編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

女子大生が大仏次郎という固有名詞を語っているだけで胸熱

30年前に非売品として少部数製作された
Album Jiro Osaragi
って写真集を持っている程度()には
筋金入りの大仏次郎ファンの私が




ってツイートしたのは事実ですけど
感謝の念を抱いているのは本当です。

ま、とはいうものの

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追悼フィリップ・シーモア・小デブ・ホフマン■ヤったかヤらなかったか。が問題なのではない「ダウト-あるカトリック学校で-」

我が最愛の小デブ(といっても身長177cmらしいんですが)
フィリップ・シーモア・ホフマンの訃報に接し、
かつて某SNSに書いていた日記を
謹んで捧げるです。

(オフィシャルサイトから適当に抜粋したあらすじ)

時代が転換点を迎えつつあった1964年のアメリカ。
カトリック学校の厳格な校長(メリル)は、
進歩的で生徒にも人気がある神父(フィリップ)が
学校唯一の黒人男子生徒と“不適切な関係”にあるのでは、
という“疑惑”を抱いていた。
純真な新人教師(エイミー)の目撃談によって芽生えた小さな“疑惑”が
彼女の心を支配し、彼への敵意と変貌する。
果たしてすべては彼女の妄想なのか?
それとも彼が虚偽の証言を行っているのか?

メリル・ストリープvsフィリップ・シーモア・ホフマン。
とばかり喧伝されているので
てっきりそういう作品かと思ったのですが
実際には我が愛する小さいデブ、
フィリップ・シーモア・ホフマンは
あのね、この子はやればこれぐらいは簡単にできる子なの。
いまさら騒がないでほしいわこのぐらいで。
という程度の「名演」、もちろんメリルも力量どおりの「名演」。

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誰がゲスパー星人やねん■某版元公式ツイッター閉鎖の知らせに接してお漏らし

あのですね。
去る1月27日

このたび、公式ツイッター(筑摩書房 @chikumashobo/ちくま文庫 @chikumabunko1/ちくま新書 @ChikumaShinsho/ちくまプリマー新書 @chikumaprimer)を閉鎖しました。弊社および弊社出版物に関する情報については、引き続きこちらの筑摩書房ホームページをご覧ください。
  -筑摩書房からのお知らせ / INFORMATION&TOPICS

こういうお知らせが出ましたでしょ。

・何があった?
・出版社公式アカウントの意義見直し?

と世間ではおだやかに?が飛ぶなか
もっぱら私ひとりだけ
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これで不興を買ったんだろ説を唱えていて

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市議会でアツく語られる物故作家■木山捷平

木山捷平短編小説賞(第9回)が決まった、というニュースが届いたので
(=Googleアラートで「木山捷平」登録してる奴)
賞主催者、笠岡市ホームページを見にいったんですが





たっぷり2時間強、熱中してしまいました笠岡市議会会議録。

以下、全国100人のファン(同志よ!)にお贈りする
笠岡市議会という公的な場所で
とくにファンというわけではない(と思われる)ひとたちに
町おこし素材のひとつとして語られる、
ぼくたちの好きなマイナー・ポエト、
木山捷平ものがたり。

……言っとくけど、長いです。

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本屋大賞が芥川賞直木賞に比肩すべき賞になった日




言っておきますけど
これらのツイートを受けた私の感想は
ですからね。

あと、念のために書いておくと
作家が満を持して世に送り出した最新作こそ未読ですが
(……ぶ、文庫派だから)

「おがたQ、という女」
「いなかのせんきょ」
「恋するたなだ君」
「またたび峠」
「マリッジ・インポッシブル」
は読んでるんで
つまり、愛読者を名乗る資格はないにせよ
このエントリの主旨が揶揄にないことは
あらかじめ申し上げておきたい。

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(誤)キュアロンはワシが育てた(正)14年前、5行のプロフィール書くのに苦労した思い出

ぼーっとゴールデングローブの実況TLを見ていたら



「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロンが
監督賞を受賞したらしい・けど
なんの騒ぎ?
と怪訝な顔をしていたんですが
私のTLには正解もやって来るので
なーるほど。

Because of my thick accent, they end up doing what they thought I said, not what I really said. I'm sure some of the members of the Hollywood Foreign Press will sympathize with this. Sandra, you are the most amazing collaborator, I want to thank you for not quitting when you thought that I have told you, 'Sandra, I'm going to give you herpes,' when I really meant to say, 'Sandra, I'm going to give you an earpiece.'

おいらみたいに訛ってる奴は
「何を言ったか」ではなく「何を言ってると思われたか」
で判断されるのでツライんすけど
サンドラ・ブロックこそがこの映画を作り上げることができた
最大の功労者でさー。

という文脈だったのね。

しかし私がじまんしたいのは(=この正直者を見よ)
以下のプロフィールを2000年に書いていたことでして。
いわく

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俺的「どーなる出版界・2014」

出版の明日は!
みたいな話が好きな人、って一定数いるものですが
かくいう私も大好きで大好きでもー。

今年は書店の店頭で「本屋さんの本」が目立った一年でした。いま私の手元にあるだけでも、以下の本をあげることができます

「本屋さん」の逆襲?――2013年を振り返って « マガジン航[kɔː]

紙書籍で少部数初版のみという本が、デジタル・オンリーへと移行していくのは間違いないだろうなと。デジタルファーストで、そこそこ反響があれば紙も出す、という方向性が、今年は加速していくように思います。また、デジタル・オンリーでそこそこ稼げる作家も複数でてくることでしょう。そんな中で、ボクも一端を担えるようにします。というか、そういう一年にします。

一年の始まりなので、2014年に電子出版関連でどんな動きがあるか予想してみる : 見て歩く者 by 鷹野凌

13年は大きな事件は起きなかったにしても、出版業界は正念場を迎え、14年はあからさまな解体の時期として顕在化してくるであろう。

出版状況クロニクル68(2013年12月1日〜12月31日) - 出版・読書メモランダム

というようなエントリを読むのは好きなんです・けど
自分で予測する気はないんだよねー、
って横向いてるのは
べ、べつにしゃべったらアホがバレる。
って自意識過剰になってるせいぢゃないんだからっ
わ、わたしの仕事が
出版正規軍とは違うスタンスだから……
だからなんだからねっ

という話はいったんおきまして
USでも「出版界を予測する」ネタは当然のようにあります。

なかでもSmashwordsって
個人作家のためのプラットフォームを2008年から構築している
老舗サイトの公式ブログが
俄然注目を(わたしのなかで)集めるきっかけになったのが
こちらのエントリ。

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風の谷のミノネズミと漱石「夢十夜」

ナウシカがテレビで放映されるたび、
無駄に思い出す自分に


さすがに嫌気がさしてきましたですじゃ。
その思いこみを供養するためのエントリーですじゃ。

で、貼れそうな画像はないんか。
と探すなかで(いや、なかったんですけどね)
ミノネズミって名前と
ヘビケラの、ほほー、あいつの幼生。
へー。
などということを、いまさら知った私ですが
ほら、腐海に迷い込んだアスベルが襲われるシーンに出て来る、
大群のアレ。アレがね、
漱石「夢十夜」の第十夜のシーンにインスパイアされてるよね。
ってかれこれ30年弱ずっと言ってるんですよ私。

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ぶ、BOOKOFFヲチブログじゃないんだからねッ!

先日


って書いた件
まあ結論というか私個人の興味の関心は
上記に尽きているんですが
調べた数字を消す前にブログにアゲちゃうわよ。

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ひみつなんとか法案が可決された日に聴くジョン・レノン(予定稿)

私が産まれたのは
ビートルズが既に名ばかりビートルズになっていた頃で
っていうのはつまり
彼らが解散する前に産まれていた世代ではあるオッサンなわけで

そういう年代の人間にとって馴染みある音源は
アナログ盤なんですよね
(当然リマスターなんかじゃないやつな!)

文字通り、円盤が擦り切れるぐらいに聴き倒していたものだから
CDを手にするにしても
アナログ盤で発売の無かったカタログになってしまい
つい先日、ようやくiTunesライブラリに213曲を入れたんですが
ふと気が付けばこの間のインターバル、30年。
というのは過大修辞かもしれませんが
たとえばジョージ・マーティン・オーケストラを聴くのは
確実に25年ぶりぐらいのことではありました。

ええ、何の話をしようとしているのかというと
久しぶりに「Savoy Truffle」聴いたけど
やっぱりいいよねえ、とか
「I Will」のボーカルベース
こんなクリアな音で聴くのは初めてだな、とか
とくに「For Sale」
アナログ盤で俺のカラダに刷り込まれた音感と
ぜんぜん違うやんけ責任者出てこい、とか
そういう話ではなく ←お約束

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「本を買うひとより借りてすませる人のほうが増えた昨今」という物言いの正確性を検証したい

図書館の電子書籍貸し出し 読める本は少ないが……出版社、協力の動きも
というITmediaの記事を読んでいて
本題とは関係のない

(日本図書館)協会のガイドライン策定に携わる湯浅俊彦・立命館大教授は「出版業界が以前、ベストセラー本を複数購入する公共図書館を『無料貸本屋』と批判した経緯が背景にある。図書館の貸し出しが書店で売られる本を上回る状況で、出版社は販売への影響を考慮して図書館への協力に消極的にならざるを得なかった」と指摘する

という一節がちょっと気になったので調べた覚書です。

図書館の貸し出しが書店で売られる本を上回る状況については、
たとえば
「出版状況クロニクル62」の
表のように
説得力ある数字が既定のものとして語られがち。
なのですが

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某市立図書館某社運営スタンスが浮き彫りにしちゃいそうな「本って買って読むものなの?」という問いについて

私には、BOOKOFF並みに
ウォッチするだけでも本を読んでるのと同じぐらい面白い

某市立図書館×某社コラボ案件

武雄市図書館に行ってきた。複本は二冊まで? - 29Lib 分館

なので、上記ブログエントリを拝見して
コーフンしちゃった(うふ)のも
当然ではありますが、ちょっと落ち着くために
まず、私の認識を整理する時間をください。

某市立図書館の問題は複数あって
代表的なのが以下の3点。

1.指定管理者の決定プロセスに納得感が無い
2.そもそも某市行政トップの御方には
 public servantの意識が欠落している
3.犬が犬好きな人かどうかを瞬時に見分ける嗅覚を持つのと同じで
 本が好きな俺たちの目はごまかせない
 指定管理者某社、おまえ別に
 本が好きなわけじゃないだろ感

と箇条書きにしているだけでも
心が若干あらぶる次第ですので
某市を批判したい気分と
某市立図書館の指定管理業者たる某企業を批判したい気分
このふたつを混ぜると、話はややこしくなります。
某私企業の話に的を絞って考えたい。

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BOOKOFF「2014年3月期 第2四半期決算説明会資料」 がアツい件




って連投した通りなのですけど
つまりコレ↓
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いやー、繰り返しになりますけど
「適正価格を実験して調べてみるてすつ」
って出版業界広しといえど
初の試み・ですよこれ。
はー、感動した。

なお、前提にある彼らの危機感は
以下のスライドで表されています
f:id:lafs:20131117230220j:plain

これ見て思ったのは、

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「仕掛けることで売れる」現象についての雑な感想

たとえば
どこそこの本屋さんがPOPを付けたら火が付いて。
とか
その話を聞いた出版社が重版帯にPOPを引用したら
全国的に燃え上がり。
とか
わりと「イイ話」として取り上げられがちで
むろん、明るい話題だし
自分も好きな作家がその対象だったりすると
GJ!
と思うわけですが

ふと気付くと
新古書店にその手の作品が大量に入荷してたりするので
世の中ゆだんたいてきだなあ。と思いますね。
(例1)


(例2)

なお、この件について個人的な結論は出ていて


つまり 続きを読む

ホッテントリ後に何を書けばいいのか問題を初心者が考えてもムダだった件

「この時代小説がすごい! 文庫書き下ろし版」に寄稿している友人と
さいきん何か面白い本、読んだ? って話をしていたとき
(時代小説縛り)

  私「都筑道夫の『女泣川ものがたり(全) (光文社時代小説文庫)』よかったです」
  友「ああ、もうあの手の作品を書ける人いないかもね」
  私「時代モノの基礎教養の問題って意味で?」
  友「あと、それをひけらかさないストイシズムとか」

そういえば言及するのを忘れてた。
なにしろ3ヵ月前に読んだ本だから。
といま思い出したのが
高城高の「函館水上警察」シリーズ2冊目、
「冬に散る華」という連作集です。

何に驚いたかって

・一定数の読者が存在する、警察ジャンルで
・明治維新直後の函館を舞台にする、ユニークな設定
・サーベルの腕前に秀でた留学経験者、というキャラの立った主人公

続けて書いていけば
作者の看板になる要素をふんだんに持っている、
そんな作品を
あっさりこの2巻目で終わらせてしまっていたこと。
……もったいなくね?

シリーズものといえば最低でも5冊ぐらいは続刊あり、
が昨今の常識だろ。とハナから決めてかかって
収録されている5編の5番目の話を読み進めていた私が
話のなりゆきに
「え? え?」
と、ずいぶんピュアなリアクションをしてしまったのは
もちろん「昨今のシリーズもの」に毒されているから
ではあるのでしょう。

あるのでしょう・けれど
そもそも作家をして人気シリーズを続けさせる最大の要因が
「商業的な要請」だとしても
「読者がそれを望んでいるから」思わず応えてしまう、
というサービス精神の発露も
決して馬鹿にならない要因だと思うので

その意味で、高城高(78)という作家の
ハードボイルド精神を俺は甘く見積もりすぎていた。
完敗だ。
……と、読了後にエラく打ちひしがれた記憶が
強く残っているのでした。

って何の話かというと
たまたま書いたブログエントリが
たまたま注目を集めた場合
ひとはどういう行動に出るのか。
俺サンプルで心の動きを追ってみたけど
結論からいえば
「その数日間の話を書く」のがいちばん自然だと思った
ので書いてみるよ。
って話でござる ←ここまで前置き ←長いわ!

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