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2009年10月11日 (日)

ネットよりも新幹線のほうがすごい

 大阪から帰ってきました。1泊2日。サクッと行って、サクッと帰れるのは、新幹線があるおかげ。会って、顔を見て、いろいろ話せばいろいろ安心できるし、時代が変わっても、このへんはずっと変わらないだろうな、と思います。

 タイトルの「ネットよりも新幹線のほうがすごい」という言葉は、アメーバニュース編集長の中川淳一郎さんの新書「ウェブはバカと暇人のもの」にあった言葉です。この本、タイトルに少し毒があるけれど、すごくいい本です。基本、新書は繰り返しは読まないけれど、この本は、わりと何度もパラパラと読んでいます。

 ウェブ2.0とか、プラットフォームの時代へだとか、コミュニケーション・デザインとか、いろいろ言われていますけど、この本にあるようなことがベースになるものだと思います。ネットは便利だし、こうして私のような普通の人が、ブログでものが言えて、ブログを書く人たちや読む人たちとささやかなコミュニケーションができているのは、確かにネットのおかげだけど、それでもネットは主語にはならないだろうし、どんな時代だって主語は人でしょ。

 うちの両親も、うちの妹も、ネットをやらない人だけど、それでも何不自由もなく元気に生きているし。私は、リテラシーという言葉があまり好きではりません。それは、以前、「続・リテラシー考」というエントリに書きました。そのエントリに登場する年輩のクリエイティブ・ディレクターのような人を、私は遅れているとは言いたくないんです。それは、うちの両親や妹、それに親しくしているあの人この人を否定することになるから。私にとっては、大切な人だもの。

 ネットよりも電話のほうがすごい
 ネットよりも新幹線のほうがすごい

 人はご飯を食べて体を育て、人と会って友情を培い、勉強をすることによって学校に入り、そこでさまざまなことを学び、学校を卒業することによって社会進出の礎・資格を獲得し、恋愛をすることによって人生にスパイスが与えられ、性交をすることによって快感を得て子どもを作り、仕事をすることによって社会とのつながりを感じ、愛する人に死なれることによって悲しみを覚える。
 私たちの人生、なんとリアルな場の占める割合が多いのだろうか。これら人生の大部分を占める要素にネットはそれだけ入り込めたのか?
 大したことはない。

ウェブはバカと暇人のもの」中川淳一郎(P244〜255より)

 大したことはない。だから、私はブログが好きで、ネットが好き。そこにあるいろいろ含めて、好き。だからといって、これからはネットだとは思ったこともないし、これからも思わないです。そんな考えで、私はこれからもネットにかかわると思うし、それは、他のメディアだって同じスタンスです。

 ここ10年くらいの広告実務の経験から言っても、今も昔もそんなに変わってないと思うんですよ。いいものは広告すれば売れるし、必要がないものは広告しても売れない。ただそれだけ。ネットだって、テレビだって、新聞だって、ただのメディアじゃないですか。ほんとのところをよく知って、必要に応じて、身丈にあわせて、使いこなせばいい。そんなふうに思っています。

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