私の中の宇宙、それはこの世の果て・・・

さて、本編に。


『死ね････』
次第に増える悪意。
死ね、死ね、死ね･･･
シンプルな悪意にして呪い。
相手の存在を塗りつぶし、否定する端的な呪いの記号。
悪意がやがて形をとり、士郎の四肢を拘束していきます。
『う、あ･･･』
こんなものを･･･オヤジは･･･
こんなものを何年間も背負ってきたというのか！
（『子供の頃、僕は正義の味方に憧れていた』）
（『任せろ、じいさんの夢は俺が形にしてやっから』）
縁側での誓い。
10年前の贖罪と、終わらせたものと受け継ぐもの。
それらがないまぜになって、1つの感情を生成していきます。
それはシンプルな感情。
『怒り』という名前の。
端的な呪いには、端的なもので当たるべし。
『俺が正義の味方の･･･衛宮切嗣の息子なら！』
何があっても･･･
『あの男には負けられない!!』


怒りが呪いを粉砕し、凌駕し、
士郎を再び境内に降り立たせます。
すかさず、凛から受け取った短剣を取り出し･･･
『馬鹿な･･･』
アレを･･･振り払ったと、イウノカ･･･
一瞬の驚愕に包まれる綺礼。
しかし、すぐに落ち着きを取り戻すと、
『呆れたな、その短絡思考』
万策尽きた、と言う事か。


しかし、その考えは間違っていた事をすぐに思い知らされます。
『始めから･･･』
策なんて、持ってねえ！！
獣のように吼え、ただ仇敵を目指して走り出す士郎。


そのころ、もう一人の仇敵と対峙しているセイバーは･･･
『フフフ･･･』
”エヌマ・エリシュ！！”
”エクス・カリバー！！”


これで何度目の激突になる事か。
互いの宝具のパワーがぶつかりあい、そして･･･
『うわぁぁぁぁぁ･･･！！』
地を転げ、叩き付けられるセイバー。
『ｸｸｸ･･･』
再び、宝具『エア』を構えるギルガメッシュ。


舞台は、再び士郎に。
再び泥に包まれ、もがき苦しむ士郎。
『これが･･･俺の役目なら』
まだ、”出来る事”が残っている！！


再びセイバー。
剣を支えに、再び他立ち上がる騎士王。
『ぐ･･･』
その目は、今だ死んでいませんでした。


『エヌマ・エリシュ！』
恐らく、これが最後の一撃になるであろう必殺技。
セイバーはその奔流を見つめながら･･･
『（シロウ、）貴方は私の･･･』
『投影、開始（トレース・オン）』
互いに同じ光を見る士郎とセイバー。


『貴方が、私の鞘だったのですね･･』
『彼女が、夢見た理想郷･･･！』
その名は・・・
『アヴァロン！！』
まばゆい光の中から現れたのは、かつて騎士王を不死とし、
その身を滅ぼす事かなわずと言わしめた魔法の鞘。


士郎の傷を瞬く間に癒し、呪いを退け、
2度、綺礼の前に立たせた奇跡。
かたやセイバーの傷を癒し、魔力を与え、
真の聖剣の力を顕現させる力。


『投影だと・・・！』
『そのような小細工を！！』
”天地乖離す開闢の星！”
”約束された勝利の剣！”


エアの一撃を振り払い、袈裟懸けにその身を切り下げるセイバー。
勝負は付きました。
そして、士郎も。
『ことみね、きれいぃぃぃ！！！』
突き出した短剣は、真っ直ぐに彼の左胸をえぐり、
『レスト！！』
込められた魔力が、彼を粉砕します。


『アヴァロン･･･』
かの王が、最後に辿りつく理想郷か。
５つの魔法すら寄せ付けぬ、何者にも侵害されぬ護り。
『それがそなたの真の宝具、伝説に聞く聖剣の力か･･･』


凛としたセイバーの瞳を見つめ、英雄王は言葉を続けます。
『憎らしい女だ。』
最後まで、歯向かうか。
『だが、許そう』
手に入らぬからこそ、美しいものもある。
『いや、なかなかに楽しかったぞ･･･』
最後まで、英雄らしさを失わず消えていった原初の英雄。
散り際も鮮やかでした。


『何故、この剣を持っている！？』
『・・・遠坂から預かったものだ。』
ああ、そうか。
『以前、”気まぐれ”に･･･』
どこぞの小娘にくれてやった･･･
『あれは確か、10年前･･･』
私も衰えるはずだ。
因縁を持つものの剣によって倒れ、
因縁を持つものの手によって命を奪われる。
それが、運命と言うものなんでしょうか。
悪意の沼にその身を沈めていく綺礼。
10年前の因縁は、ひとまずの終焉を迎えるのでした。


落下するイリヤを受け止め、静かに剣の到着を待つ士郎。
1つの命を護った代わりに、
１つの愛しいものを失おうとしている今。
その表情が、
何故か泣き笑いのように見えたのは気のせいでしょうか。


『聖杯を、破壊します。』
マスター、命令を。
貴方の命令がなければ、聖杯を破壊できない。
最後の令呪を使ってください。
『シロウ、貴方の声で･･･聞かせてほしい。』
いつだってセイバーはそうだった。


（俺はセイバーを愛している）
（誰よりも幸せになってほしいと思うし、一緒にいてほしいとも思ってる）
だけど
（本当に、愛しているのなら）
（ソレハ、チガウ）
傷つき、それでも戦い抜いたセイバーを愛した。
彼女の誇りを汚す事だけは･･･してはならない。


短くも長いような沈黙の後、
士郎は最後の命令を下します。
『その責務を、果たしてくれ』


セイバーが聖剣を振り下ろし･･･
この世全ての悪は、再び無明の彼方へと姿を消しました。
同時に、令呪を全て失った士郎。
『これで、終わったのですね･･･』
ああ。
『貴方の剣となり、敵を撃ち、御身を護れてよかった』
この約束を果たせてよかった。
ああ。よくやってくれた。
『最後に１つだけ』
『ん？』
『シロウ、貴方を･･･愛している』
朝日と共に、消えていくセイバー。
『ああ、本当にお前らしい』


そして日常へと時間は回帰して行き･･･
『先輩、先輩･･･？』
おはようございます。
『桜か？』
『朝食の支度、出来てますよ』
いつもと同じ朝を迎えないと、ナンダカ落ち着かなくて。
代わり映えのない朝。


『うわぁぁぁぁああ！！』
大河、ブレーキ、ブレーキ！！
『止まりなさい、この！！』
『ひゃあああ！！』


・・・・。


『いやあ、士郎も逞しくなって』
バイクを素手で受け止めるなんてね。
『シロー、遠慮せずに言ってね』
いつでもタイガの寝首、かいてあげるから。
『この娘は、好意で置いてあげてるのにぃ～！』
生ゴミの日にポイしちゃおうかしら、この悪魔ッ娘！
虎姉さんとイリヤの他愛無い戯れ。


そして、いつものように登校する毎日。
横断歩道を渡れば・・・
『遠坂？』
凛がそこに立っていました。
『新しい神父が来たらしいな』
『とりあえずは元通りってとこかしら』
お寺も復旧作業が進んでいるらしいし。
『･･･もっと落ち込んでるかと思った。』
『なら、慰めてくれるのか？』
『まさか。ケリ入れて、１日で立ち直らせてあげるわ』
それとも、まだ未練があるの？
『いや、未練なんてない』
『決着が付いたのね･･･』
ああ。
いつか記憶が薄れて、
声も記憶も忘れていくのかもしれない。
それでも。
セイバーを好きだったことは、多分忘れない。
未来を歩き出す士郎。


そして、今を生きるセイバーは･･･
木にもたれ、今まさに終焉を迎えようとするセイバー。
『アーサー王、すぐ兵を呼んでまいります』
『ベリヴィエール、私は･･･』
夢を見ていた。
とても長い夢を。
そこで貴重な体験をした。
唇をかみ、俯く従者。
『また目をつぶれば、きっと良い夢が見られるでしょう』
同じ夢を見られるのか？
『強く願えば』
そなたは博識だな。
『ベリヴィエール、我が剣を持て。』
この森を抜け、あの血塗られた丘を越え、
その先の湖にこの剣を沈めるのだ。
最後の遺言。
伝説に違う事なき騎士王の最後。
疾走する従者。
そしてー。


『こんなに近くに感じてるのに』
手を伸ばしても届かない。
それでも胸に残るものはあるだろう。
ソレを覚えているのなら。
走り続ければ、いつかは手が届くはずだから。
橋から空を見上げる士郎。
その目には、未来を生きる人の光があって・・・。


『湖の婦人の手に確かに』
そんな顔をするな。
『そなたは、王の命を守ったのだ。』
ベリヴィエール。
『今度の、ねむ、りは･･･すこし･･･な･･がく･･･』
静かにセイバーの瞳から光が失われ、
やがて閉じられる瞳。
もう、この世では開かない瞳。
『見ているのですか、アーサー王』
夢の・・・続きを・・・


Fate/staynight THE ANIMATION
－FIN－


※あらすじ記事のアイコンは、
『Surrealistic Point』様の素材をお借りしています。

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さて、本編に。


『ハア、はあ･･･』
荒い息をつく凛。
どうやら、怪我をしているようです。
そんな危急を伝える始まり方でした。


（ピンポーン！）
『士郎？帰って来たの？』
『あ･･･』
驚愕に見開かれる瞳。
玄関に立っていたのは･･･綺礼でした。


そんな回想から、ゲンジツへ。


自宅に戻った士郎とセイバー。
火の気の無い自宅。
異変に感づいた士郎。
『遠坂！』
居間の障子を開け放つと･･･
彼女はいました。
その身を血塗れにして。
『やっと･･･帰って、来た･･･（‐Д-）』
『遅いから、もう･･･チョットで寝ちゃうところだったじゃない･･･』
セイバー、タオルと洗面器！
はい！
『そうだ、包帯を』
待って。
『いい、手当ては、自分でしたから』
そんなことよりも。
『ごめん。私イリヤを守れなかった･･･』
自らのことよりも、小さな魔術師を案じる凛。
ホント。優しいムシュメさんですね＾＾


セイバーに血を拭ってもらいながら、
凛はここであった事を話し始めます。
『やられたわ･･･綺礼がまさか”７人目”だったなんて』
だから、今伝えておかないと駄目っぽいから言っておく。
１つ目。
『綺礼の目的はイリヤよ』
あの娘を（聖杯の）器にするつもりだったのよ、初めから。
正確には、あの娘の心臓ね。
『魔術師は魔術回路を持つ人間の事を言うけれど･･･』
あの娘は、『回路』を『人間』にした存在だから。
つまり、人外の存在にして、聖杯の核となるだけの生体部品。
サーヴァントが残り１体になるまでは、道は開かない。
だから、今はまだ無事なはず。


２つ目。
『綺礼は龍洞寺にいると思う』
あそこは聖杯召喚に適した場所だから。
最後。
『貴方じゃ、綺礼にはかなわない。』
それでも戦う？
士郎は迷い無く答えました。
『ああ』
俺は１０年前の生き残りで、
衛宮切嗣の息子だから。


その返事に、満足そうに微笑んだ凛。
『なら･･･これアゲル』
背に隠していた短剣を取り出す凛。
『アゼット剣ですね』とセイバー。
『そう、魔術師が一人前になった時に受け取る短剣を模した杖』
宝石より威力は無いけれど･･･
暇さえあれば魔力を込めていた。
『ベースト、と叫んでありったけの魔力を込めれば発動する』
そんな彼女の最後の切り札を士郎に託す凛。
『勝てないって分かったから、隠しておいたの』
言うべき事を全て言い終えた安心感からか、放心しかける凛。
『もう、いいかな･･･眠くて、眠くて･･･』
ああ、もう寝ろ寝ろ！！
『俺が起こしてやるから』
そして起きたら、美味い飯をたらふく食わせてやる。
さりげない気遣いと、『生きて戻る』と言う言外の約束。


そして、士郎とセイバー。
体内に埋め込まれた鞘を返す、と言う士郎。
彼なりに思うところがあったようです。
『鞘を返してもらえば、魔力は上がります』
しかし、鞘を摘出したらシロウは･･･
『いいんだ。』
はっきりと言い切る士郎。
『今まで無意識にこの力に頼ってきたみたいだが･･･』
人は殺されれば死ぬ。
それが、”当たり前だ”。
やり直しなんて出来ない。
その人の生は一度きり。
そんな事を自分にも、セイバーにも
言い聞かせているような気がしました。


『分かりました。貴方の心をお借りします、マスター』
士郎の胸元に手を添え、鞘を摘出にかかるセイバー。
（聖剣の鞘は俺の中に溶け込んでいる･･）
それをあるべき１つの形に戻す！
イメージしろ、イメージしろ、イメージしろ！！


そうして、持ち主の手に戻った鞘。
『スゴイ･･･』
それは、かつて失ったものが手に戻った驚きか、
あるいは士郎の力に対してか。
それは、多分彼女にしか分からない事なんでしょう。


龍洞寺。
『魔力の密度が高い･･･』
聖杯の召喚が始まったか、あるいは。
どちらにせよ、やることは変わらない。
『セイバーはギルガメッシュを。』
俺は、綺礼を。
『互いの戦いには手を出さない』
どちらかを倒せば、この戦いは終わる。
『分かりました。それに･･･』
『綺礼は、貴方が倒すべき敵だ。』
決然と言い放つセイバー。


石段を駆け上がり、境内を目指す二人。
士郎はふと考えます。
『この戦いで勝っても負けても･･･』
セイバーはこの世から消滅し、
彼女の本来いるべき時間に帰る。
いまなら間に合う。
『彼女を失わずに済む方法を考えられる。』
しかし、その迷いをすぐに捨ててしまう士郎。
『やりなおし』は求めるべきでない。
そう、決めたのだから。


境内に突入した二人。
『待ちわびたぞ、セイバー。』
ギルガメッシュでした。
『頃合も良い』
聖杯も、ちょうど孔が空いたところだ。
この呪いごと、サーヴァントを
この世に留まらせることの出来る、第３要素だ。


『ギルガメッシュ、貴方の望みは何だ！』
望みなど無い、関心があるのはお前だけだ。
さほど面白くも無いように語り始める英雄王。
『今までずっと考えていた』
お前をどう組み伏せ、その呪いを飲ませるかをな。
ただ、お前をこの呪いで汚す事だけを。
かつてお前が、１０年前、俺に浴びせたものを。


『ならば、その末路が再び同じであっても異論は無いな！』
剣を抜き放つセイバー。
鞘を返還されたせいか、以前より強い魔力があふれ出し･･･
それでも動じない英雄王。
『綺礼に用があるならさっさと消えろ雑種。』
用があるのは、セイバーだけだ！
士郎もまた、英雄王には用は無く･･･
その機を逃さず、綺礼の元へ・・・


綺礼の元へ走る士郎。
その眼前に、イリヤの無残な姿が曝されます。
まるで磔にされたような姿。
その周囲には、黒い泥がとろりとろりと流れており･･･
『イリヤを降ろせ！』
綺礼に言い放つ士郎。
『それは出来んな。』
聖杯は現れたが･･･まだ不安定でな。
『接点の彼女には、命の続く限り耐えてもらわねばな』
黒い泥を掬い、続ける綺礼。
『これは聖杯よりあふれる力。』
際限なくあふれ出す災厄を巻き起こす。


『この中のあらゆる悪性、人の世をわけへだてなく
呪うものが入っている』


同時刻、対英雄王との戦い
激しく切り結ぶ２体の英霊。
『やれやれ、前回の戦いの焼き直しだな』


再び、綺礼。
聖杯の成り立ちを語る神父。


かつてアインツベルンを始めとした３家が集まり、
聖杯の召喚を試みた。
時には失敗し、時にはお前の養父がしたように破壊された。
しかし・・・
『このような完全な形で現れたのは初めてだ』


ならば、お前の望みは何だ！
問い質す士郎。
『強いてあげれば･･･娯楽だよ』
これだけのことを『娯楽』と言い切る綺礼。
人が生み出す娯楽など二次的なものだ。
不純物、と言っても良い。
人は死の瞬間にこそ価値がある。
生存と言う助走距離を得て、高く飛び、空に届く。
遠く輝く、その瞬きが私の望みだ。
『お前達が平穏を糧として生きるように･･･』
私は、星の瞬きを食べて生きているのだ。
『（だから）１０年前の火災は悪くなかった』
あれほどの人の命の瞬きを糧に出来たのだから。
それほどに人の命を尊く思う私は。
『いびつだが、人を愛しているのだよ』
だから、私こそ聖杯に相応しい。


『そうか、良く分かった。』
お前はいてはいけないものだ！
猛然と綺礼に突っかかる士郎。
そして・・・

黒い泥の洗礼をかわしながら進む士郎。
『お前の経験した年数と、私では開きがある』
何かで埋めねば合わぬ計算。
『故に、命を賭けよ』
そうすれば、私に届くやも、しれんな･･･


再び、英霊同士の戦い。
繰り出される剣を弾き、また叩き折ってもなお形勢は
ギルガメッシュ有利のまま。
『お前が聖杯に向かえば、勝てたやもしれぬな』
配役を誤ったなセイバー。
策も、練ってはいまい？
答えないセイバー。


ギルガメッシュが『扉を開き』･･･
『上手くよけろ。』
運がよければ、手足を串刺し程度で済む。
放たれる宝具の嵐。
翻弄されるセイバー。


それでも、彼女は立ち上がりました。
『ほう？』
ならば、絶対的な敗北を教えてやろう。
『我が剣、エアでな！』
英雄王しか持ち得ない唯一無二の宝具。
『エヌマ・エリシュ！』
『エクス・カリバー！！』
２度目の必殺技の激突。
そして・・・


『私はお前に期待していた』
衛宮切嗣の息子である、お前に。
内面まで似通っていると知ったときの喜びは・・・
お前には分かるまい。


『何の事だ！』
１０年前の望み、この手で切嗣にもう一度引導を渡せるとはな。
『近親憎悪と言うヤツだよ。』
似すぎたものは憎みあう、と言う事。
お前が私を何故か嫌うように、私も切嗣が不快だった。
『何しろヤツは私を見逃した善人だったからな。』
それは私にとっても不可解だった。
あれほど冷酷な魔術師が、私を助けたと言う事が。
だが。
『ヤツは１つだけ誤算をおかしていた。』
聖杯を破壊して、全てを終わらせた気になったと言う事だ！
『聖杯から溢れた呪いは切嗣を侵し』
ヤツはソレを自覚することなく死んでいった。
息子であるお前に何一つ知らせることなく。
『ヤツの死に様はどうだったのだ？』
お前が！
怒りに頭が沸騰する士郎。


『滅びだ。』
アンリ・マユ。
『この世全ての悪を受けるが良い』
聖杯から現れた泥を投げ付ける綺礼。
おそらく、コレが切嗣の死を招いたものだったのでしょう。
士郎を包んだ呪いは・・・


『ケリが付いたな』
倒れるセイバーを見下ろし、
無造作に吐き捨てるギルガメッシュ。
『そんな･･･はずはない』
シロウとのつながりを感じる。
ﾀﾞｶﾗ･･･
『ならば、お前もあの呪いを浴びれば同じになる』
髪を掴み、顔を引き上げるギルガメッシュ。
肉を得て、現世に留まれるのだ。
『貴方も、すでに･･･』
『あの程度の呪い、飲み干せなくて何が英雄だ！』
その３倍は持って来い！
『英雄とはな。』
己の視界全ての人を背負うもの。
この世など、とうの昔に背負っているわ！
かつて世界が１つだった頃、その頂点に君臨した王ゆえに
言い切れる台詞なのかもしれません。


『さて、今のうちに婚礼を決めておくか』
セイバーを逆さに吊り上げ、さらに貶めるギルガメッシュ。
気丈に睨みつけるセイバー。
『手荒く･･･は趣味ではないと言う事か』
では、慣れておけ。
『俺は気の向くままに奪い、喰らうだけだからな！！』
セイバーもまた、己の矜持にかけて返答を返します。
『私は誰の物にもならない』
私は、女である前に王なのだから。


では、聞こう。
『王にとって、国は己のものだ』
支配できぬものなど、不要だ！
そんなことだから、アーサー王よ。
『貴様は国によって滅ぼされたのだ』
ああ、その通りだ。
『だが、貴方こそ。』
そんなことだから、最後は国を滅ぼしたのだ！
蹴りを見舞い、再び距離を取って対峙するセイバー。


『どうやら、徹底的に躾が必要なようだな』
支配できぬ輩など必要なし。
既にギルガメッシュのセイバーを見る目は
『雑種』を見る目と何ら変わりなく･･･


貴様の宝具ではオレニハツウジナイ。
『消えろ、目障りだ女！』
放たれる３度目のエヌマ・エリシュ。


その閃光の収まった後には･･･


次回がいよいよ最終回。

果たして、どんな終幕が降りるのか･･･


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さて、本編に。


空を見上げるセイバー。


『星が出たら、あの人の･･･シロウの事を占おうか？』
・・・・("▽"*)ﾎﾟ


これではまるで物語に出てくる
『恋する少女ではないか！』
赤面のセイバー。


そこへ現れた凛が声をかけます。
『士郎がどこにいるか知らない？』
穏やかな時は終わり、嵐が吹き始めました。


『イリヤの熱が下がらないの。』
イリヤの容態が良くない事を告げる凛。
そして、意味不明な言葉を続けます。
『あの娘、もう限界よ。』
聖杯戦争って言う"儀式"が終わらないと元には戻らない。
『限界とは？』
それには答えず、別の答えをもって返事をする凛。
『まだかろうじて（受け入れられる魔力の）容量が空いているけれど』
満ちてしまえば、一番不要な”人間の機能”を捨てるしかない。
あの娘は戦争が進むほど壊れていくように造られているの。
？
イキナリのトンデモ説明に当惑するセイバー、そして視聴者＾＾
いいのよ、分かりにくく説明したんだから。
これには吹き出しました＾＾
まあ、勘の良い視聴者の方には分かってしまうということで（苦笑）


それよりも、ランサーのマスターの事だけど。
本題はこちらのようです。
『マスターの館に行ってみたんだけど。』
そこにあったのは、血痕と、令呪を剥ぎ取られた左手だけ。
マスターは、とっくに殺されてたのよ。
『それでは、ランサーはもう存在しない？』
いいえ、違うわ。
あの血痕は、もっと古いものだった。
つまり、どこかの魔術師が令呪を奪い、ランサーと再契約した。
『残るマスターは、私と士郎だけだから間違いない。』
新たな疑問。
令呪の移植は、可能なのか？
その答えはセイバーが出してくれました。
令呪の移植はマスターか、サーヴァントにしか出来ない。
優れた魔術師でも、マスターで無い限りは不可能。


つまり・・・
『聖杯がなくても、サーヴァントがいて、令呪があれば･･･』
マスターにはなれるの？
ソウイウコトになりますね。
ポイントは令呪を残しているかどうか、と言う事ですか。

なら、ランサーの行動にも納得が行く、と凛。
『アイツは平気で他のサーヴァントにチョッカイを出してきた。』
正体を隠す事もせず、宝具も堂々と披露して。
宝具を見せた相手は必ず倒すのが、常道なのに。
『あいつは、敵の情報を探るのが役目だったのよ』
多分、（ランサーの現マスターは）
戦闘用のサーヴァントが別にいる。


だったら、士郎は？
多分、綺礼のところね。
『ギルガメッシュの事を聞きに行ったのかも』
セイバーの行動は迅速でした。
武装し、教会を目指すセイバー。
『空気が淀んでいる･･･(｀へ´)』
これは、龍洞寺と同じ空気。
死の匂い。
あれは、死の淀みだ･･･
『あそこにシロウがいる、たった一人で。』


教会に突入し、最下層を目指すセイバー。
探していた人は、見つかりましたが、既に虫の息でした。
『シロウΣ(°Д°；!!』
よお。
ふらり、と言った感じで現れるランサー。
『(￣ー￣)ﾊｯﾊｯﾊ』
なに、そいつの胸を串刺しにしたのは、”2度目”でな。
『今度は、”念入り”にってヤツさ。』
『貴方は、シロウに”ゲイボルグ”を！』
『心臓は外してあるが・・・』
（死の槍の）呪いはそのままだ。
そんなことよりよ･･･
『貴様が最後に残ってくれて嬉しいぜ、セイバー!!』
襲い掛かるランサー。
あの時、付けられなかった決着を付けられる事が
嬉しかったようです。


その頃、士郎は夢を見ていました。
10年前の火事。
死にかけている人たち。
『駄目だ・・』
俺には、できない。
オレニハ、スクエナイ･･･
そんなボンヤリとした思考を繰り返す士郎の髪を掴み、
引きずっていく人物。
その姿は･･･


続くセイバーとランサーの戦い。
『そこまでだ、セイバー。剣を収めるがいい。』
言峰神父でした。


不満げながら、槍を収めるランサー。
『セイバーがこの男を引き取りに来ただけ、と言うのなら』
引き渡そう。
『望むなら、ここで聖杯を与えてやっても良い。』
あれ？聖杯は最後の勝利者に与えられるものでは？

実は、キャスターの言っていた事も
まんざら間違いではなかったようです。
聖杯の『器』は別だ。
カタチあるものとして用意され、
時が満ちるまで力を流し込まれて行く。
残るサーヴァントが2人なら、聖杯はすでに完成に近づいている。
生贄の血で、満つる時を待っている。
『聖杯に相応しい人間がいるのなら、喜んで聖杯を譲ろう。』
ランサーに士郎を襲わせておきながら、士郎を問い質す神父。
『そのために、衛宮士郎、お前に聞きたいのだ。』


”10年前、お前は本当に何も恨まなかったのか？”


ジュウ、ネンマエ・・・
助けを求める手を振り払って一人生き残ったあの日。
『やめろ、今更そんな・・・』
瓦礫の下で助けを求める声。
俺はそれを無視して歩いた。
耳を塞ぎながら走った！
『どうせ俺には助けられない。』
そこまでしたのだから、俺は助からないわけには行かなかった！！


そして、俺は望みどおり助かり、オヤジの世話になった。
俺はオヤジに憧れた。
正義の味方になろうと思った。
空っぽのココロで、それでも胸を張って生きなければ。
かつてのあの子達の想いに応えられない！


神父の問いかけは続きます。
『（10年前を）無かった事に出来るなら、やりなおせるなら･･･』
お前は、聖杯を欲するだろう！？
『さあ、答えよ。』
望むなら、聖杯を与えよう。


『・・・いらない。』
聖杯など、欲しくない！
やりなおせた、としても。
浮かぶ、お葬式の光景。
あの涙も、悲しみも、記憶も。
多くの死と悲しみに耐えてみんなが乗り越えてきた事を
『無かった』ことになんて出来ない！
過去を無意味になんて出来ない。
想いが礎となって、『今』を生きる人を変えられると信じている。
草原を走るイメージ。
『だから、この道は間違ってないと信じている。』
俺は置き去りにしたものの為にも、自分を曲げられない！


呆れた様子の神父。
今度は、セイバーにその真意を問い質します。
『お前はどうだセイバー？』
よもや、衛宮士郎のような”エゴ”はかざすまい？
『私は･･･』
言いよどむセイバー。
畳み掛ける神父。
『己がマスターを殺せ。それでお前の願いは叶う。』
逡巡する彼女。
そして、彼女もまた、自分の内面と向き合う事に･･･

『自分より王に相応しい人物は他にいて』
その人物なら、国を平和に長く治めてくれるのでは
ないかと思っていた。
だから選定をやり直したい。聖杯を入手する事によって。
『この道は間違ってないと信じている。』
シロウの言葉が、セイバーの逡巡を砕きました。


ああ、そうだった。
私は王としての責務を全うすると誓って剣を抜いたのだ。
多くのものを捨て、民の為にと戦った。
そこに後悔はない。


この一生を誇れるなら、やり直しを求めてはならない。
王は国を守った。国は王を守らなかった。
ただそれだけのこと。
その過程に曇りがないのなら、やり直しなど求めるべきではない。
浮かぶシロウの顔。
その誇りを胸に秘め、叶わなかった夢を見よう。


答えは決まりました。
『聖杯は欲しい、だがシロウは殺せない。』
戸惑う神父にさらに続けるセイバー。
『わからぬか下郎、そのようなものより、
私はシロウが欲しいと言ったのだ！』
たった一つだけ、その手に残ったものを守りたい。
生前は成しえなかった事を、今は１つではあるが成しえたのだから。
それで良いのではないか？


抱きかかえるシロウにそっとセイバーが囁きます。
『シロウ、私の手に触れてください。』
塞がっていく傷。
『力が・・・戻った？』
今の貴方なら、ゲイボルグの呪いも通じません。

とんだ茶番だったな、と皮肉めいた表情を浮かべる言峰神父。
『お前達はツマラナイ。』
ここで死んでもらう。


彼の合図に呼応し、現れたギルガメッシュ。
『お前は！』
紹介しておこうか、彼が前回の私のパートナーだ。


これには、ランサーも少なからず驚いたようです。
『そいつがお前のサーヴァントだと!』
そうだ。
こいつが現世に留まるに相応しい”食事”を用意する事で、
協力関係となった。
『なぜ、黙っていた？』
言えば、彼と協力したか？
『死んでもゴメンだ(－＿－#)』


今度は状況を理解できない、そこの二人にも説明せねばな。
『待機せよとの指示を破り、（ギルガメッシュは）お前達に接触した』
後を辿れば、いずれ私に行き着くだろう。
だから、対策を練らねばならなかった。
『どうだ、お前（士郎）は何一つ策を図っていないだろう？』
小馬鹿にする神父。


『１０年前の再現になったなセイバー。』
少しだけ驚くセイバー。
『もっとも私は、切嗣に倒され･･･』
最後の場面には立ち会えなかったが。
あの時、切嗣の銃弾に倒れ、追い詰められた私は
『現れた聖杯に触れたのだ』
まさか、あのような結果になるとはな。


真相を知った士郎。
『アレはお前が！！』
キサマが聖杯の力で起こしたのか？
『私は、ただ』
”あの土地から人がいなくなればいい”と願っただけだ。
そして、聖杯はその願いを叶えただけ。
私でなくとも、聖杯は同じ事をしただろう。

『世迷言を！』
憤るセイバーに、彼は淡々と聖杯のあり方を告げます。
『では聞こう、願いとはどうやって叶える？』
お前達の求める『聖杯』とはな。
巨大な兵器と一緒だよ。
『持ち主の願いを”破壊”と言う手段で叶える』
純粋な力。
持ち主以外を殲滅する力だ。

言い終わると、用が済んだかのように
従えるサーヴァントに命じる言峰。
『ゴミを始末しろ。』


まず先手はギルガメッシュから。
無数の宝具から剣を取り出し、投げ付けますが･･
その剣を払い、セイバー達を庇ったのはランサーでした。
『気が変わった、俺は降ろさせてもらう。』
そして、士郎達にも釘を刺すランサー。
『勘違いするなよ。俺は俺の信条に肩入れしているだけだ！』


槍を構え、英雄王に立ち向かう青い槍の戦士。
『ほう？』
『英霊なんて身だが･･･２度目の生に興味なんてねえんだよ！』
『いいから早く行け！』
ちょっと庇ったぐらいで仲間意識持ちやがって(`皿´)ｹｯ!!
『これだから育ちの良い騎士王様は気にくわねえ』
彼は彼の信義に従い行動する、と言う事ですか。
『・・・ご武運を』
短く礼を述べ、士郎を連れて教会を脱するセイバー。
ギルガメッシュは、二人が脱出するのを見届けてから、
おもむろに切り出します。
『実は俺も、こうしたやり方は好みではなくてな』
『お前がやらなかったら、俺がそうするつもりだった。』
セイバーを逃がすつもりだったのか？
『当然だ。あれは俺のモノだからな。』
それにな。
『聖杯を呼ぶ儀式の完成には、
後一人サーヴァントに死んでもらわねばな』
そう、今回の戦争で呼び出されたサーヴァントで
残っているのは２体。
セイバーとランサー。
完成した聖杯を入手できるのは１体のみ。
ギルガメッシュは『前回』の存在の為、勘定には入らない。
後は簡単な引き算ですね。


『ち、初めからそのつもりだったか!』
始まる英雄王とクランの猛犬の戦い。
無数の武器を射出できる原初の英雄と、
結果が先に来る因果律を持つ魔槍を手にした英雄。
戦いは意外なほど、あっさりと終わりました。
四肢を鎖に縛られ、動きを封じられるランサー。
そして、ギルガメッシュがとりだしたもの。
それは･･･
アーチャーが射出した宝具に良く似た形状を持つ剣。
（並みのサーヴァントなら即死だが･･･）
そんな威力を持つ剣を投げ付けるギルガメッシュ。
こうして、猛犬はその身を貫かれるのでした。


これで残るサーヴァントはセイバーのみ。
聖杯が現れる条件は整いました。


その頃、教会を脱した二人は、墓地で治療を行っていました。
『鞘に魔力を送ります』
それだけを言い、胸の傷に手を当てるセイバー。
『傷はまもなく塞がります。』
鞘って、エクスカリバーの鞘か？と問う士郎。
『はい。かつて私が失った鞘で、今はシロウの中にあります』
それが、貴方の治癒能力の正体でもあります。
その理由を話し始めるセイバー。
魔術師として未熟だったシロウが私を召喚できたのは、
それを補ってあまりある接点がなくてはならない。
それが、『鞘』だったのです。
『じゃあ、何で俺の中に？』
やったのは、キリツグでしょう。
前回の戦いで聖剣の鞘を触媒に私を召喚したのです。
鞘は、持ち主の傷を癒す宝具ですから。
キリツグは、自身が持っていたほうが有利と判断したのでしょう。
『オヤジも、こうしてボロボロになりながら戦ったのか・・・』
その度に、鞘の効力に守られて。


そして戦いが終わり、彼は焼け跡で一人の
死にかけている子供を見つけた。
その子供を助ける方法は１つしかなかった。
『鞘を植えつける事で、シロウの命を救ったのです。』
こんな私でも、たった一つ今の世界で守ることが出来たモノ。
ソレが、シロウ、貴方だったのです。


士郎に寄り添いながら、言葉を続けるセイバー。
『すまん、お前の鞘をこんなことに･･･』
『いいえ、私は嬉しかったのです。』
『何も守れなかった私でも、シロウ、
貴方の命を救えていたのですから』


夕刻、橋のたもとで。
『キリツグが正しかった。』
聖杯は、私が必要とするものではなかった。
『キリツグは気付いていたのでしょう』
やりなおしなど、出来ない事を。
『私は今まで自分を偽っていたのです。』
『ありがとう、貴方のおかげで取るべき道が見つかりました。』
あの聖杯も、私も本来ありえてはいけない夢だったのです。
『それでもどうか、許して欲しい。』
間違えた望み、かなえられない日々であっても、
『この弱さはある少女が見た一時の夢だったのだと』


聖杯を破壊する決意を固める士郎とセイバー。

最終決戦の幕が上がり、全てが収束へと向かいはじめ・・・

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さて、本編に。


『どうしたセイバー？』
わざわざ俺が出向いてやったのだ。
『黙っているのは無礼であろう？』
黄金のサーヴァントが慇懃な問いを発します。


前回の戦いから、この相手は危険だと判じたセイバー。
『何としても初撃は防ぎます。その隙に逃げて･･』
言い終わらないうちに、セイバーの腕を取り、
自分の背後に回す士郎。


『行け！逃げるのは、お前だ！！』
自らを楯とし、セイバーを逃がそうと計る士郎。
『一か八か、もう一度セイバーの剣をとうえ･･』
すっ。
ほんの一瞬のことでした。
赤い光が士郎を貫き･･･
血を流して倒れる士郎。


驚愕に目を見開くセイバー。
『ふ・・・殺しはせん。』
ここでマスターを潰してしまえば。
『セイバー、お前を存命させるのに手間がかかるからな』
『だが、それ以上さえず･･･ん？』
咆哮と共に、剣を振り下ろすセイバー。
しかし、その切っ先が届く事はありませんでした。
突如、宙に出現した３本の剣に阻まれたからです。
２撃、３撃と剣撃を加えるセイバー。
『ほう？』
さすがだな、相変わらずの魔力と言ったところか。
それでこそ、俺の見込んだ女よ。
『その剣に免じ、俺の全てを見せてやる。』
言うや武装し、前回も見せたあの技を披露する敵。
『ゲート・オブ・バビロン』
それが、彼の技の名前でした。
無造作に手にした短剣を一振りすると・・・
冷たい嵐が巻き起こり、セイバーの剣を氷付けにし、
続いては、大鎌を手にし、これも無造作に一振り。
『ぐ・・・ああっ！！』
次の瞬間、届くはずの無い鎌の切っ先がセイバーの腕を貫き、
首にまで達していました。


『そんな・・・』
次々と無尽蔵に現れる宝具。
貴方は、一体・・・！？
『一人の英霊が、それだけの宝具を持てるはずが？』
それは早計だな。
『最も古き時代。まだ世界が１つだったころ。』
『全ての財は、たった一人の王のものだったのではないか？』
その言葉に、敵の正体を悟ったセイバー。
まさか！
『いかにも。我が真名は人類最古』
『古代ウルクの王、ギルガメッシュ』
最も古き時代の実在の王にして、神話では半神半人の存在。
『覚悟を決めよセイバー』
この身は貴様らごときで敵うべくも無き英霊よ。
神秘の度合いが強さを決める、
と言う意味ではそうかもしれないですね。
洪水伝説にも絡んでくる英霊ですから。


気丈にも、まだ立ち向かう様子のセイバーに、
彼は不敵な笑みを返すと･･･
『こちらも相応しいもので相手をしよう』
この英雄王しか、持ち得ない剣でな！
刀身が黒く、シュメール文字を刻まれた
剣を取り出すギルガメッシュ。
巻き起こる暴風。
セイバーも剣を構え、必殺の剣を繰り出すようです。
『エクス』
『エヌマ』
『カリバー！！』
『エリシュ！！』
互いの宝具がぶつかりあい･･･
吹き飛ばされたのは、セイバーの方でした。
『味気ない』
暴風が収まった後には、無残な姿をさらし、
もはや死を待つだけのセイバーの姿が。
『くくく・・・はっはははは！』
人類最強の剣がこの程度とはな！
相殺することすらできんのか！
ああ、そうか少しは手加減すべきだったな。
『何しろ相手は女子供であったわ』


呆然とその言葉を聞くしかない士郎とセイバー。
『シロウ･･･そこに、いる･･･のですか？』
セイバー、お前目が！？
『ああ、そうか･･･私は、負けたのですね･･･』
それならば、貴方だけでも逃げてください･･･
『どうしてお前はそうなんだよ!!』
セイバーをしかりつけ、無理に体を起こして対峙する士郎。
『トレース・オン』
『投影か、つまらんな』
セイバーの剣を投影した士郎。
それを見ても何ら驚く様子の無いギルガメッシュ。
なぜならば・・・
『お前の投影した、”王を選定する剣”はな』
元々は北欧の”支配を与える木”に刺さっていた剣が流れたものだ。
『そして、その剣の源流がこれだ』
ギルガメッシュの手にも、原典となる剣が一振り握られていました。
『どうあがいても、複製は原典には勝てぬのだ!』
次の瞬間には、剣ごと士郎を切り下げていたギルガメッシュ。
完全に逃げ道は絶たれてしまったようです。


『貴方が用があるのは私でしょう！』
自らも瀕死なのに、士郎を守ろうとするセイバー。
『それは、俺に降る、と言う事か？』
『答えよセイバー！』
『答えるなセイバー！！！』
またも士郎でした。
その声に、驚きつつも士郎を諫めるセイバー。
『貴方の助けなど不要なのに･･･なぜ、それが分からないのです』
いやだ、こんな事で貴方に死なれたら、私は･･･
『うるさい、いいから黙ってろ!』
『こういうときぐらい、頼ってくれて良いんだ』
違う、私の身より自分の身を・・・
『違う、俺にはセイバー以上に欲しいものなんて無い!』
瀕死の状態でありながら、思いのたけを叫ぶ士郎。
『お前に代わるものなんて、俺の中には無い』
お前が一番好きだ。
だから、アイツには渡せない。
『失せろ、英雄王！』
果敢に好きな女を守ろうとする一人の男がそこにいました。
『存命に手間はかかるが・・・潰すか』
ギルガメッシュもまた、五月蝿いニンゲンを
破壊する事に決めたようです。


再び投影を始める士郎。
『イメージしろ！』
勝てるものを幻想しろ！
暴れだす魔術回路
『イメージしろ！』
それは最強の自分だ！
全ての回路がスパークし･･･
現れたのは、光に包まれた鞘？でした。
シロウ、これを！
走り寄ったセイバーが剣を渡し、そして・・・
鞘？らしきものに剣を収めたとき。
エヌマ・エリシュをも跳ね返す魔力を発するのでした。
舌打ちを残し、消えていくギルガメッシュ。
倒れこむ士郎を抱きとめるセイバー。
『やっと気付いた･･･シロウ、貴方が私の鞘、だったのですね･･･』


ここではないどこかの丘。
ただ一人立ち尽くすセイバー。


そして、舞台は変り・・・
戦の場面に。
戦っているのは、セイバーとモードレット。
『貴女の国はこれで終わりです、アーサー王！』
何故、私に国を譲らなかったのですか！
『理由は１つ。貴公には王としての器が無い。』
同時に剣を振るい、片方の手に握った槍で
モードレットを貫くセイバー。
またモードレットの剣もセイバーの体を貫き・・・
それが、彼女の生前の記憶でもありました。


『夢』か？
跳ね起きる士郎。
体には傷１つありませんでした。
同時に、無数の剣で体が構成されているイメージを見る士郎。
そこへセイバーが現れ・・・
『気がついたのですね、シロウ』
傷はもう完治しています。
私も体に関しては問題ありません。
ですが、彼は必ず現れます。
『勝てそうか?』
正直、難しい。
だが、聖杯を入手するには倒さなくてはならない。
『王の選定をやり直す為に、か。』
途端に表情を険しくするセイバー。
『起きられるなら、少しは食べた方がいい。』
私が何か作りますと言って、台所に立つセイバー。
しかし、料理の腕は絶望的で････
（料理をすることがなかったのかもしれないですね）
結局、士郎が手ほどきをすることに。
穏やかな時間が流れますが、士郎の不用意な言葉がそれを破ります。
『王の選定をやり直すなんて、やめろよ』
ココに残って、自分の為に笑って欲しい。
俺と、一緒にいてほしい。


憤然と部屋に戻ろうとするセイバーを抱きとめる士郎。
『私を困らせないで欲しい･･･』
なら、突き放せばいい。
『シロウは私の過去を知って、何度も私の中に入ってきた』
『私の答えなど知っているくせに』
『私がどれほどの罪を重ねてきたか、知っているくせに』
士郎の答えは非常に単純なものでした。
『惚れちまったんだから、仕方ないだろ』
俺は、セイバーをこのままにはしておけない。
自然と士郎の顔がセイバーに近づき・・・


翌朝。
教会へ向かう士郎。
反芻するのは、部屋でのセイバーとのやり取り。
『魔力は回復しました』
これで私はいつでも戦えます。
『貴方のサーヴァントとして』


教会に足を踏み入れたとたん、激しい悪寒に襲われる士郎。
『なんだこれは･･･？』
戻れ・・・くるな・・・何も無い・・・帰れ・・・
その声に逆らい、地下礼拝堂にやって来た士郎。
そこで見た光景に目を奪われた次の瞬間！
彼の胸に、あの魔槍が突き刺さっていました。


ソレを操れるのは、ただ一人だけのはず。


謎が次々と収束を始めるのでした。



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さて、本編に。


セイバーの剣の前に倒れるアサシン。
葛木先生を庇い、倒れるキャスター。
そして・・・
現れる８人目。
『あいつは、俺のものだ！』
それぞれがそれぞれの意思を明確にした流れ。


そんな印象から、２０話は始まりました。


夜の橋を渡る士郎。
表情は、今ひとつ冴えないまま。


『なるほど。』
そのサーヴァントはおそらく。
『足りない魔力を、人の魂を喰らう事で補い、行き続けたのだろう。』
神父はそう言いました。
『後は、こちらで調べておく。』
お前は、残る戦いに専念すれば良い。
『任せて、いいんだな？』
それは確認と言うより、疑惑でした。
疑いが混じった問いを、はぐらかす答えで煙に巻く神父。
『セイバーは、聖杯を手に入れれば”死ぬ”。』
もしお前が。
『人として』セイバーを生かしたければ、
彼女に聖杯を呑ませれば良い。
『それは、聖杯を手に入れ願いを叶えろ、と言うことか？』
凛から聞かなかったのか？
『聖杯の水を飲んだサーヴァントは、
現世で二度目の生を得られる事を。』
肉体はサーヴァントだが。
『だけどアイツはそんなこと望んじゃいない！』
『望んでいないにせよ、お前が令呪を１つ残しておけばいい。』
それで彼女は生きられる。


再び、士郎。
アイツは聖杯を手に入れてはいけない。
なのに救えるのは聖杯のチカラだけ。
『････。』
拳を橋に叩きつけ、自らの無力を嘆く士郎。
『俺は、何がしたくて、何の為に？』
聖杯戦争を終わらせることが目的だった。
今はそれが二の次になっている。
多分、本当は･･･
『あの時、土蔵で出会ったときに心が決まっていたんだ。』
放っておけないと思ってしまった。
まだこうしていたいと。失いたくないと。
『気付かなければ良かった。』
俺・・・アイツが、好きだ。


士郎の家。
居間で凛と二人、お茶を飲む士郎。
『綺礼の所に行ってたの？』
ああ。
なら、何も聞かないわ。士郎もソレでいいでしょ？
話題を替える凛。
『セイバーが最強のサーヴァントだって思っていたのに･･･』
一番”中途半端”なサーヴァントだったなんて。
俺は、あいつに・・・
ナニカを言いかける士郎。
『ふうん、アーチャーと同じこと言うんだ。』
”自分は後悔してるから、セイバーにはそうなって欲しくない。”
アーチャーとセイバーには接点がないはずだから･･･
有るとしたら王様と従者のようなものね。
王様が国民一人一人の顔を覚えている訳が無いし。


多分、ソウイウコトではないと思います。
理想と現実はえてして一致しないと言いますが・・・
多分、『絶望』があったからなのかもしれませんね。
俺の望みは、『こんなこと』ではなかった。
しかし、それは繰り返される。
この身が英霊である限り、永遠に。


まあ、このぐらいにしておきましょう＾＾；


さて本編に戻して。


『とりあえず（明日は）セイバーとデートする。』
しばらくの沈黙のあと・・・
『(*´∀｀)″ｹﾗｹﾗ』と笑い出す凛。
かなり面白いネタだったようです。
ひとしきり笑った後、凛は言いました。
『私、貴方達のこと好きよ。』と。
だから、まずは作戦会議。
デートは、戦いなのだから。


翌朝、セイバーを交えての説明会？
『でーと、ですか？』
？
『専門的な略語は控えてほしい。』
意味が通じなかったようです。
士郎が、何とか説明を試みますが･･･
『女の子？』
そうだ。
『私の事ですか？』
そうだ。
『理解しましたが、意図がワカリマセン。』
埒が開かないと判断した凛。
的確な説明を行います。
『デート、って言うのは”逢引き”のことよ。』
途端に赤くなるセイバー。
ヤハリ中世の人だからでしょうかね＾＾
後は、この場合、お邪魔虫？を退治すれば
万事解決と言うところですね。
『イリヤもシローとアイビキ!!』
イリヤもシローが好きー！！
ストレートな愛情表現ですね（苦笑）
子供らしくて良いです。
まあ、今の状況の場合は『お邪魔』と言うことになる訳で。
凛がすかさず『当身』を食らわせ、
士郎は念願かなってセイバーとおデートへ。


まずは洋服屋。
イキナリ洋服を破るセイバー。


続いては、映画館。
士郎の『手を握る作戦』は撃沈。


水族館。
ここは比較的成功だったみたいですが・・・


食事
『シローの用意してくれるものの方が好みです。』
これは士郎にとって良かったのかも。


ぬいぐるみ屋
ライオンのぬいぐるみをいたくお気に召したセイバー。
士郎も思わず吹き出してしまったようですが･･･
『獅子を模している点が愛らしいと思ったのです。』
『シローの笑いは不自然です。謂れの無い怒りを覚えるのですが。』
最後には背を怒らせて、
店を出てしまうセイバーなのでした。


後半、港を見ながら。
壊れた船の残骸。
『前回の名残があるんだな・・』
船を壊してしまったのはセイバーだとか。
水上戦を余儀なくされ、宝具を使用した際のとばっちりが
この船の残骸になるそうです（当時人は乗船していませんでした）


『怒らなくとも良いではアリマセンか･･･』
反省、しているのですから。
拗ねるセイバーさん。
可愛らしいじゃないですか＾＾；
でも、ナニカ、ネエ･･･
自分としては、今回腑に落ちないものが。


橋を歩きながら、語らう二人。
『今日は楽しかったか？』
『新鮮ではありました。』


セイバーは唐突に切り出します。
『サーヴァントは戦う為に存在する。』
ただソレダケの存在。
戦えば戦うほど、聖杯に近づくことが出来る。


士郎も切り返します。
『それは矛盾だ！』
戦いが大事と言うわりに、自ら戦いを欲していない。
戦闘を最小限に抑えたがっている。
お前は犠牲者が出る戦いが怖いんだ。
個人の感情を王の使命で塗りつぶしているだけだ！
『お前は戦いに向いていない』
本当は剣を取るのもイヤだったはずだ！


怒りの表情を見せるセイバー。
図星か、と士郎は言いますが･･･
それは大きな間違いだったようです。


『私に選択肢はない』
この身は聖杯を入手するためだけに存在する。
その為なら、どんな手でも使う。
ソレハシロウ、アナタデモレイガイデハナイ。
自分の理想、あるいは願望に縛られるというのは
誰しもあることだと思います。
口汚い言い方をすれば、それは『エゴ』とか『自己満足』とも。
その意味では、非常に良く似通った二人。
当然、この争いに決着など付く訳も無く。


『バカ、今はお前はここにいるんだ！』
昔とは違う！
これからは自分の為に生きなきゃ駄目だ！
セイバーは『ここ』で幸せにならなきゃ駄目だ！！

反論するセイバー。
『王の誓いは破れない。』
王には責務がある。
剣を手にした時から、この誓いは変わらない。

再び士郎。
『惨い結末だったからやり直したい。』
そんなのは、子供のわがままと一緒だ！


決定的にずれている会話。
セイバーは、自分がサーヴァントである以上
ある縛りに従い、今ここにいる。
縛りを受け入れた経緯は彼らそれぞれではあっても。
あるいは望みの先取り、とでも言うのでしょうか。
自己犠牲と言う点では士郎と何ら大差はないような気もしますが。


今日一日無為に過ごして、出てきた言葉がソレデスカ。
思い上がるのもいい加減にして欲しい。
『他人を優先するな？』
それはシローとて同じではないですか。
『他人を優先するなど死者の考えだ。』
自分の命の重さも分からない愚か者が、よくもそんな事を。


見ている自分には、それはセイバーさんも同じじゃないの？
なんて思ったりして。
考えの拠り所が、すこし違うだけで。
（上手くまとまらない＾＾；）


『ケイヤクを解除しても構いません。』
あとは私一人でマスターを破り、聖杯を入手するだけですから。
それ以外のことなど余計だ。


完全に決裂した議論。
『勝手にしろ！』
捨て台詞を残し、士郎は走り去ってしまいます。
しかし、彼も気付いていたようです。
本当は、自分の言い分が、
彼女の立場に立って発せられたものではない事を。
『腹が立つ･･･』
セイバーじゃない、自分自身にだ。
『俺はセイバーを助けられない。』
だとしても。
『俺は（セイバーの意見に）頷けない』
俺が間違えていて、セイバーが正しいとしても、
セイバーが大事なら、謝れない。


悶々と考える士郎の前に、凛がやってきます。
『セイバーが帰って来てないの。』
その言葉に、家を飛び出す士郎。
『まさか、アイツ一人で･･･』
方々を探し回り、ようやく求める人影を見つけた士郎。
彼女は、同じ場所に立っていました。
あれから、ずっと。


『体、冷えるぞ。』
いつまでも帰ってこないから、遠坂が心配してた。
ゆっくりと話し始めるセイバー。
『行き先が･･･決まらなかったのです。』
勝手にしようと思ったのですが、
何をしたいのか、何処に行くべきか分からなかったのです。


士郎は一言、『帰って暖かいものでも食べよう』とだけ言います。
黙ってセイバーの手を引いて。
『シローは私の事などシラナイと』
そうだ、俺にはセイバーの考えている事が分からない。
でもな、手を引いて、家に連れて帰ることぐらいはできるんだぜ。
薄く頬を染めて、士郎に引かれるままのセイバー。


デメタシ、デメタシ、なのかな？
そこへ現れる野暮な人、一人。
『何処に行く？』
自然、握った士郎の手を強く握りしめるセイバー。
『勝手に人のものを持っていくな、小僧？』


嵐が吹き始めました。
終幕へ向かう嵐が。


Close.↑

さて、本編に。


『あの時も、雨でしたね･･･』
回想のキャスターと、葛木先生。


『さすが、最優のサーヴァントだ！』
対峙するセイバーと、アサシン。


『守らなくてはならないのは･･･魂の尊厳！』
『相手が誰であろうと、己が目的を遂げようとする･･･』
『貴女は立派な”魔術師”よ』
キャスターと凛、そして桜。


そんな流れから、１９話は始まりました。

今だ続く、セイバーとアサシンの戦い。
激しい打ち込みを、涼しい顔で受け流すアサシン。
『さすがは、セイバーの剣(￣ー￣)ﾌﾑ』
一撃で、我が剣を”曲げる”とはな。


同時刻、対キャスター戦。
『折角の健闘も意味が無かったわね･･･残念。』
バカにした口調で宣告するキャスター。
『・・・』
無言の凛。


再び、アサシン戦へ。
打ち合いをいなしながらも、
アサシンにはある”計算”がありました。
先ほどまでは、階段の上と言う
不安定な場所での戦いだったのですが・・・
『しまった！』
そうだ、とつぶやくアサシン。
『足場が水平なら･･･ツバメ返しを放つことが出来る。』
絶対不利を悟ったセイバー。
しかし、彼女にはまだ『やらなければならないこと』がありました。
その迷いが、今の状況を生んだようです。
その事を指摘するアサシン。
『果し合いの最中に後のことなど考えるな！』


同時刻、対キャスター戦にて。

『私の生贄は、貴女（凛）。そう決めたんだから(ー)ﾆﾔ』
だから、その娘（桜）を庇う必要は無いわよ。


同時刻、アサシン戦。
『元より我らは役割を果たす為だけに呼び出されたもの』
山門を守る私のように、お前にも守るものがある。
『が･･･』
『時間』がないのはお前に限った話ではない。
迫るタイムリミット。
『失礼をした。』
一言だけ詫び、アサシンとの決着に備えるセイバー。


・・・秘剣、燕返し！
交錯する３つと１つの軌跡。
決着は付きました。
『行け･･･』
血を吐くアサシン。
美しい小鳥かと思ったが、その実獅子だったとはな。
架空の剣豪の名を与えられた剣士は、
こうして無明の彼方へと・・・


その頃、士郎VS先生の戦いにも一応の決着が付いていました。
巧みに先生の拳をガードしていたのですが、
それも限界だったようです。
干将・莫邪の双剣を砕かれ、
さらに一撃を食らい昏倒する士郎。


完全な敗北。
『あなたは特別に念入りに料理してあげる』
ますます酷薄な台詞を吐くキャスター。
セイバーが何とか間に合ったようですが･･･
剣はキャスターの防壁に阻まれてしまいます。
『ルールブレイカーを受けた貴女では、私は倒しきれない』
ソレハワカッテイルハズデショウ？
それからもう１つ。
この神殿は私そのものよ。
今の貴女に、町ひとつをおとすことが出来て？
直接攻撃も通じず、また魔術も通じず、
さらに神殿を崩壊させる事も出来ない。
さらにキャスターの言葉は続きます。
『だけど話によっては、そこのボウヤは生かしてあげてもいいわ。』
貴女（セイバー）が私の僕になるならばね。


『・・・ち』
どこからか、舌打ちの声が聞こえました。
そして、高圧的な物言いも。
『たわけ、身の程を違えたな、雑種凸(｀△´#)!!』
何やら物騒な物言いの御仁が登場しました。
『所詮は道化のあがき。最後まで見届けるのも一興だったが･･･』
キャスターよ、お前は今口にしてはならぬ事を口にした。
『獅子王を捕らえるなどと口にするなど大罪よ！』
かの人物に見覚えのある様子のセイバー。
そして・・・
『王の宝に手を出すとは、失せろ雑種！！』
言うや、彼の人物の周囲に浮いていた無数の武器が光となり、
キャスターたちを襲います。
ん？
何か似たようなイメージを見たような見てないような？
ま、いいか＾＾


自らの体を楯とし、葛木先生を庇うキャスター。
再び訪れる回想。
『私の話を信じるのですか？』
場所は、境内。
『俺はお前の言う聖杯戦争など信じない。』
令呪ももっていない。
だが、必要ならば手をかそう。
『極力、今の生活を乱したくないだけだからな。』
乱さない為の必要最小限の協力。
対する見返りは、望まない。
それは、彼女が初めて得た至福、なのかもしれません。


『無事ですか、マスター？』
ああ。
『良かった、・・・でも残念です。』
折角、見つかったのに。
『大丈夫だ、お前の望みは私が代わりに果たすだけだ。』
それは無理です。
『だって私の望みは･･･さっきまで叶っていたのですから。』
事切れるキャスター、そして後を追うように倒れる先生。
あっけない幕切れでした。


しかし、これで全てが終わったわけでもなく･･･
ただ、１体のサーヴァントが消えただけなのですから。


『久しいなセイバー。』
全身を黄金の鎧でまとった怪人物が話しかけます。
『・・・LΩ(`ё´;)』
何だ、その顔は。
男を待たせるとは、たわけた女だ。
いずれ会うぞセイバー。
その時は、『１０年前の返事』を聞かせてもらう！


手短なやり取りの後、神殿を後にする４人。

そして、セイバーの口から明かされた、彼の者との因縁は･･･


『確かに私はあのサーヴァントと戦ったことがあります。』
前回の戦争の最後の１日、火の海の中で私は彼と戦った。
しかし、私は勝てなかった。
『それって逆に負かされたってこと？』
凛の疑問に沈黙するセイバー。
代わりの答えを語り始めます。


１度の戦争で呼び出せるサーヴァントは７人。
しかし、アイツハイキテイル。
つまり、アイツは聖杯を入手した。
その恩恵で生きていられる。
と、まとめたところで、今度はその正体を考え始めます。
・クラスはアーチャーであることしかワカラナイ。
・あの英雄には、シンボルとなる宝具がない。
あれだけの宝具を使いながら、その姿形に見覚えがない。
しかも、どれもが本物らしい。
ますます彼の正体が分からなくなる3人。
ただ一人、セイバーは『あること』だけは確実に知っていたようです。
『彼は私に求婚した』と。
もちろん、戯言ごと切り捨てましたが。
元より私にそんな自由はない。
『正直、あのような戯言は勘にさわります。』
随分と手厳しい意見ですね＾＾


縁側で、セイバーと語る士郎。
先ほどの話の続きのようです。
『私は（聖杯入手後）残るつもりはありません』
元いた自分の場所に還るだけです。

反発を覚える士郎。
死にかけてる自分を救わずにか！
国を守るのは王の責務、せめて相応しい王を選定直したい。
『このバカ！』
感情のまま叱り付ける士郎。
自分を変えたいなら、今からやり直す方法を取れってンだ！！
それはエゴ、でしょうね。
もちろん、セイバーの言う話も、
これは彼女なりのエゴであることに
変わりはないのですが。
問題は、それぞれの感情が先走っていて、
建設的な話になっていないという事ですね。


話を例のサーヴァントに戻すセイバー。
『彼は聖杯を入手したはずがないのです。』
つまり、凛の推測は間違っている。


聖杯は『破壊された』のです、切嗣によって。
親父！？
驚愕の士郎。
訥々と、昔語りを始めるセイバー。


『10年前、彼は私のマスターでした。』
彼は典型的魔術師でした。
己が目的以外に興味は無く、阻むものは何であろうと排除しました。
あらゆる感情を殺し、あらゆる敵を打ち倒してきた。
そして彼は聖杯を入手し･･･
聖杯を『捨てた』のです。


あの男は令呪を使用し、私に『破壊』させたのです。
聖杯が無くては、サーヴァントは存在できない。
アーチャーとケリをつけることも。
告白すれば、あの時ほど令呪の存在を呪った事はない。
私を裏切った相手を呪ったこともありません。


だから、シローから聞く彼の事を思えば、
以前の彼の事を話すのは気が進まなかったし、信じられなかった。
『一体、彼は何を信じて戦い、何を士郎に見出したのか。』
それは、今はわからないまま。


ただ1つ分かっていることは。
『新たな聖杯を作る事は可能なこと』
だったら。
『今度こそ、誰にも邪魔はさせない。』
キッパリと言い切るセイバーが、
強くも、哀しくも見えましたね。


ココまでの話を聞き、監視者である神父に話を聞く士郎。
まず、セイバーについての誤解を解く神父。
彼女は、まだ死んでは『いない』。
輪廻の輪の外にいる。
また、彼女の望みは
『聖杯を入手し、完全なサーヴァントになることだ』とも。
故に、現世で彼女を活かしたいと望むならば。
聖杯を彼女に呑ませれば良い。
肉体は『サーヴァント』だが、マスターと令呪が１つあれば
この世界に留まる事は可能だ。


なるほど＾＾
つまり、彼女は『厳密には英霊』直前の状態であると。
まあ、考察モドキになりそうなので
ココからの推測は割愛しておきます。


次に、８人目のサーヴァントの事だ。
そこで途切れる今回のお話。

嵐は、確実に迫っているようです･･･
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さて、本編に。



『こいつを倒さなければ、死ぬ？』
武器、武器だ。こいつを倒せる強い武器を！


この娘は貰っていくわ。
返してほしければ、私の神殿までいらっしゃい。


そんな始まりから、１８話は幕を開けます。


さあさあ、と降る雨。
境内の縁側。
正座し、その雨を見つめるキャスター。
ふと、かつて自分が生きていた頃の風景が蘇ります。
それは、船の上でのこと。
愛するあの人の為に、全てを賭けたあの日の事を。


王子イアソンは伯父ぺリアスに王位を簒奪されていたが、
蛮地コルキスの宝物、金毛羊皮と引き換えに
王位を返すという言葉を信じてコルキスに赴きます。
ここでイアソンはコルキス王女メデイアと巡り会い、
彼女の力で金毛羊皮を手に入れますが・・・。


宝物が盗まれ、わが子もいなくなったことを知った
王アイエテスは追っ手の船団を差し向けます。
アルゴ船にイアソンとともに乗り込んでいたメデイアは、
一緒に連れてきていた幼い弟アプシュルトスを殺し、
その亡骸を切り刻んで海にばらまき、
追っ手を振り切ったと言います。


風景は再び変化し、結婚式の風景に。


幸せそうなあの人。
隣には、『自分』ではない別の女性。
物陰で一人、涙を流すキャスター。


後に、二人がコリントスに赴いた時の話です。
コリントス王クレオンは、イアソンを歓迎し、
その人柄を気に入って娘グラウケとの結婚話を持ちかけます
彼ははグラウケとの結婚に心を動かし、
内助の功を省みずにメデイアを捨ててしまいます。
メデイアは新婦ばかりか自分とイアソンとの間に
できた実の子を殺害し、夫への復讐としました。


エウリピデス版にも見られる話です。


雷が鳴り・・・
舞台は３度変化します。


山門の前に倒れるキャスター。
『ぐ・・・はあ、はあ･･･』
これまで、ね･･･
目の前には１輪の花。


そして、現れた『あの人』。


散り散りの思考は、不意の一言に遮られます。
『何をしている？』
葛木先生でした。


『あの時も、雨でしたね･･･』
静かに答えるキャスター。


次に彼女が目覚めた場所は、寺の中でした。
差し出されたお茶。
『飲めるか？』
事情は話せるか？
無言を答えとするキャスター。
『迷惑だったなら、帰るがいい。』
忘れろ、と言うのならそうしよう。
出口なら、ここを真っ直ぐ行けば出られる。
葛木先生もまた、情のかけらもない言葉をかけるに留まります。


『待って。』
過去と現在が交錯する瞬間。
『傘は･･･』
『必要か？』

ふっと表情を柔らげるキャスター。
『･･･いいえ。』
そっと寄り添い、歩き出す二人。
彼女の望んでいた事は、こうした小さな幸せだったのでしょうか。


衛宮家。
スッカリ『おねむ』の時間のイリヤを、優しく見つめる虎姉さん。
ウラヤマシイ・・・ヂャなくて＾＾；

心配げに時計を見る虎姉さん。
その頃、３人は･･･


山門。
『神殿か。』
『ココ以外、考えられません。』
士郎とセイバー。
桜を心配する士郎に、凛は確信ありげに言い切ります。
『大丈夫、無事よ』と。
生贄に使うつもりなら、そう簡単に殺しはしないわ。


セイバーが、ふと疑問を凛に尋ねます。
『サクラは、魔術師ではないのではないですか？』
凛はこのように答えました。
『魔術回路は残っているのよ。それに･･･』
あの娘も、魔術師の家系なんだから。
行くわよ、と２人を促す凛。
『放っておけば、間違いなく死ぬことになるんだから。』


石段を駆け上がりながら、凛の中で蘇る記憶
とある洋館の前で別れる小さな女の子が二人。
一人は、幼い凛。
そして、もう一人は･･･


『！』
凛が何かに気付いたようです。
脇道に入り、とある岩に触れる凛。
呪文を唱えると異空間が現れました。
『別の神殿があると言う事ですか？』
セイバーも、驚きの表情を浮かべます。
突入する３人。
そこには･･


『血の匂い？』
凛がつぶやきます。
その頃、神殿で待ち受ける葛木先生とキャスターもまた･･･
『来たか。』
『ええ』
足元には、祭壇。
寝かされているのは、桜。
『キモイチイイデショウ？』
聖杯が、貴女を欲しているわ。
その笑みは、まさしく魔女のものでした。


ようやく神殿に到着した３人。
その神殿の造りに呆れる凛。
『やりたい放題ね。』
これが、今まで溜め込んだ魔力をつぎ込んで作った、
キャスターの魔術神殿。
当然、出迎えは怪しげな骸骨兵軍団。
『まずは雑魚が相手ね。』と凛。
『正面突破を！』とセイバー。
『分かった!』と士郎の応えが返り、
戦闘が始まりました。


その頃、先生とキャスターはこんな会話を。
『大分焦っているようね･･･』
で、私は何をすればいい？
私は聖杯については何も分からぬ。
だからお前の方針に従おう。
『分かりました、それでは・・・”マスター”？』


凛は魔術を、セイバー聖剣を、士郎は木刀を振るい、
次々と敵を打ち倒していきます。
が、敵は無尽蔵に現れます。
業を煮やした凛は、頭上の石柱を見つけると
セイバーにその破壊を命じます。
聖剣が切れ味鋭く石柱を両断し・・・
敵兵は崩れ去りました。
『・・・』
ぼうっとしてる場合じゃないわよ、と士郎を叱り、
先を急ぐ凛。
そして、神殿本拠前に立ったその時。
空気が変わりました。
『いるのか･･･どこだ！』
士郎の誰何に対し、静かに答える声１つ。
『不意打ちなど･･･無粋な真似はせぬ。』
アサシンでした。
お前は、山門を守っているのでは？との疑問には
『私が門番だと言うのは承知しているはずだ』
至極当然の答えを返すアサシン。
が、生憎と私の役目はサーヴァントの排除でな。
『故に、娘（凛）。私はお前が”見えぬ”。』
それから、小僧（士郎）、お前もな。
『だから、一人二人”通して”しまうのは、
無理からぬことであろう？』
今の３人には、他に選択するものなどなく・・
脇を走り抜ける２人。
セイバーを見やる士郎。
『はい』と確かに答えたセイバー。
必ず、私もマスターの元へ（追いつきます）
アサシンを倒して。
そんな感じでしょうかね＾＾


『感謝する』とセイバーは言います。
礼には及ばん、と彼も言います。
『サーヴァントに召喚されたこの身、朝までは持たぬ。』
故に・・・
『ここで刃を交えられる事は、僥倖だ』と。


その頃の士郎と凛。
『まだ先があるのか？』
言葉にした瞬間に発せられた『悪意』。
まさか・・・桜？
『桜！』
駆け出そうとしたその時！！
『遠坂！』
咄嗟に投影した双剣を持って、奇襲を防ぐ士郎。
相手は、葛木先生でした。
『奇襲には慣れているようだな』
淡々と話す先生。
『士郎は下がってて。』
気丈にも凛が前に出ますが、士郎はそれを制止します。
『早く桜のところへ行け!』
少し驚きの顔をする凛。
『･･･カッコつけてるつもり？』
『････かもな』
そんなの、似合わないわよと言い残し、最深部へ向かう凛。


その頃、激しく打ち合うセイバーとアサシン。
『これほど澄み切った剣と打ち合うのは久方ぶりだ！』
さすがだな、と楽しげに語るアサシン。
『お互い様です』と応えるセイバー。
打ち合いながら、唐突に素性を語り始めるアサシン。
『我を小次郎、と言うが・・・』
”佐々木小次郎”と言う名は偽りの名だ。
過去の記録を捏造し、人の口端に上って生まれた架空の存在。
その偽りの名を、無名の剣士が名付けられただけの事。


少し歴史から＾＾
中条流富田勢源、或いは富田勢源門下の
鐘捲流鐘巻自斎の弟子とされていますが･･･
武蔵の弟子達が編纂した『二天記』によると、
有名な巌流島での決闘時の年齢は18歳であったと記されていますが、
師弟関係から見ても、この決闘のときで
『年齢５０以上』との計算になります。
また、『小次郎』と言う名のみ信憑性が高いとされており、
モデルについても『吉川英治』版の小説が元祖とも
言われているそうです。


話を元に戻して・・・


だから私はお前に問う！
『何を望んで剣を振るう！』
セイバーの応えは・・・
『私は。』
丘の上に立つかつての自分。
『私は・・・』
その後ろには、守るべき民達。
『私は・・・っ!!』


その頃の凛。
中心部に足を踏み出し・・・
『いるんでしょ、キャスター？』
ええ、貴女の後ろに。
『ようこそ、お待ちかねよ、大切なサクラさんが。』
目の前には、妖艶な服装に身を包んだサクラの姿が。
あの娘の頭の中を覗かせてもらったから、貴方達の事は分かったわ。
それにね･･･
『私は戦うつもりはないわ。』
モットモ･･･
『この娘が、行きたいと言うかは分かりませんけれど。』
つい、と桜の耳元に近寄って、甘言をささやくキャスター。
『貴女がずっと待っていた人が来たわよ』と。
その言葉に反応し、動き出す桜。
足元からは、無数の黒い物体が！
再び蘇る凛の記憶。
縁側に座る、小さな頃の二人。
凛と桜。


次々と凛を襲う黒い物体。
『早くしないと、聖杯に魔力を吸われるわよ？』
楽しげにキャスターは言います。


その頃の士郎と先生。
『どうしてマスターになった！』
魔術師でも、聖杯に興味があるのでもないのに！
物陰に身を隠しつつ、士郎は詰問します。
『そうだな・・・』
恐らくは、『同じだな』、お前と！
石柱を砕く先生の拳。
『俺は違う!』と否定する士郎。
しかし、先生は続けます。
『変わらぬ!共に”自分の望み”がない!』
その意味では、自分達は同質の存在であると。
なるほど・・・


再び、桜と凛。
『時間切れね・・・』
このままじゃ、本当に聖杯に喰われてしまう。
凛も決意を固めます。
『魔術師にとって一番大切なのは』
命じゃない。
『魂の尊厳よ！』
それは、貴女も分かってるわよね。
残る宝石の全てを用いて、桜に立ち向かう凛。
『サクラ･･･？』
『マトウ･･･桜？』
そう、間藤桜。
連れて行かれる桜。
ごめんねごめんねと謝り続ける、かつての凛。
様々な想いが交錯し、
桜に放たれる魔術。
桜もまた、内側からの衝動に動かされ、
短剣を手に凛に迫り･･･


一瞬の後。
二人は無事でした。
『これじゃ、士郎の事･･･言えないわね』
自嘲する凛。
桜を倒すつもりが、最後に甘さが出てしまった自分に対する。
でも、これで後悔はしなくて済む。
そんなところなのでしょうか。
『忘れなさい、全部。』
もう、悪い夢は、終わりだから。


その様子を、離れた所から見つめるキャスター。
『生贄の魔術師は、一人いればいいのよ・・・』
まだ、何か含みを残す言葉だけをのこして・・・

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さて、本編に。


丘の上に立つセイバー。


足元には、累々たる敵軍の兵士。


王の勝利を称える自軍の兵達。
しかし・・・


『王は領土の村を１つ捨てた。』
『アーサー王には、人の心が解らないのだ』
『人の心の解らぬものに、どうして国を治められる？』


疑念の声もまた、尽きることなく・・・
『セイバー・・・』
士郎は、そう呼びかけますが･･･


『夢？』
身を起こす士郎。
『アイツは、アーサー王として国を守るために
頑張ってきたじゃないか。』
ｿｳｲｴﾊﾞ､ｱｲﾂﾊ･･･
『生前、果たせなかった責務を果たしたい。それだけが望みです。』
アイツハ、ソウイッテイタ。

隣室の片付けられた布団。
それがどこか物悲しくて･･･


『食欲みなぎる～ヽ(´∀｀*)ﾉ!!』
久々登場の虎姉さん。
どうやら、朝の献立に大満足のようです＾＾
ココのところ、シリアスな展開が多かったのでアリガタイですね。
『デザートもありますから』
桜が言います。
今日の献立は、どうやら桜が用意したみたいですが･･･。
そこへ、イリヤを連れて凛がご登場。
『実は、この娘、ウチの遠い親戚で･･･』
桜と虎姉さんに対し、イチオウごまかしを入れる凛。
『イリヤスフィールです。』
丁寧に挨拶をするイリヤ。
『ヨロシク～、私は藤村姉さまでいいわよ。』
ｵｲｵｲ･･･＾＾
凛もここぞとばかりに、アレコレと攻撃開始！
『少～し生意気ですけど、”子供”なんで大目に』
この後の、イリヤの顔が『ヾ(o`冂´ｏ)ﾉ〃』だったのが笑えますね。
って、虎姉さん・・・
『フフ～ン♪』
それは、横取りしすぎ！！
皆の分のオカズが･･･


やがて士郎も現れ、食卓に。
『モグモグ・・・』
先程から、一言もしゃべらず食事を取っている
セイバーに話しかけますが･･･
『シロー、食事中の私語は消化に良くありませんヾ(｀д´#)』
オコラレチャイマシタ＾＾
そこへ、桜がとりなしの言葉を。
『二人とも、とっても仲が良いんですね』
この時のお椀を掻きこむセイバーが、
とても可愛らしかったと思います。
『じ、実に出汁が効いてます･･･ｼﾛｰﾓｱｼﾞﾜｳﾄｲｲ･･･』

ふとテレビを見やると、和んだ雰囲気を沈ませる、嫌な出来事が。
『また、ガス漏れ事故・・・』
どうやら、沈静化していたはずの事件が再び始まったみたいですね。


そして食後のデザートに。
食卓に並んだデザートの数々。
早速イリヤがお手つきを。
『オイシイ＾＾』
コラコラコラー！！
始まる女同士のデザート争奪戦。
『それとコレは私とシローの分です凸(｀△´#)』
セイバーさん、いつの間に・・・（笑）
我関せず、と言った感じでデザートを
口にしている凛が面白かったですね。


その後、道場にて先程のニュースを議論する３人。
『バーサーカーが消えたから、（龍洞寺の）マスターは好き放題ね』
しかし、寺には住人が。
『門番のアサシンはともかく、エクスカリバーを使用した攻略は無理ね』
必殺技を欠いた状態での戦闘を考える３人。
そこへ、イリヤが参戦してきます。
『さっきは猫被らされてツマンナカッタシ』
ソレが理由ですか＾＾；
しかし、結果として彼女のもたらした情報が有益に働きました。
あの事件だけど・・・
『やったのは、マスターじゃなくてキャスターの仕業だよ』
だから、寺には２体のサーヴァントがいるの。
『１人のマスターに、２体のサーヴァント?』
士郎が当然の疑問を口にします。
違うわ。
『アサシンを召喚したのは”キャスター”』
だって彼女も”魔術師”（のクラス）だから。
そして、サーヴァントは。
『魔術師なら、召喚できるわ』
じゃあ、キャスターを召喚したマスターは？
次々に出てくる疑問に、イリヤは的確に答えていきます。


この町で、最も優れている魔術師は？
英霊であるキャスター。
彼女も『魔術師』だから、自分より劣る魔術師（キャスターの召喚主）はイラナイし、
サーヴァントであるキャスターを従える現マスターが
『魔術師』である必要も無い。
多分、キャスターの操り人形に過ぎない。
だって・・・
『あいつの正体はメディアだもん。』
凛が言います。
『ギリシャ神話の・・裏切りの魔女？』
それらの情報を整理し、方針を決めた３人。
結局、VSキャスターに限ればセイバーの敵では無いこと、
それにマスターが『魔術師』でないなら寺に攻め込んだ方が良いと
結論はまとまったようです。


その頃、玄関にふらりと一成が現れます。
『休日の衛宮の顔を見ておこうと思ってな』
葛木先生も出かけられたしな。
その事を問い質す士郎に、一成は重要な返事を返します。
『先生とは、同じ屋根の下で暮らしてるからな』
符号がつながったようです。
３人で話し合った結果は・・・
『待ち伏せして襲撃し、真偽を確かめる』でした。
まず凛が魔弾を放ち、その対応で見極めるとの事。
襲撃は今夜。
『私達は、躊躇している余裕はないのよ・・・』


舞台は夜の商店街。
待ち伏せる３人。
『結界で覆ったから、防音だけは完璧よ』


コツ･･･コツ･･･
靴音が響きます。
『来たわね。』
３人に気付く様子もなく、先生は通り過ぎて行きました。
その背後から、仕掛ける凛。
放たれた魔弾は、確実に先生の背中を捉えるはずが・・
霧散する魔弾。
『・・・無効化した？』
黒いヴェールが現れ、ゆっくりと人の形を形成していきます。
『空間転移？』
現れたのは、キャスターでした。
『忠告したはずです、ソウイチロウ様。』
一人で出歩けば、いつかこのようなこともあると。
先生はいつもの様子で返します。
『･･･そうでもない。実際にこうして獲物が釣れた。』
衛宮に遠坂、それに間藤までがマスターか。
因果なものだな。
まるで興味の無い口調で先生はそういいます。
ニュースでの出来事を含め、
先生とキャスターのつながりを尋ねる士郎。
先生は、淡々と答えました。
『それは、悪い事なのか？』
続いて、張本人であるキャスターにも。
『随分と半端なことをしているな。』
一息に魂を奪った方が良いだろうに。


およそ教師とは思えぬ台詞の数々。
先生は悪びれる様子も無く続けます
『善悪で言うなら、私は悪だが・・・』
生憎と私は魔術師ではないし、聖杯戦争にも興味は無い。
ここにいるのは･･･
『ただの冷酷な殺人鬼だよ』


この言葉が戦いのゴングになりました。
ならば切り捨てられてもいいのだな！
セイバーが果敢に打ちかかります。
と、言うよりも。
『剣』を隠さなくて良かったの？セイバーさん＾＾
確かキャスターとは初対決のはずでは？
それが不味かったように思えるのは気のせいでしょうか（苦笑）


一撃、二撃、三撃。
サーヴァントの攻撃を、『ただの』人間である先生は
やすやすと捌きます。
さらには、繰り出される剣を、肘と膝で挟みこむ『受け技』を披露！
『バカな・・・』
驚愕のセイバー。
その体に一撃を加え、さらにキャスターに命じる先生
『私の拳に補助を』
受けから攻撃に転じる先生。
サーヴァントをして、回避に専念させるほどのスピード。
『よくかわした・・・』
動体視力、と言うよりも勘の良さ、というべきか。
セイバーを褒めつつも、攻撃の手を緩めない先生。
『マスターの役割は、後方支援だけと思うのは勝手だが・・・』
例外もあるということだ。

あっという間にセイバーに迫り、打撃を打ち込み、
締め上げ、投げ捨てる先生。
凛も魔術で応戦しようとしますが、
『ぐ・・・』
胸元に一撃を食らってしまいます
『ごほ、げほ･･･』
いかに呪文を使えるとは言え、呪文を唱える『呼吸』を止めればな。


最後の砦となった士郎。
強化した木刀を手に挑みますが、あっけなく破壊されてしまいます。
『こいつを止められないと、シヌ？』
セイバーも、遠坂も。
『武器、武器だ、強い武器を？』
そうだ、アイツの剣を･･･
『投影、開始』
偽装しろ、強化と投影の違いなど無いと思い込め！！
その手に現れた二振りの剣。
凛が呆然とつぶやきます。
『干将、莫耶･･･嘘･･･』
アーチャーの剣はそういう名前らしいですね。
先生の攻撃を凌ぎきれる程のものみたいですが。


戦いの終わりは唐突な一言でした。
キャスターが言います。
『私達と手を組まない？』と。
私は既に聖杯の仕組みを理解した。
戦争をしなくとも、聖杯は手に入るのよ、
彼女はそういいます。


彼女の語る内容は・・・
この地は、聖杯を召喚できる霊脈を備えているため、
聖杯の核となるものと、ソレを維持できる魔力があれば
召喚は可能なのだと。

召喚するだけなら、この町の人間全ての魂を使えば可能だし。
それに、維持する為の魔力に必要な魂だって・・・
『うんざり』するほどヒトは溢れているでしょう？
火にくべる薪は、いくらだって有るんだから。


凛が尋ねます。
『核って、魔術師の事よね？』
でも貴女はサーヴァントだから、聖杯を召喚できない。
代用品がいるんでしょ？
優れた魔術師が。
魔力を発火させる装置として。

『どうせ殺されるなら、もう一人の為に捧げない？』
それに・・・断ったとして。
『貴方たち以外にも、ふさわしい魔術師はいるわ』
それだけを告げ、転移してしまうキャスター。
『イリヤか！』
セイバーを先に自宅へ向かわせ、後を追う凛と士郎。
しかし、敵の狙いはイリヤではなく・・・


静かな家に飛び込むセイバー。
やがて、倒れている桜を見つけますが・・・
その胸元に突き立つ剣。
『サ・サクラ・・・？』
一体何を？


『これがあらゆる魔術契約を無効化する私の宝具』
ルールブレイカー。
でも、ね・・・
この娘の魔力では、貴女の契約まで解除する事は出来なかったけれど。
貴女の聖剣を封じる事はできたわ。
それから。
『この娘は生贄として貰って行くわね。』
潜在的に魔術回路を有しているようだから。


『返してほしければ、私の神殿まで来なさい＾＾』

降りしきる雨の中、士郎の慟哭が響き・・・

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さて、本編に。


夜の森を走る3人。


セイバーを横抱きに抱え、走る士郎。
『セイバーの体が熱い･･･何とかしないと！』
ﾊｱﾊｱﾊｱ･･･
抱えられるセイバー自身も、
かなり厳しい状況のようで･･･
『うわっ！』
木の根っこに足を取られ、転倒する士郎。
何とかセイバーだけは庇うことが出来ましたが･･･
『･･･無茶をするのはココで終わりです(´Д｀)』
シローとリンは二人で逃げてください。
何言ってんだヽ(`Д´)ﾉと叱る士郎。
しかし、セイバーも当然引く様子は無く、
凛に同意を求めます。
『リンも、賛成してくれるでしょう？』
矛先を向けられた凛は、全く意図しない答えを返すのでした。
『ハイハイ(－ωー)、そこまで。アレを見て。』
廃墟？
どうやら、まだ首の皮1枚でピンチは逃れているようです。


廃墟の中。
『アーチャーが見つけておいたの。』
いざと言うときの、隠れ家にしようって。
ここなら、上手くすれば朝方まで隠れられるかも。
アイツだって、アーチャーと戦って無事な訳ないんだから。
その話を聞いて、アーチャーの事を尋ねる士郎。
背を向けたまま、手を強く握って答える凛。
『足止めだけでいいって･･･言ったのに∑(ｰ言ｰ;)』
最後まで気障だったな、アイツ。


そして、凛はこうも言いました。
『バーサーカーはここで倒す。』
悩むより行動するのが私の信条。
『あんたにも、覚悟を決めてもらうからね(｀ｴ´)』
その為には、セイバーに回復してもらう事が不可欠。
回復すれば、方法はあると言いたげな口振りの凛。
その方法は、と尋ねる士郎。
『セイバーは、魔力が空になった状態なだけ。』
つまり・・・
『一定量の魔力を”補充”すれば、彼女は大丈夫。』
セイバーに、ヒトを襲わせるのは無しだからな、
と念を押す士郎ですが、
凛の答えはもっと突拍子も無いものでした。
『士郎の魔術回路を移植すれば、大丈夫』と。
方法は以下の通り。
士郎とセイバーを共感状態に置き、パスを繋げ直す。
負担は士郎にかかるけど。
セイバーもまた気付いていたようです。
『回路が欠ければ･･･』
魔術師としては致命的な欠陥を持つ事になる上、
魔術師として『完成』を見ることは無い、と言うことも。


それでも士郎は言います。
『よし、やろう。』
凛も準備をするみたいですが・・・


って、オイオイ＾＾
『（＾３＾(((◎o◎）ﾌﾞﾁｭｳ♪』
ｲｷﾅﾘ､ﾅﾆｦﾊｼﾞﾒﾃﾙﾝﾃﾞｽｶ･･･ﾘﾝｻﾝ!?


『ぎ、儀式の前の下準備よ(`皿´)』
士郎にも動揺してもらわないと。
えっと、意味が解らないんですけれど＾＾；
さらにセイバーの洋服を少しはだけさせる凛。
『移植の前段階として、接触を多くしないと･･･』
セイバーも顔を赤くしながら、士郎に止めるよう懇願します。
『リンを･･･ﾄﾒﾃ･･･ｸﾀﾞｻｲ･･･ｼﾛｰ･･･』
やがて始まる移植の儀式。
凛が長く細く続く呪文を唱え終わった時、
士郎の意識は身体を離れ、セイバーの深層へと･･･


セイバーの本質は、荒れ狂うドラゴンそのものでした。
『本質に近づき、回路を分け与えればセイバーは！』
その代償として、片腕を食い千切られる士郎。
やがてドラゴンは去り、生成された回路の中心に現れるセイバー。
『シロー・・・』


翌朝、廃墟。
目を覚ました士郎の隣には、
優しげな笑みを浮かべたセイバーが。
ここが廃墟でなく、また彼女がサーヴァントでなければ
間違いなく『オイシイ』状況なんですけど、ネエ＾＾
『おはよう、セイバー(≧⊥≦)』
『お、ｵﾊﾖｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ･･･ｼﾛｰ(/∀＼*)ｷｬ』
元気になったみたいだな。
はい。魔力の供給を受けられるようになりましたから。
ただ、回路を移植される際、
必要最小限にとどめるつもりでしたが
それでも多すぎたようです。
士郎は言います。
『強化の魔術を使う分には問題ない。』
それに・・・
『セイバーに何かがつながっている確かな感触がある。』
それが、ウレシイ、と言うことでしょうか。


二人の回復を見て取った凛は、
改めてVSイリヤ戦の作戦を話し始めます。
『奇襲！？』
バーサーカーが奇襲なんてさせるタマか、と反論する士郎。
大丈夫、イリヤの狙いは士郎だから。
奇襲は私がやる。
そしてセイバーの調子を計る凛。
『通常戦闘には支障ありません。』
作戦として、セイバーがバーサーカーの足止めをし、
士郎がイリヤの気をそらす。
そして、木陰に潜んだ凛が彼女達に奇襲をかける。
と言う段取りのようです。


『士郎にはセイバーの後方支援をお願い。』
シローは黒魔術に長けてませんが、と言うセイバー。
しかし・・・
『大丈夫、何とかなりそうだ。』
やおら近くの小枝を手に取り、魔力を通す士郎。
小枝はあっという間に姿を変え、弓になりました。
新たな士郎の魔術に驚愕する凛、そしてセイバー。
『コツがわかってきたんだ。』
それ以上この件には触れず、セイバーに釘をさす士郎。
『１つ約束してくれ。』
どんな窮地に陥っても、あの宝具は絶対に使わないと。
セイバーも答えます。
『聖杯を手にするまで、消える訳には行きませんしね("▽"*) 』
その後ろで、文句を言いたげな凛。
『リンは、シローに文句を言うのが趣味のようですから』
不意によろけるセイバー。
その手を取り、支える士郎。
しばらくの間、静かな時間が流れ・・・


『て、手を握られると、そ、その･･･』
ハイハイ、ご馳走様＾＾


『・・・意外ね、逃げ回ると思ってたのに。』
雰囲気を一変させた声。
イリヤでした。
『ふうん、セイバーは回復したんだ。』
デモネ･･･シロウはここでオシマイヨ。
だけど・・・
『お兄ちゃんなら、命乞いをすれば
許してあげない事も無いよ(*^－^)』
彼女なりの最後の思いやり、ですね。
しかし、士郎にはそのつもりはありません。
『オレは”セイバー”のマスターだ。』
そして・・・
『バーサーカーを倒して、イリヤを止める』
既にかけ離れた交渉。
後に残った選択は・・・


『いいわ、今日は本気でやってあげる』
言うや、イリヤの全身から刻印が浮かびあがり・・・
さらに能力を引き上げるバーサーカー。


セイバーとバーサーカーの死闘が始まりました。
士郎も何とか支援をしようと考えます。

弓に矢をつがえ、バーサーカーに放ちますが
全く通じた様子はありません。
『結局、オレは何も出来ないのか・・・』
オレに出来ることなど・・・
ふと、アーチャーの言葉がよぎります。
イメージするのは最強の自分。
イメージ？


『武器が欲しい』
アイツを倒せる、無敵の剣を。


そして、隙を突いて凛が現れます。
手持ちの宝石（魔力込み）を投げ付ける凛。
しかし、あっさりとバーサーカーに振り払われ
その身を拘束されるのですが・・・
『かかったわね＾＾』
彼女はこのチャンスを待っていたようです。
普通の戦術では、到底敵うはずの無い相手。
でも、サーヴァントである以上『首』を飛ばせばそれで終わり。
隠し持っていた残りの宝石を投げ付け、
見事吹き飛ばす事に成功。
しかし・・・
『なんで・・・？』
身体を締め付けるチカラは一向に衰えを見せず・・・
『驚いたわ、リン。』
1度とはいえ、バーサーカーを殺すなんて。
でも、こいつはね・・・
『ヘラクレス』
かつて自分の罪を償う為に、１２の試練を乗り越えた英雄。
つまり・・・
『12回殺さないと死ねない体』なの。


『命のストック・・・蘇生魔術の重ねがけ？』
そう、それが私のサーヴァントの宝具。
ゴッドハンド。
『かつて自分が乗り越えた試練の分だけは、殺しても生き返る』
だから、あと７回殺さないと駄目なんだよ＾＾


もはやどうにも出来ない窮地。
凛の命も風前の灯火。
セイバーも、必殺の宝具を出せない状況。
果たして、この不死の英霊を倒す手段は・・・

Close.↑

さて、本編に。

前回アインツベルン城に囚われた士郎。


何とか戒めを解き、脱出を図ろうとするのですが・・・
『もう少し・・・』
『早くセイバー達に知らせないと！』
解ける戒め。
ドアを開け、廊下の様子を窺う士郎。
迫る足音に気付き、
『ち、こんな時に"見回り"かよ(`皿´)』
ドアの脇に身を寄せ、鉄棒を手に取り
様子を窺います。
やがて足音が近づき・・・
”ばん！！”
『動くな(｀Д´)=〇)゜З゜)≡※』
飛び込んできたのは、セイバーでした。
『セイバー！？』
『シロウ！？』
どうしてココに？
『それは私の台詞です(－＿－#)』
さらに、別の人間の声が。
『これなら私達が出向くまでもなかったかしら(￣ー￣)』
凛とアーチャーでした。
『シロウがイリヤスフィールに拉致されたと聞いたので･･･』
説明を行うセイバー。
しかし、額には脂汗がにじんでいて・・
『ま、”一応”協力関係にあるわけだしね。』
なんとも、らしい物言いですね、凛姫＾＾
『だから言ったろう、エミヤシロウなど放っておけと』
アーチャー、ヒッドイの＾＾


洋館からの脱出を図る4人。
途中、セイバーが『 ○|￣|＿ 』状態に。
心配げに声をかける士郎。
『･･･大丈夫です』
『は、恥ずかしい限りですが、シロウの楯になるくらいは出来ます。』
そこまでして、シロウを守ろうとするセイバー。
良く似てますね、二人とも。
自分の事は顧みず、人の為にだけ生きると言う点は。
肩を貸す、と申し出る士郎に拒絶の言葉を返すセイバー。
『助けようと言う気など起こさぬ事だな』
アーチャーでした。
『しょせん、お前には何も出来ない』
反発を感じる士郎ですが、
それもまた事実だけに言い返すことも出来ず・・・

何とかセイバーを連れ、正面玄関まで辿りついた4人。
『ここって、正面入り口だろヾ(^－^;)』
そうよ、と答える凛。
『相手が留守にしてるんだったら、最短距離を通った方がいいでしょ』
ソリャ、ゴモットモ＾＾


そこへ背後からお声掛りが。
『なぁんだ、もう帰っちゃうの(*^－^)』
せっかく来たのに残念ね。
『イリヤ･･･スフィール･･･』
『こんばんわ。貴女の方から来てくれて嬉しいわ、リン。』
シバシの沈黙。
イリヤは勝ち誇った様子で言います。
『時間をあげてるんだから、遺言くらい残したら？』
呼応し、駆け引きを始める凛。
『ずっと隠れてたの？』
そうよ。私はずっとココで貴方達の道化振りを見ていたの。
それに・・・
『私はこの城の主なんだから、おもてなしをしないとね(*^－^)』
現れるバーサーカー。
何か、トンデモナイ『おもてなし』なんですけど。


『それじゃ始めよっか。』
変わらぬ口調でイリヤが告げます。
『誓うわ。今日は一人も逃がさない。』
ヒドイ宣告ですね・・・
セイバーが士郎に告げます。
『シロウ、ここは私が(○･｀ω´･)』
イヤ、セイバーさん・・・貴女じゃ『今』は無理ﾃﾞｽｯﾃ＾＾；
凛がアーチャーに告げます。
『少しでいいわ、一人でアイツの足止めをして。』
『私達は・・・その隙に逃げる。』
余りにも冷静すぎる判断。
確かにこの場合、それが最上の策なんでしょうが・・・


当のアーチャーも同じ考えだったみたいです。
『賢明な判断だ。リンが逃げてくれれば、私も逃げられる。』
それに、単独行動は、弓兵の得意分野だからな。
まるで簡単に出来るかのようにいってのけるアーチャーの口ぶりに、
イリヤは少しムッとしたみたいで・・・
『そんな誰とも知れぬサーヴァントで止められると思っているの？』
いや、イリヤさん･･･
それは貴女が間違っているのではないでしょうか。
『正体＝弱点がばれる』と言う意味においては、
正体不明のサーヴァントの方が、
より優位なのは確かだと思いますが・・・。
実際に勝てるかどうかは別として。


さらに、アーチャーは相手の神経を逆撫でする事を言います。
『1つ確認するが、別にアレを倒してもかまわんのだろう？』
これには凛も毒気を抜かれたようです。
『え、ええ。遠慮はいらないわ！』
では、期待に応えるとしよう。
そういい、バーサーカーと対峙するアーチャー。
イリヤは完全におかんむりみたいで・・・
『いいわバーサーカー。そいつバラバラにしちゃいなさい！！』
コレじゃ駄々っ子ですって（笑）
シャレにならない駄々ではありますが＾＾；


しかし、士郎はそのやりとりに納得できる訳がありません。
でも、今の彼に出来る事があるわけでもなく。
『シロウ、（今は）それしか手がありません』
セイバーの説得もあり、何とか洋館から出る事には成功するのでした。


そして、今回のお話のメイン、
アーチャーVSバーサーカーへ。
アーチャーは、士郎にこういい残します。


『エミヤシロウ』
『いいか、お前は戦うものではなく、生み出すものにすぎない』
『その1つを極めてみろ』
『余計な事は考えるな』
『イメージするのは常に最強の自分だ』
『忘れるな、外敵などいらぬ。』
『戦う敵は、常に自身のイメージのみ』


それだけを言い残し、手にした夫婦剣の片割れを天井に投げ付け、
士郎と自分との間を分かちます。
※あの双剣に陰陽のマークがあったことから
名付けさせてもらいました＾＾
夫婦は陰陽の存在とも言いますし、ね＾＾；


森の中を走る３人。
『どっちだ！』
『こっち！』
凛を先頭に、ひた走る３人。
無事に逃げ切れると良いのですが・・・


その頃、洋館。
暴風のような、バーサーカーの剣を避わすアーチャー。
しかし・・・
『完全に避わしてコレか。』
剣風だけでもその身を切り裂く圧力。
改めて、ヘラクレスと言う英霊の、
さらにバーサーカーである事の意味を思い知るアーチャー。
『よっわーい(^◇^)』
イリヤの呆れた声が響きます。
（宝具を）見せる間もなく壊れちゃうの？
そんな宝具で戦いを挑むなんて。
しかし、この時の彼女はまだ知りませんでした。
この後、如何にそのバーサーカーが苦戦を強いられたかを。


『噂にたがわぬ、といったところか(￣+ー￣)ﾌﾌﾌ』
笑うディ○ッカ。
『笑ってる・・・』
おもむろに２階に飛び上がり、
何やら呪文を唱え始めるディ○ッカ。
『I am the bone of my sword･･･』
(体は剣で出来ている)
手には稲妻に見える剣が。
あれ？この剣ってモシヤ・・・
『カラドボルグ』？
※硬い（Calad）稲妻（Bolg）という意味があります。
あの形状が稲妻に見えたからですね＾＾
やおらその剣を光の矢に替え、弓をつがえ、
追ってきたバーサーカーに放ちますが・・・


『今の音・・・』
アーチャーか？
『恐らく、アーチャーが。』
行くわよ、とその会話を遮る凛。
『私達は、絶対に逃げ切らなきゃいけないの(〃*`Д´)』
悲壮な決意を固める凛。
確かに、一番辛いのは凛でしょうね・・・


閃光が、洋館を貫き・・・
『バーサーカーが、防御の姿勢をとるなんて』
驚くイリヤ。
さらに、疑念の言葉を口にします。
『まさか、宝具を投影して？』
また、アーチャーも今の一撃で仕留められなかった事が
少々意外だったみたいです。
『並のサーヴァントなら即死だが・・・』
それって、つまり・・・
ヘラクレスの神秘が、ディ○ッカの神秘を
上回っていたという事ですかね＾＾
逆を言えば、大抵の神秘を打ち砕けるものを射出可能と言う事ですね。
あの技は＾＾


やおら舞台を屋外に移すアーチャーと、
ソレを追うバーサーカー。
第二ラウンドの開始みたいです。
『巨体の割りに良く動く・・・』
バーサーカーは、身のこなしも俊敏みたいですね・・・
しかし、先ほど開いた穴に落ちてしまうあたり、
少々ドジな部分もあるみたいですが＾＾
その隙を見逃さなかったアーチャーは、
再び夫婦剣を取り出しながら、呪文を唱えます。


『Steel is my body,and fire is my blood.』
(血潮は鉄で　心は硝子）
手にした二振りの剣を投げ付け、
さらにもう１回夫婦剣を呼びだすアーチャー。
その間も、呪文は続きます。


『I have created over a thousand blades.』
(幾たびの戦場を越えて不敗)
バーサーカーの周囲を飛び交う４つの剣。
そして、モウイチド現れる剣。
今度は形状が変化していきます。


『Unknown to Death.　』
(ただの一度も敗走はなく）
『Nor known to Life.　』
(ただの一度も理解されない)
『チカラ、ヤマヲヌキ、ツルギミズヲワカツ！』
振り下ろされる剣。
それは正確にバーサーカーの体を切り下げたのですが・・・
『ぐ・・・』
逆に、窮地に陥ったのは仕掛けたアーチャーの方でした。
すでに敗北を悟ったのでしょうか、
悟った表情を見せるアーチャー。
脳裏には、シロウの顔や、凛との出会いがよぎり・・・


森の中。
『・・・っ！』
令呪の痛みを堪える凛。
『まだよ、アイツは、まだ頑張ってる!』
だから、私達も。


床に叩きつけられるアーチャー。
『これで少しは後悔してくれたかしら？』
嘲るイリヤ。
『･･･振り払ったつもりだったんだがな。』
意味不明の言葉をつぶやくアーチャー。
『笑ってる？』
イリヤも何か薄ら寒いものを感じたようで、
『油断なくためらいなく、ころされる前にころしなさい！』
怯えにも似た命令を下します。
そんなイリヤに、優しげな言葉をかけるアーチャー。
『相変わらず、容赦が無いな、イリヤ。』
あれ？
彼とイリヤは初見のはずでは？
それに、『イリヤ』と呼ぶのは『士郎』だけのはず。
ナンデ？
？？？
ははーん＾＾
ソウイウコト、ですね（納得）


『こちらの敗北は動かんが・・・』
終わらせるのは手間だぞ。
『せいぜい手を抜け。その間に・・・』
あと”２つ”は貰っていく！
バーサーカーが手抜きをしていたということですかね。


当たり前のように、手には夫婦剣が。
その剣を階上の蜀台に投げ付け、視界を奪うアーチャー。
しかし、それも時間稼ぎにしかならなかったようです。
残酷な月明かりが、アーチャーの居場所を照らし・・・
『どうやら月の女神の加護はもらえなかったようね』


アーチャーは呪文を唱えていました。
どうやら、そのための時間稼ぎだったようです。
『Have withstood pain to create many weapons.』
(彼の者は常に独り　剣の丘で勝利に酔う)
または
（担い手はここに独り　剣の丘で鉄を鍛つ）


思い出すのは、ビルから外へ飛び出した時の凛の姿。


『Yet,those hands will never hold anything.』
(故に、生涯に意味はなく｡)
または
（ならば我が生涯に意味は不要ず）
シロウと初めて会話したあの日の夜。


『So as I pray,unlimited blade works.』
（その体はきっと剣で出来ていた。)
または
（この体は"無限の剣で出来ていた”）


詠唱が終わると同時に、炎を吹き上げる床。
周囲の景色が一変して行き・・・
背景には歯車。
地面には、無数の剣と炎。
『固有・・・結界？』
イリヤが意味深な言葉をつぶやきます。
アーチャーの『理想の果て』はこれだったのでしょうか。
ただ剣を練成し、その剣を振るうだけの世界。
そこには、剣を振るう担い手が一人いればよい。
自分ではない誰かを助けるだけの自分に相応しい世界。
ソウイウコトなんですかね？


『御覧の通り、お前が挑むのは無数の剣だ。』
『剣戟の極地、恐れることなく掛かって来い！』
それがアーチャーの最後、でした。


凛の令呪が消えていきます。
それは同時に、凛の聖杯戦争脱落を意味するものでもありました。


『･･･イリヤスフィールがすぐ追ってくるわ。』
これで殺されるような事があったら、絶対に（貴方達を）許さないんだから。
気丈な凛姫。
今回の裏ハイライトですね、コレハ。


その頃、洋館。
『アイツ・・・一体何なの？』
串刺しにされているバーサーカー。
『５回よ、５回も殺られるなんて』
その怒りをバーサーカーに向けるイリヤ。
『早く傷を治しなさい！』
アイツラを早く殺しに行くのよ！


大体こんな感じでした＾＾
Close.↑

さて、本編に。


セピア色の風景。


草原。
舞台は6世紀ごろ。
重槍歩兵が主力だった時代。


剣を持ち、颯爽と立つ鎧姿の騎士。
セイバー。


ん？
見間違いかな？
手にしている剣の形状が『違う』？
ま、イイカ(　＾∀＾)。


士郎の家。


暗い居間で、一人悩み続ける士郎。
やってくる凛。
『セイバーの様子は？』
相当、気にかけていたようです。
『あの様子じゃ、当分目を覚まさないでしょうね。』
答える凛の表情も、厳しいものでした。


とりあえず最悪の状況は回避したと踏んだ士郎。
『遠坂がいてくれて良かった･･･』
感謝の気持ちを素直に口にしますが･･･。


状況説明を求める凛。
ライダーと戦い、コレを倒した事、
セイバーが宝具を使った事、
そして直後に昏倒したことなどを話す士郎。
『何の宝具を使ったのか。』
ソレを追求するのは勘弁してあげる、と前置いてから
凛は現状打開の為の話を始めます。


『士郎も薄々気付いているんでしょう？』
このままじゃ、セイバーが"消える"ってことぐらい。
その言葉に驚く士郎。
でもセイバーは寝ていれば大丈夫だと言った！と士郎は言います。


『それはセイバーの魔力が桁外れだったからよ』


『一体どんな宝具かは知らないけれど』
『自身の魔力を殆ど使い切るぐらいのモノみたいね。』
サーヴァントの体は魔力で構成されている。
だから、魔力が尽きれば、消えてしまう。
確かに、寝ていれば肉体を保つぐらいの魔力は
回復できるかもしれない。
デモ、ソレダケ。
『次に宝具を使えば、間違いなく消えるわ(－ωー)』


だったら、宝具を使う前に！と言う士郎。
しかし・・・
『宝具を使わずに聖杯戦争を勝ち残るのは無理ね。』
それは間違いのない事でしょう。
とどのつまり、対サーヴァント戦は避けられないのですから。


非情とも言える宣告をする凛。


セイバーを消したくなければ、
『方法は２つあるわ。』
１つ目は、マスターが魔力を供給する事。
２つ目は、サーヴァント自身が魔力を補充する事。
『それって、ライダーがしたように･･･』
無関係な人間から精気を吸収、自身の魔力を高めようとした事。


『そんなこと』
『セイバーは”しない”でしょうね』
キッパリと言い切る凛。
じゃあ、貴方が魔力を供給するしかないわね。
『出来るならやっている！』
その返答も見越した上で、次の回答をよこす凛。
『召喚した時に、士郎とセイバーの間に何らかのパス（接続）が
通っているはずよ。』


召喚の際に、
何かセイバーに縁のあるものでも持っていたのかな？
イマハ良くワカリマセンけれど。


だけど、ソレを通して供給が出来ないと言うことは･･･
『もう答えは1つだけよ。』
『令呪を使って、強制的に襲わせる事。』
セイバーを失いたくなければ。
『令呪を使いなさい。』
最後通告をする凛。
でも、優しいですね、彼女は。
現時点で、競争相手が自滅寸前なのに、それでも
何とかしようと、助けてあげようとする辺り。


ん？待てよ。
この関係、そのまま凛とアーチャーに当てはまるのでは？
そんな疑問が頭をよぎり・・・


舞台はセイバーの眠る部屋に。
昏々と眠り続けるセイバー。


（セイバーは限界に近い）
（他のサーヴァントに襲われる前に覚悟を決めなさい）


最後に凛が残した言葉の意味を考える士郎。
自分も彼女も、2つ目の選択は望んでいない。
が、自分はセイバーを失いたくない。
しかし、1つ目の方法は今の自分には出来ない。
考えだけが堂々巡りを続け・・・


士郎は夢を見ていました。


幼き日のセイバー。


丘の上にたつ石碑に刺さった剣。


その剣を引き抜こうとするセイバー。
と、そこに魔術師からのお声が掛かります。
『その剣を引き出すもの、ブリテンの王たるもの。』
『アルトリア（セイバー）よ、今一度良く考えよ。』
『その剣を引き抜きし時より、その身はヒトではなくなる。』
少しの逡巡も見せず答えるセイバー（アルトリア）。
『私は”望んで”この剣を抜きに参りました。』
そして、剣は台座を離れ・・・


草原に立つセイバー。
後ろには、重槍騎馬軍団。
セイバーを称える声が響きます。
『我が王は敗北を知らぬ。』
『選定の剣を抜きし時より王は不変なり。』
『まさに竜の化身よ！』


・・・アーサー王ですね。

さて、まとめ感想に少し載せておいた、
『聖剣』の謂れを少しだけ。


『石から剣を抜く』エピソードの真相について。


このお話は、マロリー以前の『アーサー王』物語には
ありませんのでアシカラズ＾＾；
故に、少しだけ歴史を紐解いておきますね。


『エクスカリ”ぱー”』の歴史＾＾
※変換ミスではないです＾＾


ウェールズの伝承「キルッフとオルウェン」（12世紀前半）
「Caledvwlch(カレトブルッフ)」これが初出です。
アーサー王の持っていた剣と記されています。
※現代英語では「Caliburn(カリバーン)」ですね。
　　↓
ジェフリー・モンマス「ブリタニア列王史」
「カリブルヌス（Caliburnus）」
　　↓
ワース「ブリュ物語」（12世紀後半）
「カリブール（Calibour）」
　　↓
クレティアン・ド・トロワの作品
「エスカリブール(Escalibor)」
　　　↓
英語読み。出所不明
「エクスカリボー（Excalibor）」
　　　↓
トマス・マロリー「アーサー王の死」（15世紀）
「エクスカリバー（Excalibar）」
※これは皆さん良くご存知のお話ですね＾＾


と、名前は変遷していきました。
コレ以上はネタバレになるので載せません＾＾；
アニメ・ゲームとも関係ないでしょうしね（苦笑）


さて、話を戻して。


『王？王って誰の事だ？』
疑問を感じる士郎。
場面は変わり、森の中へ。


地面に突き立つ1本の剣。
また、この剣を見るのか･･･
でも、これは昨日見たセイバーの剣とは違う。
あの剣はどこに？


翌朝。
夢から覚める士郎。
『俺の知らないセイバー。』
セイバーの過去を夢見ることなんてあるのか？
幾つかの形にならない疑問が残った士郎。
『あの剣を見てから、体が熱い。』
何だ、この感じは･･･
と、言いながらセイバーの額の汗を拭う士郎。
優しいですね＾＾


縁側。


弓を引くアーチャー。
それを見つける士郎。
『何か用か？』
相変わらず、素っ気無いやり取り。
似すぎたものは憎みあうと言う事ですかね。
『弓の事は聞こうと思ってない。』と答える士郎。
調子を図っていただけだ、と言うアーチャー。
『セイバーにつけられた傷も回復した。』
いつまでも見張りと言うわけにはな、と締めくくります。
（そうだ、アーチャーも回復した。）
いつまでも遠坂と協力していられる訳じゃない。
（俺も、覚悟を決めないといけないのか・・・）
そんな士郎の考えを読んだのか、ディ○ッカは
キツイ言葉を投げ付けます。
『不完全なマスターに召喚され、魔力の供給もなければ
いつかは消える。』
それは分かっていたはずだ。
図星だけに腹が立っても言い返せない士郎。
背を向け、立ち去ろうとしますが･･･
『セイバーは最後まで宝具を使う気が無かった。』
が、使った。
『良く覚えておけ。』
『彼女は自分を守るより、お前を守る事を優先したのだ。』
それを絶対に忘れるな。
やはり意味深ですね･･･


公園。

今も思い悩む士郎。
『他のマスターを倒し、聖杯戦争に勝ち残るには
セイバーにいてもらわないと。』
いや、そうじゃない。
『俺はセイバーに”消えてほしくない”んだ』
自分の本心に気付いた士郎。


今の自分に出来る手段として、手の令呪を見つめる士郎。
『令呪を使えば、強制的に実行させる事が出来る。』
だけどそれは！！
思い悩む彼の前に現れる小さな人影。
『いないと思ったら、こんなところにいたんだ(￣ー￣)』
『こんにちは、シロー(*^－^)』
イリヤでした。


『悪い、今はイリヤと話してる余裕が無いんだ。』
『･･･セイバーが消えかけてるから？』
ズバッと核心を突くイリヤ。
そういえば、今回の彼女には笑顔が無いですね･･･。
『そんなだから、ライダーのマスターにも逃げられるんだよ(*^－^)』
お前、あの場所に･･･
言いかけて、初めて異変に気付く士郎。
そして、イリヤの瞳が危険な光を帯びている事にも。


『こんなに簡単に捕まるなんて』
シローには防御も何もナイのね、
『カワイイ(*^－^)』
無邪気な言葉とは裏腹に、士郎の体の自由は奪われていきます。
『イリヤ･･･お、まえ･･･』
コ、ロス、ノカ･･･
『安心してお兄ちゃん(*^－^)』
今日はお話をしに来た訳じゃないから。
・・・・
士郎の意識が段々と薄れてゆき・・・


『黄金の剣』
あれは、彼女（セイバー）のものだ。
許されるなら、手にとって見たいと思った。
その美しさに惹かれたから。
でも、あれは彼女の為に用意されたものだ。
ならば、夢見る中だけでも手にして見たい。
ナラ、ドウヤッテ・・・
『強化じゃだめだ。もっと手間をかけないと。』
どうやった････っけ？


混濁する意識がようやく鮮明になり始めます。
椅子に拘束されている士郎。
『そうか、俺はイリヤに･･･』


『具合はどう（*^ー°)ﾉ』
イリヤが部屋に入ってきます。
どうも、彼女の私室に幽閉されているようです。
必死に抗う士郎に、イリヤはあやすような言葉をかけますが・・・
『捕まった敵はね、ホントは地下牢に入れるんだよ』
『でも、シローは特別ヽ(*⌒∇⌒*)ﾉ゛』
”ぽん”とシローの膝上に跨り、そんな事を言うイリヤ。


『俺をコロス気じゃなかったのか？』
『何で？私シローをコロス気なんてないよ』
シローは”トクベツ”だもの。
『だからシロー、私のサーヴァントになりなさい＼（＾＾）／』


どういう意味でしょう？
私の大事なヒトになって、と言うことでしょうか。


その頃、士郎の自宅。
目を覚ますセイバー。
『シロウ･･･どこ、にいるの、です･･･？』
浴衣姿は似合ってますけどね。


無理を押して、屋敷のあちこちを探すセイバー。
『シロウ･･･ｼﾛｳ･･･』
縁側に出たところで、”ふらっ”と倒れてしまいます。
『士郎がいない？』
凛が険しい視線をセイバーに向けます。
『まだ無事のようですが、とても遠くに感じる。』
なにとぞお力をお借りしたい。
必死に訴えるセイバー。
『放っておけ。』
冷たく突き放したのは、凛ではなくアーチャーでした。
『元々敵同士だ。勝手に捕まる間抜けなマスターなど
放っておけばいい』
それに・・・
『勝手に死んでくれれば、手間が省けると言うもの。』
無礼な(`皿´)と怒るセイバー。
ならば一人でも、と立ち上がろうとしますが、
『待って。貴女は武装も出来ないじゃない。』と
凛が諫めます。
しかし、セイバーの答えは変わらず･･･
『戦います。シロウを放っておけない。』
しばし、セイバーと凛の瞳が絡み合い・・・
彼女の本気度を感じ取った凛は、
『アーチャー(－＿－#)』
『ふ･･･』
やっぱり、この二人でした＾＾
でも、何となく士郎と凛の関係に良く似てますね･･･。
まさか、アーチャーは！？
いくらなんでもそれは無いでしょう＾＾；


再び、イリヤの私室。
『セイバーが消えれば、戦う手段はないわ。』
セイバーは消させない！と意気込む士郎。
イリヤはそんな抗弁を無視し、自分の気持ちを伝えます。
『シローはここにいればいいの。』
”すりすり”と胸に顔を寄せて言います。
『私が、ずっと守ってあげる(*^－^)』
この暖かい人を失いたくない、と言うことでしょうか。


しかし・・・
士郎から返ってきた言葉は『拒絶』でした。
それでも、士郎を説得するイリヤ。


『10年待ったんだから、簡単に殺しちゃったら･･･ね』


『俺にはセイバーがいる。』
2度目の拒絶。
それを聞いたイリヤの瞳が険しくなり・・・
『ｱﾅﾀﾏﾃﾞ･･･ﾜﾀｼｦｳﾗｷﾞﾙﾝﾀﾞ。』
そこで待ってなさい、と言い捨てるイリヤ。
『セイバーを殺せば、少しは後悔するでしょ。』
お前といられないのは、俺の都合だ、何故彼女を！
詰問する士郎。


イリヤの答えは明確でした。
『他のマスターは生かしておくわけにはいかないもの。』
それが聖杯戦争だから。
『そんなことを言うな！』と士郎も言いますが・・・
『あら残念ね。』
『私、もうマスターを”ころしてるの”、お兄ちゃん。』


それはあの時。
ライダーが倒れ、令呪を失った慎二。
ひたすらに逃げていた時のこと。
『横取りって、好きじゃないんだけど』
慎二の目の前には、絶望が。
一瞬の出来事だったようです。


部屋を出て行ってしまうイリヤ。
『止めないと、くそっ！』
毒づき、戒めを解こうとする士郎。
『魔眼の影響か・・・なら洗い流す！』
トレース・オン。
構成材質解明・・・魔力生成・・・
『生成が早い、遠坂のおかげか？』
しかし、負荷は思った以上に高かったようです。
吐血する士郎。
しかし、あきらめるなど当然する訳がなく・・・
『もう少しだ、待ってろよセイバー』


その頃、シロウを探し、樹海に足を踏み入れた
セイバー、凛、そしてディ○ッカ。


『シロー、どうか無事で･･･』


セイバーの祈りは届くのでしょうか。
物語が確実に盛り上がりを見せていますね・・・
次回も楽しみです＾＾






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さて、本編に＾＾


繁華街をふらふらと歩く慎二。
『ｾﾞﾝﾌﾞ･･･ｾﾞﾝﾌﾞ･･･全部っ！！』
呪詛のように吐き出される言葉。
ゴミ箱に躓いても気付かないまま・・・
『全部、壊してしてやる！！』
『ああああぁぁぁぁぁあああ！！！』
怨嗟の叫びが木霊し・・・


それをビルの屋上から冷たく見下ろすライダー。
そんなシーンから、今回は始まっていました。


舞台は、士郎の自宅に。
『はい、そうですか・・・ただの疲労』
『えっ、そうなんですか、さすが藤ねえ(^◇^)』
じゃ、宜しく伝えてくださいと言い、電話を切る士郎。
『大河ですか？』
いきなり背後からセイバーご登場。
士郎と同じく虎姉さん(=・ェ・=)ｶﾞｵｰ!!が心配だったみたいです。
『もう回復したってさ。おかわりまでしているらしい(ー'`ー;)』


よし、とりあえず我らの虎姉さん(=・ェ・=)ｶﾞｵｰ!!は無事だと。
それにしても、サスガですね（笑）
耐久力も並では無いと。
そんな虎姉さんが大好きです＾＾
早く復活して欲しいですね。


今後の事を伝える士郎。
まずはライダーを探しに行くみたいですが、
セイバーはまず士郎の体を案じます。
『ライダーを倒しに行くのでしたら、
今でなくとも良いはずです(￣ー￣)』
『シローの体が回復してからでも。』
至極当然な話ですが、もちろん士郎が聞き入れるはずがなく・・・
『いや、それは違う。まず、あいつからライダーを切り離す。』
それは今回のような犠牲者を出さない為ですか？と聞くセイバー。
幾分、表情を険しくしているのが気になりますが・・・
『いや、慎二にも責任を取ってもらう。
ライダーを倒すのもそのためだ。』
『それに、犠牲者を出さないのは、戦う以前の問題だろ。』
マスターがそういうなら従います、と言うセイバー。
どうやら彼女は『不本意ながら従います』と言うときは、
こうした物言いをするみたいですね＾＾


『で、勝算はあるんでしょうね？』
他のマスターと戦おうってんだから。
お茶をすすりながら、しれっと意地悪い質問をする凛姫。
『まさか、何も考えてないってんなら笑うわよ(－＿－#)』
焦る士郎。
『あはははは（乾いた笑い）』
意外にも、反論をしたのはセイバーでした。
『ライダーと対峙した私が言いますが、
１対１ではさほど脅威ではありませんでした(￣ー￣)』
それは生身でライダーと対峙したシローも同じはずです、
とフォローするセイバー。
おお、良い関係ですね（笑）
マスターの侮辱は許さない？という事なんでしょうか？
『なんだ、勝算はあるんじゃない(*^－^)』と言う凛ですが、
士郎たちのイマイチ冴えない表情に顔を引き締めます。

『確かに、それだけの戦力差がありながら・・・』
”ライダーはシンジを連れて逃げ延びた”
鮮血に染まった魔方陣。
爆散する校舎。
あれは、凛の魔術に近いと言うセイバー。
『え？だって貴女の鎧は私達の魔術では通じないはずよ？』
当然のように応える凛。
『確かに。私の鎧は魔力を無効にします。』
が、神秘はより強い神秘によって無効化されます。
また、ライダーのあの技は宝具にも思えますが、
私やランサーのような
対人宝具とも思えないのですが・・・
幾つかの疑問符を述べるセイバー。
『じゃあ、ライダーは魔術師ってこと？』
それも違うと言うセイバー。
魔術師ほどの魔力は感じないと言います。


そして、凛の出した結論とは・・・
『ライダーの場合、本人よりも所持する宝具の方が
優れているってことね』
それも本人の能力に関係なく。
多分、それに対『人』宝具ではなく、対『軍』宝具ってことよね。
対軍宝具とは・・
相手が人でも岩でも関係なく殲滅できる武器との事。
『例えるなら、対人は弾数制限のない拳銃で、
対軍は１発限りのミサイルね(^◇^)』
『ミサイルってお前・・・はっ！？』
それまで説明を聞いていた士郎も分かったみたいです。
『つまりアイツと戦うなら、宝具を使われる前に倒せ。
そういうことか？』
ご名答(　*^▽^)と微笑む凛姫。
じゃ、私はやる事があるから探索には加われないと言い、
別行動を取るのでした。


舞台は慎二の屋敷に。
手をかざし、慎二達の気配を探るセイバー。
どうやら彼女は『ハンドパワー』も得意みたいです（笑）
『ここにはシンジはいません。』
そうだろうな、と言い切る士郎。
『あいつの性格から考えれば、目的は俺達への復讐だ。』
必ずアイツはもう一度結界を張るはずだ。
『だから、探すのはアイツじゃない、結界だ。』
驚きました、と賞賛するセイバー。
『そこまで考えていたとは(´ー｀)』
あのな・・と少々むくれるヒーロー。
結界を張るなら、ココじゃなく新都だと言い、屋敷を後にする士郎。
『シロー、ここは桜の屋敷でもあります。会わなくて良いのですか？』
『・・・会わない方がいい。巻き込まないに越した事はないからな。』
何だかんだでキチンとシンジの身内のことも心配しているんですね。
ナイスガイですよ、彼は。


舞台は新都に。
町のあちこちをハンドパワーで探る二人。
しかし、突然士郎の容態が変化します。
『シロー、こちらへ』
容態の変化を察したセイバー、彼を公園に連れ込み・・・
無理矢理ベンチに座らせます。
『あのなセイバー、こんな所に用事は・・・アレ？』
ぐにゃりと曲がる視界。
『・・・ようやく自分の体のことが理解できたようですね(〃*`Д´)』
早速セイバーのお説教タイム開始！
『そんな体では・・・以下略。』
(♯｀з´)／ガミガミと士郎を叱るセイバー。
『一人で休めないなら、私も隣で休みます。』
『休息も戦いのうちです凸(｀△´#)』
”どすっ”と士郎の隣に腰を落ち着けるセイバー。
このシチュエーションは、士郎にとっては
別の意味で拷問だったみたいで・・・
”ずいっ”とにじりよるセイバー。
動揺する士郎
『シロー、先程より顔色が悪いようですが？』
それはセイバーさんが急接近するからでしょ（爆笑）
なんて関係ないツッコミをしながら見ていると・・・
マスターをより効率よく休ませる方法を彼女は模索し始めたようです。
その目に留まったのは、仲睦まじげに膝枕をするカップル。
”じー”と見つめるセイバー。
と、なれば・・・
”ぽんぽん”と自分の膝を叩き、
『シロー、宜しければココを使ってください(￣ー￣)』
ダカラセイバーさん、ソレがマジュイんですって＾＾
とりあえず、士郎を動揺させる状況は回避したみたいですが、
代わりに彼の脳裏に蘇った記憶とは・・・
１０年前、廃墟の中を彷徨う士郎。
彼を救ったヒーローの存在。


そして・・・
『眠っちまったのか、あれから（どのぐらい経つ）？』
一時間ほどです、と答えるセイバー。
それにしても、休んだ場所がこことはな、と自嘲する士郎。
その言葉に疑問を持つセイバー。
『まだ話してなかったか』
俺さ、１０年前ここで家族も何もかも失ったんだ。
そんな俺を助けてくれて、養子にしてくれたのがオヤジ。
助けてくれた事が嬉しかった。
だから、今度は俺がこれからこんなことが起きないようにって思って・・・
『まさか俺がその聖杯戦争に参加するとは思わなかったが。』
そんな様子を見てセイバーはこんなことを言うのでした。
『シロー、貴方は自分が大事ではないのですね･･･』
『自分よりも他人を大事にする、と言う考えは立派ですが』
それではいつか後悔する、と意味深な言葉をつぶやくセイバー。
かなり根が深そうですね、この話は。


舞台は夜の新都に。
『あらかた回りましたね。』
後は・・・と続けようとしたその時、
異変を感じ取る２人。
近いのか？と尋ねる士郎。
『いえ、そこまでの魔力は感じませんが、私達を見ています。』
魔力の元を辿り、ライダーたちを追跡する二人。
とあるビルにたどり着きました。
『ここから・・・、っシロー危ない！！』
飛来する物体を叩き落すセイバー。
見上げるビルの壁面にへばりついていたのは・・・ライダーでした。
（武器を舌なめずりって・・・怖いよライダー）
『私がライダーを。シローはここで待っていてください。』
言うや武装し、ライダーを追うセイバー。
ｯﾃﾓｼﾓｼ･･･
いくらサーヴァントが人外の存在としても、
壁面駆け上がりは無茶すぎないか？
某仮面ライダーカブトを思い出しますね、コレハ。
『武装と同時に”クロックアップ”』したんでしょうね、多分。
壁面を使った立体的超高機動戦闘が始まりました。
３次元的空間における戦いでは、ヤハリ剣と言う
平面で活きる武器の不利は
否めないようで・・・
『貴女の剣も鈍っているようですね。』
揶揄しながら、屋上を目指すライダー。
必殺の策でも屋上に仕掛けてあるのでしょうか。


一方、士郎も・・・
『屋上を目指す＝シンジがそこにいる！』との結論から、
またも勝手な行動を開始！


同時刻、屋上。
辿りついたセイバーを出迎えたのは・・・
ペガサスを従えたライダーの姿でした。
『魔法に匹敵する神秘・・・千年単位の幻想種とは!』
地対空と言う状況に加え、必殺技も持つライダー。
ピンチは今だ続いているようです。


再び、士郎。
階段を駆け上がる士郎。
その士郎を不気味に見つめる人影が二人。
一体はヘラクレス。
となれば、もう１つの影は・・・


『ああっ！』
ライダーとセイバーの戦闘も佳境のようです。
『驚いた。思ったよりも頑丈なのですね、貴女は。』
『神代に生きる獣を使役するとはな、歪んでいるとは思っていたが、
思っているより業が深いようだな、ライダー!』
『そう、私はあなた達から見れば、悪鬼と呼べる存在。
故に私が操れるのも
かつて貴方たちに滅ぼされたカワイソウな子達なのよ』
まずは防御に徹することに決めたセイバー。
剣から突風を巻き起こし、
何とか反撃のチャンスを窺うのですが・・・


そこに・・・
『セイバー!』
ｱｰｱ、ｷﾁｬｲﾏｼﾀﾖ、ｻｲｱｸﾉﾀｲﾐﾝｸﾞﾃﾞ^^;
何とも間の悪い時に士郎もやってきたものです。
当然、この隙を逃す訳が無い彼は・・・
『あはあはははあ・・・』
コレが僕とお前の違いだよ、衛宮！
さあ、ライダー、まずはその女からだ、骨一本残すんじゃないぞ！
残酷な命令を下す慎二。
自分の絶対優位を疑わないからか、強気な台詞ではあるのですが・・・
呼応し、ライダーがついに宝具を取り出します。
『この子はね・・・おとなしいからこんなものでも使わないと』
手綱らしきものを付けたとたん、ペガサスの表情が一転、
悪馬の形相に。
『それに、私の宝具は目立ちすぎるが、
ここなら見られる心配もないでしょう！』
そこまで計算して戦っていたとは・・・
ライダー恐るべし。
しかし、たった一つの誤算は・・・
『ライダー、それは私にとっても同じ事だ！』
『ここなら、地上を焼き払う心配もないのだからな！！』
ついにセイバーが剣の封印を解きます。
今まで以上の暴風が吹き荒れ・・・
やがて現れた黄金色の剣。
『あれが・・・』
思わず、士郎も見惚れます。
決着は一瞬でした。


天馬を彗星のように突撃させる『ベルレ・フォーン！』（ライダー）
セイバーの『エクス・カリバー』の激突！
武器の種類の違いでしょうか、
あっけなく葬られるライダー。
対軍兵器を上回る兵器ですか・・・
インチキ兵器とでも名付けておきますか（コラコラ＾＾；）


その様子を見ている人物が二人。
一人は、凛。
そしてもう一人は・・・桜でした。
何か意味があるのでしょうか？


『令呪が、燃えちまう・・・』
これで決定的に戦う術、優位を無くしてしまった慎二。
彼は哀れな姿をさらしながら、逃げるしかなく・・・
またその一方で、セイバーも倒れ伏してしまいます。
どうやら、エクスカリバーの使用のせいみたいですが・・・


次回が気になる展開のまま、お話は終わるのでした・・・
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さて本編に。


『こんなものかな・・・』
離れの道場の床を雑巾掛けする士郎。
前回セイバーと約束した稽古の為に、
道場の掃除を朝早くから始めていたみたいです。
さすがですね、感心感心。


洗面所で顔を洗い、さてと出ようとしたところで
凛と遭遇！
『おふぁよ･･･(￣□ヾ) ﾈﾑｲ』
ネグリジェ姿はナカナカ似合ってるんですけれど、ねえ（爆笑）
フラフラと夢遊病患者みたいな足取りで洗面台に向かうお姫様。
数歩も進まないうちに･･･
『どてっ！！』
〃(∪Д∪) ｸﾞｳｸﾞｳ･･･
あーあ、年頃のムシュメさんがまあミットモナイ＾＾；
あ、でも・・・
聖杯戦争で真面目に凛と戦う時が来るのなら、
『起き抜け』を狙えば勝利の確率も上がるってコトですよね（笑）


『いってきまーす！』
虎姉さん(=・ェ・=)の元気な声が響きます＾＾
やはりコレがないと”ふぁて（Fate）”じゃないですね（笑）
アレ、士郎？早くしないと遅刻よ(=・ェ・=)ｶﾞｵ?と言う虎姉さん。
『ゴメン、今日は休む。』と士郎。
理由を尋ねる虎姉さん。
『寒くなると傷が痛むって言うか、ほら古傷がさ･･･』
『嘘でしょ(￣○￣)』
アッサリ見抜かれてます。
理由を知る凛もそれとなくフォローを入れようとしますが、
士郎はそんな凛を制してこう言いました。
『学校に行くのが嫌になった訳じゃないんだ、ただ・・・』
他にやる事が出来たんだ、と言う士郎。
『ｍｍｍ･･･(=－ェー=)ｶﾞｵ』と考える虎姉さん。
怒り出すのかな、と思っていたら意外な答えが返ってくるのでした。
『いいわ、昔から士郎はそうだから。』
一度決めたら、理由も言わないしね。
『じゃあねん(*´∀)ノ』
何とも拍子抜けする感じで登校してしまいます。
でも、それだけ士郎の事を信じているんでしょうね。
ヤッパリ虎姉さん最高！！
貴女は”コミカル担当”の女性だけではなかったんですね（爆笑）


『待たせたな。』
道場に入る士郎。
正座の姿勢で瞑想しながら士郎を待っていたセイバー。
セイバーの格好が洋服姿であることに気付いた士郎。
『あれ、鎧姿じゃなかったのか？』
テッキリ武装姿だと思っていたと言う士郎に、
『失念していました。』と相変わらず生真面目な答えを返すセイバー。
着替えてきます、と言うのですが、
『セイバーは女の子だから、そういう格好の方がいい。』
似合ってるしな、とも付け加える士郎。
さりげなく”口説き”の台詞を入れる辺り、ウマイデスね。
（もっとも意識しての事ではないでしょうけれど＾＾）


そして始まる稽古。
「実戦での死を体験していただきます。」との言葉通り、
稽古は予想以上に厳しいものでした。
遠慮の欠片もない打撃の数々。
『い、いまのは骨が折れた、と思うぞ･･･(ー'`ー;)』
『ただの"打ち身"です（＊¨）/』
ですが、（士郎が体勢を）回復するまで待ちましょう、と言うセイバー。
『いやだ！！』と負けん気を前面に押し出す士郎。
『強情だとは思っていましたが(－＿－#)』
良いですね、この姿勢。
正義の味方は特訓して、新たな必殺技を編み出すのがセオリーですから（意味不明）
『せめて一太刀(≡〇｀∩´)≡〇』
竹刀を構えるも、”ぱしっ”と払われて・・・
『今の状態では、無意味です。まずは体勢を整える事です。』
もっともな指摘をするセイバー。
確かに、そうなんでしょうね。
対サーヴァント戦を想定するなら、万全の体勢でもきっと足りないぐらいでしょうし、
加えて『敵を知り、己を知れば百戦して危うからず』ってコトもあるんでしょうし。
セイバーの言葉に従い、一時の休息を入れた後、再び竹刀を交える二人。
しばらくの間、道場から竹刀の打ち合う音が止むことはありませんでした。


そして２時間後・・・
『お、鬼（#)Д`;;）…ヒドイヨ…』
精も根も使い果たした感じの士郎。
文字通り"へとへと"みたいです。
稽古を始めて２時間で（これじゃ）と口惜しがっているみたいですが、
思いのほかセイバーの評価は高かったみたいです。
『真剣に打ち込んでくる士郎に、私も思わず対応を忘れました(*^－^)』
どうやら師匠である彼女としても、教えがいのあった２時間のようです。


魔法のヤカンで喉の渇きを癒す士郎。
側には再び正座し、瞑想にふけるセイバー。
『サーヴァントが無償でマスターに従うと思ってるの？』
ふと、凛の言葉がよぎります。
『サーヴァントにも聖杯を手に入れて叶えたい欲望がある。』
『だから召喚に応じ、マスターと契約するの。』
（だったら、俺と契約したセイバーの”望み”って何だ？）


セイバー、お前も聖杯を手に入れて叶えたい望みがあるんだよな？と尋ねる士郎。
『それって一体どんな願いなんだ？』
それは、マスターとしての命令ですか？と聞き返すセイバー。
『いや、違う、言いたくないならいいんだ。悪かったな』
自分の願いを人に言っても仕方ないしな、と言う士郎。
『いえ、サーヴァントであれば、マスターに自分の願いを伝えておくべきでしょう。』
淡々と言うセイバー。
『私は聖杯を手に入れ、生前果たせなかった責任を果たしたい。』
（願うならば、やり直したいのかもしれない･･･）
いつもの『ムッツリ顔(￣へ ￣ 凸』とは違い、どこか後悔を残した感じの表情。
生前って、サーヴァントになる前のことか？と言う士郎。
肯定するセイバー。
（生前のセイバーって・・・）
少しだけ、セイバーが英霊で無かった頃の人生に考えを巡らせる士郎。
と、少し重苦しい空気を破ったのは
『ぐぅぅぅう～～♪』
セイバーのお腹でした（爆笑）
ナルホド、コレがネットで噂の『腹ペコセイバー』かなんて感心していると･･･
稽古に夢中で空腹に気付きませんでしたというセイバー。
アノネエ･･･
『女の子』なんだし、『恥じらい』はナインデスカ、セイバーさん！？
百年の恋が冷めてしまうぜ、ソレジャア（笑）


それじゃ、買出しにと言って、商店街に向かう士郎。
買い物を済ませ、ふと目にした『タイヤキ』をお茶請けに買って
イザ『お腹をすかせた子猫ちゃん？』の元へと向かおうとしたとき・・・
”つんつん”と服を引っ張る小さな手。
ん？と士郎が振り向くと・・・
『ぁqw背ｄｒｆｔｇｙふじこｌｌｐ＠：！！』
何とそこにはイリヤの姿が。
『久しぶりだね、お兄ちゃん＾＾』
『い、今、ここでやる気か(ﾉД`)？』
ううん、と言うイリヤ。
『お日様が昇っているうちは、戦ったら駄目なのよ(　＾∀＾)』
それに、今日はバーサーカーも連れてきてないし。
お兄ちゃんだって、セイバー連れてないし。
『私、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。』
長いからイリヤでいいよと微笑むイリヤ。
お兄ちゃんのお名前は？
『衛宮士郎(－Д－)凸』
『エミヤシロ？』
『エミ、ヤシロ？』
『エミヤシロ、ウ？』
『・・・言いにくければシロウでいい。』
そして、可愛らしいある意味最強のマスターは、
"ぎゅっ"と士郎の腕にぶら下がって、こうも言います。
『今日はお兄ちゃんとお話をしに来たの。』
何言ってんだ？と言う士郎。
まあ、当然ですよね＾＾
前回はいきなり戦闘の上、一度死にかけた訳ですし。
それに、凛達との話の上では当面の最大の障害でもある訳ですし。
ましてサーヴァントはヘラクレス。
神話通りなら・・・12の試練を勝ち抜いた英雄でもあるわけですから。
何となく、単なる”暴れん坊将軍”なサーヴァントという感じでもなさそうですし。
『俺もお前もマスター同士だろ、敵だ敵！！』
しかし、イリヤはこう言います。
『私に敵なんていないよ(*^－^)』
でも、シロウなら見逃してあげてもイイカモ。
さすがに呆れる士郎。
フェミニストな彼にしては珍しく冷たいあしらいを見せ、
イリヤを振り払います。
ところが、相手は小さな女の子。
当然転びそうになる訳で･･･
とっさに体を支える士郎。
･･･ゴメンナサイ、ヤッパリ”フェミニスト”でした＾＾；
『･･･お兄ちゃん、私のこと嫌いなの？』
上目遣いで”じー”と見上げるイリヤ。
こりゃ、１０年後が楽しみですね＾＾
この年齢にして、男をとろかす方法を既に身に付けてます（爆笑）
こんな風に見つめられては無下に断る訳にも行かず・・・
『分かったよ。』としか答えられない士郎。
『じゃ、早く早く♪おいてっちゃうよシロウヾ( o･∀)ﾉﾞ』
大喜びで駆け出すイリヤ。
マイッタナ・・・と苦笑いを浮かべつつ後を追うのでした。


そして公園。
『で、セイバーの事を聞きたいのか？』
平均台で遊ぶイリヤに話かける士郎。
『そんなお話つまんない(・ε・)』
もっと楽しいお話して、とせがむイリヤ。
『私、あまり人とお話したこと無いから、シロウに（お題は）任せるね。』
『レディーを”えすこーと”するのは男の人の役目なんだから(￣ー￣)』
随分、おマセな事を知っているものです（苦笑）
と、言いながらバランスを崩し、シロウに抱きつくイリヤ。
ナルホド、タイミングも上出来です（何が）
”すりすり”と士郎の胸に顔を埋めるイリヤ。
寒いのか？と士郎が聞くと、うんと答えます。
『寒いのは嫌い。あったかい方がいい。』
イリヤって名前は貴族みたいだな、と言う士郎。
貴族だよ、と答えるイリヤ。
寒い国のお城からやってきたの、と言います。
なら寒いのは平気だろ、と士郎は言いますが・・・
『寒いのは平気だけど、でも暖かいのがいいの。』
だけど雪は好き、とも答えるイリヤ。
それは自分の髪が雪のように白いから。
母譲りの自慢の髪だそうです。
父さまにも褒められたの、と得意気に言うイリヤ。
ん？ここで出てきたイリヤを肩車する男性・・・
まさか、切嗣？
何か、似ているんですけど？？？
気のせいかな？
ま、イイヤ＾＾；
『雪の妖精ってところか。』
上手い殺し文句ですね、士郎君＾＾
そして、話はイリヤがドコに住んでいるのかと言う話題に。
山の中の洋館に住んでいるとのこと。
アインツベルン家のものは、聖杯戦争の際はそこに住み、戦ってきたそうです。
今はイリヤ一人と世話をするメイドさんが二人。
でも、ナカナカ外に出してもらえず、いつも一人ぼっちだったとイリヤは言います。
そんな寂しげな顔を見た士郎は、タイヤキをイリヤに差し出すのでした。
『もらっても、いいの？』
ああ、甘いぞと言う士郎。
お礼を言い、可愛くかぶりつくイリヤ。
『おいひぃヽ(*´∀`)ﾉ』
無心に頬張る姿を見ながら士郎が思ったことは・・・
（この子が、あのサーヴァントのマスターなんだよな・・・）
しばしの柔らかい空気も、唸り声によってかき消されます。
『バーサーカーが起きちゃった。』
さっと身を翻し、立ち去るイリヤ。
（今日の事は、遠坂達には言わないでおこう）
残された士郎もまた・・・
『あ゛。"セイバー"のこと忘れてた。』
これは吹き出しました。


もちろん、家に戻って『凸(｀△´#)状態』のセイバーをなだめたのは言うまでもありません。
そして、帰宅した凛から学校であった事を聞く士郎。
何と、慎二が凛に協力を申し出たとか。
サスガに士郎も驚いたみたいですが、
モット驚くのはお姫様の取った行動。
『当然断ったわよ。』まではイイのですが・・・
『○￣□￣)=○)゜Ｏ゜).。』
何と鉄拳制裁（爆笑）の上、
『半端な魔術師とは組みたくないの。それに衛宮君と組んでるし。』
『アンタは信用できないしね(｀⊿´)』
その上屋上に”放置してきた”との事。
こりゃ、立ち直れそうに無いですね・・・慎二くん。
可愛さ余って憎さ百倍・・・なんてことにならなければ良いんですけれど。


『遠坂の奴、遠慮がないからな・・・』
半ば呆れつつ、風呂に入ろうとした士郎。
そして、第二のハプニングが勃発！！
脱衣所には、何と裸のセイバーが。
『ぁqｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ；＠』
慌てて扉を閉める士郎ですが、すぐに内側から扉が開き、
何と裸身を隠そうともせず、セイバーの『お説教タイム』開始！！
『シローが風呂に入る意思を感知できなかったのは落ち度でした』
『しかし、この格好で風呂に入らずにいるのは効率が悪い。』
出来れば（入浴を）遠慮して欲しいのですが、と言うセイバー。
『いや、俺はその・・・裸を覗き見ようとした訳じゃなく・・・』
『？シロー、耳まで真っ赤なようですが、熱があるなら縁側で涼むと良いでしょう』
全くスイングしない二人の会話。
しかもセイバーさん仁王立ち（大爆笑）
『シロー、（人が話してるのだから）こっちを向いてください(♯｀з´)』
ギギギ・・・と振り向く士郎。
もちろん、ツバメ返しよりも速く、後ろを向いたのは言うまでもありません。
『私の裸が何か？』意にも介していない様子のセイバー。
『お前は、恥ずかしくないのか？』
『何を恥じる事があるのですか(￣へ ￣ 凸』
私は女である前にサーヴァントです。恥じる事などありません。
こう堂々と言われると、かえって良いですね。
セイバーの魅力が良く出ている感じもします。


その夜。凛の部屋で『強化』の訓練を行う士郎。
お題はランプの強化ですが、
士郎のやり方（１から魔術回路を生成、魔力をランプに注入、強化）は
相当無駄な方法だそうです（凛講師曰く）
そこで、凛姫、早速強硬手段で士郎の体内に魔術回路を開く事に。
宝石を飲ませ、無理矢理閉じた魔術回路を開くという荒療治を行うのでした。
まずは強化魔術を鍛えましょうという凛。
『遠坂には、迷惑ばかりかけてるな。』
『協力者が弱いと、私が迷惑なの！！』
口ではこういってますが、凛姫も虎姉さんに劣らず
『面倒見の良い』ムシュメさんみたいですね＾＾
いずれは敵対するかもしれませんが、出来ればそれはないといいのですけれど。


縁側で体を休める士郎。
『魔術回路を開かれ、絞られたか。』
唐突に現れるアーチャー。
ムッとする士郎。
お前に話すことはないが、凛が気に病んでいたのでな（様子を見に来た）というアーチャー。
『凛は天才ゆえに、凡人の悩みに気付かない。』
『（天才だから）お前には普通に教えても意味が無い事に気付かない。』
何か士郎の欠点を理解しており、それを克服する方法を知っているかのような口ぶり。
『いいか、一度しか言わんから良く聞け。』
”衛宮士郎は何をしても勝てない。”
”サーヴァントには敵わない”
だから、勝てないのなら、せめて想像の中で勝て。
想像の中で勝てるものをイメージしろ。
それがお前に出来る唯一の方法だ、と言うアーチャー。
凛とのやり取りの中に『投影』という魔術の話が出ていましたが、
関連があるのでしょうか？
自分のイメージを魔力を使って投影すると、士郎にしか出来ない何かが出来るとか。
『投影』は複製の魔術とも凛は言っていましたし。
ただ、魔力で構成したものだからすぐに消えてしまうとも言ってましたけれど＾＾
まだ、良くは分かりませんが、気になりますね・・・
『殺さねばならぬ相手に私も何をいっているのだろうな。』
皮肉めいた言葉を口にして、消えていくディ○ッカ（笑）
そうですよね・・・
もし、その言葉が本当だったとして、彼はなんで『敵に塩を送る』
ような事を言ったのでしょうか？


謎を含みながら、次回に話は続くのでした・・・


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さて本編に。


『シロー･･･貴方は甘すぎる。』
このままではいずれ他のサーヴァントに殺される･･･。
久方ぶりの鎧に身を包み、一成の御山を目指すセイバー。
山門への山道を抜け、石段を登り、やがて山門が見えてこようと言う時･･･
その人は月光を背に、悠然とたたずんでいました。


『私はアサシンのサーヴァント。』
『名は･･･佐々木小次郎』


はっとするセイバー。
しばしの沈黙の後･･･
『参りました。』
『貴方が真名を名乗るのであれば、私も騎士として名乗らなくては。』
私の名は、と真名を告げようとするセイバーに、アサシンはこう諫めます。
『よい。名乗れば名乗り返さねばならぬとはこちらの不明であった。』
それに・・・
『こうして果たしあう以上、名乗りあう事は"意味がない"であろう？』
『サーヴァントとは戦うものなのだから』
で、あれば・・・
『果たし合おうぞ。』
その言葉に呼応し、さっと間合いを広げ、戦闘態勢に入るセイバー。
アサシンもまた、代名詞とも言える長刀『物干し竿』を構えて･･･
ナルホド、いかにも剣豪らしいお話です。
良く、格闘家の人でも言いますが、『戦えば分かり合える』と言うことなんでしょうかね？
それとも、勝負だから、勝ったものが正しく、
負けたものが間違っていると言うことなのでしょうか。


そして、その様子を木陰から眺めているライダー。
しばらく二人の様子を観察した後、身を翻して何処かへと向かいます。
前回は士郎にアドバイスめいた事を口にしつつ、今回の行動。
グラサンの下にあるはずの瞳は何を見ているのでしょうか？


その頃自宅で就寝中の士郎もまた、胸の痛みを覚え布団から飛び起きます。
『なんだ、この痛み･･･もしや、セイバー！？』
隣の部屋で寝ているはずのセイバーの様子を伺うと、
やはり彼女の姿はありませんでした。


『ええいっ！！』
カーン、カキーン！！と剣と刀の打ち合う音だけが響き渡ります。
驚くべきは、アサシンの技量と言うか、剣技でしょうか。
セイバーの『見えない剣』をおおよその太刀筋だけで見切り、受け流すその技の冴え。
およそ十合以上は打ち合ってからでしょうか、おもむろにアサシンが口を開きます。
『我が剣は邪道でな、並みのものなら一撃で頭を飛ばされている。』
それをよくもココまで、と一通りセイバーの技量を褒めた後、こう告げました。
『もう良いだろう。そろそろ手の内を見せては？』
何を？と言いかえすセイバー。
しかし・・・
さらなる言葉がセイバーを驚愕させます。
『お主の剣、長さは３尺（約９０センチ）、幅は４寸（１２センチ）と見た。』
『鞘に剣を収めたまま戦うとは、随分舐められたものだ。』
あのわずかな打ち合いで見極めたのですかΣ(°Д°；と驚くセイバー。
しかし、アサシンはその言葉には気も止めずに、
『それでは我が秘剣をお見せしよう。』と言います。
セイバーに構えよ、構えねば死ぬぞ？と威しをかけます。


そして今再び現世に蘇る伝説の剣が現れます。
『秘剣、燕返し!!』
※またの名を『虎切刀』と言います。

ん？”虎”を切る刀？？？
とイウコトハ・・・
我らの虎姉さん(=；ェ；=)ｶﾞｵ～ﾝ がピンチ！？
１本の刃の軌跡が３本に見えると言う必殺剣。
そう言えば、沖田総司の『３段突き』もそうでしたね＾＾


かろうじてその凶刃をかわすセイバー。
ほう、と感嘆の声をもらすアサシン。
『かわしたか・・・。』
『確かに貴方の剣は２本に見えた。』
魔術も使わずに宝具と同じ事が行えるとは・・・。
改めて敵の技量の高さに驚いたみたいです。
しかも、アサシン曰く、今の太刀筋は失敗との事。


天を飛ぶ燕を切ると言うのはな・・・と説明をするアサシン。
・大気の震えを感じて飛ぶ方向を変えるのが燕。
・だから一の太刀で行く手を遮り
・二の太刀で逃げ道を無くす
・三の太刀で切り捨てる
と言う事ですが、これを一息の動作の中で行うのが真髄だとか。
しかし、足場が石段のせいか、今ひとつ踏み込めなんだと言うのでした。
『本来なら、横薙ぎの一閃が加わったものを。』
緊張感はますます高まります。


その頃、御山へと自転車を走らせる士郎。
また、山門の守りが手薄な事を突き、結界を突破、
境内へと侵入するライダー。
こちらも、現れた敵サーヴァント？との戦闘に入っていました。
『セイバーをオトリに使い、私の陣地に入るとは、貴女のマスターもやりますね。』
『私はマスターの命令に従うまで。』
言うや、武器を振りかざし、襲い掛かるライダーですが、
打ち出した武器はかわされ、また例の杭も防御壁に弾かれてしまいます。
『三騎士のサーヴァントならばともかく、ライダーごときに引けはとりません。』
反撃に移る敵。
ライダーも身軽に攻撃を捌いていくのですが・・・


舞台は再び山門の二人に。
こうして死合う事が嬉しいと言うアサシン。
『当初は俗世に喚ばれたことを呪ったこともあったが』
『が、それも今宵まで。今はこうして成し得なかったことを成せる。』
『我が剣を存分に振るえる、というな。』


その言葉に、セイバーも覚悟を決めた様子です。
『確かに、手加減が通じる相手ではないようだ。』
ほう、と息を吐くアサシン。
そして・・・
凄まじいエネルギーがセイバーの剣に集まり始め・・・
その様子は、まさしく嵐のようでした。
それがその剣の真の姿か、ならはその奥にあるものを見せよ！と
アサシンも本気になったみたいです。


また、セイバーの放つ剣風は思いもよらぬ戦いにも影響したようで・・・
境内でにらみ合うライダーと敵サーヴァント？。
事態の変化を見て取り、撤退するライダー。
何故か、敵サーヴァントは後を追う事はせず・・・


同時刻、山門入り口前。
ようやく士郎も山道にたどりつきますが、
台風のような風に行く手を阻まれます。
『もしかして、セイバーが？』
共鳴する令呪。
『あいつ、まだ体も治りきってないのに！！』
戦いを止めさせるべく、石段を登る士郎。
その脇を黒い人影が通り過ぎます。
『誰だ！』と声を荒げる士郎。
結局この声がセイバーとアサシンの戦いをも止める結果になり・・・


境内へと引き上げるアサシン。
『決着をつけないつもりか！』とセイバーが問うと、
『そのほうがお主にとっては僥倖だったのではないか？』と答えるアサシン。
どうやら彼もまた、セイバーが本調子ではないことを見抜いていたようです。
また、我らの戦いを盗み見ているものがいる事、
そのたわけが迎えに来た小僧に目標を変えるかも知れんぞ？と上手くセイバーをいなし、
『山門を潜る気があれば、その時は決着を付けよう。』と
言い残して消えていくのでした。
同時に、セイバーもまた、鎧が霧散し、倒れこんでしまいます。
彼女を抱きとめる士郎。
やはり、相当の魔力の消費があったのでしょうか。
本調子で無い今、本来の力を出し切るにはまだ遠いと言う所なのかもしれませんね。


セイバーを背負い、家路を歩く士郎。
玄関で、セイバーを下ろし、一息ついてセイバーの寝顔を眺めます。
『こんな寝顔を見せられちゃ、何も言えないよな・・・』
と、そこに・・・
『こんな所で随分イイ趣味してるわね(￣ー￣)』
凛姫ご登場＾＾
『いや、あの、そのこれは・・・』
必死の弁明をする士郎。
まあ、何だかんだ言って凛姫も事情は飲み込んでいたみたいで、
セイバーを代わりに部屋へ運んでくれるのでした。


居間で紅茶を入れる士郎。
ご苦労様＾＾と凛がねぎらいの言葉をかけると、
その後ろには『ムッツリ顔』のセイバーが。
寝てたんじゃなかったのか？と士郎が問うと、凛姫曰く
『アレは体が強制的に機能を停止させただけの眠りよ。』と
説明をしてくれます。
で、あればと早速士郎の『お説教タイム』が始まるのですが＾＾


『御山でアサシンのサーヴァントと戦いました(￣へ ￣ 』
『第三者の介入を感じたので、戦闘は中断しました(￣へ ￣ 』
半ばふて腐れ状態のセイバー＾＾


俺が聞きたいのはソウじゃない、と言う士郎。
何で一人で戦いにいったんだ！と怒るのですが、
『戦うのがサーヴァントです(｀⊿´)』
『なのに、マスターである士郎は戦うなと言う。』
それで聖杯戦争に勝てると思っているのですか？と逆に怒り始めるセイバー。
『俺は、女の子に怪我なんてさせられない！そういうのは男として・・・』
『武人である私への侮辱です凸(｀△´#)』
『そういうことじゃないだろ、馬鹿(*｀д´)σ=σ』
ほとんど痴話げんか状態（爆笑）


ソレを聞いたセイバーの怒りはさらにヒートアップ！
『貴方はサーヴァントを侮っている(#｀＿´)』
『人の身でサーヴァントを打倒できると本気で考えているのですか！！』
物語としての体裁を整えてくれたのは大人しく紅茶を飲んでいた凛姫でした。
『違うわ、セイバー。』
ソイツハネ、純粋に貴女に怪我をして欲しくないと思ってるのよ。
貴女が怪我をするぐらいなら、自分が怪我をするし、代わりに戦いもするし。
そのために命を落としても構わないし。
『他人のために自分を犠牲にすることなんて構わないのよ、そいつは』
でしょ(*^－^)？と微笑む凛姫。
ムスッとする士郎。


その様子をみて凛の言うことが本当だと思ったのでしょうか、
セイバーが意外な提案を行います。
『分かりました。シローが戦うのを認めます。』
ただし・・・
『明日から剣の稽古をしていただきます。』
士郎の時間の許す限り。
『戦闘での死を出来るだけ経験していただきます。』
それを受け入れてくれるなら、と言うセイバー。


ちょっと待って、と言う凛姫の言葉もセイバーには関係ないみたいで・・・
『では早速明日から。道場で汗を流しましょう。』
それでは明日もあるので、士郎も早く休息をと言い、
サッサと部屋を出て行ってしまうセイバー（爆笑）
もはや完全に尻に敷かれている感じが。


『なあ、あれはヤッパリ怒ってるのか？』
凛姫に尋ねる士郎。
『さあね＾＾明日から頑張って死んでらっしゃい。死に水は取ってあげるから』
こちらもこちらで完全に面白がっているみたいです。

大体こんな感じでした。
画像を見ながらのほうが内容は掴みやすいと思いますので、
画像については他のブログ様でUPされているところを御覧になってみてはいかがでしょうか？
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