「マンション管理」新時代(3)
管理の良いマンションを自治体が認定する「管理計画認定制度」が2022年4月スタートした。管理状態が「見える化」されることで、管理の質が高まれば、住環境の改善や資産価値の向上など好循環が期待できる。一方、マンション住民は覚悟しておきたいことがある。管理費や修繕積立金が今後上がる可能性が高いことだ。
良い管理にはお金がかかる
管理計画認定制度は、改正マンション管理適正化法の柱のひとつで、管理組合の管理計画が基準を満たせば、自治体から認定を受けることができる。認定を受ければ、不動産市場で評価されてマンションの資産価値が高まり、周辺地域の環境向上に役立つことが期待できる。
ただし、良い管理にはそれなりのコストがかかる。つまりお金の問題だ。
マンション管理組合は、共有財産の維持と快適な住環境という二つの目的のため、必要な資金を管理している。お金の管理は一般会計と特別会計の二つに分かれる。
一般会計は、日常的に必要な「フロー」のお金を扱う。区分所有者が毎月払う管理費が主収入で、管理会社に支払う管理委託費、共用部の光熱費、損害保険料などが支出となる。管理会社は、共用部設備の維持・点検、清掃、ごみ収集の管理などを請け負っている。
特別会計は、大規模修繕工事に備える「ストック」のお金を扱う。マンションの建物・設備は経年劣化するため、寿命を延ばして資産価値を保つため、十数年ごとに大規模修繕工事が必要になる。1回あたりの費用は数千万~十数億円と高額で、区分所有者はそのための資金を毎月、修繕積立金として積み立てている。
新築マンションは、不動産開発会社が分譲時に管…
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