがしみだらけじゃないか」ツンツン
兄「う、くっ……」
妹「……ふう。脱がすよ、兄さん」
兄「……一思いにやってくれ」
妹「……」スーハァー
妹「えいっ」ズルッ
妹「っ……こ、これが……兄さんの……」ボー
兄「そんなまじまじと眺められても困るぞ」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 23:36:29.35:VVy5aux30
妹「はぁ……凄いのだな……動画のとは全然……」
兄「動画って……」
妹「い、いや。モザイク有りと無しだと大分……」
兄「あー分かった分かった。分かったから……えっと……」
妹「……ふふ。何がして欲しいんだい、兄さん?」
兄「そう……だなあ……」
妹「前戯、と言う物は大切だそうだから、早速本番と言うのは無しだよ? それ以外なら……口でも、胸でも……」
兄「じゃあ、手で擦ってくれるか……?」
妹「そう……いいよ、兄さん。してあげる」クス
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 23:44:41.39:VVy5aux30
妹「ん……熱い、な……」ギュッ
兄「や、優しく頼むぞ」
妹「ああ……えっと……」シュッシュッ
兄「そ、そう……そんな感じ……」ピクッ
妹「そう……か、ふふ……コツはつかめたぞ……」シュッシュッ
兄「は、早いな……う、うっ」
妹「気持ちいいかい……兄さん……?」シコシコ
兄「ああ……凄い、手がすべすべで……」
妹「ん……先っぽから、汁が……」
兄「あ、ああそれは――」
妹「……なめてあげるよ」ペロッ
兄「んああっ!?」ビクンッ!
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/18(木) 23:51:32.80:VVy5aux30
妹「ん、やはり苦いな……そんな気持ちよかったのかい?」シコシコ
兄「で、電流が走った……」
妹「そうか……なら」シュッ
妹「もっと、舐めてあげるね」チュプ
兄「ちょ、まっ――!」
妹「れろれろ……」シュッシュッ
兄「く、ああっ……!?」ビクビクッ
妹「ふふ……どんどん、出てくるね……れろぉ」
兄「あぁ……妹、まずいって……」
妹「なにがだい……? もっと、気持ちよくなってくれよ……ん、ちゅ」ジュルルッ
兄「す、吸うなぁっ……!」ビクッ
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 00:00:45.90:7EoYm/+G0
妹「ちゅぽ、ちゅぽっ……れろ……」ジュルジュル
兄「はぁっ……い、妹……もう、出そう……!」ビクッビクッ
妹「ぷは……いいよ、出してくれ……私の口に……」
兄「なっ……そ、それは……!」
妹「出せない理由があるのかい? それとも他に出したい場所が……」シュコシュコ
兄「いや、だって……口だと、汚いだろ……」
妹「……」ギュッ!!
兄「あぐうっ!?」ビクンッ!
妹「兄さん、勘違いしているね……私は兄さんだったらなんでも受け入れてあげたいと思っているんだ」
妹「きっと気持ちいいよ?
私の口の中に、びゅくびゅく精液を出すのは……」ゴシゴシ
兄「い、妹……!」
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 00:09:44.41:7EoYm/+G0
妹「出そうなんだろう? 兄さん……私がこの手を離せば、今にも射精してしまいそうな程に」
兄「あ……ぅあ……」
妹「一言、言ってくれればいいんだ……“私の口に出したい”って。そう言ってくれれば兄さんは気持ちよくなれるんだ」
兄「はぁ……はぁ……」
妹「さあ……兄さん。言ってくれよ。悪い話じゃないだろう……?」
兄「……俺、はぁ……」
妹「うん……っ」ゾクゾク
兄「妹の口に、出したいっ……だから、手を離してくれっ……!」
妹「よく、出来ましたぁ……んむっ!」ジュルルルッ!
兄「う、あ、あっ――で、出るッ!!」ビュルルッ!!
妹「ん……ん、ぐっ……!」ゴクッ
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 00:17:24.09:7EoYm/+G0
兄「くああっ……はぁ……はぁ……っ!!」ドクンドクン
妹「ん……んくっ……」ゴクッゴクッ
兄「ふぅ……っ、大丈夫か、妹……?」ブルッ
妹「んぐ……けほ。凄いね、精液と言う物は」
兄「そ、そうか?」
妹「ああ……とても濃くて、ねばねばしていて、喉に絡まりつくようだった。
よくもまあこんな物を、世の中の女の人たちは飲めるなと思うところなのだけど」
兄「……なのだけど?」
妹「……不思議なものだね。兄さんの物だと思うと、そう辛くは無いんだ」
妹「これもひとえに、兄さんが好きだからなのだろうね」ニッコリ
兄「――い、妹ぉっ……!!」ビキビキ
妹「な……もう、復活したのかい? 凄い精力だな……」
兄「妹っ!!」ガバッ!
妹「な、ちょっ、にいさんっ!?」ドサッ!
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 00:25:43.99:7EoYm/+G0
兄「はぁっ……はぁっ……!」
妹「に、兄さん落ち着いてくれ、次は――んああっ!?」ビクッ
兄「はぁあっ……妹の、おっぱい……」モミモミ
妹「そ、そんながっつかないで、もっ……ひんっ!?」
兄「じゅぱっ、れろ……ちゅうっ、れろれろ……」
妹「だ、だめだって、乳首を、そんな風にしたらぁっ……!」ビクビク
兄「ん……っ!」ズルッ
妹「あ……ぱ、んつ……」
兄「はぁ……これが、妹の……」ハァハァ
妹「そんな、じろじろ見ないでくれよ……っ」カァアアッ
兄「……れろっ」
妹「ひぁっ!?」ビクンッ!
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 00:33:44.41:7EoYm/+G0
兄「れろ……じゅる、じゅるっ……!」
妹「あ、ぁっ、やぁっ、にいさ、んんっ……!」ビクビクッ
兄「はぁ……妹の、ここ……美味しいよ……」ジュルジュル
妹「もう、ら、めっ……にいさっ……!」ビクッ
兄「……ん、これ……」コリッ
妹「あ、んっ!!」ビクッ!!
兄「ああ、クリトリス、か……凄いな……」コリコリ
妹「あ、あっ、あッ、兄さんっ、わ、たしっ……!」
兄「じゅるっ……」クニッ!
妹「ひッ……ああああっ!!」ビクンッ!!
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 00:42:09.92:7EoYm/+G0
妹「はぁっ……あっ……」ビクンッビクンッ
兄「……す、すっごいな……」
妹「はぁ……はぁー……」ゲシッ!
兄「あいたっ!?」
妹「ま、ったく……なんて事をするんだ、兄さんっ……!」ゲシゲシ
兄「な、なんて事って何の事、いたい、痛いっ!」
妹「妹を強引にイかせるなんて……本当にわかって無いな、兄さんっ!」
兄「で、でも気持ちよかったんだろ?」
妹「そ……それはそうだがっ、ああ言う事はもっと優しくするべきだよ!」
兄「優しく……」
妹「……そうさ。いくら相手が、兄さんだからって、その、乱暴にされるのは……怖いんだ」ギュッ
兄「……悪かった。気をつけるよ」ナデナデ
妹「ん……分かれば、いいんだ」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 00:48:15.91:7EoYm/+G0
兄「……えっと」
妹「ああ……そろそろ、その大きくなってるナニを、どうにかしないとだね」
兄「その……俺、お前と……んっ」ピト
妹「……言わなくても、分かるよ……しようか」ニコ
兄「……ああ」ギシッ
妹「ん……何処行くんだい?」
兄「ご、ゴムを」ガサゴソ
妹「おや……準備がいいんだね」クスクス
兄「う、うるさい! 着けないと色々心配だからな!」
妹「ふふ……ありがとう」
兄「……あった」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 00:55:49.08:7EoYm/+G0
兄「これで、よし……と」
妹「ん……いいよ、兄さん」ギシッ…
兄「ああ……」ドキドキ
妹「挿れる場所は、分かるかい?」
兄「え、えっと……」
妹「ふふ……ここ、に」クパァ
兄「っ!!」
妹「さっき舐めてたのになんで怯えるかな……まあ、私も怖いけど、ね」
兄「な、なあやっぱりこれは――」
妹「……駄目」
兄「……どうして?」
妹「……ここまで、来たんだ。ようやくここまで来れたんだ。
それなのに、もう止めようなんて、許せる訳無いじゃないか」
妹「私は……覚悟、してるんだ。その覚悟を、無駄にさせるつもりなのかい?」
兄「……そうか。そうだな……!」
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:01:44.30:7EoYm/+G0
兄「……挿れるぞ」
妹「ああ……来てくれ、兄さん……!」
兄「……っ」ズッ…
妹「いっ……ん……んっ……!」ギュウッ
兄「痛い、のか……?」
妹「ふっ、ふふ……大丈夫、だよ……兄さんの、好きなように……」
兄「妹……」ズリュッ
妹「はぁあ、あっ……!」
兄「もう、ちょっと……」
妹「ん、ぁあ……兄さん……っ!」ギュッ
兄「く、う……全部、入ったぞ……?」
妹「ふぅ……ふぁ……ああ、そうみたい、だね……」
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:08:07.53:7EoYm/+G0
妹「はぁ……兄さん、キスして……」
兄「あ、ああ……」チュッ
妹「ん……ふぁ……すごい、な……」
兄「っ……何がだ……?」
妹「こうして……兄さんと、一つになれているなんて……夢のようだよ」
兄「はは……俺もだよ……ずっと、こうしたかったんだけどさ……」
妹「兄さん……動いて、いいよ」
兄「ああ……痛かったら、いつでも言ってくれ」
妹「ん……考えとく」
兄「はぁ……っ」ズリュッ
妹「ん、あっ……!」ビク
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:14:06.07:7EoYm/+G0
兄「っ、あ……どう、だ……?」ズリュズリュ
妹「ん……きもち、いいよ……兄さんは、どうかな……?」
兄「言うまでもない、な……」ズリュッズリュッ
妹「はは……そうか……」
兄「一回、強く……」
妹「……ん」
兄「――っ!」ズンッ!
妹「んっ、あっ!」ビクッ
兄「はぁっ……はぁ……!」ズンッ! ズンッ!
妹「あ、あッ、いいよっ、兄さんっ……!」ギュウウッ
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:24:08.38:7EoYm/+G0
兄「く、あっ……想像以上に、やばいっ……!」パンッパンッ!
妹「はぁっ、あっ、はげしっ……んんあっ!」ビクッビクッ
兄「妹……っ!」ギュッ
妹「んっ、う、ん……兄さんっ……!」ギュッ
兄「好きだ……好きだ、妹っ……!」パンッパンッ
妹「や、ぁっ……囁いちゃ、嫌だよっ……!」ビクビク
兄「好きだ! 妹っ! ずっと……離さない、からなっ!」
妹「ん、くっ、ぁっ、私も……好き、だっ、兄さんっ!」ギュウウウ
兄「くおっ……妹、もうっ……!」ズンッ!
妹「ああっ、出してくれっ、私の中で……出してッ!」
兄「う、あっ――うっ!!」ビュクッ!!
妹「んっ――ん、ぁっ……ああ……」ビクンッビクンッ!
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:29:50.70:7EoYm/+G0
兄「はぁっ……ふぅ……」
妹「ん……あっ……気持ちよかった、ね」
兄「ああ……凄いな、これは……」ゴロン
妹「童貞卒業、おめでとう……これでこれから男先輩にからかわれずに済むじゃないか」
兄「とは言ってもな……これからも大分世話になると思うよ」
妹「世話? なんのだい……?」
兄「ああ……ちょっと。今回の件も、アドバイスを貰ってさ」
妹「そうだったのか……」
兄「ああ勿論、お前のことは好きだからな?」
妹「ふふ……一々言わなくても、分かっているさ……」ギュッ
妹「……大好き」チュッ
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:36:54.38:7EoYm/+G0
――翌日
兄「腰痛い」
妹「頑張れ、兄さん……学校までもう少しだ」
男「おう、お二人さん」
兄「ああ、お前か」
妹「おはようございます」
男「ははぁん、なんとかなったみたいじゃないか、ええ?」
兄「おかげさまでな……」
妹「兄さんから話を聞きました。この人の背中を押してくれたそうで……」
男「ああ、いーんだよ。礼ならこいつからたっぷり頂くからな」
妹「そう、ですか」
男「……誰かに言いふらしたりもしないさ。俺だって色々経験してきてるし、お前らの恋が間違ってるとも思わない」
男「でも、ぐだぐだでいいから末永く、な。
中途半端に終わったら、助走つけて顔面にパイ投げしてやる」
兄「……分かってるさ」
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:42:36.45:7EoYm/+G0
妹「……いい人だね」
兄「全くだ」
妹「兄さんも、ああ言う人を目指すべきだね」クス
兄「ううん……どうだか、なあ」
妹「ふふ……心配しなくても、兄さんと別れるつもりなんて無いよ?」
兄「分かってるって」
妹「ん……それじゃ、ここで」
兄「おう」
妹「あー……兄さん」
兄「うん?」
妹「もし、良かったら……今日の放課後も、一緒に」
兄「ああ……昼飯も、一緒にな」
妹「……そうだね」クス
妹「よろしく頼むよ、兄さん!」
おーわり
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:50:21.26:7EoYm/+G0
――翌朝
兄「すかー……すかー……」ゴロゴロ
妹「兄さん、兄さん!」ユサユサ
兄「ん……いもうとぉ……?」
妹「起きてくれ、兄さん。一緒に登校するんじゃなかったのかい?」
兄「ん……ああ!? そ、そうだったな!」ガバッ
妹「少し急いでくれ、兄さん……時間があまり無い」
兄「わ、分かった! とりあえず着替えるから、部屋から出てってくれ!」アセアセ
妹「ああ、分かっている」スタスタ
妹「……やれやれ、世話がかかるな……」クス
兄「いやー、すまなかった!」
妹「構わないよ。急いでくれたおかげで問題なく駅に着きそうだし」
兄「そうかそうか!
いやあ、朝から焦っている妹の姿も見れて、今日は楽しい一日になりそうだなあ!」
妹「……そりゃ焦りもするさ。折角の約束を台無しにしたくは無いからね」
兄「まあ今日じゃなくてもいつでも行けるけどな!」
妹「……やれやれ、分かって無いな兄さんは」ハァ
兄「そうか? 俺は妹に関しては様々な事を知っている筈だが……」
妹「それもまだまだって事さ。さぁ行こうか」
兄「お? おう、そうだな!」
妹「後五分くらいで来るよ」
兄「丁度いい時間に着けたな」
妹「そうだね……なんだかんだで、いつもより早く来れてしまったな」
兄「俺が急いだおかげか!」
妹「まあそれもあるんだけど……私も早く準備したからかな」
兄「お、そうなのか?」
妹「ふふ……私も、そこそこ楽しみだったからね」
兄「楽しみ!? そうかそうか、お前も楽しみだったのかー!」
妹「な、何度も言わないでくれよ……」テレ
兄「畜生、可愛いなあ妹は!」ナデナデ
妹「なぁっ!? に、兄さん止めてくれ! こんな所で……っ!」アセアセ
――電車内
妹「――全く。度し難い人だな」ツーン
兄「悪かったって。そんな拗ねないでくれよ」
妹「拗ねてなんかいないさ。反省して欲しいとは思ってるけどね」
兄「ただ頭をなでてやっただけじゃないか」
妹「場所を弁えて欲しいんだよ、私は!」
兄「うーん、そうかー。分かったよ。家でならしていいのか?」
妹「それは……いや、そう言う問題じゃないよ、兄さん」
兄「よく分からんなぁ」ノビノビ
妹「分からないのはこっちさ……」
兄「……混んで来たな」
妹「そのようだね……」
兄「……」スッ
妹「……?」
兄「あ、よかったらどうぞ」
爺「ああ、どうもありがとう」
兄「いやいや」
妹「……」スッ
兄「ん? なんだ、お前まで立つ必要なかったのに」
妹「兄さんがそれで私が座ったままだと、嫌だからな」
兄「そんなもんか?」
妹「……そんなものさ」
妹「……なあ兄さん?」
兄「……ん、どうした」
妹「痴漢対策として、私を壁際にしてくれるのは嬉しいんだが……」
兄「……あ、嫌か?」
妹「嫌、そうじゃなくて……なんだか兄さん、眠そうじゃないか」
兄「ん、そんな事、無いぞう」
妹「……いつもより早く起きてるだろう。
眠かったら寝てもいいんだぞ。なんなら、私によりかかっても……」
兄「いや、それは……」
妹「まあ、それは冗談にしても、いつでも寝てもいいからな……私は気にしない」
兄「……そうか」
兄「……」スピー
妹「……兄さん、本当に寝たのか」クス
兄「……」グラッ
妹「っとと」ギュッ
妹(……こ、こんな近くに兄さんの寝顔が……)
妹(普段から精悍な顔つきをしているが……寝ている時も、あまり変わらないのだな)
妹「……そーっと……」ドキドキ
妹(って。な、何をしようとしているんだ、私は……!)カァア
妹(全く、洒落になら――)
ガタンッ
妹「っ!?」チュッ
妹「――!!」バッ
妹(やってしまった……)
妹(頬に当たった、のか。口同士じゃないだけ、良かったのか……)
妹(少し残念な気はするが……)
妹(いやいや、駄目だ私! そんな事を考えてはならない!)ブンブン
妹(兄さんも、気づいて無いようだしな……)チラ
兄「くかー……」
妹「……はぁ」
妹(降りる駅まで、後三駅、か……)
兄「ふぅー、見えてきたぞー」テクテク
妹「わざわざ言わなくても分かっているさ、兄さん」
兄「いやなぁ、混み合う電車に揺られてその上長い坂を歩き登ってくるとだなあ」
妹「その気持ちは分からないでもないけど……それにしたって、ほぼ毎日している事だろう」
兄「そうなんだが、今日は妹と一緒だしな」
妹「そんなに特別に感じる事かい?」
兄「あっはっは、そりゃそうだ。お前さえよけりゃ、毎日こうしたい物だぞ?」
妹「そ、そうなのか……それなら……」
兄「ん?」
妹「私も……兄さんさえ良ければ、一緒に来たいと思っていたし……」モジモジ
兄「なにっ、それは本当かぁ!?」ダキッ
妹「わっ!? きゅ、急に抱きつかないでくれ、兄さんっ!」カアァ
兄「嬉しいぞぉ、お前もそんな事を考えてくれてたなんてなぁー!」ワシャワシャ
妹「か、髪! 弄らないでくれっ、人も見ているんだぞっ!?」バタバタ
兄「はっはっは、いや嬉しさのあまり動転してしまった」
妹「全く……場所を弁えろと言ったばかりだろう……」ハァ
男「まーったく仲がいいなあお前ら」スタスタ
兄「おうチビじゃないか」
男「うるせぇ木偶の坊。朝っぱらから面白い物を見せ付けてくれるな」
妹「ふう……おはようございます、男先輩」
男「おはよう。こいつのシスコンっぷりはどうだ? 面倒くさくないか?」
妹「あはは……慣れてますので」
兄「シスコンとはなんだシスコンとは」
男「誰が何と言おうとシスコンだぁなお前は」
兄「なぁんだとぉ? それならお前は女たらしだな女たらし!」
男「やれやれ、これだから理解に欠ける童貞は困るんだ」
妹「ど、どうて……」
男「ごほん。とにかく、俺はたらしじゃない。
ま、彼女一人作れないお前には分からないだろうが?」
兄「かー、たらしの気持ちなんて分かりたくないね!」
妹「まあ確かに兄さんは女心の理解には疎いですね」
兄「んなっ」
男「だろう? 妹さんにもそう言われてちゃ世話無いわな」
兄「妹……本当か?」
妹「事実だよ、兄さん。ま、頑張りなよ」
兄「なんてこった……」
妹「それじゃあ、私は校舎が違うのでこれで」
兄「おーう……」
男「ああ、元気で」フリフリ
男「……いつまで肩落してるつもりだ、お前は」
兄「分かってるけどよー、ショックな物はショックだぞ」
男「仕方ないだろう、お前は童貞だし」
兄「うるさいな、全くなんなんだお前は?
なんでお前にはそんな女の子が引っ付いて来るんだ」
男「なんだ? 分けて欲しいのかよ」
兄「そんな訳無いだろう」
男「そうだよなぁ、お前には妹さんがいるもんなぁ」ニヤニヤ
兄「一々うざったい奴だなお前は!」
男「はいはい……ったく、少しは頑張ったようだが、まだまだだな」
兄「うん? なんの話だ?」
男「なんでもなーい。ほら、行くぞ」テクテク
兄「あ、ちょっと待てって!」テクテク
兄「そういや、お前は彼女と一緒に登校はしないのか?」
男「学校も違うのにどうやって」
兄「なんだ、違うのか……とうとう他校の生徒にまで手を出したのか」
男「バイト先が同じだった。それだけだろ」
兄「かぁ、呆れた奴だ。今度は何年持ちそうだ?」
男「知らん。こちらとしては何年も持ってほしいもんだよ」
兄「ほーう……」
男「……何を勘違いしてるか分からんが、俺は今まで付き合ってきた女性に別れ話を持ち出したことは無いぞ」
兄「そうなのか……あー、お前、それって」
男「……なんだよ」
兄「……お前も恋愛下手なんじゃ」
男「ほっとけ童貞」
兄「余計なお世話でしたねはっは!」
――昼休み
兄「よぉーし飯だ」スタスタ
男「今日も妹さんの愛妻弁当か?」
兄「ははん、羨ましいか? ……お前のは随分豪華だな」
男「彼女が料理好きでな。休日は家に遊びに行って料理を教えてもらってるんだ」
兄「お前はなんという――」
妹「……兄さん方、ちょっといいかな?」
兄「おお? どうした、妹」
男「oh……」
妹「いや……私も一緒に、昼食を取りたいと思ってね」
兄「なんだって!? ……男、構わないか?」チラ
男「……ん。ちょっと用事を思い出した。二人で食ってていいぞ」スタスタ
兄「……ああ」
男「はは……後でアイスでも奢って貰うからな」
兄「勿論だ」
妹「……うん? 何の話をしているんだ?」
兄「なんでもないさ……それじゃ、食べるか」
妹「そうだね、そうしよう……」ギュッ
妹「え?」
兄「着いてきてくれ」スタスタ
妹「な、兄さん、何処へ――!」
――屋上
兄「今日は晴れてていい天気だな!」
妹「こ、此処につれてきたかったのか……」キョロキョロ
兄「ああ、昼飯を食べるにはもってこいだ」
妹「……しかしいいのかい? 男先輩は……」
兄「いいんだ。あいつは気にすんなって」
妹「そうか……まあ、私も……」
兄「うん?」
妹「な、なんでも無いさ。さあ、早く食べよう?」
兄「おう、そうだな!」
兄「んむ……やっぱりいつ食べても妹の弁当は美味しいな!」モグモグ
妹「よしてくれ兄さん。もう一年以上食べているじゃないか」テレテレ
兄「けど、最近お礼言ってなかったしな。感謝の気持ちを改めると言う事で」
妹「そ、そうかい……まあ、言われて嬉しい事は嬉しいのだけどね……」
兄「なら何度でも――」ブオッ
兄「うおっ、風が!?」
妹「兄さん、ハンカチが飛んでいったよ」
兄「うおお、妹にもらった大事なハンカチがぁー!」
妹「やれやれ……弁当、見ていてくれ。拾ってくるよ」
兄「す、すまない妹……」
妹「ふぅ……風が強いな……よっと」ヒョイ
妹「……結構、しわしわになっているな」パサパサ
妹「誕生日プレゼントにあげてから……何年、経ったかな……」
妹「兄さん……」ギュッ
兄「妹ー、取れたかー?」
妹「ああ、取ったよ。今戻――」ブオッ
妹「るッ――!?」バサァ
兄「――!?」
妹「っ!」オサエオサエ
兄「あ……えっと」
妹「……!!」ジィッ
兄(うわあ……凄い泣きそうな顔してる……)
妹「……」テクテク
兄「……」
妹「……はい」
兄「……ありがとう」
妹「……見えた?」
兄「……白なんだな」
妹「――~~!!」カアアッ
妹「ま――まったく、兄さんは度し難い人だな!
も、もう少し言葉の選びようくらいあるんじゃないか!?」
兄「そんな事言われても、見てしまったものは仕方ない」
妹「は、鼻の下を伸ばさないでくれっ! こ、この変態!」
兄「そ、そんな怒らないでくれよ……減るものじゃないだろ」
妹「減るんだよ、女として大事な物がね……」
兄「そうなのか?」
妹「全く……本当に分かって無いな、兄さんは……」
兄「す、すまない……」
妹「……こほんっ。まあいいさ。
見てしまったものは仕方ないと言うのは事実だからね。今回は水に流して――」
兄「……白、かぁ……」
妹「聞いてるのかいっ!?」
兄「ただいま」
男「おう、どうだった」
兄「――なんて事が」
男「ああ、そういう経験。俺も昔は――」
兄「止めろ言うな! あの経験を俺は記憶に焼き付けておきたいんだよ……!」フルフル
男「……まあ良かったな童貞くん。嫌われないように頑張れよ」
兄「ああ、そうだな……それだけが重要だ」
男「ま、あの子に限ってそれはまず無いだろうがね」
兄「いやぁどうだか。妹の言うとおり、俺はまだまだ知らないことがたくさん――」
男「……やれやれ」
――放課後
男「さぁてと、じゃあな兄」
兄「おう、部活かー?」
男「いや、これから彼女の家に」
兄「はぁ、そうですか。さっさと行ってこい!」
男「はいはい……おう、お客さんだぞ」
兄「なに?」
妹「やぁ、兄さん」
兄「おう、どうした? 今日は部活だったような……」
妹「顧問の先生が出張でね、休みになったのさ」
兄「ほー、そうか。それなら……」
妹「……ああ。今から帰るところ、さ」ニコリ
兄「なんだか今日は長いこと妹と一緒に居た気がするなぁ」テクテク
妹「とは言っても登校、昼食、下校を一緒にしただけじゃないか」
兄「そうだけどさー」ニコニコ
妹「……まあ、楽しそうでなによりだよ」クス
兄「お前は? 嫌だったか?」
妹「そう言う事は直接聞くものじゃないだろう」ムス
兄「そ、そうなのか。うーむ……」
妹「……全く」
妹「楽しくない訳、無いじゃないか」ギュッ
兄「おうわっ!? ど、どうした妹、そんな引っ付いて――」
妹「なあに、いつも兄さんがやっている事じゃないか」ニヤニヤ
兄「お、俺はこんなことしてないぞ!? いいから離れたらどうだっ!?」アセアセ
――自宅
兄「どっと疲れた……まさか電車の中でもくっ付かれたままだとは」
妹「ふふ、今まで引っ付かれていた分は払ったかな」
兄「なんだかんだで……人目を気にしないのはお前のほうじゃないか?」
妹「そ、そんな事ないさ。血を少しだけ引き継いだんだろうね」プイ
兄「そうかぁ? だって肩に頭をのせて寝ようと――」
妹「なっ、く、口にしないでくれ! 恥ずかしいだろう……」カァア
兄「人が少なくなって車両が空いてくると膝に頭を――」
妹「――~~! してない、してない!
それは間違いだよっ! 兄さんの記憶がおかしいだけだっ!」バタバタバタ
兄「……行ってしまった。言いすぎだったのか……?」
バタンッ
妹「ふぅ……」ドサッ
妹「全く、失敗だったな……あんな大胆なことはするべきじゃなかった……」
妹「……兄さん、なんだかんだで抵抗しないんだもの。
頭のせた時も、撫でてくれたし――」
妹「……っ。やめだやめだ。今後はあんな軽率な行動は控えよう……」ヌギヌギ
妹「さてと、今日の部屋着はこれとこれ……」
ガチャ
兄「妹、さっきは――」
妹「――」
兄「……え」
妹「……」
兄「……」ジロジロ
妹「……兄さん」ギュッ
兄「あ、ああ?」
妹「何をぼさっと突っ立っているんだ……!?」フルフル
兄「あ、いや――」
妹「出て行ってくれっ!!」
兄「お、おうっ!」バタンッ!!
――
兄「……あーうお」
兄「あれから妹に一時間説教をくらい……いつもより少ない夕食を食べて……」
兄「……心なしかいつもより寒い風呂に入って」
兄「ううむ――凄まじい一日だった」ボフッ
兄「はぁ……下着姿で服をぎゅっと抱きしめる妹、可愛かったな……」ポツリ
トントン
兄「ん?」
妹「兄さん、ちょっといいかい」
兄「ああ、大丈夫だ」
妹「失礼するよ……」ガチャ
バタン
妹「……今のが、正しい訪問の仕方だよ」
兄「そ、それを伝えに来たのか……!?」
妹「違うよ……えっと……」
兄「あ……ベッド、座るか?」スッ
妹「……立たないで」
兄「え?」
妹「……隣に座らせてほしいと言ったんだ。いいかな?」
兄「え、あ――ああ、分かった」
妹「……よっと」ギシッ
兄「それで、何の用だ……?」
妹「ふふ、性急だね……そんなに知りたいのかい?」
兄「んー? なんだ、何の用も無いのか?」
妹「だから違うって……」
妹「さっきのことで、少し……」
兄「さっき、と言うと」
妹「……兄さんが急に部屋に入ってきた時のことだよ」
兄「あぁ……」
妹「……わざとじゃないんだろう?」
兄「あ、当たり前だろ!? あれは、タイミングが悪かっただけで」
妹「……ああ、そうだね」
兄「……妹?」
妹「少々、言い過ぎたかなと思ってね。
考えてみれば、兄さんは謝罪する為に来てくれたんだ。
その元々の原因も、言わば私にあるようなものだったし」
兄「そ、そりゃそうだけど、見てしまったのは事実だし……」
妹「そうだね。けれど、私だけが一方的に兄さんを責めるのは良く無いと思ったんだ。だから」
兄「……だから?」
妹「お詫びをさせてほしい」
兄「……お詫びだって?」
妹「ああ。なんでも構わない、出来る限りのことはする……それがお詫びだ」
兄「……えーと、本当にいいのか?」
妹「ああ……勿論、何をさせるかは兄さんの良識次第だが、ね」
兄「……それじゃあ」
――
妹「……なあ兄さん」ジィッ
兄「くおおおおおお……膝枕される妹ッ……可愛い、可愛いぞ妹……!!」フルフル
妹「……聞いているのか?」
兄「お、おう、なんだ妹」
妹「いや……“さっきみたいに甘えてほしい”って……これで本当にいいのか?」
兄「当たり前だろー? 俺はもう望むことは何も無いぞ!」ナデナデ
妹「っ……これじゃあ、お詫びにならないじゃないか……」
兄「うん? なんか言ったか?」
妹「……なんでもないっ……」プイ
兄「あーもう妹は可愛いなあ……!」
妹「そ、そう何度も繰り返さないでくれ……か、勘違いしてしまうだろう……?」カァアア
兄「うん? 勘違いなんかじゃないぞ?」
妹「え……?」
兄「妹は可愛い。絶対に可愛い! 俺が保障してやる、だから自信持っても大丈夫だ!」
妹「そ……そうじゃ、ない……」
兄「いや、だからお前は――」
妹「……兄さんの、ばか」スッ
兄「あれ? 妹?」
妹「お詫びはおしまいだよ……もう、寝よう」
兄「ん……そうか、また明日なー」
妹「……おやすみ」バタン
――翌日
兄「よぅっし、今日は早く起きれたぞ!」
兄「妹、一緒に――」
兄「ってあれ……? 妹? いないのか……?」
兄「ん、これは……」
“先に行っています。お弁当も作っていないので購買に行ってください。妹より。”
兄「さ、先に行ったのか……」
兄「……一緒に行く予定、だったんだけどな」ポリポリ
――坂
男「よう、一人か」
兄「お前か……」
男「なんだ、元気ないな。今日は妹ちゃんと一緒じゃないのか?」
兄「まあなー……」
男「……さては、喧嘩でもしたんだろう」
兄「そんなんじゃない、筈……」
男「筈って何さ」
兄「いや、俺にもよく分からないんだよ」ポリポリ
男「……まあお前だからな」
兄「うーん……どうしたもんかなー」
男「ん……おい、兄」トントン
兄「うん? なんだよ」
男「あれ」
妹「……」
兄「い、妹!?」
男「ほほう……」
妹「おはよう、兄さん。おはようございます、男先輩」
男「ああ、おはよう」
兄「お前、なんでここに……」
妹「お金」チャラ
兄「え?」
妹「購買用の。まさか一銭も持っていないとは思ってないが、念のためね」
兄「あ、ありがとう……」
妹「じゃあ」タッタッタ
兄「あ、おい!? ……そんな、走っていかなくても」
男「……ふうむ」
――昼休み
兄「妹こねえええええ……」
男「今までだってそうだったろ」モグモグ
兄「そりゃ、そうだけどさ?
昨日色々あったおかげで、大分距離が近付いたと思ってたんだけどなぁ」
男「全部勘違いだったと」
兄「そんな馬鹿な……これからは一緒に登校するって約束もしたんだぞ?」
男「はぁ……昨日の今日でその有様って、お前一体何したんだよ」
兄「俺だってわからねぇよ……」
男「本当、無意識にどっかでミスしてんだろうな……」
兄「あーあー、妹……妹……」
男「……うだうだ言ってないで、原因を考えろ」
兄「そうは言ってもなー」
男「昨日、帰ってからだな……何があった? おかしなことは無かったか?」
兄「昨日……? うーん、着替え中に扉開けちゃってこっぴどくしかられたけど」
男「なんだそりゃ」
兄「まあ、色々あってな……その後少し話したし、それが原因ではないと思うんだが」
男「ふうん……」
兄「他におかしな所は……寝る前、か」
男「寝る前ねぇ」
兄「話をしてたんだが、寝る時になると随分冷めた感じになってな。
それまではなんか恥ずかしげだったのに」
男「恥ずかしげ……お前、一体何の話してたんだよ」
兄「何のって言われてもな……俺は可愛いって言ったんだ」
男「はぁ、まあ確かに可愛いなあの子は」
兄「そしたら、勘違いしてしまうだろう? って恥ずかしそうに言うのよ」
男「……で、お前はそれになんて応えたんだ」
兄「いや、あいつ可愛いだろ。だからそれは間違ってない、自信持っていいみたいなことを言ったんだ」
男「……それで?」
兄「急にお終いって言われて、おやすみした」
男「……この、大馬鹿野郎」
兄「妹にも言われたなそれ……」
男「なあ兄。お前は妹さんの事どう思ってるんだ?」
兄「どうって。好きに決まってるだろ」
男「そうか。それは男としてか、兄としてか」
兄「どちらもだ……いや、きっと男として好きなんだろうな」
男「そうだろうそうだろう。そうやって自分の気持ちに正直になれるのがお前の長所だ」
兄「なんだよ気持ち悪いな」
男「でも、だな。お前は妹さんが言うように、女心を全然分かって無い」
兄「……そうなのか、やっぱり」
男「俺が思うにだな――」
男「妹さんは、お前と同じ事をお前に対して思ってるよ」
兄「は……え?」
男「妹さんもお前のことが好きだってことだよ。
じゃなきゃ勘違い云々なんて可愛いこと、絶対に言わないさ」
兄「そう……なのか? 妹も俺のことを……?」
男「お似合いだよ全く」
兄「じゃ、じゃあ……やばい、じゃないか! このままだと俺は嫌われて――」
男「落ち着け。まだ決まった訳じゃない。
それに……妹さんがそんな事でお前を見限るような子だと思うか?」
兄「妹は……今まで何をしても、許してくれた。俺だから、なのかもしれないけど……」
男「妹さんはまだお前のことを完璧に嫌った訳じゃないだろう。
約束したのに先に家を出たことを後悔してるかもしれないな」
男「でも……きっと不安にはなってるだろうな」
兄「不安?」
男「このままお前のことを好きでいていいのか、ってな」
兄「……」
男「兄妹同士だからなあ。妹さんは結構……そこらへんを、気にしているかもしれない」
兄「……世間の目とか、結婚出来ないとか、か」
男「ああ。お前は全然気にし無さそうだけどな」
兄「当たり前だろ……俺は妹が好きなんだ」
男「そう堂々と言えるお前が羨ましいよ……」ハァ
男「いいか、兄。チャンスは次、妹さんと話をする時だ」
兄「ちゃ、チャンス?」
男「ああ。お前の思いを妹さんにぶつけてやれ。下手をこくなよ。
ちゃんと、男として妹さんが好きだって言ってやるんだ。そうすれば……まあ、後はどうにかしろ」
兄「お、おう……」
男「まあ俺から出来るアドバイスはこのくらいだぁな」
兄「はぁ……今だけお前のことを尊敬してやってもいいかもしれない」
男「よせやい、そう言う事は童貞卒業してから言え」
兄「童貞……かぁ」
男「ははん、妹さんとの予行妄想は済んでるか?」
兄「……あ、当たり前だろう」
男「本当かよ。精々頑張れよ。明日お前がどんな顔して学校に来るのか楽しみだ」クツクツ
兄「……男、ありがとうな」
男「やめろって。ま、昨日の分合わせて、またいつか奢って貰うとするよ」
兄「ああ、たんとご馳走してやる」
男「そりゃあ楽しみですね」
――放課後、坂
兄「……やっぱり妹は来ない、か」
兄「……一人で帰るのは、慣れてる筈なんだがなー……」テクテク
妹“……まあ、楽しそうでなによりだよ”
妹“そう言う事は直接聞くものじゃないだろう”
妹“楽しくない訳、無いじゃないか”
兄「妹……」
兄「……やるしかないよな」
兄「もし、全て失敗に終わっても」
兄「自分の気持ちだけは、嘘つかないようにしたいしな……」
――
兄「ただいまー」
妹「……おかえり、兄さん」
兄「ああ……帰ってたのか」
妹「うん。本当は、一緒に帰りたかったのだけど……」
兄「……俺とか?」
妹「……そうだよ。よく、分かったね」
兄「まあ……な」
妹「……なあ、兄さん」
兄「うん?」
妹「ごめんね、約束破ったりして」
兄「な……いいんだ、気にするなそんな事」
妹「私から取り付けた約束を、私が身勝手な理由で破ったんだよ……気にしない訳、無いだろう」
兄「……身勝手な理由?」
妹「ああ……はは、おかしな話だけどね、私はある言葉を望んでいたんだ」
兄「……!」
妹「それは元々埒外に無理な言葉だった。兄さんが言わないのは、まあ、当たり前だったのだろうね。
でも、私は要求の通らない子どものように……拗ねて、兄さんとの約束も、破ってしまった」
兄「……妹」
妹「何を言ってるのか、分からないよね? ごめんね。でも、もういいんだ」
妹「はは……こんなんで、その言葉を望むなんて……滑稽なことだよ、全く」
妹「明日からは、これまで通り――」
兄「――妹っ!」ギュウッ!
妹「えっ、に、兄さんっ!? いきなり、どうしたんだ……?」
兄「……俺こそ、ごめん。お前の望んでいた言葉を言えなくて。
お前の気持ちが分からなくて、本当に……」
妹「え……何を、言ってるんだい、兄さん……?」
兄「……今なら、言える筈だ。お前の望んでいた言葉が」
妹「な――」
兄「お前は、勘違いなんかしていない……!」
兄「俺はお前が好きなんだ。
好きだから可愛いって言うんだ。お前のことが……大好きなんだよ!」
妹「そん……なっ……嘘……だよね、兄さん」
兄「嘘な訳あるか。全部本当だ。男としてお前が好きなんだ」
妹「でも……私は兄さんとの約束を破ってしまった。折角一緒に行こうと言ったのに、あんなに冷たくして――!」
兄「……俺がそんな事で、お前を嫌いになると思ってるのか?
大体、お前だってそうじゃないか」
妹「え……」
兄「俺がお前の望む言葉を言えなくて、冷たくした時も……お前は、俺のことを好きでいてくれたんだろ?
どうあっても、許してくれるつもりじゃなかったのか?」
兄「お前は……そういう奴だろ」
妹「……ッ!!」ギュウッ
兄「……好きだよ、妹」
妹「私、も……」カアァア
妹「好き、だよ……兄さんッ……!」
兄「……はぁあ……妹の体は、柔らかいな……」
妹「……落ち着いた途端、言う言葉がそれかい?」
兄「嫌か?」
妹「……ふん。そうやって、答えが分かってるくせに質問するのは、やめてほしいものだね……」ブツブツ
兄「……いや、分からない」
妹「……はぁ。腐っても兄さん、か……」
兄「す、すまない」
妹「……嫌な訳無いだろう」ギュッ
兄「……妹ぉ……」
妹「ところで、兄さんは……躊躇いとかは、無かったのかい?」
兄「何の話だ?」
妹「私を好きになる時……兄妹だから、とかそう言う所の……」
兄「いや……好きな物は好きだし、一切考えなかったな」
妹「兄さんらしいね……一般的に考えると少しおかしいのかもしれないが」
兄「心配しなくても、お前は絶対幸せにしてやるからな」
妹「そ、そういう単語を真顔で言えるのも兄さんらしいよ……全く」
兄「それは男にも言われた気がするなぁ」
妹「そうか……もう一つ、聞きたいのだけど」
兄「うん?」
妹「わ、私と……エッチなことをする事は……考えて、いるのか?」カァアア
兄「」
兄「そそ、それは、えっと、まだ早いんじゃ……!?」
妹「は、早いとか早くないとかを聞いているんじゃないんだ! か、考えた事はあるのかを、聞いているんだ!」
兄「そ、そりゃ……あるよ」
妹「……そ、そうかい……」
兄「……お前は?」
妹「え!? わ、私かいっ!? そ、それを言うのは、ちょっと憚られると言うか、そもそも私女だし……」
兄「あ、そうか……言いたくないなら言わないでも」
妹「なぁっ……わ、分かったよ、言えばいいんだろう?」
兄「いや、いいぞ? そんな無理しなくても……」
妹「う、うるさいな兄さん! 私だって兄さんを想って自分を慰めたことくらいあるさ!
兄さんの好きな体位とか、プレイとか研究しようと――」
兄「も、もういい、もういいから」
妹「えっ……そ、そうかい。そうだよな……」ブツブツ
兄「……いやまさかそこまでとは……」
妹「お、お互い様、だろう……?
兄さんだって、私の下着を持っていったことはあるんだし」
兄「あ、ばれてたのか!?」
妹「当たり前だ……私はそこまで鈍くない。兄さんは気付かなかったようだが――」
兄「気付かなかった?」
妹「あ、いや、なんでもない」
兄「はぁ……ばれてたのかぁ……」
妹「ああ……そういう面で、お互い様だからな」フンス
兄「……そうみたいだな」
妹「……な、なあ、兄さん?」
兄「うん?」
妹「キス――して、みないか?」
兄「き、キスかあ……」
妹「やましい気持ちがある訳ではないよ?
せ、折角恋が実った訳だし……そういう事は、経験しておくべきだと思うんだよ」
兄「そうは言っても……お前がしたいだけなんじゃ」
妹「そ、それは、その通りなのだけど……に、兄さんはしたくないのかい?」
兄「……いや」ギュッ
妹「んっ……に、にいさ」
兄「ずっと、してみたかった」チュッ
妹「――っ!!」
兄「……は、ぁ……っ」スッ
妹「はぁ……はぁ……」
兄「こ、これが、キスか……」
妹「……ずるいな、兄さんは……」
兄「ずるい……?」
妹「こ、こんな不意打ちみたいなキス、されると……」
妹「どきどき、して、しまうだろう……?」
兄「――い、妹っ……!」
妹「ああ、兄さんっ……もっと……!」
兄「分かってる……何度でも、してやるっ」
妹「んっ……!」ギュウウッ
兄「っ……これで、何回、した?」
妹「さあ、ね……何回でも、してもいいよ」
兄「そ、それは……ありがたい、けど」
妹「けど……?」チラッ
兄「あ、見るなっ」
妹「ほほう……いいね、兄さん、分かりやすくて……」
兄「な、何言ってんだ馬鹿!」
妹「馬鹿とは酷いな……兄さん」
妹「私と、キスして……興奮してしまったんだろう?」
兄「――っ!!」
妹「ふふ……仕方ないなあ、兄さんは……」
兄「お、お前は、どうなんだよ……?」
妹「私? 私、は……」
妹「手を、貸して……」
兄「え……」スッ
妹「……」
ムニッ
兄「なっ……!?」
妹「どうだい、兄さん……」
兄「ど、どうって、体躯に相応しい小ささ――」
妹「……そうじゃなくて。私の心臓が動いてるの、感じるかな……?」
兄「……あ、ああ」
妹「……このくらい、私はどきどきしてるよ。兄さんと、一杯キスして……」
妹「やましい気分に、なってしまったんだよ……」ニコ
兄「……っ」ゾクゾク
妹「……やましい気分、ね。えっちな気分と言い換えたほうがいいかな」
兄「……どっちも、同じようなものじゃないか?」
妹「そうだけど……えっちな気分と言った方が、興奮しないかい?」
兄「……」ビクッ
妹「ふふ……どうやらこちらが、代わりに反応してくれたようだね……」サス
兄「お、おい触っちゃ……」
妹「……なあ、兄さん。私としたいと思わないかい?」
兄「そ、それは……」
妹「お互い好きと言い合えた今。兄さんは私を自由にする権利を得たんだ」
妹「この小さな胸を、お尻を、自由にする権利」
妹「誰にも見せたことの無い、私の秘所を自由にする権利」
兄「……」
妹「勿論私も、兄さんの望むことなら出来る限りしてあげたい。
当然だ、兄さんのことが大好きなのだから」
妹「……私は精一杯兄さんを気持ちよくしてあげようと思ってるんだ。
経験は無いし、下手だとは思うけど、それでも色々勉強したんだよ……」
妹「なあ、兄さん。お願いだ……」
妹「……抱いて、くれないかな?」
兄「……ッ!!」
兄「……分かった」
妹「そ、それじゃあ……!」
兄「ああ……しよう」
妹「兄さんっ……!!」ギュッ
兄「お、おいおい……部屋まで我慢しろよ」
妹「わ、分かってるさ……ただ、少し安心して」
兄「安心?」
妹「ん……断られたら、どうしようか、ってね」
兄「ああ……」
妹「次、こんな事言えるのはいつになるか分からなかったからね……ああ、よかった……」スリスリ
兄「……結局、お前がしたいだけじゃないか?」
妹「ふふ……それはどうかなあ」サスサス
兄「はぁ……さ、行くぞ」
妹「ああ、そうだね」
――兄部屋
妹「よ、っと……」ギシッ
兄「気が早いな……」
妹「ふふ……おいで、兄さん」
兄「あ、ああ……」
妹「さて……制服、脱がせてもらってもいいかい?」
兄「……いいのか?」
妹「ああ、勿論……さ、兄さん」
兄「……分かった」
妹「セーラー服の脱がせ方は、分かるかい? ここを、掴んで……」
兄「こ、こうか」
妹「そう……手が震えているね、兄さん」
兄「うるせっ」
妹「ふふ……私も、どきどきしているから、似たようなものだ」クスクス
兄「よ、っと……」
妹「ん……はぁ、下着、姿だ……どうかな?」
兄「う、おおおう……」ムラムラ
妹「この前も見られてしまったが……いやはや、こんな形で見られることになるとはね」
兄「……想定していた事態じゃないのか?」
妹「ん、まあ、そうなんだけど……下着も、取る?」
兄「……ここはあえて残そうかと」
妹「……えっち」
兄「う、うむ……今のは来た」
妹「ふふ……もうここは我慢出来そうに無い訳か」ナデ
兄「っ……い、妹……」
妹「ああ……今、脱がしてあげるよ……」
妹「こういうズボンなら穿いた事あるから、脱がせやすいものだね……」カチャカチャ
兄「そんなものか?」
妹「そんなものさ。兄さん、腰を」ズリズリ
兄「ん……」
妹「よいしょっ……ふふ、凄いな……パンツがしみだらけじゃないか」ツンツン
兄「う、くっ……」
妹「……ふう。脱がすよ、兄さん」
兄「……一思いにやってくれ」
妹「……」スーハァー
妹「えいっ」ズルッ
妹「っ……こ、これが……兄さんの……」ボー
兄「そんなまじまじと眺められても困るぞ」
妹「はぁ……凄いのだな……動画のとは全然……」
兄「動画って……」
妹「い、いや。モザイク有りと無しだと大分……」
兄「あー分かった分かった。分かったから……えっと……」
妹「……ふふ。何がして欲しいんだい、兄さん?」
兄「そう……だなあ……」
妹「前戯、と言う物は大切だそうだから、早速本番と言うのは無しだよ? それ以外なら……口でも、胸でも……」
兄「じゃあ、手で擦ってくれるか……?」
妹「そう……いいよ、兄さん。してあげる」クス
妹「ん……熱い、な……」ギュッ
兄「や、優しく頼むぞ」
妹「ああ……えっと……」シュッシュッ
兄「そ、そう……そんな感じ……」ピクッ
妹「そう……か、ふふ……コツはつかめたぞ……」シュッシュッ
兄「は、早いな……う、うっ」
妹「気持ちいいかい……兄さん……?」シコシコ
兄「ああ……凄い、手がすべすべで……」
妹「ん……先っぽから、汁が……」
兄「あ、ああそれは――」
妹「……なめてあげるよ」ペロッ
兄「んああっ!?」ビクンッ!
妹「ん、やはり苦いな……そんな気持ちよかったのかい?」シコシコ
兄「で、電流が走った……」
妹「そうか……なら」シュッ
妹「もっと、舐めてあげるね」チュプ
兄「ちょ、まっ――!」
妹「れろれろ……」シュッシュッ
兄「く、ああっ……!?」ビクビクッ
妹「ふふ……どんどん、出てくるね……れろぉ」
兄「あぁ……妹、まずいって……」
妹「なにがだい……? もっと、気持ちよくなってくれよ……ん、ちゅ」ジュルルッ
兄「す、吸うなぁっ……!」ビクッ
妹「ちゅぽ、ちゅぽっ……れろ……」ジュルジュル
兄「はぁっ……い、妹……もう、出そう……!」ビクッビクッ
妹「ぷは……いいよ、出してくれ……私の口に……」
兄「なっ……そ、それは……!」
妹「出せない理由があるのかい? それとも他に出したい場所が……」シュコシュコ
兄「いや、だって……口だと、汚いだろ……」
妹「……」ギュッ!!
兄「あぐうっ!?」ビクンッ!
妹「兄さん、勘違いしているね……私は兄さんだったらなんでも受け入れてあげたいと思っているんだ」
妹「きっと気持ちいいよ?
私の口の中に、びゅくびゅく精液を出すのは……」ゴシゴシ
兄「い、妹……!」
妹「出そうなんだろう? 兄さん……私がこの手を離せば、今にも射精してしまいそうな程に」
兄「あ……ぅあ……」
妹「一言、言ってくれればいいんだ……“私の口に出したい”って。そう言ってくれれば兄さんは気持ちよくなれるんだ」
兄「はぁ……はぁ……」
妹「さあ……兄さん。言ってくれよ。悪い話じゃないだろう……?」
兄「……俺、はぁ……」
妹「うん……っ」ゾクゾク
兄「妹の口に、出したいっ……だから、手を離してくれっ……!」
妹「よく、出来ましたぁ……んむっ!」ジュルルルッ!
兄「う、あ、あっ――で、出るッ!!」ビュルルッ!!
妹「ん……ん、ぐっ……!」ゴクッ
兄「くああっ……はぁ……はぁ……っ!!」ドクンドクン
妹「ん……んくっ……」ゴクッゴクッ
兄「ふぅ……っ、大丈夫か、妹……?」ブルッ
妹「んぐ……けほ。凄いね、精液と言う物は」
兄「そ、そうか?」
妹「ああ……とても濃くて、ねばねばしていて、喉に絡まりつくようだった。
よくもまあこんな物を、世の中の女の人たちは飲めるなと思うところなのだけど」
兄「……なのだけど?」
妹「……不思議なものだね。兄さんの物だと思うと、そう辛くは無いんだ」
妹「これもひとえに、兄さんが好きだからなのだろうね」ニッコリ
兄「――い、妹ぉっ……!!」ビキビキ
妹「な……もう、復活したのかい? 凄い精力だな……」
兄「妹っ!!」ガバッ!
妹「な、ちょっ、にいさんっ!?」ドサッ!
兄「はぁっ……はぁっ……!」
妹「に、兄さん落ち着いてくれ、次は――んああっ!?」ビクッ
兄「はぁあっ……妹の、おっぱい……」モミモミ
妹「そ、そんながっつかないで、もっ……ひんっ!?」
兄「じゅぱっ、れろ……ちゅうっ、れろれろ……」
妹「だ、だめだって、乳首を、そんな風にしたらぁっ……!」ビクビク
兄「ん……っ!」ズルッ
妹「あ……ぱ、んつ……」
兄「はぁ……これが、妹の……」ハァハァ
妹「そんな、じろじろ見ないでくれよ……っ」カァアアッ
兄「……れろっ」
妹「ひぁっ!?」ビクンッ!
兄「れろ……じゅる、じゅるっ……!」
妹「あ、ぁっ、やぁっ、にいさ、んんっ……!」ビクビクッ
兄「はぁ……妹の、ここ……美味しいよ……」ジュルジュル
妹「もう、ら、めっ……にいさっ……!」ビクッ
兄「……ん、これ……」コリッ
妹「あ、んっ!!」ビクッ!!
兄「ああ、クリトリス、か……凄いな……」コリコリ
妹「あ、あっ、あッ、兄さんっ、わ、たしっ……!」
兄「じゅるっ……」クニッ!
妹「ひッ……ああああっ!!」ビクンッ!!
妹「はぁっ……あっ……」ビクンッビクンッ
兄「……す、すっごいな……」
妹「はぁ……はぁー……」ゲシッ!
兄「あいたっ!?」
妹「ま、ったく……なんて事をするんだ、兄さんっ……!」ゲシゲシ
兄「な、なんて事って何の事、いたい、痛いっ!」
妹「妹を強引にイかせるなんて……本当にわかって無いな、兄さんっ!」
兄「で、でも気持ちよかったんだろ?」
妹「そ……それはそうだがっ、ああ言う事はもっと優しくするべきだよ!」
兄「優しく……」
妹「……そうさ。いくら相手が、兄さんだからって、その、乱暴にされるのは……怖いんだ」ギュッ
兄「……悪かった。気をつけるよ」ナデナデ
妹「ん……分かれば、いいんだ」
兄「……えっと」
妹「ああ……そろそろ、その大きくなってるナニを、どうにかしないとだね」
兄「その……俺、お前と……んっ」ピト
妹「……言わなくても、分かるよ……しようか」ニコ
兄「……ああ」ギシッ
妹「ん……何処行くんだい?」
兄「ご、ゴムを」ガサゴソ
妹「おや……準備がいいんだね」クスクス
兄「う、うるさい! 着けないと色々心配だからな!」
妹「ふふ……ありがとう」
兄「……あった」
兄「これで、よし……と」
妹「ん……いいよ、兄さん」ギシッ…
兄「ああ……」ドキドキ
妹「挿れる場所は、分かるかい?」
兄「え、えっと……」
妹「ふふ……ここ、に」クパァ
兄「っ!!」
妹「さっき舐めてたのになんで怯えるかな……まあ、私も怖いけど、ね」
兄「な、なあやっぱりこれは――」
妹「……駄目」
兄「……どうして?」
妹「……ここまで、来たんだ。ようやくここまで来れたんだ。
それなのに、もう止めようなんて、許せる訳無いじゃないか」
妹「私は……覚悟、してるんだ。その覚悟を、無駄にさせるつもりなのかい?」
兄「……そうか。そうだな……!」
兄「……挿れるぞ」
妹「ああ……来てくれ、兄さん……!」
兄「……っ」ズッ…
妹「いっ……ん……んっ……!」ギュウッ
兄「痛い、のか……?」
妹「ふっ、ふふ……大丈夫、だよ……兄さんの、好きなように……」
兄「妹……」ズリュッ
妹「はぁあ、あっ……!」
兄「もう、ちょっと……」
妹「ん、ぁあ……兄さん……っ!」ギュッ
兄「く、う……全部、入ったぞ……?」
妹「ふぅ……ふぁ……ああ、そうみたい、だね……」
妹「はぁ……兄さん、キスして……」
兄「あ、ああ……」チュッ
妹「ん……ふぁ……すごい、な……」
兄「っ……何がだ……?」
妹「こうして……兄さんと、一つになれているなんて……夢のようだよ」
兄「はは……俺もだよ……ずっと、こうしたかったんだけどさ……」
妹「兄さん……動いて、いいよ」
兄「ああ……痛かったら、いつでも言ってくれ」
妹「ん……考えとく」
兄「はぁ……っ」ズリュッ
妹「ん、あっ……!」ビク
兄「っ、あ……どう、だ……?」ズリュズリュ
妹「ん……きもち、いいよ……兄さんは、どうかな……?」
兄「言うまでもない、な……」ズリュッズリュッ
妹「はは……そうか……」
兄「一回、強く……」
妹「……ん」
兄「――っ!」ズンッ!
妹「んっ、あっ!」ビクッ
兄「はぁっ……はぁ……!」ズンッ! ズンッ!
妹「あ、あッ、いいよっ、兄さんっ……!」ギュウウッ
兄「く、あっ……想像以上に、やばいっ……!」パンッパンッ!
妹「はぁっ、あっ、はげしっ……んんあっ!」ビクッビクッ
兄「妹……っ!」ギュッ
妹「んっ、う、ん……兄さんっ……!」ギュッ
兄「好きだ……好きだ、妹っ……!」パンッパンッ
妹「や、ぁっ……囁いちゃ、嫌だよっ……!」ビクビク
兄「好きだ! 妹っ! ずっと……離さない、からなっ!」
妹「ん、くっ、ぁっ、私も……好き、だっ、兄さんっ!」ギュウウウ
兄「くおっ……妹、もうっ……!」ズンッ!
妹「ああっ、出してくれっ、私の中で……出してッ!」
兄「う、あっ――うっ!!」ビュクッ!!
妹「んっ――ん、ぁっ……ああ……」ビクンッビクンッ!
兄「はぁっ……ふぅ……」
妹「ん……あっ……気持ちよかった、ね」
兄「ああ……凄いな、これは……」ゴロン
妹「童貞卒業、おめでとう……これでこれから男先輩にからかわれずに済むじゃないか」
兄「とは言ってもな……これからも大分世話になると思うよ」
妹「世話? なんのだい……?」
兄「ああ……ちょっと。今回の件も、アドバイスを貰ってさ」
妹「そうだったのか……」
兄「ああ勿論、お前のことは好きだからな?」
妹「ふふ……一々言わなくても、分かっているさ……」ギュッ
妹「……大好き」チュッ
――翌日
兄「腰痛い」
妹「頑張れ、兄さん……学校までもう少しだ」
男「おう、お二人さん」
兄「ああ、お前か」
妹「おはようございます」
男「ははぁん、なんとかなったみたいじゃないか、ええ?」
兄「おかげさまでな……」
妹「兄さんから話を聞きました。この人の背中を押してくれたそうで……」
男「ああ、いーんだよ。礼ならこいつからたっぷり頂くからな」
妹「そう、ですか」
男「……誰かに言いふらしたりもしないさ。俺だって色々経験してきてるし、お前らの恋が間違ってるとも思わない」
男「でも、ぐだぐだでいいから末永く、な。
中途半端に終わったら、助走つけて顔面にパイ投げしてやる」
兄「……分かってるさ」
妹「……いい人だね」
兄「全くだ」
妹「兄さんも、ああ言う人を目指すべきだね」クス
兄「ううん……どうだか、なあ」
妹「ふふ……心配しなくても、兄さんと別れるつもりなんて無いよ?」
兄「分かってるって」
妹「ん……それじゃ、ここで」
兄「おう」
妹「あー……兄さん」
兄「うん?」
妹「もし、良かったら……今日の放課後も、一緒に」
兄「ああ……昼飯も、一緒にな」
妹「……そうだね」クス
妹「よろしく頼むよ、兄さん!」
おーわり
ボーイッシュな子って書くの難しいNE!
SSじゃあまり見かけない兄妹恋愛に抵抗のない兄を書いてみようと思ったけど
最後まで行くと普通のとあんまり変わらんかった寝る
ありがとうござまいましたー
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:51:36.50:MNgPCym20SSじゃあまり見かけない兄妹恋愛に抵抗のない兄を書いてみようと思ったけど
最後まで行くと普通のとあんまり変わらんかった寝る
ありがとうござまいましたー
おもしろかったよ次回作も期待
乙
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 01:53:05.32:CgjdWI1w0乙
ボーイッシュ好きの俺にはたまらんSSだったよ、おやすみ
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/19(金) 02:13:27.51:gTu8rsl30
乙でした!
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別SSのタイトルと間違えていたので修正しました。
すいません。。