扶桑社『ハーバー・ビジネス オンライン』で連載することに
あの、その「ハーバービジネス」ってのはなんでしょうか…。
港のビジネスっすかね?
ということで薫り立つパチモン臭も魅力のひとつである扶桑社の新ビジネスサイト『ハーバービジネスオンライン』なるところで連載をさせていただくことになりました。
「FACEBOOK市長」を踏み台にする海千山千の面々 ――山本一郎【香ばしい人々returns】
http://hbol.jp/8987
ビジネスに携わる「人」に焦点を当てて世相を切るというテーマでお請けしたものの、その初弾がまさかの武雄市長ということで、良く分からない方面にバズっていて真に恐縮です。
武雄市長の樋渡啓祐さんについては、もちろんきちんと行政と市民の関係を理解している人たちからすれば悪評紛々なのもしょうがないですし、実際もう霞ヶ関での信頼度もゼロに等しい状態なのでしょうが、こういうある種の際物に自治体の浮沈を賭けたくなる地方自治体の惨状と市民のかすかな希望というのも理解できなくもありません。
PPP/PFIについてはかねてから議論のあるところですので、ここで蒸し返してもしょうがないわけですが、基本的には図書館というサービスは採算を確保するには当然程遠い公共サービスのひとつであり、その担う機能は地域住民の知的欲求の充足であってその対価は無償であるべきということでヨーロッパでもイスラム圏でも同じような立ち位置です。そこに私企業一社に銭を付けて誘致して先進事例を作ることがどれほどのPFI的な意味を持つのかという点ではやはり議論は分かれます。
また、本稿では触れませんでしたが新武雄病院問題というのがありまして、武雄市民病院の民間委譲をやるにあたっては、きちんと筋道を付けて、関係筋の納得や市民に対する説明を丁寧に行いながら手順を踏んでやっていればそこまで問題にならなかったという案件なんですが。
まあ、どれもこれも山ほどある課題は、樋渡市長という特異なキャラクターに導き出された不適切な手続きという点で共通している。やりたいことは分かるんですがね。でも、逆に言えばそれほどに強烈なリーダーシップを発揮して実行に無理矢理移しても、これといった成果が出ない現状というのは地方行政の現状を浮き彫りにしているともいえるわけです。
そういう市長の、強引だけどある種ピュアな行動原理に訳の分からないビジネスマンが付け込んで、できもしないことを甘言繰り返した挙句に他の自治体にも「成功事例」としてぶち込んでしまった罪というのは向こう数年の間にしっかりと総括するべきだと思います。市長も薄々気づいているからこそ、しまったと思いながら軌道修正をしているのだと思いますし、そこで上手い具合やった連中は全員炙り出して反省するまでこの方面の仕事が出来ないようにしてあげるのが社会正義だと考えます。
それというのも、舞い上がらせたメディアの責任もあると思うんですが、いまだに片棒を担いだ某社がセミナーで樋渡さんを呼んだり、余り物事を考えない人が国の教育にも助言できる立場に樋渡さんを乗せたりと、いまなおいいように利用されているのが物悲しいところなんですよね。
ある意味で、今後もっと地方自治体が厳しくなったときに、その苦しさをどうにかしたいというところで甘いことをいう奴らが湧いて出るシステムを先行事例として武雄市は見せ付けてくれていると思うのです。この炭鉱のカナリア的な武雄市を引き続きヲチしてまりいたいと思います。
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