エルの楽園

Twitterで垂れ流すには見苦しい長文を置きます。 あ、はてな女子です。

マスコミは本当にインボイスについて報道しなかったのか

インボイス反対署名が36万筆を超え、先日4日に財務省に提出されました。 nordot.app このインボイスをめぐる報道に関し、マスコミは全然報道しなかった!という意見が散見されます。

「○○という問題についてマスコミは報道しない!」という批判はよくあることです。 本当はマスコミもちゃんと報道しているのに、観測範囲の問題でたまたまそのひとの目に入らなかったり、あるいは単にこれだけの報道量では足りない!もっと注目してほしい!という意味でこのような批判がなされたりします。 インボイス制度なんていう世の中が大きく変わる重大問題、本当にマスコミはちゃんと報道しなかったと言えるのでしょうか?

という訳で簡単に検証してみました。

今回は新聞についてのみ調べます。調査対象は以下の四紙です。

本来は五大紙ということで産経新聞も含めるべきだったのでしょうが、WEBサイトからの記事検索結結果が100件までしか取得できなかったので除外しました。

「報道している/していない」は相対的な問題ですので、他のニューストピックに対し"インボイス"がどれほど記事内に含まれていたのかをチェックします。比較対象となるニューストピックは何がいいかな……

お、読売新聞の検索画面には「よく検索されるキーワード」のサジェストがありますね、優秀!こちらの一覧を比較対象として使いましょう。

読売新聞記事検索画面
また、「インボイス」の他に「報道されない!忖度だ!」と批判されたキーワードで最近のものですと「ジャニー喜多川」があります。こちらも合わせてベンチマークとして使用します。

これで大体方針が決まりました。上記全国紙四紙で、2022年9月1日から2023年9月1日の一年間における以下の各キーワードを含む記事数を計上し、比較します。比較対象となるキーワードを含む記事数に対し、「インボイス」を含む記事数が十分に少なければ「マスコミはインボイスについて報道しなかった!」と堂々と言えますね。 対象となるキーワードは以下の通りです。

では結果をどうぞ。まずは表から;

読売新聞 朝日新聞 毎日新聞 日経新聞
インボイス 24 57 58 136
ウクライナ 5741 8721 11000 8437
大谷翔平 959 585 2200 638
処理水 502 682 1200 513
チャットGPT 381 661 700 948
マイナンバー 511 879 900 595
竜王戦 875 156 400 17
ジャニー喜多川 63 179 200 37

ん……

ん~~……なんか桁が……

ちょっとピンとこないのでグラフにしてみます。

各全国紙 キーワード別記事数
すごい、ウクライナが圧倒的ですね!!ウクライナ関連記事数に比べたら他のキーワードがかすみます。 この一年間、日本の新聞は他のキーワードを全て合計したよりも多くウクライナについて報道していました。

この状態では他のキーワードとの関係が分かりづらいので、ウクライナを除外します。

各全国紙 キーワード別記事数(ウクライナを除外)

おおお、これはすごい……「インボイス」がほとんどグラフ上に見えません……! ウクライナを除外すれば、全国紙はおおよそ大谷翔平選手のことを話題にしていました。その他のキーワードについては各紙の個性が出ていてなかなか面白いですね。例えば読売は大谷翔平選手に次ぐくらい竜王戦のことを報道しており、競技系の話題に関心が高そうなところが伺えます。また、朝日新聞や毎日新聞はマイナンバーや処理水のことを話題にしているのもそれらしいですね。 日経はさすが硬派で、チャットGPTが首位に来ています。また、他紙にくらべてさすがにインボイスを話題にする件数も多いですね。

……さて、この結果を見る限りではインボイスは「ウクライナ」はおろか「竜王戦」ほども話題にされておらず、忖度報道が取りざたされた「ジャニー喜多川」より更に報道されていないことになります。やっぱり忖度なんだろうか……?財務省と軽減税率は強し、ということなんでしょうかw

ちなみにこの結果が「みんなに関心がなかったからマスコミが報道しなかったのでは?」という話はちょっと違ってて、以下はGoogleトレンドの結果です。

Google トレンド

*1

この通り「インボイス」は時期によっては「ウクライナ」より検索数が多く、全期間を通じて決して他のキーワードに比べて読者の関心がなかったキーワードではありません。

何にせよ「マスコミはインボイスについて全然報道しない!」という批判は正しかった、ということになります。疑ってすみませんでした。

当ブログでは消費税撤廃を応援しております;P

*1:すみません、Google トレンドがうまく埋め込み表示されないようなのでここにURLを置きます。見られない場合はこちらからご確認ください。

国債をもっと発行すれば生活が良くなるのか?

本記事では「国債をもっとバンバン発行すれば生活が良くなるのか?」という問いをデータで検証します。
このような主張をするひとたちはMMT派などと呼ばれることがあり、賛成と反対が入り乱れておりますが、ここではそれぞれの理論の詳細には立ち入りません。

さて先に結論ですが、答えは「Yes」です。
ただそこにたどり着くまでに色々と前提条件や筋道があるので、以下は長文で恐れ入りますがどうぞお時間のある方はお付き合いください。

そもそも、今なんで生活が苦しいの?

普通に生きている市民一人一人の経済状況がどういう具合なのかを見るのに、GDPやインフレ率、円高/円安といった指標はあまり直感的ではありません。一番分かりやすいのはズバリ「手取り」でしょう。税引き後所得である可処分所得==手取りの金額こそが日々の生活に直結する指標かと思います。
という訳で、国民生活基礎調査より1996年からの1世帯あたり平均可処分所得の推移を確認します。なお、国民生活基礎調査で言う「可処分所得」の定義は以下の通りです。

「可処分所得」とは、所得から所得税、住民税、社会保険料、固定資産税・都市計画税及び自動車税等を差し引いたものであり、「所得」はいわゆる税込みで、「可処分所得」は手取り収入に相当する。

所得・可処分所得共に下がっています。わたしたちの大半は給与所得を主な生活の糧としているので、所得の低下は賃金の低下が原因であると考えられます。
1996年には545.4万円だった可処分所得が、2019年には417.7万円に下がっています。23年間で手取り金額は127.7万円も下がっている訳ですね、これは生活が苦しいはずです。可処分所得のみが下がったのであれば税金や社会保険料が上がったのかも?とも思えるのですが、所得そのものが下がっている以上、原因の一つは賃金の減額であることは間違いなさそうです。念のため、所得から差し引かれている税金・社会保険料等の割合を計算してみます。

あっ、ちょっと待ってください。改めて可処分所得の定義を見ますと、所得から差し引かれているのは「所得税、住民税、社会保険料、固定資産税・都市計画税及び自動車税等」とあります。我々が日々支払う消費税が含まれていませんので、その分を補正します。1世帯の平均人数は1996年から現在まで大体3人前後ですが、3人家族がこの手取りでロクな貯金ができるとは考えづらいので、全額を消費に回すものとして再度可処分所得の計算を行います。また、この補正後の可処分所得を用いて税金・社会保険料等の差引率を計算します。

補正後の可処分所得はなんと2019年で384.3万円、税金・社会保険料等で持っていかれる率は30%を超えます。これで3人家族が老親を介護し老後に備えて貯金し子を産み育てよと言うのでしょうか?正直、言葉もない数字です。

ここまでの検証で、生活が苦しくなっている理由が2つ分かりました。

  • 賃金が下がっている
  • 税金・社会保険料等が上がっている

です。

手取りを上げるために、国家には何ができるのか?

まず税金・社会保険料について考えます。これは国家が直接に操作できるので、政府の意向次第ですぐに減額できます。もし一切の税金・社会保険料が0になった場合、2019年の可処分所得は552.3万円まで上がります。大分マシに見えますね。
ただし、そもそも1996年の可処分所得が545.4万円と高々6万円の差しかないことを考えると、あまり本質的な解決には見えません。それに一切の税金・社会保険料が0というのもなんだか非現実的*1に思えます。

やはり本質的な原因は賃金が下がったことにあるように思えますので、次に賃上げについて考えます。賃金が下がった原因は色々ある*2かと思いますが、ここでは原因よりも国家が打てる具体的施策に注目します。
賃金は原則として各雇用主が自由に決めるので、国家が直接に全員の賃金を操作できる訳ではありません。ただし、国家は自ら雇っている労働者、つまり公務員の賃金を上げることはできます。また、公共事業という形で間接的にひとを雇用する道もあります。日本中にいる失業者や劣悪な待遇で働いている労働者の全員を国家が適正な待遇で雇用すれば、国家主導での賃上げを行えます。劣悪な待遇だと人材を国家にとられてしまうとなれば、民間企業も待遇改善へのインセンティブが上がると思われます。
幸い公務員が行うべき仕事はたくさんあります。官僚は連日長時間労働していますしあちこちのインフラは老朽化しており、保育士や介護士、学校の教職員なども足りていません。こうした国家による大規模雇用はニューディール政策として歴史上の例があり、あながち突飛な考えではありません。詳しくは以下の本をご覧ください。
経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策

具体的にいくら必要?どう確保する?

ではこうした賃上げを行うために、具体的にどの程度のお金が必要なのでしょうか。冒頭のtweetにある通り、1996年から毎年2%程度の自然な所得増加が起きていれば今頃我々の手取りは834.2万円、額面に直すと1121万円だったはずでした。しかし今となってはこの金額も夢物語です。もっと現実的な金額として、仮に一世帯あたり450万円という可処分所得を想定します。たとえ一人暮らしでもこのくらいは欲しいですよね。
2019年現在、日本には約51,785,000世帯あります。このうち、可処分所得が450万円を下回る世帯は23,215,216世帯です。内訳を以下のグラフに示します。

これらの世帯が可処分所得450万円を上回るよう給与を支給した場合、総額は約135兆8090億円になります。

135兆8090億円?!
ええと、日本の令和4年度国家予算が107兆6,000億円だから……それ以上ですね。

135兆8090億円という金額を税金で賄おうとするのは到底無理です。国債で何とかする以外道はありません。
ちなみにアメリカの国債発行高は日本円換算で約3692兆円、国民一人当たり1,112,041円です。一方で日本の国債発行高は236兆円、国民一人当たり188,513円です。こうして見ると国債をもう136兆円追加する程度なら全然大丈夫っぽく思えますね。まぁ日本を含む多くの国では別に国債のお金を"返さなくてもいい"ので、負債云々は別に問題ではないんですが……

改めて結論

という訳で、最初の問「国債をもっと発行すれば生活が良くなるのか?」の答えは
「Yes。追加で約136兆円分を発行し、その分を雇用増強に割り振れば生活がよくなる」です。

さて、こういう結論をつけると「ハイパーインフレや深刻な円安、大恐慌を招く!国が滅びるぞ!」という反論がありそうですが、それに対する現時点でのわたしの答えは
「真面目に働く人間をマトモな待遇で雇うだけでなぜハイパーインフレが起きるのか分からない。そんなことにはならないと思うが、もし万が一本当にそれで滅びるような国であれば、滅びて頂いて結構」
です。

ハイパーインフレだかなんだか知らないですが、普通に働いて生活できる賃金を得てはいけないのでしょうか?まだ見ぬインフレのために、いつまでも明日をも知れぬ生活に耐えなければいけないのでしょうか?しかも年を追うごとに手取りは減っているのに、インフレになる??全然分からないです。

本ブログでは令和の所得倍増計画を応援しています。誰が実行してくれることになるのかは分からないですが;P

*1:大幅減税を唱えているMMT派ですら、インフレ抑制手段としての徴税には賛成しています。インフレは理論上起こり得るものであり、最低限の課税による徴税機構の維持は必要と考えます。

*2:ちなみに「失業率が改善した結果短時間の雇用者が増え、その結果賃金の平均が下がった」という見方がありますが、それは国民生活時間調査の結果より否定されます。同調査によれば労働時間はむしろ伸びています。

病床削減に賛成した議員の実名一覧を公表します(衆議院編)

という訳で実名を公表します。
本稿では実名の他、根拠法案や議事録も併せてご紹介します。これらの情報が来る衆院選における皆様の判断基準の一助となることを望みます。

まず前提条件として、現時点での病床削減は「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案」というものを根拠として推し進められています。
本件についてのポンチ絵は以下の通り。
f:id:aliliput:20210824152726p:plain
元ファイルはこちらです。
本法案の詳細はこちらをご覧ください。
これらの資料にお目通しいただいた上で、改めてご判断頂ければと思います。

さて、この法案はどのようにして生まれ成立したのでしょうか。
衆議院公式サイトでこの軌跡をたどれます。
www.shugiin.go.jp
これによれば本法案は4/7に厚生労働委員会における審査、4/8に衆議院本会議での審議が終わって可決され、参議院に回されています。
賛成と反対は会派ごとに分かれており、上記の経過情報によればそれぞれ以下の通りです。

少々分かりづらいですが各会派と政党は完全一致している訳ではなく、無所属議員もまたそれぞれの会派に分かれています。基本的には国会における投票は党議拘束がかけられるため会派ごとに行い、個別の議員の意思が示されることはあまりないようです。
それぞれの会派にどの議員がいるかを確認します。会派ごとの議員一覧はこちらから確認できます。
www.shugiin.go.jp

うわいっぱいいますね、まぁ衆議院の定数465人だからこんなものか……とりあえず改めて会派ごとの議員一覧にリンクを貼っておきます。個人的には国民民主党が賛成派なのがちょっと意外ですね。

以上が「病床削減に賛成した議員の実名一覧」ということになりますが、さてこれだけ人数がいると、具体的に誰が主要な責任を負っているのか分かりづらいですね。もうちょっと細かく確認するために、先ほどの議案審議経過情報に掲載されていた「厚生労働委員会」に注目してみます。

すべての国会議員は何らかの委員会に所属し、法案についての専門的な議論はここで行うことになっています。この委員会を通過したものが本会議に回されるので、この法案を通した厚生労働委員会の責任は重大そうです。
4/7の会議に参加した厚生労働委員会のメンバーを確認してみます。こちらの議事録に出席者が掲載されています。

議事の詳細は議事録を読んでください。尾身先生も参考人として発言されています。
病床削減をめぐる議論で発言数の多い、重要な発言をしたと見られる議員を何人かピックアップしてこちらにご紹介します。
なお多数派である賛成派には議論をするインセンティブがないので、発言するのは反対派の議員が多くなります。

まず厚生労働委員長、自民党・とかしきなおみ議員です。自民党なので賛成派です。
twitter.com

医師であり、自ら新型コロナ医療の前線に立っておられる自民党・国光あやの議員。本法案の賛成派でいらっしゃいます。
twitter.com

立憲民主党・長妻昭議員。本法案は反対派です。
twitter.com

やはり医師としてワクチン接種等を推進されている立憲民主党・吉田統彦議員。本法案は反対派です。
twitter.com

立憲民主党・川内博史議員。本法案は反対派です。
twitter.com

立憲民主党・尾辻かな子議員。本法案は反対派です。
twitter.com

立憲民主党・山川百合子議員。本法案は反対派です。
twitter.com

共産党・宮本徹議員。本法案は反対派です。
twitter.com


同じ医師の議員でも賛成と反対とに立場が分かれるのが印象深いです。
また、政府というものへの不信感が見て取れる議論だなと思いました。



そのアンケートを取るな

※随時追記するかも

  • 「お気に召しましたか?」なんて聞くな。「はい」や「いいえ」と答えられたところでどうするんだ?次の手につながらないだろ。継続率を見ろ。
  • 「誰かに勧めたいと思いますか?」なんて聞くな。ご紹介キャンペーンをやれ。意見と行動とは別物だ。
  • 「こんな商品/サービスが欲しいですか?」なんて聞くな。限定で売れ。クラファンで予約を取れ。意見と行動とは別物だ。
  • 「○○円なら買いますか?」なんて聞くな。プライシングをアンケートごときに左右されるところがもう経営の放棄だ。値下げの前に本来の値段で売れるような施策を打て。
  • 「どこでこの商品/サービスを知りましたか?」なんて聞くな。聞かなければわからない段階で普段のデータの取り方がおかしい。
  • 「どの機能を一番よく使いますか?」なんて聞くな。WEBアプリならそれくらいログを取れるようにしておけ。
  • 「どの機能が分かりづらいですか?」なんて聞くな。WEBアプリならそれくらいログを取れるようにしておけ。どうせ聞くなら客ではなくコールセンターに先に聞け。
  • 「どの情報を知りたいですか?」なんて聞くな。記事を書いて見えるところに置いておけ。今までの検索語の推移とアクセスログを見ろ。
  • 「どこが気に入りましたか?」なんて聞くな。競合を見るのが先だ。
  • 「どこが気に入りませんでしたか?」なんて聞くな。競合を見るのが先だ。
  • 「デザインに不満はありますか?」なんて聞くな。A/Bテストをやれ。
  • 「導入の決め手はなんですか?」なんて聞くな。質問が断片的すぎる。じっくりファネルの形を見ろ。
  • 改善点を安易に聞くな。そんな大事なことをアンケートで的確かつお気軽に答えてもらえると思っている時点で改善に真剣に取り組んでいない証拠だ。本気で知りたいならきちんとユーザビリティテストをやれ。
  • ご解約理由なんて聞くな。どうせ聞くなら乗り換え先の名前を聞け。これには謝礼を支払ってもいい。
  • とりあえずで性別や年齢や居住地を聞くな。余計な情報は握るだけリスクだし他に聞くべきことが流されてしまう。必要性を明確にしてから聞け。

極力客にアンケートをとるな。人間はウソつきばっかりで、自分の好悪や行動の理由などほとんど自覚していない。
アンケートを取るときは1問増える事にウソが5%増えると心得ろ。
本気で客の意見を知りたいならまず真面目にインタビューをやれ。アンケートを取るな。出来合いのアンケートで調査したつもりになるな。


国会議員のTweet40万件分析して支持すべき政治家を探してみた

新型コロナ禍が我が国の政治の深刻な問題をあぶり出しています。一市民としては支持する政治家を本腰入れて検討しなければいけません。

個人的な問題意識は主に「労働」と「財政」にありますので、これらの問題に積極的に取り組んでくれる方がいいです。今回のコロナ禍でこの2つは本当に切実な問題になりました。反対に「脱原発」とか「改憲」はやめてほしいかな……「財政再建」とかも当然ムリ!あ、もちろん国政の話です。

そんな訳でデータの力で問題意識の合う現職国会議員を探してみました。使うのはみんな大好きPython3 on Google colab(Jupyter notebook)です。技術的な話を飛ばして結論だけ見たい方はこちらからどうぞ。

やったこと

まずはTwitterをやっているすべての現職国会議員のTweetを一人当たり最新1000件ほど取得します。現職国会議員のアカウント一覧は国会議員いちらんリスト@standbycitizens様よりお借りしました。

##党員一覧を衆参それぞれに取得
def get_member_list(id):
  members = []
  for member in tweepy.Cursor(api.list_members, list_id=id).items():
    members.append(member.screen_name)
  return members

jimin_lower = get_member_list(1062685419437871104)
jimin_upper = get_member_list(1062298938223411200)
koumei_upper = get_member_list(1062306783929131010)
rikken_upper = get_member_list(1062311126208151552)
##...以下続く

Twitterをやっておられない方もおられるので、全アカウント数は522個でした。国会議員は衆参合わせて710名なので、約74%の議員がTwitterをやっていることになります。このリストから各党ごとの人数も算出しておきます。

#党員一人あたりTweetを1000件取得しCSVに格納
def get_tweets(screen_name, party, house):
  for m in screen_name:
    for tweet in tweepy.Cursor(api.user_timeline,screen_name = m,exclude_replies = False, wait_on_rate_limit = True).items(1000):
      tweets = [m, party, house, tweet.id,tweet.created_at+datetime.timedelta(hours=9),tweet.text.replace('\n','')]
      with open('tweets.csv', 'a') as f:
        writer = csv.writer(f)
        writer.writerow(tweets)

get_tweets(shamin, 'shamin', 'upper')

1000件も投稿していない方や鍵垢の方もおられるので、実際の件数は408,854件でした。

words_labor = ['ブラック企業', '労働', '賃金', '雇用', '解雇', '待遇', '失業', '派遣切り', '雇い止め']
words_finance = ['財政出動', '給付', '交付金', '減税', 'デフレ']
words_ng = ['改憲', '九条', '脱原発', '財政再建']

関心事リストとNGリストを単語レベルで作成します。単語リストはやはりこうした問題に関心をお持ちの @koshian 様にお手伝い頂きました。できるだけ推進派・賛成派が引っ掛かり、反対派は引っ掛からないような言葉を選んでいます。機械学習な自然言語解析とかはせず原始的な方法で。

df = pd.read_csv('tweets.csv')

def get_tweets_by_topic(w_list):
  df_new = pd.DataFrame()
  for w in w_list:
    add = df[df['tweet'].str.contains(w, na = False)]
    df_new = pd.concat([df_new, add])
  return df_new

CSVに保存したデータをDataFrameで読み込み、リストに設定した各単語が含まれているtweetを抽出。

結果

まずは政党ごとの「労働」問題についてのtweet総数(のべ)です。立憲民主党が最も多く、次に自民党です。

party_names_labor = df_labor['party'].value_counts()
print(party_names_labor)
--
rikken         3763
jimin          3468
koumei         1720
kyosan         1266
independent     576
ishin           371
kokumin         361
shamin          210
Name: party, dtype: int64

議員一人当たりの件数に直すと毛色が変わってきます。圧倒的なのが社民党の約70件、次いで共産党の50.6件です。左派政党の面目躍如ですね。自民党は最下位でした。

jimin          14.1
rikken         27.7
koumei         35.8
kyosan         50.6
kokumin        27.8
ishin          16.1
shamin         70.0
independent    20.6
dtype: float64

それでは個人だと労働問題について誰が一番発言しているでしょうか?上位10名を確認します。

person_names = df_labor['name'].value_counts()
person_names.head(10)
--
yamanoikazunori    262
ishibashi2010      174
hanyuda_takashi    156
pru_moriya         150
miyamototooru      136
wako0501           135
kishimakiko_j      132
genkihoriuchi      131
hatanokimie        123
Senator_ISHIDA     113
Name: name, dtype: int64

圧倒的に多いのが立憲民主党の山井和則氏です。延べとはいえ1000件中1/4以上が労働関連のtweetです。

twitter.com

その次が同じく立憲民主党の石橋みちひろ氏、そして自民党の羽生田たかし氏と続きます。政党というより、個人間で大きなばらつきがあるようです。

では次に「財政」問題に関心の高い政党を確認しましょう。

df_finance = get_tweets_by_topic(words_finance)
party_names_finance = df_finance['party'].value_counts()
print(party_names_finance)
--
rikken         2543
jimin          2493
koumei         2134
kyosan          924
independent     588
kokumin         390
ishin           286
shamin           41
Name: party, dtype: int64

こちらは全体的に「労働」問題に比べて件数が少ないです。そして一番はやはり立憲民主党ですね。

jimin          10.1
rikken         18.7
koumei         44.5
kyosan         37.0
kokumin        30.0
ishin          12.4
shamin         13.7
independent    21.0
dtype: float64

一人当たりに直すとやはり見える景色が変わってきます。なんと一位は公明党の約44.5件です。次いで共産党の37件、国民民主党の30件と続きます。社民党は維新並みに少なく、財政に弱いというイメージが裏付けられた感じです。そして最下位はやはり自民党なんですが、自民党の方は普段何を話しておられるのでしょうか??

そして個人だと

person_names = df_finance['name'].value_counts()
person_names.head(10)
--
yamanoikazunori    192
tamakiyuichiro     136
ueno_hiroshi       131
akutsu0626         126
andouhiroshi       120
hisatake_sugi      111
sayaka_sasaki      106
kitagawa_kazuo      95
yasue_nobuo         92
310kakizawa         90
Name: name, dtype: int64

ここでも一位は立憲民主党の山井和則氏でした。2位は国民民主党の玉木雄一郎氏ですね。玉木氏は財政についてたくさん発言されているという印象がありましたが、実はそのはるか上がおり、3位の自民党・上野宏史氏とあまり変わりません。やはり政党というより個人間のばらつきが大きい感じです。なお、玉木雄一郎氏は労働問題については32件投稿されています。

では、NGなトピックについて一番発言している政党の確認です。

df_ng = get_tweets_by_topic(words_ng)
party_names_ng = df_ng['party'].value_counts()
print(party_names_ng)
--
rikken         350
kyosan         276
jimin          135
kokumin         62
shamin          50
ishin           49
independent     39
koumei          38
Name: party, dtype: int64

ぐっと件数は下がったものの、こちらでも立憲民主党がトップでした。どうも立憲民主党は良くも悪くもわたしの関心があるトピックについて語ることが多いようです。ただ、どの党も思ったよりNGな事柄について話していないようなので安心しました。

件数が少ないので、一人当たりの変換はしません。個人の検証に移ります。

person_ng = df_ng['name'].value_counts()
person_ng.head(10)
--
ShioriYamao        49
tadatomoyoshida    34
yunoki_m           34
pioneertaku84      34
TAMURATAKAAKI      31
ryon_t             22
kondo_shoichi      22
kurabayashia       21
ShiokawaTetsuya    21
kokutakeiji        20
Name: name, dtype: int64

なんと、トップの国民民主党・山尾志桜里氏が国民民主党全件62件のうち49件を稼いでいる!!なるほどですね……

さてここまで来て、わたしが推すべき政党は共産党、政治家は立憲民主党の山井和則氏だということがわかりました。財政と労働、どちらの問題についても積極的なご関心をお持ちのようです。しかし、うーーん共産党は覚悟してたが立憲民主党か……一応、山井氏がNG発言をされていないかどうかを確認します。

person_ng['yamanoikazunori']
--
KeyError: 'yamanoikazunori'

素晴らしい、一件もありません!!

本当に山井氏を推していいかどうか最終確認のために公式サイトを見ます。

yamanoi.net
政策を拝見する限り、賃上げや子どもの貧困問題に積極的に取り組んでおられるようです。そこは素晴らしいですね。ただ立憲民主党の政策として事業仕分けや公共事業削減に積極的な点についてはどうお考えなのか気になります。立憲民主党ではなく共産党に移って頂いたら安心できるのかな……

今後の課題

単語でのマッチを見るだけでは主張を解析するのに不十分でしょうから、機械学習での自然言語処理などを使って内容に踏み込んだ主張の解析を行いたいと思います。とはいえそういうことは全然わからないので有識者のご指導ご鞭撻を仰ぎたいところです。chainerとかやればいいのかな……ドキドキ。

新型コロナ感染者数が一番ヤバい都市はどこか

人口100万人以上の政令指定都市の新型コロナウィルス感染者数を月ごとに時系列で追ってみました。Pandasの勉強をしようと思っていたらこんなデータを見つけたので遊んでみた結果です。

gis.jag-japan.com

 

人口100人以上の政令指定都市は以下の11都市です。

  1. 札幌市
  2. 仙台市
  3. 横浜市
  4. 川崎市
  5. さいたま市
  6. 名古屋市
  7. 京都市
  8. 大阪市
  9. 神戸市
  10. 広島市
  11. 福岡市

まずは3月から11月までの各都市別新規感染者数。

f:id:aliliput:20201213224524p:plain

8月に一度大きな山があったことがわかりますが、中でも大阪はぶっちぎりです。近隣の京都や神戸は比較的健闘しているようです。

大阪と札幌は増加傾向にあるのが怖いですね。

こちらは10万人ごとの新規感染者数。

f:id:aliliput:20201213224825p:plain

8月には大阪以外にも福岡市が思いの他マズい状況にあったことが分かりました。次いで名古屋が割とピンチだったかも?しかしどちらもその後は抑え込んでいることがわかります。

それにしても大阪はマズいですね、人口補正をかけてもこの通りです。これは周辺地域が気が気でないでしょう。札幌と大阪の二都市がなぜ増加傾向にあるのかは興味深い問題です。

以下はやったこと。

もっとすっきりした風に書きたいので、有識者の添削をお待ちしております。

まずはデータを取得

import pandas as pd
import numpy as np
import datetime as dt 
import matplotlib.pyplot as plt

 時系列データを追うために日付をdatetimeに変換

df['確定日'] = pd.to_datetime(df['確定日'])
各都市の人口は別場所からとってきて辞書型に格納
cities = ['yokohama', 'osaka', 'nagoya', 'sapporo', 'fukuoka', 'kawasaki', 'kobe', 'kyoto', 'saitama', 'hiroshima', 'sendai']
numbers = [3756412, 2750995, 2328138, 1972978, 1602633, 1539082, 1516638, 1457856, 1318753, 1198664, 1091992]
populations = dict(zip(cities, numbers))
各都市の新規感染者数はこんな感じて取得。query()がなぜかdatetimeと仲悪かったんじゃ……
def get_ts_list(city):
  df_city = df[(df['居住市区町村'] == city)]
  ts_list = 
  month = 3
  while month < 12 :
    date = "2020/" + str(month) + "/1"
    date2 = "2020/" + str(month+1) + "/1"
    p = df_city['確定日'] >= dt.datetime.strptime(date, "%Y/%m/%d")
    s = df_city['確定日'] >= dt.datetime.strptime(date2, "%Y/%m/%d")
    new = p.sum()-s.sum()
    ts_list.append(new)
    month +=1
  return ts_list
新規感染者数を10万人あたりで計算する。
def get_ts_per_list(ts, city):
  ts_per = 
  for p in ts:
    per = round(p/populations[city]*100000, 1)
    ts_per.append(per)
  return ts_per

 グラフ描画はこんな感じ。データが多いので画像を拡大し凡例を出しています。

plt.figure(figsize=(6, 3), dpi=200)
plt.plot(month, sapporo_ts, marker="o", color = "#E60012", linestyle = "--", label="Sapporo")
plt.plot(month, sendai_ts, marker="o", color = "#F39800", linestyle = "--", label="Sendai")
plt.plot(month, yokohama_ts, marker="o", color = "#DFD000", linestyle = "--", label="Yokohama")
plt.plot(month, kawasaki_ts, marker="o", color = "#009944", linestyle = "--", label="Kawasaki")
plt.plot(month, saitama_ts, marker="o", color = "#0068B7", linestyle = "--", label="Saitama")
plt.plot(month, nagoya_ts, marker="o", color = "#1D2088", linestyle = "--", label="Nagoya")
plt.plot(month, kyoto_ts, marker="o", color = "#920783", linestyle = "--", label="Kyoto")
plt.plot(month, osaka_ts, marker="v", color = "#C7000B", linestyle = "--", label="Osaka")
plt.plot(month, kobe_ts, marker="v", color = "#E8AC51", linestyle = "--", label="Kobe")
plt.plot(month, fukuoka_ts, marker="v", color = "#0068B7", linestyle = "--", label="Fukuoka")
plt.plot(month, hiroshima_ts, marker="v", color = "#39A869", linestyle = "--", label="Hiroshima")
plt.legend(loc="upper left", fontsize=8)

在宅勤務用コミュニケーションツールを色々使ったので感想をまとめる

コロナ禍を機に在宅勤務や遊び等で以下のコミュニケーションツールを使ったので、現時点での使用感まとめです。以下のメジャーなツールについて総合評価(星5つ満点)と利点・欠点、向いている用途を並べます。

  1. zoom
  2. Slack
  3. Chatwork
  4. Discord < おススメ!
  5. LINEグループ通話
  6. Microsoft teams

使用環境はいずれもWindowsのパソコンとアンドロイドのタブレット、使用目的は業務連絡、会議、オンライン授業(輪講・一斉講義)、オンライン飲み会、オンライン人狼&マーダーミステリーです。

※個人の感想です。正確な情報は必ず公式サイトをご確認ください。

1. zoom ★★

zoom.us

いいところ:

  • 人口に膾炙している点がとてもつよい。誰でも知っている。でもそれだけならLINEでいいかなって
  • URLをクリックするだけで参加でき、アカウントを作れとかアプリをインストールしろなどとあまりうるさく言われない。
  • URLを公開して不特定多数に参加してもらう目的に向いている。

よくないなっておもうところ:

  • 45分制限が意味わからん。このせいで無料版はほぼほぼ使い物にならない。
  • 動作がそんなに軽い訳ではない。
  • ファイル共有やテキストチャットとの併用が難しい。画面を占有する。
  • 絶対顔を映すマンが多いカルチャーが向かない。顔を映すな、資料を共有しろ。通信量を削減するんだ。
  • オンライン講義でこれを使うのはやめましょう。オンライン講義はせめて後述のDiscordにしましょう。

2. Slack ★★★★

slack.com

いいところ:

  • ブラウザでも軽快に動作し専用アプリを入れなくてもよい。専用アプリ自体の動作も軽い。
  • テキストチャットとして必要十分の機能を備えているし、bot開発もできる。
  • 複数アカウントの使いまわしが簡単。
  • アカウントを複数使わなくともワークスペースごとにアイコンと表示名を変更できる。
  • チャンネルの作成が簡単。
  • Slackをメインにできるチームは非同期なコミュニケーションに適性がある。すぐ音声通話しようってならないカルチャーがあって快適。
  • ビデオ会議のできる機能はないので別ツールを併用する必要はあるが、会議ではない普段の業務連絡を集約するのに至適。

よくないなっておもうところ:

  • UIに若干分かりづらい部分がある。ド素人向きではないかも。

3. Chatwork ★★★

go.chatwork.com

いいところ:

  • ブラウザでも軽快に動作し専用アプリを入れなくてもよい。専用アプリ自体の動作も軽い。
  • 機能がミニマムなのでド素人さんでもすぐに使える。
  • 他者にタスクを投げる機能は地味に便利

よくないなっておもうところ:

  • 無料版だとコンタクト数やログの制限が厳しめ。
  • 機能が少ないのですぐに物足りなくなる。あくまでビジネスチャットの練習用と割り切った方がいいかも。
  • 複数アカウントの取り回しが面倒くさい。

4. Discord ★★★★★ 現時点でのベスト、おススメ。

discord.com

いいところ:

  • トップクラスの動作の軽さ。元々ゲーマーの実況用ツールだったので他のアプリを立ち上げた横でながら使いするのに極めて向いている。ブラウザでも軽快に動作し専用アプリを入れなくてもよい。専用アプリ自体の動作も軽い。
  • PCだとテキストチャット、音声通話、ビデオ会議や画面共有が画面遷移なくシームレスに切り替え可能。これは本当に本当に便利。なお動作は軽い。
  • テキストチャットツールとして必要十分な機能。またbotの開発も可能。
  • アカウントを複数作らずともサーバーごとに表示名を変更可能。
  • 専用アプリを入れろとうるさく言われない。
  • SlackはIRCの後継という話があったが、カルチャーはDiscordの方がIRCっぽい。絶対顔を映すマンもほとんどおらず落ち着く。
  • リアルタイム音声通話も非同期なテキストチャットも同時に使いたい欲張り組織向け。
  • オンライン人狼やオンラインマーダーミステリーにもおススメ。というかそういう用途にはこれ一択。

よくないなっておもうところ:

  • 複数アカウントでの使用が想定されておらず、取り回しが面倒くさい。
  • 若干UIに慣れが必要。ド素人には難しいかも。

5. LINEグループ通話 ★★★

guide.line.me

いいところ:

  • 人口に膾炙しているという点ではNo.1。ほぼほぼみんなアプリを入れている。
  • zoomより若干通話品質が安定している。
  • クローズドグループ前提なので知らんひとに乱入される恐れがない。
  • 身内の飲み会ならLINEのグループビデオ通話がベストでしょう。今なら200人も入れるんだし。

よくないなっておもうところ:

  • よくも悪くも身内のオンライン飲み会用途に特化している。他の用途には使えない。

6. Microsoft teams ★★

www.microsoft.com

いいところ:

  • Office 365アカウントがあるひとがホストすれば誰でも使える。
  • Office suiteで作成したファイルを直接編集できる。
  • テキストチャットもビデオチャットもあって多機能ではある。
  • 一応アプリを入れる必要はなく、ブラウザで動く。
  • Microsoftに魂を売り鉄の忠誠を誓っている組織ならいいと思います。

よくないなっておもうところ:

  • とにかく動作がもっさり。画面の広いパソコン使ってるのにことあるごとに無用な画面遷移が発生し、専用アプリ使ってるのにチーム移動だけでもストレスがマッハ。ここで-500点。
  • UIが分かりづらい。チームでの「会話」と「チャット」が違うんだぜ……でもどう違うのかとか説明できないし……あと会議の録音等、できそうでできないことがあった時に権限の問題でできないのか何か機能の使い方が間違っているのかなどが分かりづらく、細部でイラっとすることが多い。
  • ブラウザでも一応動くと言ったものの、アプリを入れろという圧がすごい。

 

 

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