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金融教育の認定アドバイザー「金融機関はNG」の事情

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

 日本人の金融リテラシー(お金に関する知識や判断力)向上の司令塔となる「金融経済教育推進機構(J-FLEC=ジェイフレック)」が4月に動き出す。金融経済教育は政府や金融業界などがそれぞれ取り組んできたが、あまり成果がみられず、投資トラブルも絶えないため、官民一体の新たな推進組織を作る。そこで目玉となるのは、特定の金融機関に偏らず「中立的立場」で支援するアドバイザーの認定制度だ。

「もうかる金融商品を売る」への疑念

 現代社会で生きるには金融との関わりは避けられず、誰もが金融リテラシーを身につける必要がある。

 世界では、2008年のリーマン・ショックを機に、金融危機を防ぐには規制だけでは不十分で、消費者の金融リテラシーが必須という認識が強まった。経済協力開発機構(OECD)は12年、各国に金融経済教育の戦略立案を求めた。

 日本では金融庁が13年、最低限身に付けるべき金融リテラシーの4分野を示した。経済的に自立し、良い暮らしを送るには(1)家計管理(2)生活設計――が欠かせない。金融商品を利用するには(3)金融経済の基礎知識や金融商品を選ぶスキル(4)第三者のアドバイスを求める必要性の理解――が重要となる。

 金融経済教育は、金融庁、金融広報中央委員会(事務局・日銀)、金融業界が官民それぞれで取り組み、学校教育にも導入された。だが、金融広報中央委の22年の調査では「金融経済教育を受けた」と認識する人は7%に過ぎず、国際的にも劣る。

 教育の提供方法にも課題がある。教育とはいえ、金融業界が担い手であれば「金融機関がもうかる金融商品を売りつけたいのだろう」という疑念を生むためだ。

 これは杞…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。