あたっく系

第217夜。
今回はアクションシューティングで。

日本物産の「コスモポリスギャリバン」を紹介いたします。

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パワースーツをまとう事のできる主人公を操作し、悪の首領「ゴース」を倒す事が目的のアクションシューティングゲームです。

１レバー２ボタンで自機を操作。
８方向レバーで自機をしゃがませたり、ジャンプさせたりします。
また、ボタンはパンチとキックに割り当てられています。

自機は最初、人間の形態をしていますが、道中に落ちている赤青の「パワークリスタル」を取る事によって「ギャリバン」に変身することができます。




ギャリバンに変身すると、パンチがバスタービームに変化し、飛び道具を撃つ事ができるようになります。さらに耐久力が上昇。
また、変身した瞬間に限り自機の体力が満タンになります。

ギャリバン状態でパワークリスタルを取ると、青だと８秒間ブレード攻撃が、赤だと８秒間強力なパンチ系の飛び道具が放たれます。
効力としてはどちらも似たようなもので、強力な敵でも一撃で破壊できるというもの。
耐久力のある敵をブレードなどで倒すと、1000点が入ります。

ギャリバン状態で体力が半分まで減ると再び人間状態に戻ってしまいます（ただしゴース戦のみは例外的に体力が半分以下でも人間にならない）。
この状態から体力を増やすには、再びクリスタルを取るしかありません。


体力が０になると、自機を１機失います。

残機が全て無くなるとゲームオーバー。
ステージは全２面構成のループゲームです。


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タイトルを見てわかる方も多いかもしれませんが、このゲームは、かつてテレビ朝日で放映されていた「宇宙刑事シリーズ」をモチーフにした作品です。

「宇宙刑事シリーズ」は５人戦隊vs敵の構図だったものを、タイマンに持ち込んだシリーズになります。これまでも仮面ライダーなどのシリーズはあったりしますが、従来の機軸に捕らわれない目新しさがあり、自分含む当時の子供達の間では人気のシリーズでした。

コンバットスーツを装着する際の「蒸着」「赤射」「焼結」の台詞、敵の能力が引き上がる「魔空空間」の存在、無駄に際どいコスチュームをしたサポートギャル、串田アキラの主題歌など、あらゆる方面で有名になっておりました。

小学校の頃は「魔空空間にひきずりこめー」とか言われながらジャンパーで包み込むのが流行ってたものですが（笑）




それはいいとして、ニチブツのギャリバンは明らかに宇宙刑事シリーズのオマージュ。
なにしろタイトルからして「ギャバン」と「シャリバン」が合体してますから。

ゲームシステムもそれと同様に「変身」がキモになっています。人間状態でクリスタルアイテムを取った時に、光を帯びながらコンバットスーツに身をまとう姿がまさに「蒸着」。

人間状態ではパンチとキックしか出せなかったものが、ビームガンを撃てるようになって、さらに耐久力も上がってスケールアップ。
クリスタルによる強力なパンチやウェーブも強力な自機を演出してくれています。

さらに背景も土色の背景になったかと思えば、突然青々とした歪んだ背景になるところも宇宙刑事シリーズらしいです。まさに「魔空空間」。

流石に魔空空間のように自機が弱くなるところはありませんが、いつもとは強力な敵が出てくるあたり、雰囲気は確実に出ていると思います。




色合いは原色寄りでいかにも当時のニチブツ臭い香りは漂ってきます。
スコアフォントやキンキン音など、見ただけで「ニチブツだろ！」ってわかるゲームですから。

しかし、それを雰囲気でカバーしようとする姿勢は買いでしょう。
「特撮モノ」をモチーフにすること、それも一般的にはまだ認知度の薄かった宇宙刑事シリーズを持ってきたことで、独特の空気を漂わせているような気がします。


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ゲームの雰囲気は非常に良く出ているゲームではあるのですが、ただ残念なのはゲーム性が著しく低く感じられる点。
確かにパターンが固まるまでは苦労させられるマップの広大さですが、一度動き方・ルートを覚えてしまえば、ボスまでは簡単に辿り着けることでしょう。

出てくるボス（ゴース）は全部同じ攻撃しかしてきません。
丸腰だとやや難しく感じますが、大概はここで強力なクリスタル攻撃を持ってきて、速攻で撃破するというパターンが通用します。

さらに痛いのは、奇数面と偶数面のマップが完全に同じであることでしょう。マップが広いとはいえ、全２面というのはちょっと物足りないのではないかと。
同じマップが短いサイクルで繰り出されるせいもあって、ちょっとでもやり込めば楽にパターン化できてしまいます。

そんな事情もあって、慣れれば作業的に動くだけで何周も回せてしまうという欠点があるのです。






このゲームがリリースされた時は自分は小学生高学年だった記憶がありますが、そんな自分でも「ギャリバン」は延々と続けられるゲームとして重宝してた記憶があります。
サイクルさえわかってしまえば、１時間でも２時間でもイケるという。

確かにミスした時の復活は難しいところもあります（ボス前とか）。

しかしミスポイントさえ気を払っていれば、幾らでも回す事ができるのがちょっとぬるいというか。ヌルゲー大好きな自分ではありますが、当時のゲーム性の高いシューティングに比べたら、残念ながら華が無いと言わざるを得ないでしょう。

この傾向は、後期の作品である「妖魔忍法帖」「聖戦士アマテラス」にも言えることですね。極めてゲーム性の高いテラクレスタよりはどうしても低く見積もってしまいがちです。


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従来のゲームには無かった「特撮モノ」をモチーフにしたという目新しさはありますが、肝心のゲーム性がなおざりになったせいで消えるのも早かったという、ちょっと勿体無い一面を持った作品ということになるでしょうか。

もう少しマップに幅広さを持たせても良かったかもしれません。
ボスが同じものってのも味気ないですし。


慣れれば100万点も夢でなく…
っていうか1000万点もやる気が起こらないっすよｗ




ちなみにファミコン、スーパーファミコンにも移植版があるようですね。