【書評】『弱くても勝てます』(高橋秀実・著)とフルカウントでの連載について
これはお奨めでしたよ。野球好きなら絶対に読んで損はないです。
何と言うか、セイバーメトリクスの原型みたいなものであり、勝つための要素にフォーカスして割り切るスタイルとは何であるかを端的に示した内容と言えましょう。
著者は、『からくり民主主義』など独自の視点で快著を連発している高橋秀実さん。ぶっちゃけ、開成高校の野球部という素材自体が面白いので、無理に飾り立てなくても充分に楽しく読めるということなのかもしれませんが。
そこには驚愕のラストやどんでん返しもなく、淡々と進学校球児の取り組みだけが進んでいきます。だがそれがいい。ドラッカーも出てこないし。野球を「不必要なこと」と断言し、それでも部活に取り組む監督と、理屈っぽく捉えて他人事のようにプレイする球児のコントラスト。それでいて「人間としてなってない」という面白指導や、拾うという基本動作を教えるためにただ地面に置いてあるボールを拾う練習をするだけで劇的に上手になるという開成高校野球部の練度、さらには新設備が導入され練習できる時間が増えたという理由で「練習に集中力を欠くようになり」打撃力が落ちる顛末など、正直これは面白い。
何でも、日本テレビでジャニーズドラマになるらしいですが、どうせこの原作を忠実にドラマ化などするはずもないでしょうからほっぽっておくとしても、勝負事の目的合理性について是非思いを馳せていただきたい本でありました。
ところで、先般お伝えしましたフルカウントでのコラムが始まったようです。
ご関心ある方は是非に。是非に。
【山本一郎コラム】今年のヤクルトはオープン戦ではちっとも勝てません
http://full-count.jp/2014/03/24/post1973/
「満塁フルカウントからクソボールコラム」が始まります
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2014/03/post-5c93.html
それにしても、三塁コーチャーはいつの間にか福地に変わっていた割に、畠山が走塁死する場面を見るのはやはりこれはスワローズの伝統芸能なのでしょうか。てっきり城石がいまだに三塁コーチャーやってるもんだと思ってました。
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