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2006.02.05

アメリカの言いぶん

ushi5
アメリカ産の狂牛肉が、輸入再開からわずか1ヶ月でソッコー輸入禁止になった問題について、ニポン側とアメリカ側の言いぶんは、大きく違ってる。だけど、これが政府間レベルの話の場合には、単なる事実関係だけじゃなくて、立場上の問題とか、それぞれの利権とか、色んな思惑が入り混じっての攻防戦になるから、何も真実は見えて来ない。大嘘の答弁を繰り返す中川昭一にしたって、狂牛肉の輸入再開を熱望してる日本フードサービス協会から長年に渡って献金を受けてたんだから、ここにも、自民党と建設業界との癒着と同じに、生臭いニオイがプンプンとしてる。だから、今回は、リトル視点を変えて、アメリカ側の国民レベルでの言いぶんと、そのバックボーンについて書いてみようと思う。

今回の輸入禁止について、ニポン国民の言いぶんとしては、「特定危険部位を完全に取り除くって言う約束が守られていなかったんだから、輸入禁止になったのは当然だし、その責任はアメリカ側にある」とか、「アメリカ側にも責任はあるけど、きちんと調査しなかった日本政府にも問題がある」とか、「アメリカの圧力に屈して輸入再開を急いだ日本政府の責任だ」とか、「コイズミはニポンの恥だ!」とか、「MAXのニューアルバムは2月22日に発売でーす♪」とか、色んな意見があるけど、すべてに共通することは、「アメリカが約束を守らなかったから輸入禁止になった」って点だ。

これに対して、アメリカ側は、自分たちが約束を守らなかったことなんかタナに上げちゃって、「私たちは毎日食べている肉なのに、それを危険部位に特定してる日本人がおかしい」なんてワンダホーなことを言ってる人たちもいる。いつものあたしなら、ここで、「だからアングロサクソンは単細胞なんだよ!」とかって書くとこなんだけど、今日はリトル冷静になってみた。そしたら、双方の国の世論の違いの根っこにあるのは、この部分なんだってことが見えて来た。ようするに、アメリカ人にしてみたら、自分たちの国では禁止になってなくて、みんなが毎日食べてる肉、つまり、「安全だ」って信じてる肉なのに、それを除去しろとか言ってるニポン人のほうがおかしい、神経質すぎる‥‥って思ってる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、ニポン人とアメリカ人の感覚に、何でこれほどの温度差があるのかって言うと、アメリカでは、狂牛病に関する正しい報道がほとんどなされていないからだ。肉が主食みたいなアメリカでは、食肉関係の企業と政治家との癒着がすさまじくて、選挙で勝つためには、いかに食肉関係の企業の票を取り込むかってことも大きなポイントになる。今、支持率が風前のともし火のブッシュが、必死になって畜産業界や精肉業界に対するゴマスリコメントを連発してるのも、こんな背景があるからだ。だから、自分の国の牛肉が危険だなんてことは、できるだけ国民に知られないようにしてるワケで、そのための情報操作やインペイ工作は、まるで自民党の森派並みなのだ。それで、真実を知らされてないアメリカ国民の多くは、何も知らずに、異常プリオンが満載の狂牛肉を毎日毎日食べ、どんどん狂牛病に感染してるってワケなのだ。

そして、真実をインペイし続けてる畜産業界や精肉業界の悪党どもと、何も知らない消費者との中間の立場の人たち、つまり、外食産業の人たちは、当然、内情に詳しい。だから、その多くは、ニポンの吉野家やすかいらーくのように、危険だってことを誰よりも知ってるクセに、平然と販売し続けてる。だけど、アメリカにだって、すき家のように、消費者の命にかかわるような危険極まりない食品は扱えないって思ってるマトモな企業もある。

2月1日付の「ニューズウィーク」に、長年、BSE問題を取材しているドキュメンタリー作家、ナンシー・グッドの最新レポートが掲載されたんだけど、その中には、ニポン人が知らされてるのとは大きくかけはなれた、アメリカの実情が書かれていた。それは、「目の前に迫るヒト感染の恐怖」ってタイトルの長いレポートなんだけど、とりあえず、冒頭の部分だけを引用してみる。


「アメリカの肉牛管理体制には問題がある」、不安と怒りをにじませてそう訴えているのは、日本の消費者だけではない。成田空港でアメリカ産牛肉に「特定危険部位」の脊柱が見つかった日から、さかのぼること1ヶ月前の昨年12月19日、米マクドナルド社が、米食品医薬品局(FDA)に一通の書簡を送った。それは、牛肉の生産、処理、加工、流通の過程における安全対策の強化を求める内容だった。「米政府には、リスクを減らすためにできることがもっとあるはずだ」と、マクドナルドのリチャード・クロフォード副社長は書簡に書いている。同社としてはBSE感染のリスクを可能なかぎりゼロにしたいが、一部の飼料を米政府が使用禁止の飼料から除外しているため、目標達成は困難もしくは不可能になっている、と訴えた。クロフォードは、認識票などで牛を1頭ずつ個体管理するシステムや、原産地から流通にいたる狂牛ルートを追跡確認できるようにする、いわゆるトレーサビリティー制度がアメリカに存在しないことにも懸念を示した。いずれも、日本にはすでに導入されている制度だ。1月20日に成田空港の検疫所で問題の牛肉が発見されたのを受けて、日本はただちにアメリカ産牛肉の輸入再停止を決めた。再開からわずか1ヶ月後の再停止で、小泉政権の責任を追及する声が高まることは確実だ。昨年の輸入再開に際しては、BSEの原因物質が蓄積しやすい脊柱や脳などの特定危険部位を除去した月齢20ヶ月以下の牛であることが条件とされた。そして、米政府は、食肉処理施設での検査を厳格化し、月齢の証明書を発行するなどの対策を講じると約束した。しかし、今回、背骨が見つかった牛肉を出荷したニューヨーク州のアトランティック・ビール・アンド・ラム社には、農務省の検査官が常駐していたのにも関わらず、何の検査も行なわれていなかったのだ。管理体制がずさんなことをあらためて浮き彫りにした今回の事件で、米政府に対する批判が日本で再び高まることは間違いない。さらに注目すべきは、アメリカ国内でも当局の風当たりが強まり始めたことだ。米政府の姿勢に疑問を投げかけたのは、マクドナルドだけではない。乳製品大手のランド・オ・レイクス社なども、現行の対策が不十分であることに懸念を示す書簡をFDAに送った。


‥‥そんなワケで、あのマクドナルドが‥‥って言ったら失礼だけど、マクドナルドでさえも‥‥ってのも失礼だけど、マクドナルドが、「現在のアメリカのやり方はBSE感染のリスクが高すぎる」って断言してるワケで、その1番目の理由として、「危険な肉骨粉の混じった飼料」「ダウナー牛(病気で歩けなくなった牛)の死体を混ぜた飼料」「鶏糞ゴミ飼料」などを許可している現行の法律が問題だって言ってる。そして、2番目の理由として、ニポンのように牛を1頭ずつ個体管理するシステムがアメリカには無いってことが問題だって言ってる。そして、これらを改善するだけでも、BSE感染のリスクは大幅に減少するんだから、何とかしてくれって訴えたワケだ。そして、マクドナルドが危機を訴えるほどヒドイ状況なのに、何も知らずに危険な狂牛肉をパクパクと食べてるアメリカ人が何で多いのかって言うと、ひとつの呆れ果てた裁判がキッカケになっていたのだ。

今から10年前、1996年4月のこと、アメリカの人気司会者で女優のオプラ・ウィンフリーのトーク番組、「オプラ・ウィンフリー・ショー」に、牧畜農家のカウボーイから菜食主義者に転身した男性、ハワード・ライマンが、ゲストに呼ばれた。そして、ライマンは、あまりにもデタラメで危険極まりない食肉牛の飼育や処理の実態と、狂牛病の恐ろしさについて、現場で働いていた実体験を話した。それまでは、政府と業界によってほとんどがインペイされていた事実だったために、その衝撃は、あっと言う間に全米に広がったのだ。トークの内容をすべて引くと、膨大な量になっちゃうので、一部分を引いてみる。


ライマン(以下R) 「狂牛病に感染して発病した者は、あまりにも悲惨です。狂牛病に比べれば、エイズなどただの風邪のようなものです。」

ウィンフリー(以下W) 「そのコメントは極端すぎませんか?」

R 「もちろん極端なコメントですが、それほど恐ろしい病気だと言うことです。私たちアメリカ人は、イギリスとまったく同じ道をたどっているのです。政府は10年間も、これほど大きな問題に対して何ひとつ対策を取らずに、国民に危険な牛肉を食べさせ続けて来たのです。この国では、毎年何十万頭もの牛が、昨晩までは元気だったのに、次の日の朝には死んでいるのです。そして、こう言った死亡牛は、死亡原因も調べぬまま、肉も骨も内蔵もすべてミンチにされて、別の牛のエサになっているのです。」

W 「ええっ? 牛は草食動物じゃなかったんですか? 牛に牛の肉を食べさせるなんて、そんなことが許されるのですか?」

R 「おっしゃる通りです。こんなことは、絶対にあってはいけないことなのです。しかし、我々畜産業者は、自然の摂理を無視して、本来は草食動物である牛に、原因不明の病気で死んだ仲間の肉を食べさせ続けて来たのです。我々は、牛を肉食動物にしてしまっただけでなく、共食い動物にしてしまったのです。そして、これこそが、狂牛病拡散の原因なのです。」


今でこそ、肉骨粉や骨脂を牛の飼料にしていることは周知の事実になったけど、たった10年前には、ほとんどのアメリカ人は、この事実を知らされていなかったのだ。アメリカ人の多くは、牧草を食べて育った健康な牛の肉だと信じて、ハンバーガーやステーキを毎日食べていたってワケだ。そして、この衝撃の事実を知り、あまりの恐ろしさに、客席のあちこちから悲鳴があがり、司会者のオプラ・ウィンフリーは、テレビカメラに向かってこう宣言した。


「私は、もう二度とハンバーガーを食べないわ!」


これは、人間として、当然のセリフだろう。だけど、真実を伝えたライマンと、その真実に対して当然のコメントを発したウィンフリーの2人は、こともあろうに、「全米肉牛生産者協会」から「食料誹謗罪」で訴えられたのだ。タバコを吸い続けてたら肺ガンになったと言って、そのタバコ会社を訴えたり、ファーストフード店のポテトを食べ続けてたら肥満になったと言って、そのファーストフード店を訴えたりと、ニポン人には理解に苦しむアメリカ人の感覚だけど、この裁判にも呆れ果てる。もちろん、全米肉牛生産者協会のトンチンカンな訴えが通るワケもなく、ライマンとウィンフリーは勝訴したんだけど、この出来事によって、アメリカのメディアには、「狂牛病問題を扱うのはタブー」「狂牛病問題について語るとメンドウなことになる」って言う風潮が広まっちゃったのだ。ま、畜産業界や食肉業界とベッタリ癒着してる政治家だらけなんだから、当然のことだけど。

‥‥そんなワケで、ニューズウィークのナンシー・グッドのレポートでは、メディアの口封じをして、国民に真実を伝えないように根回ししてるアメリカ政府と比べて、ニポンのメディアについては、次のように書いている。


国民に正しい情報を伝えないようにしているアメリカとは反対に、日本では、牛肉の安全性に関する報道があふれている。しかしメディアの報道をみるかぎり、政府の決定に対する不透明感はぬぐえない。昨年12月に食品安全委員会が出した答申は、「アメリカ産牛肉のリスク評価は現時点では困難」としていた。月齢を正確に把握していないなど、管理体制のデータが不十分なアメリカが、日本の求める検査基準を実行できるかどうか検証しようがなかったからだ。それがなぜ輸入再開の根拠となったのか、未だに明確な説明はない。今回の輸入再停止で、日本政府の責任を追及する声と、アメリカの管理体制に対する不信感がさらに高まることは必至だ。


おいおいおいおいおーーーーーーい! 中川昭一! お前なあ、言ってることが正反対じゃん! このレポートでは、ニポンの食品安全委員会が12月に出した答申書には「アメリカ産牛肉のリスク評価は現時点では困難」って書いてあったって言ってるぞ! ニポン国内に発表したものは、「リスクは極めて小さく、輸入再開には何ら問題はない」って書いてあって、お前は、その答申書をモトにして輸入再開を決定したんだろが!? こんな大嘘をつきやがって、開いた口から小さいきっこたちがゾロゾロと出て来ちゃうほどのお粗末さだよ、まったく。アメリカ側の人間が、「管理体制が不十分なアメリカが、日本の求める検査基準を実行できるかどうか検証しようがないのに、何で輸入再開になったのか理解できない」って言ってんだぞ!

年金の未納額が国会議員の中でトップの中川昭一は、ニポン国民には「リスクは極めて小さく、輸入再開には何ら問題はない」って大嘘をつき、アメリカ側には「アメリカ産牛肉のリスク評価は現時点では困難」だって伝えて、それなのに、突然の輸入再開。アメリカ側にしてみたら、今のアメリカのシステムだと、ハッキリした月齢も分かんないし、管理体制も不十分だし、ニポン側の言う通り、現時点ではニポン側の希望する形での輸出はムリだって分かってたのだ。それなのに、何の対策も行なわれないまま、輸入再開になっちゃったんだから、そりゃあ背骨のついた狂牛肉が混じってても当然だろう。ようするに、すべては、「12月中の輸入再開ありき」で進めて来たコイズミのやり方にムリがあったってワケだ。

そして、泥酔したハレンチな姿を全国ネットで生中継されちゃった中川昭一は、「事前に日本側が現地調査してから閣議決定する」って言う政府答弁書の方針を無視したことについては、「輸入再開以降でなければ、米国の施設が適切かどうか判断できないと思った」なんて、あまりにも苦し紛れなイイワケをしてたけど、ホントのところは、「アメリカ産牛肉のリスク評価は現時点では困難」だから、査察に行ってもムダだって思ったんだろ?

さらに、水鉄砲にニポン酒を入れて自分の口の中に発射するのが好きな中川昭一は、この前の国会の答弁で、「プリオン専門調査会がきちんと調査して、安全であると言うことを確認した上で、ちゃんとパブリックコメントも実施して、そして輸入再開をしたのですから、事前に現地調査をしなくても、何も問題はないと判断したのです」って、またまた大嘘を炸裂させた。そこまで言うんなら、そのパブリックコメントが何通集まって、どんな結果だったのか、全国民の前で、言えるもんなら言ってみろってんだ!

去年の12月30日の日記、「それでも食べたい人はご自由に」の中にも書いたけど、内閣府食品安全委員会は、11月末までパブリックコメントを募り、約9000通が集まったんだけど、それらはダンボールの箱に入れたまま、誰も目を通さずに、一度も会議をせずに、輸入再開を決定したのだ。ようするに、「国民の声を聞きました」って言う大義名分を作るための、形だけのパブリックコメントを実施したってだけのことで、これこそが、コイズミ茶番内閣の真髄だろう。募集するだけしといて、ダンボールに入れっぱなしで、見てもいないクセに、何が「ちゃんとパブリックコメントも実施して」だよ。この大嘘つきの二日酔い!

‥‥そんなワケで、今回は、いつもと視点を変えて、アメリカ側から見てみたんだけど、それでもいつもと同じように、コイズミが諸悪の根源て言う結論に達した。まあ、コイズミが使いもんになんないデクノボーだってことは、学歴詐称、企業癒着、闇献金、年金未納、家庭内暴力、レイプ疑惑、殺人疑惑、他にも数え切れないほどの悪行三昧の輝かしい経歴を見れば一目瞭然だけど、こんな大犯罪者がニポンの総理大臣だとは、国民として、これほど恥ずかしいことはない。そして、脳みそがスポンジ状でマトモなニポン語すら話せないコイズミを頂点に、大嘘つきの酔っぱらい、アメリカに住民票のある売国奴、ホニャララ団をバックに持つ早口男、マンガしか読まないバカ、しけった草加せんべい、2階から闇献金が降って来る工作員、環境破壊オバサン、ライブドアのパシリの白ブタなどなど、あまりにも優秀なコイズミ内閣の面々と、この素晴らしい税金ドロボウたちに投票したオメデタイ国民たちに、アメリカの狂牛たちも口からヨダレを垂れ流しながら呆れ果ててると思う狂牛この頃なのだ(笑)


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