やまもといちろうBLOG（ブログ）

　どうも初代の続編であるらしいのだが、当然観ていないのでまったく前後関係は分からない。でもこれ、不思議の国のアリスを下敷きにしてデジタル版に置き換えたんだろうなあという感じで、その割に大テーマが「完璧な世界を創る」とかいう奴なので、どうにも。完璧なはずの組織の内部で叛乱が起きてたり、プログラムに謎の酒を飲ませる伊達男に交渉挑まれたり、そもそもちっとも完璧じゃないじゃないか。しかも、なんか塔のてっぺんが時限爆弾で吹っ飛ばされてたぞ。

　デジタルの世界にも重力が働いているんだなあとか、何で慣性の法則があるのだろうかとか、それってスーパークイックスじゃね的な何かがあってとてもカオス。物理転送でもされたのかねえ。

　でも、あちきら業界的にはむしろあちらの世界からの侵略者が完璧なコードを持ち込んでくれたほうが、もっともっとよくなると思うんだ。デスマーチはない。無駄なデバッグはない。納期がこぼれることはない。遅延のないプロジェクトって最高じゃないか。せっかくの野望を阻止すんなよ。

　んで、主人公が株持ってるゲーム会社。財務を預かる私のほうから忠告しておく、東京市場（日経）に上場するのだけはやめとけ。映画観ているのに、現実に引き戻されたわ。チュンソフトでも安値で買ってきて日本版ローカライズ権渡して上場させるか日本一ソフトウェア買ったほうがよほど早いし。

　最後にいたっては、何か父ちゃんが敵を吸い込んでザンギエフ状態になってて、なぜ最初からそれをやらんのか。問題が起きたところで吸ってしまえば問題なかろうに。しかも何か爆発してるし。どうして。敵もさあ、飛行機に変身できるんなら、主人公がちんたら車で逃げてるところを早々に追いかければいいのに。序盤からラリーXやってるし、完璧を求める敵の目と鼻の先に父ちゃん堂々と潜伏してるとか、マジでわけわかんない。

　何というか、こう、壮大な自業自得エピソードが満載になってて、最後は厚化粧の壇ふみみたいなのまで現実世界に出てきて一丁前に朝焼け見てるし、どうなってるの。とりあえず、かっこいいからいいんだけどさ。

　まあ、私が言うべき点はただひとつだ、数年かけて開発した主力商品のデータが漏洩したんだから、いまが業績のピークだ、全力でショートしろ。