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2009.03.05

小沢さん代表辞任問題に関するブーメランについて

 公職選挙法違反の連座問題における鳩山さんの発言を読むに、なかなか味わい深いものも感じつつ。

辞任は当然 鳩山幹事長が小林自民党参院議員の辞任を受け記者団に
http://www.dpj.or.jp/news/?num=11286

 でっかいブーメランだな。

 ところで、雑感気味にはなるけれども私はfinal爺が思うほどセピア色の心象風景は感じず、むしろサブルールと規定された「企業献金でしょ」の是非は政治過程においてルールそのものだと考えており、普通に出納責任者逮捕だよね、と思う。

小沢一郎公設秘書逮捕に昭和の香り
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/03/post-71cf.html

 爺は観念論気味にウォルフレンさんの論考へと思索しに逝って帰ってこなくなってしまうので、たぶん感じていることは年代差もあり違うのかなと。以下の読売報道が事実であるなら、サブルールで白黒解釈の余地ある事案ではなく、ルール上も問題なくアウトでしょう。

「献金は公共工事を円滑に受注するため」西松元幹部が証言
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090304-527751/news/20090305-OYT1T00102.htm
小沢氏側、3団体への献金分散・金額を指示
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090304-527751/news/20090305-OYT1T00681.htm

 だから、問題は爺の見立てと違って、見返りを目的として迂回献金をした西松建設と政治家という話であって、政治資金規制法を回避するために能動的に陸山会側が西松建設に対して細かに献金方法を指定していたという構造のはずです。

 そうなると、お話の流れとしては1:自民党への返り血はどうであるか、2:小沢さんの進退どうするか、3:他の献金企業への波及はするか、といった当面の関心と、もう少し先の政治的な課題である選挙管理そのものと衆院選時期とその後の大連立とかそういうのの遠望とに分かれんのかなと。

 案件としては小沢さんの首を取れるのかどうなのか、取れないのだと小沢さんが思うなら辞任しないだろうし、取られる可能性があるなら身柄を押さえられないうちに自殺でも考えるかもしれない。私はそれこそ昭和だと思うんですよね。次の選挙を弔い合戦にすることで禊を考える風のノリは、小沢さんはいままでも良くやってきたんじゃないでしょうか。

 小沢さんが辞任を突っぱねたことで、掛け金が上がったのはいいんだけれども、申し訳ないが記事にもあるとおり十数年、いやそれ以上の期間、ゼネコンと政治家の関係をいきなりクロとする判断でもあると思うので、続々と類例が出て返り血や流れ弾に当たる政治家が多数であろうと思う。だって、最近では外資系もそうだけれども結構露骨に勉強会やパーティー名目で献金を求められる機会は増えているでしょう。民主党系議員の勉強会に顔を出すと大盛況だしね。

 で、その経費って結構みんな会社に経費として立て替えてもらってるんじゃないかと思うわけで… それは自民だろうが民主だろうが、あるいは族議員ですらない真っ当な一年生二年生であったとしてもクロと思われかねない事例だってある。正直、どうしていいか分かんないよな。

 ただ、小沢さんの件で掛け金が上がったので、勝負としては降りられないし、地検もこれ以上広げない意向だとしてもそれは小沢さんが勝ったということにはならない。たぶん秘書は有罪だろうから。ま、手慰みにこんなこと書くのもなんだけど、小沢さんが昭和手法の政治にまとめて幕引きして葬送することになるのかな、と妄想。


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Comments

finalvent氏が小沢信者だというのはわかるけども、都合のよい事実だけをつぎはぎして観念論に持ち込むあたりは、これまでfinalvent氏が批判してきた多くの事例の関係者と同じ行為だよなぁ。
finalvent氏をもってしてまで、自分の信じる対象が揺らぐとこうも凡人以下に落ちてしまう現状を見るにつれ、人間って弱い生き物だなぁと思ってしまいます。
自分も気をつけないとね。凡人以下に落ちてしまうのは仕方がないとしても、そうなってしまっている自分自身を客観視して自重できるぐらいにはなりたいものです。

小沢第1秘書が西松側に対し、献金額などを指示し、前社長がダム工事のためにお金を渡した→実際に受注増えた

金が特捜にばれる、政治資金規正法で小沢の秘書3人逮捕、小沢この時一時行方不明に

小沢の事務所、民主党岩手支部を家宅捜索。小沢『違法とは知らなかった』『違法と確定すれば返却する』

小沢民主党代表の資金管理団体「陸山会」が西山建設に「領収書」を発行していた

特捜が小沢を参考人として事情聴取を検討。西松『ちゃんと入金しないと小沢側から文句が来た』
Q&A
Q自民党とかも西松から貰っていたけど?  A記載しなかったり迂回献金をしたのは今の所、小沢だけ

Q政党支部への企業献金はセーフじゃ?
A『政治資金規正法』
・第22条の6
 1 何人も、本人の名義以外の名義又は匿名で、政治活動に関する寄附をしてはならない。
               ↑西松建設のダミー団体「新政治問題研究会」・「未来産業研究会」の献金が該当
 3 第22条の3第6項、第22条の5第1項又は第22条の6第3項の規定に違反して寄附を受けた者
  (団体にあつては、その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)
   ↑陸山会                ↑陸山会代表小沢一郎氏

Qなんで今頃?自民の陰謀?    A検察曰く、『時効が近く、証拠もあり額も突出しているから』

Q他の野党は?   A共産などそろって 『説明責任を果たせ』 だそうです


自殺対策の取組事例
第1 自殺の実態を明らかにする
第2 国民一人ひとりの気づきと見守りを促す
第3 早期対応の中心的役割を果たす人材を養成する
第4 心の健康づくりを進める
第5 適切な精神科医療を受けられるようにする
第6 社会的な取組で自殺を防ぐ
第7 自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ
第8 遺された人の苦痛を和らげる
第9 民間団体との連携を強化する
 ・
 ・
 ・
第10 検察に身柄を確保してもらう

陰謀じゃないんだったら、それはそれで政界大騒ぎだな。

>爺は観念論気味にウォルフレンさんの論考へと思索しに逝って帰ってこなくなってしまうので、たぶん感じていることは年代差もあり違うのかなと。

女房の尻に敷かれて、沖縄へ沖縄へ国家解体へと意識が向かっている稀瓦斯。
もうね自分の弁当は自分で作ったりしちゃって、硝子の男の子よ。

>爺は観念論気味にウォルフレンさんの論考へと思索しに逝って帰ってこなくなってしまうので、たぶん感じていることは年代差もあり違うのかなと。

女房の尻に敷かれて、沖縄へ沖縄へ国家解体へと意識が向かっている稀瓦斯。
もうね自分の弁当は自分で作ったりしちゃって、硝子の男の子よ。

森元首相が町村派で名誉顧問から相談役に降格した。おそらく、森元首相ら複数の自民党議員も西松建設OBの政治団体から献金を受け取っていたわけだから、検察に対して、小沢秘書逮捕とバランスを取るために、自民党サイドも責任を取るという自裁的な処置だろう。最大派閥のオーナーが自らの権力を弱めたのであるが、そのことによって浮上するのは、安倍晋三元総理だろう。今後の町村派がどのように展開するのかは今のところ分からない。森・安倍のタンデム方式を取るのか、森を追い落として安倍が単独オーナーに収まるのかはまだ不明だろう。いずれにしても、今までの自民党政権が立ち行かなくなった原因を派閥の弱体化と考えて、再び強固な派閥政治を再構築することを目論んでいるのではないだろうか?
 
また、小泉元総理が余りにもあっさりと幕引きしたのは、やはり、例の件があるのかもしれない。
 
それにしても、特捜がマスコミにリークしている情報は小事に過ぎるきらいがある。この程度では、逆に特捜自身が思わぬところから反発を食らう可能性があるかもしれない。今回の件、与野党問わずに多数の政治家は、本音としては、特捜に対して面白くないと感じているだろう。

なんかこうやって見てると贈賄も難しいよな。単に誰それに幾らってんじゃリスキー過ぎで、その周辺に心付け以外にもアリバイ工作やら、敵対勢力へ恨みを買わない程度のばら撒きとかもしないといけない様だし。
正味に1億送ろうとしたら闇工作資金2~3億用意してさ、それを作るのでも孫受け事業者まで買い叩いた上にキックバック要求したりして作るんだろうな。あ~あマンドクサ

贈賄以外の企業献金があり得るわけがない。見返りを求めない献金なんて使い込みじゃないですか。

>見返りを求めない献金
無駄金ということで責任問題ですよね
企業保険や年金に払ったほうがマシじゃないかとたたかれても仕方がない。

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    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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