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2009年05月18日
BarCamp Tokyoに行ってきた
5月16日(土)に用賀のサンで開催された、BarCamp Tokyo 2009に参加してきた。
BarCamp(バーキャンプ)とは?
オライリーのFoo Campというイベントがまずあって、これはこれですごいイベントなんだけど、招待制で誰でも参加できるものではない。そこで、自由に参加してITやWeb・テクノロジーに関する議論ができる場を作ろう、と始められたのがこのBarCamp。
2005年には、招待客しか参加できないためFoo Campをエリート主義的だと批判していた人達が「BarCamp」というイベントを始めた(2007年2月には日本でも「BarCampTokyo」が開かれた)。さらにこの「BarCamp」からiPhone用のウェブアプリケーションを開発する「IPhoneDevCamp」などいくつか他の「キャンプ」系イベントも派生。オライリーは奇しくも合宿方法の文化も築くことになる。Foo Camp―GoogleやWikipedia創業者も参加するオライリー主催プライベートイベントの全貌【前編】 | All-in-One INTERNET magazine 2.0
fooへのアンチテーゼだからbarなんだね。
# ITセレブが集まるFoo Campの方は、日本からジャーナリストの林信行さんが参加して、上記のレポートを書かれている。
世界に一個しかないFoo Campと違い、草の根でやっているBarCampは世界の多くの地域で開催されている。
BarCampというスタイルがある程度固まっていて、参加したことがある人が増えてきているので、どこかの都市で「BarCampやるよー」と言うと、BarCampを知っている人が集まってきてイベントになる、という感じだ。
アンカンファレンス
BarCampのプログラムの特徴の一つは、Unconference(アンカンファレンス)という形式にある。
3つの会場(今回の場合、それぞれ大きさが違っていて、50人、25人、15人ぐらい入る)が終日用意されて、すべての会場は一定の大きさの枠(今回は15分)に区切られる。
朝参加者が集まった時点では、その枠はすべて空いていて、今日何が行なわれるかはまったく決まっていない。そこから、発表希望者が空いた所に自由に発表タイトルを埋めていくのだ。
そしたら、参加者はそれを見て、自分が面白そうだと思ったセッションの部屋に行けばよい。発表者は、「このテーマだったらこのサイズの部屋でいいだろう」と予測をつけて会場を確保するけど、もし小さな部屋に多数集まったりしても、その場で他の部屋と交換とかをやってもよい。
また、通常のプレゼンスタイルに限らず、どんなセッションを設けても構わない。テーマを出して議論をする、というタイプのセッションも多い。
途中で「違う」と思ったら自由に抜けて別の会場へ行ってもよいので、プレゼン者的にもこれは真剣勝負だ。つまらない事話してると聞き手が減っていくからね。
一コマ発表したよ
15分の3部屋なので、朝から晩までやると総コマ数は100個ぐらいになる。(名簿上)95人の参加者で100個のセッションなので、強制ではないけどまあ一人一個ぐらい発表側に回ってもいいということになる。実際には一人で3,4個発表する人や、二コマをつなげて30分の発表をする人もいるけど。
参加者全員が、お客さんじゃなくてイベントの貢献者である、というのがBarCampの特徴なので、僕も簡単な資料は用意していった。午前午後は他の発表者がどんどんポストイットを貼っていったのですぐ埋まったけど、夕食の後はみんな疲れてきたのかさすがに埋まりが悪くなってきたので、一つ発表してみた。
常に3セッションあるから、そのトピックに興味がない人は来ないし、そういう意味では通常のカッチリと決まっているカンファレンスよりずっと気楽ではある。
発表タイトルは"Japanese Web at a glance"。参加者の8,9割は外国人だったので、おそらく日本語のウェブサイトはあまり使ってないだろうという仮定で、日本のメジャープレーヤー(ヤフーとか楽天とかミクシー)のサービスや運営の特徴などについて話した。
印象に残ったセッション
シンガポールから今回参加されたPreetam Raiさんは、シンガポール、クアラルンプール、バンコク(次回は来週!)など東南アジアで行なわれているBarCampの様子について話してくれた。その他、世界中でニュースを翻訳しあうGlobal Voicesや、
アフリカのウェブを紹介するセッションなどもされていた。
あと、本気か洒落かよくわからないけど、CScout JapanのMichael Keferlさんによる、ウェブカム越しにWishing Well(願い事がかなう井戸)を置いて、振り込まれたお金を自宅の井戸に投げ込んで世界中の人の願いを祈ってあげる、というサービスとか。
Wishing Well from YISIT Department on Vimeo.
「ミリオンダラーホームページ(解説)に似てるね」と言ったら笑っていた。
FumiさんがアメリカのETechで講演された時のスライドを使って講演の再現をしたセッションも面白かった。
午前中にインタビューも受けたが、テリー・マクミランさんはオバマ大統領の毎週の演説を教材として英語を学ぼうというエイゴオバマ.comという新サイトの紹介をしていた。
「次回のBarCampについて考える」みたいな討論系のセッションも面白そうだったのだけれど、英語でガンガン議論をされるとついていけないからなあ。
「日本人の参加者をどうやって増やすか」とか「女性の参加者をどうやって増やすか」という討論もあった。BarCampは別に英語を強制してるわけじゃないので、日本語の参加者も多ければ日本語の発表も入れていけばいいだけなんだけど、こういうイベントをやるよ、という告知を両方の言語で同じように伝えるのはなかなか大変なんだろうな、と思った。
このあたりは、日本語で別にBarCampや(BarCampの作法に縛られない別の)アンカンファレンスをやってもいいとは思うけど、両者がミックスして存在することでお互いがお互いの世界をのぞいてみたり、交流が進んだりというのもあるから、次回はもっと告知を応援したり、興味のありそうな人を誘ってみてもいいかなと感じた。
#TBarCamp
今回のイベントでは、開催前から東京・BarCamp、で"tbarcamp"というタグを使うように周知がされていた。その結果、いろいろなテキスト・写真・動画サイトにてBarCampを追体験できるはず。
セッションによってやってることは様々なので当たり外れはあると思うけど、動画とか見ると当日の雰囲気がわかるかもしれない。
BarCampに興味ができたら
BarCampをやりたければ、自分で始めることもできる。BarCamp全体は誰が仕切ってるわけでもないから。日本語メインのBarCampも開催されると嬉しい。
今回のような外国人主体・英語のBarCampに興味が出た場合は、今回のディスカッションを受けて早速Barcamp Tokyo Fall2009のページが作られているので、このへんをウォッチしておくといいかも。
今回、アジアやアフリカの話をしに来てくれた人やアメリカから参加した人がいたように、海外旅行や出張に出かけるときに、現地のBarCampをチェックするのもいいと思う。
英語圏から始まったイベントや英語主体のサイトが嫌なら、BarCampと無関係にアンカンファレンスを企画してもいい。BarCampという名前であることが重要なわけではないし、自由な意見交換ができる機会が増えれば、それでもいいかと。
[関連]
TokyoBarCamp - Vox - 山崎ふみさんの日本語の方のレポート
Tokyo Barcamp 2009 | Alex Brooke
投稿者 秋元 : 2009年05月18日 14:29
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