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2008.05.08

サービス残業が厳しかったり、給与が上がらないのは、日本経済の生活水準が切り下がってるから

 先のエントリーの補足というか、ある種分かる人だけ読んでくれればいいやと思ってたら分かってもらいたい人から誤解されたようなメールが来ましたので。もう少し噛み砕いてすっきり書くべきだったか… すいません。


グローバリズムは何故、貧困を引き起こすか
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2008/05/post_4962.html


 最近だと、こんな記事もあります。


チーム全員がうつ退職 「人材使い捨て企業」で何が起きたか
http://diamond.jp/series/depress/10026/


 酷い会社ですね。でも、こんなの普通です。スキルの不足した人を雇って研修して給料を高く払うなんて、理想といえば理想だけど、ある程度の人数抱えた会社でそんなことしてたら会社潰れますよ。スキルのある人間が、コネで割りのいい仕事を抱えて、20人か30人ぐらいで回すのであれば高い給料は実現できるかもしれないけど、中堅から大手のソフトハウスが受託開発案件でぐるぐる回すというような労働集約的な事業で技術職に高給払えると思いますか。


 受託仕事で納品する先は、だいたい日本企業です。ソフトウェアの海外調達を実現している取引先であれば、こんな国内の苛酷な労働環境のソフトハウスに外注するより何割も安いインドやイスラエルの開発会社に発注できる。日本人が日本語で取引したいというだけで、割高な調達をしている日本企業が経済合理性の面から国際競争に勝てるはずがないです。


 必然的に、国内で国内だけ相手にしている企業と、国内も海外も市場として抱え、調達先も多様化している企業とでは、仕入れからして競争力が段違いに違います。高い開発費を支払って、仕様通りにモノが上がってこないこともある大手開発会社で働く従業員が労働が厳しいからといって、じゃあその会社がすぐさま経営を刷新して合理化すればそれで解決するかというとそういうわけでもない。むしろ、企業努力として利益を出すためにもっと人材を安く使う方策を考え、開発拠点を海外に出す動きになったりするでしょう。


 別の労働集約の現場で言うなら、アニメの原画を描く人が安月給で広告代理店にピンはねされていると問題を提起する。申し訳ないけど、そのような仕事であればさらに安い金額で実現できる作画スタジオやCGスタジオを映画会社は投資として自前で抱えている。そういう安月給で頑張っている日本のアニメ業界の底辺には同情はするけれども、B-29が飛んでるところで竹やり振り回して頑張る未満の状況が発生しているんです。だから、彼らが団結して権利を主張したところで、仕事が来なくなるだけのことになりかねない。


 個人個人で考えれば、激務で給料が上がらず大変で鬱になる、あるいは働いても働いても喰うか喰わずか程度の薄給で頑張らざるを得ず擦り切れるように社会から消えていくのは、激しく同情するけれども、見方を変えれば日本経済の成長が終わって、世界との競争の中で負けはじめて生活水準が切り下がってきているんだよ、と考えることもできるかもしれない。心情的には薄給で頑張っている人を応援したい、鬱になった人の復帰を促したいと思うけれども、農家のような補助金がない保護の対象とならない産業で金の回らない部門に落ち着かれてしまったら、どうにも手の差し伸べようがないというのが現実でしょう。


 翻って、それがグローバル経済なのだから反対してそれでいいかというと、それはまた別の話で、結局のところ格差の輸出という側面は変わらない。ワープアとかいろいろ言うけれども、そもそも論として医療分野や福祉分野のように必ずしも大きな付加価値を社会に与えるわけではない事業領域だと、診療報酬や薬価で政府に決められた枠組みで働く限り救急医療や産婦人科などリスクの高いところに人は行かず、儲からないから給金も出せないわけです。医者になるために何千万と投資して、結果として月給20万とかそういう大学病院勤務医が現実にいるんですよ。一方で、自費治療専門でやってる歯科とか、最初から大量の資金を投下して検査医療をやってるところや審美治療専門のところはそれなりに儲かっている。それは本来自由経済が範とする自己責任の字義と合致しているかと聞かれると微妙だろうと思います。


 政府が政策としてフォローしている分野でさえこうであるなら、介入しない業界では結構な無茶を従業員に強いなければ利益どころか存続もむつかしいような企業がゴロゴロ出てくる。景気が悪くなるとそういうところからダンピングが始まって、どうにもならなくなると中小企業対策の名の下に帳尻合わせのバラマキが始まる。それが悪いというのではなく、もうそうなることは分かっているのだから、せめて少しでも衝撃を和らげる方法はないだろうかと思っている、ということです。


 国内だけ見るとそういう話で、海外のこともあわせると若干話が広がってくるけど、金融の世界で言うならもう結構切羽詰まっているんです。悪いシナリオだと、もうそろそろ調達が満足にできなくなってくる。資源高で一時的に膨れ上がったファンドから、暴風雨的な投資局面が来て、それが一服して、期待するほど将来の利益が見られないねとなったら一斉に引き上げようとする、の繰り返しです。そういう賭場に居るのは良くない顔つきの勝負師ばかり。でも、それが現実なんだから仕方がないでしょう。最終局面だから、勝ち逃げとババ抜きを狙って掛け金が上がっているんです。そのうち、サブプライムとかいう以前に消費者ローンさえ大掛かりに焦げ付くようになるでしょ。対策むなしく。


 そういうのが、経済学ではどう解釈され、どう予測されているのか、経済学の学徒ではない私には分からんです。でも、経済自体はバブルみたいなもんだから、どこまで連鎖するのか、何を守るべきなのかは本来考えておいたほうがいいよねという話をしたいんです。全部を守りきるというのは恐らく無理であるから、せめて日本社会が固有で持っていた無形の何かとか、何かの体験とか、次に繋がるようなものを模索するだけしておいたほうがいいだろうと、そう思っているんです。だから、別にAPECのありように失望したとか、想定しうるシナリオに対して各国で充分な議論がなされないまま無防備に危機へ突入するかもしれないとか、そういう形而上の懸念は当然あるけれども、現実問題としてどうにもならないんだから、仕方がないだろうという話です。


 移民の話を出したのは、まあ私が移民政策には賛成しないからというのもあるが、もうそろそろそういうルールではなくなるんじゃないのか、というのが問題意識でありまして。たぶん、(危険な思想ではあるのだろうけど)世界は新しい対立を求めているんだと思うんですよ。分かりやすい、互角の対立を。誰が敵で、誰が味方なのか、はっきりさせたいんだと思いますけどね。


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Comments

移民を受け入れるって考えも、50年先の日本の人口ピラミッド見て、ニホンが維持できそうにないからなんでしょうね。
まぁ50年たってみてからじゃないと誰もわからないのかもしれません。


正月のNHK特番で、100年後に民主主義が残ってるかどうかわからんってのやってましたね。

あんまりまとまりなくてすいません。

(うん、うちのチームも今、全員鬱で退職したり休職したりしてますよ・・・。自分含めて。仕事ください。

ハテブで笑えたが
>> yukky2001 economy 直感的にはそう思えるかもしれないが、実際どうなのかはデータの裏づけが無いとわからない。その意味では眉唾。

経済学的にはどう見えるか分からんが、という前提での議論じゃないの、これ。

公共経済学を現実に働いてる隊長氏の視点から構築するとこういう感じになるわな。
問題は、マクロで起きる大きな歪を吸収する経済自体が持つ自律能力が日本に限らず各国で損なわれていること。鉱工業生産や設備統計では読み解けない細やかな問題は、必ず金融セクターに現れるから、隊長氏や貿易会社、商社なんかのポジションの人が真っ先にそれに気づくんだろうね。
それで、どうにもならないのは分かっているから、悲観的な将来を受け入れざるを得ないと。
それ、どこのオイルショックですか?
だけど、オイルショックは日本が高度経済成長真っ只中で、国際競争も限定的だったから日本単体の自律調整力と産業界の頑張りで吸収できたんだよね。
じゃ、今回は?
隊長氏の問いかけはここで終わってる。終わらざるを得ない。
ってところか。

ディプロマシーでの勝利、おめでとうございます。

チトこの言い方では語弊があるかも分からんけど、「形式」を残したいってことかな。

もしくは、美術用語で言うところの「意味作用」を体系的に補完ではなく“保管”したいってことかしら?
どうせ、(排除なんて主体的行為を採るまでもなく、というか端からそういう余裕は(喧伝されるようには)存在せず、必然的に)ぐずぐずになるのであれば(せめて)支持体の経済は存続させないといけない、とか。

保守ですねぇ。まさしく。

筋金入りの保守主義者ですね。
前のコメントでリアリストではないかという指摘もされてましたが、どちらかといえば保守だと思います。

筋金入りの保守主義者ですね。
前のコメントでリアリストではないかという指摘もされてましたが、どちらかといえば保守だと思います。

移民を受け入れるのではなく、日本人が移民する必要があるのだよ。ただし、戦後直後にしたような棄民ではなくて、歓迎されるところへね。

例えば、ネットカフェ難民というけど、彼等に同情はしていない。自らが招いた災いだから。都会にあこがれて、親元を離れて、もっといえば、故郷を捨てて、割高な家賃だということはわかっていて、なにも対策をとっていない。ニューヨークだって、ルームシェアで、中には自分の肉体を提供してまで、頑張っているのが大都市の現実で、こういう状況は様々な形をもってやっているわけだ。だから、ネットカフェ難民は甘すぎる。ただね、公団の団地が余っているなら、もう単身の若者や大学生には安く提供してもいいような気はする。これは政策上の問題だから、ネットカフェ難民がデモでもして獲得するしかないわけだ。だから同情はしていない。どちらかというと、軽蔑している。

もう一つは、自分の身に対する甘え。社会が悪いわけでないのに、社会のせいにできてしまうこと。自分の幸せは自分でつかむしかない。自分で幸せになれないというのは、子供だということだよ。通過儀礼でもなんでもいいから、大人として地に足をつけるしかない。社会に参加していないだけだし。これについては強制できるわけでないから、成長を見守るしかない。黙っている大人の多くはこれだよ。苦労している大人ほど、黙っている。ぐちゃぐちゃ、あれこれ言うのがいたら、それは大人でもないし、そのジジイだって子供なんだよ。黙ってろよとか思うときがある。とくに、ネットはね。

だいたい、赤坂に中国人やらうじゃうじゃいるっていうのは、何の保護もないのに、生き残るスベが強いからだよ。現在の状況だと、中国人を30万人受け入れたらだよ。ほとんどの日本の若者は負けてしまうのだよ。どうすんだか。負けてから、立ち上がっても遅くはないと思うけど。

残業できる体力がないなら、まず体力作りだとか、残業がない貧乏生活をするとか、もし、残業ができる体力があるのに、不満をいっているなら、ダメだな。終わりだよ。もったいないよ。

ただなぁ、教育の質が悪いからな。自分で気がつけば、活路になるとは思うよ。あと、せめて、世間をナマでライブで知った方がいいよなぁ。過保護から抜け出すだけなんだけど。ま、現実は残酷だから、誰にも等しくやってくるんだし…

隊長、大量に売りポジ?既に売ってるか、これから売るつもりかどっちだろう。あるいは、本気でエモーショナルになってるのか。

後者だと軽蔑してしまうけどな。

I11 労働犯罪, 無賃残業, 時間外労働, 搾取, 過労, 残業, 魚は頭から腐る 経営能力・営業能力の無い経営者の言い訳にしか聞こえない。「こんなの普通です」に呆れた。山本一郎氏の会社では労働犯罪の無賃残業が常態化しているから「普通」と感じるだけなのでは。(苦笑)

↑記事から紐付けた各論から議論を進めてるだけなのに、つきだしのところでバカが喚いてて笑えるw

日本の経済成長が止まって、なおかつ世界市場と相手しなきゃならないモノだから、生活水準は切り下がる一方で根本的な対策は無いんですな。その生活水準が下がると言うことを受け入れられるかどうかって事なんでしょ。

せめて内需だけでもどうにか回復させて、ほんの、ほんの少しだけでも緩衝材代わりに出来れば
って無理だよな

何言ってんだ
移民を受け入れるんだよ

まだ名古屋で働けばマシな仕事たくさんあるよ
昔臭い製造業を現代型に進化させた街だから、製品は世界とガチで戦ってるけど労働市場は世界とガチで戦ってない。
原油高と円高のせいで今後は分からんが・・・

システムしだいではアニメータの給料は上げれるよ
あれは単純にシステムが腐ってるから、どう見てもお値打ちじゃない、完全な搾取構造。

ITが厳しいのは同意
世界とガチで戦わなきゃならない労働市場だから。

貧乏人ばっかり?アイテーが無能者から「かつて仕事と呼んでいた何がしか」を奪ったのが原因なのかと思ってますが、何か。

Googleの親会社の株主であらせられる隊長は勝ち組!

>>みかん氏
移民策に積極的な層は生活水準が下がりそうにない人たちに見えます。
移民推進論者は単に自分に都合がいいからそれを採用しているだけでしょう。

なんてことを思ってしまう、政府を信用できない、って根本的な問題があるように思います。

経済学分かりません、理解する気ありません、って言いながら経済のことを語るのってどうなんだろう。

>Posted by: | 2008.05.08 at 17:48

実際には、国内に地方や出身をベースとした職業斡旋から地下銀行に到るまで、中国人による互助会的なネットワークが80年代から存在します。

何の保護もないというのは違います。

あー、例の裏都庁ってやつですね、分かります。

>>例えば、ネットカフェ難民というけど、彼等に同情はしていない。自らが招いた災いだから。都会にあこがれて、親元を離れて、もっといえば、故郷を捨てて、割高な家賃だということはわかっていて、なにも対策をとっていない。

それで、地元に帰って親に頭下げて同居して、仕事を探せと?地元に帰ればある程度の仕事の需要があるという前提が全ての地域で当てはまるとは限らないし。地元に仕事が無いから都会に出てネカフェ難民になっているという人もいるし、ネカフェ難民全員が同情するに値しない人間と言うわけではない。定職に就きたいのに、見つからない人もたくさんいる。どんなネカフェ難民を糾弾したいの?

もともと日本って輸出産業以外は生産性低いんですよ。けどそういう産業の従業者も以前は暮らし向きは良かった。自分のサービスは高値で売って、国際競争にさらされる輸出産業のサービスは安値で買えてたからです。その分輸出産業の従業者の方は言うほど豊かな暮らしは出来なかったのですが。

今苦しんでるのは、もともと生産性が低い上にグローバル化なり中印の台頭なりの影響で自分のサービスの売値がガクッと下がった産業の人達。もともと生産性が低い上に売値が下がったら儲けようがない。要するに、結局根本的な問題は低生産性です。ここまでは。特にこれまで日本を食わしてきた輸出産業の人達から見れば。

けど、移民受け入れとなると話はまた大きく変わります。これまで輸出産業が自分のサービスを安値で売ることで日本の他の産業の従事者の暮らし向きも引き上げてきたわけですが、移民が自由になれば中国人の暮らし向きを良くする為にせっせと働くことになるわけですな。そして、移民は母国より暮らし向きが良い限り入り続けるでしょう。原理的には、日本と母国の暮らし向きが大差なくなるまで。

あとは、やっぱり10年以上も不況続けて貧乏にならんほうがおかしい、という問題はあろうかと思います。特に労働市場の調整能力が必ずしも高くない日本で。ちょっと景気が上向いたぐらいで吹っ飛ぶわけがないです。

俺は長野での聖火リレー騒動見て、確実に日本人には移民社会(の主人としての)の適性は無いと思ったね。
とにかく日本人には威厳が無いことが問題だ。
ここで言う威厳とは、何も言わなくても他を圧倒したり威圧できる存在感だ。これが致命的に無い。
特に、若い世代にはまるで無い。当然、舐められるわけだ。
警察官が留学生に取り囲まれるとか、逮捕できないとか、まずアメリカやドイツやイギリスでは無い。
ネットでわめくことしかできてないし、完全に余裕を失っている。
YahooやYoutubeのコメントを見ても、常軌を逸している。
中国人に対する恐れが前面に出てしまっている。
冷静に批判することができていない。
全然駄目だ。まるで移民社会の適性が無い。
これで移民社会に移行しようなんて冗談は止めてくれ。
俺は弱弱しい日本人が発狂することを本気で心配する。

フランスでは移民による暴動が起こったのに、ドイツではなぜ暴動が起こらなかったと思う?
それは、ドイツ人には厳格な威厳があるから。
移民は、ドイツ人を恐れている。
だから、ドイツ人に逆らうようなまねはしない。
ドイツW杯のとき、移民たちはドイツ人の歓心を買おうと、ドイツ国旗を持って必死でドイツを応援していた。
「私たちはドイツに忠誠を誓っております!」というアピールだ。
それを見てドイツ人は「フム、よろしい。」と思うわけだ。
何も言わなくてもそうさせる威厳、威圧感がドイツ人には自然と備わっている。
ところが日本人にはまるで無い。特に若い世代には。
アメリカでも事あるごとにアメリカに対する忠誠を示さなければならない。
何も言わなくてもそういう雰囲気が自然とある。
言葉では十分な威圧はできない。無言で威圧できなければならない。
そう言えばフランスでも、サルコジの右派が政権を取ってからめっきり移民たちはおとなしくなったな。

移民社会を甘く見ている人間は、一度移民社会に住んでみればいい。
学生という大層な身分ではなくてな。
決して頭の中がお花畑で済む世界ではない。
まあ、優秀な人間なら平気だけどさ。
とにかく、日本人に移民社会の「主人」としての適性があるかどうか考えてみることだ。

移民社会容認の人達は、わが国の食料自給率をどう見ているのかね?
すでに食料輸出国は、輸出規制を始めている。
これからは、国民を食べさせるだけで大変な時代に入ってくる。
万が一、世界的な食糧危機が起こったらどうするのかね?
食料だけでなく、資源やエネルギーの問題もある。
人口増は難しい情勢だ。

日本にアメリカやヨーロッパの真似ができると思うなら、一度アメリカやヨーロッパの田舎を徹底的に回ってみることをオススメする。
愕然とするぜ、まったく。
豊か過ぎるとしか言いようのない肥沃で広大な大地。
まさに、「神が祝福する国」と彼らが言うに十分だ。
それに比べて、わが国の狭くて貧弱な大地のこと。
愕然とするぜ、まったく。

そんな豊か過ぎる大地を持つアメリカやヨーロッパですら、現在は移民の審査はかなり厳しくなっている。
移民になるには、極めて困難な情勢だ。
それなのに、貧弱な大地、貧弱な資源しかないわが国で移民社会が可能だと?
どうやって養っていくのさ?
外国は、ただで食糧を恵んではくれないよ?
今ですら、輸出規制を始めている。困ったものだ。将来どうなる?

俺は、必要な範囲で外国人労働者を受け入れる制度(労働ビザ)で十分だと思うね。
その中で帰化申請があれば、十分な審査の上で帰化させればいい。
これがベストでしょ。
移民社会なんてとんでもない。

パイの縮小は当然あるけど、労働分配率が切り下がってると言う点を無視するのはいかがなものかと。

結局「根本的に人間が多すぎる」ことに尽きるんではないかと。
地球の適正人口(言語を操ることが出来る生物の適正な数)なんて数億人、ひょっとしたら数千万人ぐらいじゃないですか。

あと日本は奴隷的な人間集団を輸入することなくここまで統計を上げることに成功した稀有な国家だから、移民をde jureで数百万人受け入れることができたとしてもde factoでは誰も想像しないような強固なセグリゲーション策が草の根で実行されて誰も来たがらなくなると思うね。たとえば小学校で移民の子を「わざと虐めさせる」ように、J-POPアーティストなんかに言わせたりね。

日本人が移民に向かないとしたら、それはおそらく日本の文化によるものだと思うなあ。もっと広義にいうならアジア圏の文化か、いわゆる「空気読め」とか「以心伝心」という概念が欧米社会にはないからコミュニケーションがとりにくい。このことを理解していても現実の場面で念頭に踏まえて行動できる人は少ないだろうし。(中国人はどうなのかわからない、中華街作って独自にコミュニティ持っているなかで外部とのつながりをどう持っているのかわからないし、街中であう中国人は中華料理店の従業員が多いし、この点は韓国人も一緒)もう一点としては日本が開国してからまだほんの200年もたってないから移民(出る人、くる人両方)に慣れていないのだとも考えられる。「日本人は幾つの民族から成り立っていますか」という質問に答えられる人はそう多く無いだろうし日本人が単一民族で成り立っていると考えている人が多いとなるとそもそもその段階から他民族とうまく付き合っていくという考え(相互の文化を大事にする)という感覚が育ち難いだろう。国内の人口が減ってより日本国内に定住する(日本人と国際結婚して定住する)外国人が増えてくれば日本の文化に変化が生じて移民しやすくなるかもしれんが。しかし、世界的に食糧が少なくなるかもしれないというのにどこが受け入れてくれると言うのか。ちょっと酒入ってて書いたので、変な論だったらどんどんつっこんで下さい。

知らないなら黙ってればいいのに 小寺信良

すでに外食チェーンやコンビニ、食品工場など
で働く多くの外国人がおりますし
彼らなくしてこれらの産業はなりたたなくなってしまっています。

日本は元々移民社会

歴史は繰り返し、いずれ移民VS先住民
の崇仏派蘇我VS廃仏派物部戦争が未来に起こるでしょう。

ってもうおこってたりして
蘇我氏勝利に3000点

>すでに外食チェーンやコンビニ、食品工場など
>で働く多くの外国人がおりますし

だから、労働ビザで十分だと俺は言ってるわけだが。
どうして移民である必要がある?
外国人労働者で十分じゃないか。
そもそも、彼ら自身日本に馴染めるかどうか不安もあるだろうし、
一時的に日本で稼ぎ、将来は母国に帰国したい人も大勢いるだろう。
日本に馴染めて、日本に定住し、日本に帰化したいと思った人を
十分な審査の上で帰化させれば良いだけ。

それから、日本人の適性・食料・資源・エネルギーの問題に加えて、
CO2削減の問題も提起しておこう。
これから恐らく、先進国は排出削減義務付け→排出権取引へと向かうだろう。(国際政治力学的に)
目標を達成できなければ、膨大なコストを支払わなければならなくなる。
人口増は、この点からも明らかに不利である。
ピンポイント(労働者不足産業)での、外国人労働者受け入れで十分。
問題のある人は、労働ビザ打ち切りで対処できるし、
外国人労働者数の調整も労働ビザの発給調整で可能だ。
移民の場合は、そうはいかない。

いずれにしても、世界的に移民政策の見直しが進んでいる。
大きな政策転換が世界的に起こっている。
それは、上記のような地球環境の「大変化」を十分考慮しての事だ。
各国政府や各国エコノミストはそれほど馬鹿ではないという証拠だ。
そもそもの基礎条件が欧米よりもはるかに劣っている上に、どうして時代遅れの政策を採る必要がある?
いまどき移民社会への移行なんて言い出したら、欧米のエリートに陰でクスクス笑われるぜ、まったく。
俺は、そこまで日本の政策当局者や政治家や経営者が馬鹿ではないと信じたい。
今更移民社会なんてとんでもないわ。時代錯誤も甚だしい。

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    ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。
    著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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