「まず仕上げる」という話
話題になっていたので。
いち早く70%~80%程度の完成度で人に見せられるものを作ることがいかに重要か、という話
http://d.hatena.ne.jp/sotarok/20120105/1325698126
でも敗戦処理系の下請けや、制作環境など土台系の仕事をすることの多い弊社からすると、感覚はこんな感じだな、と思うわけです。上記サイトで書かれている通りですよね。試行錯誤の回数を増やさなければならない。
幾つか論点があるとすると、8割というか「まず見てもらえるレベルを提示して、相手に感覚を掴んでもらう」というレベルまでまず仕上げる、というのはクライアントのいる下請けか、上司が圧倒的な指揮権限を持っているプロジェクトなんだろうと思うわけです。
もし、全体工数の半分以下で8割仕上げられるのであれば、残りで想定100%までとっとと作れって話になりますね。でも、だいたい想像できるレベルまでモノが上がると、必ず駄目だしが入りますし。
二年半のプロジェクトとかだと、作っては壊し、を何回か経るのはもうしょうがないというか、実際にやってみたら実に駄目だったとか、そういうことのほうが多いですし。下手すると委託チームごと入れ替えたりするもんなあ…。
一方、あまちゅあに関して言えば、発注者がプロじゃないって意味で、こだわりたいディテールの部分に工数を突っ込むのは当然なんですよねえ。とはいえ、作品かプロジェクトかによっては違いがあるんでしょうが、ゲームとかだと自社パブの製品でクリエイターがトップに居る会社だと普通にあまつあの成長曲線を踏みますよね。
ジブリをはじめ優れたアーティストがいるチームの作り方を聴くと、作り直さずじっくりと積み上げていく方法は効率が良いみたいです。
一般論としては「まず作ってみる」「感触を確かめながら試行錯誤しつつ制作を進める」のは理想ですよね。だからUnityのような安価だけど強力なツールが半ばブームのように持て囃されるわけですし。ただし、実際に制作するのはツールではなく人であり、また、凡百のスタッフが組織化されているより一人の優秀なクリエイターが出るだけで市場が蹂躙されることは多々あります。
仕事かくあるべき、というテーマは物凄く関心があるんですが、下請け的にはまた試行錯誤すんのかよというのは実に萎える場合も多いですね。「おまえ、これでいけって言ったじゃないか」的な。
むしろ、炎上案件とかを見ていると業務進捗のグラフよりも、まだ0の基点の状態で如何にコンセプトやテーマを明確にするかってことのほうが大事なのかもしれません。
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