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2010.09.14

合理主義と段取り

 納品待ち中にエントリー。仕事の極意ってほどじゃないけど、何となくこうじゃないかな、と思う部分があったので。まあ、当たり前のことばかりなんだろうが、やはり段取りですわ。計画っつーか、用意っていうか準備っていうか、何か起きそうになったときのシナリオ作りや、優先順位を予め決めて、練習しておくこと。

 人には二種類あって、平時に優秀な人と、非常時に優秀な人。捌きや修羅場っていうのは、平時と優先順位が異なるんだけれど、どうであれ素早く判断を下さねばならない、その判断を下せる人であるには二つの必須条件がある。もともとの性格的な割り切りの良さと、事態を予め想定しえる事前の準備。誰かの世話をしていて、いろんな不測の事態があって、もちろん本人的には人生の大事だということで色めきたっているんだけど、そういうのって私らすでに想定しちゃってるんだよね。だから対策も立てやすく、行動もすっと決まる。

 みなが混乱するような非常時に、トップがブレ放題だとやはり下が幾ら優秀でも駄目で、投げっ放しならまだともかく、全く食い違った指示を出したり指示系統が複数あったりした瞬間に、事態に対処できなくなる。ブレないのは大事です。その上で、いかに判断を素早く下すか、部下に権限を与えるか、事前に問題を想定しておくか。

 部下は部下で、体制が混乱して色めき立っているときに、己の欲得で、目立ってやろう功績を挙げようという考えを持つ奴は結構本人自体が混乱要因になる。まあ、見てて分かるんだけどさ。でも、チームでしっかり親分支えてどうにか成功に導こうっていうときって、不思議なほど力が出るもんで、そういうチームが編成できる親方とそうでない親方は自然に分かれるのかもしれない。

 親方が、きっちりと意思決定して方針を決めてくれれば、それに沿って最善の段取りを考えることは傭兵のお役目。今回仕事がしやすい理由もそこかもしれません。すべてが有利な状況というわけではないのだけれど、モチベーションが高くて失敗の疑いがあまりない、落としどころが結構クリアに見えるというのは敗戦処理の多い私のビジネス人生の中でも初めてに近いんじゃないかな。

 そのぐらい、忙しいけど充実しております。はい。


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Comments

建築現場みたいなところは、まずは、「ダンドリ」って教えるよね。たった一日の仕事でも、ダンドリからはじまる。で、ちゃんと終わる。だから、工程管理がちゃんとできて、工期が狂うなんてことはない。ここの優秀度は、世界一じゃないかな。こういう部分で、世界で戦えばいいのに。

ところが、ネットもそうだけど、PCがあるために、ダンドリを考えないでも、PCが速度アップするので、困ったことになっているのに気がついていない人がいる。だいたい、人間なんて、他人が何を考えてるいるかわからないのに、勝手に理想をつくっても、前に進むはずがないんだ。まずは、遠回りでも、聞いてまわって、約束をとりつけていってから、ゴーなのに。

とりあえず、当事者同士の、一対一の関係が基本でしょ。

建築現場みたいなところは、まずは、「ダンドリ」って教えるよね。たった一日の仕事でも、ダンドリからはじまる。で、ちゃんと終わる。だから、工程管理がちゃんとできて、工期が狂うなんてことはない。ここの優秀度は、世界一じゃないかな。こういう部分で、世界で戦えばいいのに。

ところが、ネットもそうだけど、PCがあるために、ダンドリを考えないでも、PCが速度アップするので、困ったことになっているのに気がついていない人がいる。だいたい、人間なんて、他人が何を考えてるいるかわからないのに、勝手に理想をつくっても、前に進むはずがないんだ。まずは、遠回りでも、聞いてまわって、約束をとりつけていってから、ゴーなのに。

とりあえず、当事者同士の、一対一の関係が基本でしょ。

皆が混乱する非常事態にトップがブレブレって、どこかの島国みたいな話ですよね~。

隊長お勧めの「段取り」の本などありますか?
あればぜひご紹介ください。

よかったね(はあと)。

>段取りを考えることは傭兵のお役目

読み間違えがあると恐縮なので、「傭兵」を「外注」とした場合で言わせてもらうと、そもそも「段取りもソッチで考えてね!」で発注しないところが最近増えてきたよ。

なんで「段取りを発注しない」のかというと、理由はだいたい2つ。

1)ディレクション費用などの「監督費」なるものを元請が払いたくないから。

2)段取り…すなわち外注が制作した作業工程にハンコを押してしまうと、細かい修正をしたとたんで足元(ようは追加作業や突然の契約解除)を見られるのではないかという不安があるから。

ここまでストレートではないけど、理由を総括すると大抵はこの2つで、おおよそこれらの発注しちゃう担当者(または会社)は代理店の2割の営業管理費に「代理店なんて中抜きじゃ!」とマジで思っちゃってるアレな人だったり、「文化に携わる者、金の話とはけしからん」業界の文化にアグラをかいちゃっている人なので手に負えない。

まぁ、最近そういう仕事は断っているけどね。

以上、紙とWEBと映像の制作の人間の愚痴でした。

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    やまもといちろう

    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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