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2013.05.25

「北方領土 面積二等分返還」とかあるわけないじゃないか

 まだそんなこと言ってる人がいるのか、ってことなんだけど…。

北方領土 面積等分はあるのか
http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1296/

 とりわけ領土問題というのは解決の難しい交渉分野で、二度三度首脳会談が行われたところで妥結するものではないので、より大きな協力関係の枠組みを作って、領土問題自体をワンオブゼムとし、玉虫色期間を用意しながら少しずつ既成事実を作っていくしか平和的に出来る方法はないのでしょう。(その意味で我が国にとって沖縄は大変な例外ですが)

 今回、このような報道が日本サイドから「だけ」出るのは、森喜朗さんが政府特使としてモスクワ訪問したときに、改めてプーチン大統領から「引き分け」発言が出たので、これを領土等分返還と解釈し、森さんの周辺がロシア側からそのような条件を暗示されたと伝えて、日本のメディアが日本人に対してそう言っているだけですね。

 過日、日本の有識者がモスクワに招待されて日露間の基礎的な状況や考え方をざっくばらんにお話するという機会がありましたが、そこでもロシア側の出席者からは日本のほうで領土問題が簡単に進展すると言う楽観論を強く戒める発言が連発されておりました。世の中、そんなものです。

 そもそも、領土問題というのは主権問題であり、現実として4島全面返還はむつかしいとしても、主張として取り下げることだけは絶対にあってはならないのは自明のことなんですけれども、この長年の懸案を解決すれば歴史に名前を刻めると思った特定の人々が気安く譲歩することの内容に願う次第であります。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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