中国が尖閣問題で勝手に勝負を降りてきて困惑
なんなんや、この気持ち悪いメッセージは…。
尖閣問題で「対日3条件」=現状維持へ「上陸・調査・開発」拒否-中国政府
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201208%2F2012082800517
ほぼ同様の内容が読売新聞からも出ると思うので、追認待ちの状態と感じますが。ただ、この内部方針についていえば、上陸させない(のは日本政府)、建設しない(のは日本政府)ということで、実効支配と領有権の確保については日本に譲歩している内容とも言えます。上陸できない中国、建設できない中国という現状の追認以外の何者でもありません。いままでは、上陸させろ、建設させろ、調査させろというのが中国の方針でしたし、中国の領海ではないが調査したぞ、というのが紛争の引き金でもあり、また東シナ海ガス田問題(白樺、中国名:春暁)は文字通り中国との中間線の有望試掘ラインの上でしたから。
お互い政権末期ということで、新政権を睨んで次の半荘で勝負しようということで、野田政権からの親書スルーに対するカウンターメッセージなのかもしれませんが、この微妙な感じの勝負の降り方は不自然というか、どうもなあと思うわけです。
棚上げ論については、数日前に宮家邦彦せんせが上げたこの記事をご参照。間違いなく、だいたいこんな感じの議論で進んでいるものと思われます。
尖閣は中国のもの、蒼井そらは世界のもの
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35964
あと、JBpressは「JBpress+著者名で検索」→広告のランディングページに誘導→スキップするとJBpressのトップページに連れて逝かれて著者記事一覧には辿り着けないとかいうクソのような仕様をいつになったら改善してくれるのでしょうか…。
個人的には、次に中国民間人の上陸活動が公認、黙認を問わず行われるようであれば、監視塔の設置を行いますよ、と一言宣言するだけで良いという。日本にとっては非常にお話のしやすいリーチになったなあというところでありまして、先の「尖閣諸島は周辺事態法の対象」とする日米合意も含めて既成事実化は安定政権がやろうと思えばできてしまうという点で画期的だなあと思います。
もっとも、その安定政権ができないので困っておるわけなんですが。
あと、秋田さんがまさかの「北朝鮮漁夫の利論」を掲載しておられて度肝を抜かれましたが、日米韓の連携が弱まるのは領土問題で日韓間が対立すれば北朝鮮関係なく揉めるわけですし、韓国に経済危機でも起きて親中化が進めば北朝鮮は一層の中国の影響力下に置かれることは容易に想像できるので、漁夫の利以前の状況改善に必死だとしか言いようがないのではないでしょうか。漁夫の利というのは、漁師が強い立場にいるからこそ相争う動物が食われる話でありまして、韓国という犬と日本という猫が争っている横で北朝鮮という兎が跳ねていたところであまり関係がないのではないかと思う次第。
ほくそ笑む北朝鮮 日韓対立で漁夫の利
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2600L_X20C12A8000000/
事実関係は極めて正確だと思うので、関心のある方はご一読のほどを。
« 大阪維新の会が単独で新党結成とな | Main | 【告知】9月11日、日本財団で安全保障関連のパネルディスカッションに登壇します »