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2012.03.27

山岡俊介氏と朴茂生氏と2,000億パチンコ脱税の件

 一度は訴状が飛び交い、山岡さん側が謝罪広告を出すということで一件落着したはずが、本格的に高松国税局がネタを掘り起こし始めると朴茂生さんが東南アジア方面に行方をくらましたまま帰ってこなくなってしまいました。朴さんが脱税に主体的に関わっていたのかどうかはいまなお議論が分かれるところではありますが…。

ついに大手マスコミで解禁になった、本紙既報の「パチンコチェーン重大疑惑」
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/cat8062190/index.html

 このネタに関していえば、いかにもアクセスジャーナルの後追いでマスコミが記事にし始めたと言いたいようですけど。常識的に考えて脱税ネタなんて裏を取って事件化してからでないと記事にしづらいのは当たり前であって、ワンソースでブログネタにしてしまうほどのフットワークの軽さを既存マスコミがやるはずもなく、そういう書き方をする山岡さんのところに訴状が飛んでいくのもなかば当然だと思うんですよね。もちろん、そういう向こう見ずなところは私も大好きではあるのですが。

 で、この手のパチンコ脱税マネーが出て逝った先が俄然気になるわけですけれども、前提条件の話が幾つかあって、脱税したからには摘発して終わりでは本来なく、何に使われたのかが非常に重要なのであります。

 そもそもパチンコチェーンの脱税の絡みでは一番最初に摘発を企図したのは他でもない地域のヤクザ屋さんであります。彼らが、このチェーンの経営者と個人的な金銭関係のもつれで恨み、ある大手調査会社に依頼して資料作りをしたというのがバックグラウンドのようです。当然、そこまで「刺しにいく」からにはそれだけの大事があったということでもありまして、問題となったパチンコチェーンもろとも指南役や、そのヤクザ屋さんとは関係のないチェーン店まで文字通り一網打尽となったわけです。
 いわば、朴茂生さんはとばっちりで、その顧客もオーバーキルだった、とも言える物件であり、また一連の事案で出てきた不思議なウェブ屋さんや、ホールシステムの納入会社さんまで掘れる状態となって、ヲチャーとしては思わぬ大漁であったと言えます。他にも、我が国と国交のない国家の民族団体と係わり合いが深い複数の朴さん(木村さん)がおり、それってそういう意味であったのかとここに来て膝を打ってしまった次第であります。

 でも、一部は違うけれど指南を受けたとされるパチンコ会社は概ね同じような規模、利益水準であり、脱税にいたった方法論も一緒で、結果として似たような資金を秘匿していたということになるんですが、どう掘っても「たまり」が国内に見つからないチェーン店が幾つかあるようで… つまりは、脱税の部分はこの朴茂生さんが何らか関係していた可能性はあれども、それはピースのひとつに過ぎず、結果として資金を海外に転出させ、何らかの形で還流させるような別の仕掛けがあったんじゃないかと推測されます。

 この還流の部分でヤクザ屋さんと分け前で揉めたのでは、という情報もあるようですが、こう言っては何ですけれどもそこまでの資金を国内海外とやり取りするような複雑な仕掛けを構築できるような人たちじゃない(だからこそ、腹いせに当局へ情報を提供して相手を「刺し」にいった)という話が出てきます。もしそういう還流の最後のピースをこのヤクザ屋さんが担当していたのならば、もう少し金回りは良かっただろうと思うんですよね。何しろ、脱税した資金を海外に振り出したパチンコ屋さんからすれば、外れては絶対に困る出口のところですから、ヤクザ屋さんが何もせずに手放すとは考えづらいのです。

 そのようなわけで、本物件は非常に興味深い事例なので、さらに朴さんの周辺とあれこれお話していたところ、なんかそういう"出口専門"のブローカーの人がいるんですってね。なんでも、税務関連の本まで出しておられるとか。オープンリーチというか何というか。ただ、とても少女体もとい小所帯で頑張っておられると聞いて、なるほどそういうことかと得心が逝きまして。

パチンコ店30グループ、3千億円損失計上準備
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120214-OYT1T00024.htm

 当然、損失計上を準備していたということは、納税しないで済ませられるであろう資金のプール方法や還流方法もある程度決まっていて、それの手引きも含めてようやく完結するよねという話であります。

 あれこれ掘ったら何となく回答に近づけたという確信が持てたこともあり、各所には紙爆弾の素材となる物質をpdfでまとめて送っておきました。どっかで大爆発して、それが国民生活の安寧と国益の増大に寄与するといいなあと説に願うところでございます。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

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パチンコ店30グループ、3千億円損失計上準備

 パチンコ店を運営する全国約40の企業グループが租税回避行為を行ったとして、総額約1000億円の申告漏れを指摘された問題で、このうち約30グループが、さらに計約3000億円の損失計上を準備していたとして、国税当局から是正を求められていたことが分かった。

 これまでと同様、子会社に含み損のある株式を抱えさせるなどの方法で、租税回避を図ろうとしていたとみられるが、大半のグループが国税当局の求めに応じたという。

 関係者によると、各グループは、東京都内のコンサルティング会社の助言で、資産を簿価(取得時の価格)で移動できるという企業再編税制の優遇措置を利用し、含み損を抱えた子会社株を簿価で現物出資するなどして、次々と子会社を設立することで、含み損を“コピー”。その後、利益の出ている他のグループ会社と合併させるなどして、法人所得を減らしていたことが判明している。


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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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