「で、貴方が皇帝から受けた任務って何?」
フォックスが興味津津な様子で聞く。
「「回収」だよ、その「新型兵器」のな。」
クロフォードは水筒の中身が無い事を確認すると、おもむろに立ちあがって言った。
「理由は俺にも分からん、だがこれだけは言える。」
「アイツをこのまま放っておくと大変なことになる。」
冗談なのか本気なのか分からない表情でクロフォードが話す。
顔は笑っている、しかし眼は真剣そのものだった。
(相変わらず掴めない奴だ・・・・。)
レイトは立ちあがって大きく伸びをした。
「それじゃあ、お互い目的のために努力しましょうや。」
そういうとさっさと部屋を出て行ってしまった。
「ふむ、ちょっと話をしてくる。」
クロフォードがレイトの後を追った。
残ったスクアーロとフォックスは部屋の中で二人が帰ってくるまでただひたすら暇を潰したのだった。
屋外に出たレイトとクロフォードは怪しい雲行きの中屋外のベンチに座っていた。
「なあ、レイト。」
「何だよ」
「お前、将来皇帝になるんだろ?」
レイトはクロフォードの口から出ると思っていなかった言葉にたじろいだ。
「あ、ああ、いつかはそういう事になるな」
「アンタには覚悟があるのか?世界の大半を支配する「覚悟」が。」
クロフォードは真面目な顔をしている。
「覚悟?そんなもん・・・・」
レイトは一旦言葉を区切る。
「皇帝の息子に生まれたときから既に済んでるよ。」