
以前、お茶の先生から「あるお医者さんは毎朝抹茶を小さいスプーン1杯口に放り込んで、水をぐっと口に含んでそのままグチュグチュしてから飲んでいる。当人によると『時間のない朝、最も効率的に栄養が摂れる方法』らしい」と聞き、そんな忙しさに憧れたりしましたが、その抹茶に含まれる栄養素は、カフェイン、タンニン、ビタミン、葉酸、カリウムなど様々です。
特にビタミンKの量が多く、一般人の1日の推奨摂取量の2倍以上が含まれています。 ビタミンKは、カルシウムが骨から溶け出て行くのを防ぎ、骨にカルシウムを沈着させる働きをもっています(ちなみにビタミンDはカルシウムの吸収を助けます)。
ところで自然界には存在しないストロンチウムは、私たちの体の中ではカルシウムのように振る舞うそうです。振る舞うというよりは、私たちの体は未知の物質を、形の近いカルシウムとしてしか処理出来ないのでしょう。カルシウムの体への吸収率は、口に入った総量の30%で、ストロンチウムの吸収率はその半分程度だそうです(六号通り診療所所長のブログ、放射性ストロンチウムの内部被曝について)。ストロンチウムが含まれた食物を食べるとき、体内にカルシウムが不足していれば、ストロンチウムがより吸収されやすくなります。そして、一度骨に吸収されたストロンチウムはなかなか体外に排出されません。できるだけ骨にストロンチウムが吸収されないように、先もってカルシウムで満たしておくことが大事です。抹茶に大量に含まれるビタミンKは骨をカルシウムで満たす助けになるのではないでしょうか。
抹茶自体にもカルシウムは含まれていますが、1日の推奨摂取量には満たないので、安全だとわかるカルシウムを一緒に摂るとよりよさそうです。安全な牛乳が手に入るなら抹茶ミルク、そうでなければ今の時期なら豆乳で抹茶ミルクがおいしいしよさそうかなと思います。
ちなみに抹茶の新茶は11月に口切り。それまでは去年のお茶です。
関連