筆者は10年ほど前、日産・ルノーが主催する国際的な学生ビジネスコンペでカルロス・ゴーン氏と話したことがある。当時は、このような企画はまだ革新的なもので、ゴーン氏の相手を見るまなざしの強さに驚いた。進取の気性と目力でその地位まで駆け上った剛腕の経営者、という評判どおりの印象だった。
今回の「ゴーン事件」はフランスでも当然ながら大きな関心が持たれている。筆者はこの原稿執筆時にちょうどパリに滞在していたので、フランスのビジネスマン、外交関係者、さらには一般の人たちにも感想を聞いてみた。
ただ、反応はあまり明確なものではなかった。私が日本人なので、面と向かって日産および日本の検察のやり方の批判は避けたのかもしれないが、この事件をどう考えるか戸惑っていたことは確かだ。
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