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加納新太

  • 職業は著述家・作家・脚本家。自称では「物語探偵」。

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    君の名は。 Another Side:Earthbound
    新海誠監督の映画『君の名は。』の小説版です。新海監督執筆の『小説 君の名は。』が、映画と同じストーリーラインを追うのに対し、こちらでは、短編集形式で登場人物を掘り下げをしています。「これを読むと映画の内容がすんなり理解できる」と角川の玄人衆から高評価を受けました。リアル書店では見つけにくい本のようなので、取り寄せ等の対処をお勧めします。

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    RPG「シャイニング・ブレイド」の小説版です。サイドストーリーを集めた短編集です。主人公レイジとヒロイン・ローゼリンデが初めて出会うエピソードも収録されています。

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    トレーディングカードゲーム「アクエリアンエイジ」の小説版です。公式Webサイトでの連載に加筆修正したものです。

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    週刊少年サンデーで連載中、畑健二郎作「ハヤテのごとく!」が劇場アニメになりました。その小説版です。私はこの漫画が大好きで、書けて幸せでした。

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    RPG「シャイニング・ウィンド」の小説版です。ゲーム本編のノベライズではなく、主人公たちの過去の物語を書きました。自分に伝奇小説が書けるか、ジェットコースター型の展開が書けるか、というのが、個人的なチャレンジでした。ありがたいことに、かなり好評を博しています。

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    シャイニング・ティアーズ 双竜の騎士
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2012年9月21日 (金)

「ドラクエ6」が本当に目指したもの(1)バーバラと竜

 ※注:「ドラクエ6」を、私がどういうふうに「読んで」いるのか、物語のスキマをどういう形で埋めて空想しているのか、ということを、自分勝手に語るエントリです。
 こうにちがいない! ということではなく、こういうふうに捉えれば、読み手の私は心豊かなキモチになれますという、そういうニュアンスです。
 普通の人にはついていけないトコロまで走っちゃう可能性があります。小説版、外伝等は参照しません。

 

●ドラクエ6は、本当はどうなるべきだったのか

 

 ネットゲームになったドラクエ10が話題になっている今日このごろですが、私は10をやらずにドラクエ6のことをねぶねぶと考えていました。
 ねぶねぶ考えていたら、だいたい、「ドラクエ6の正体」というか、謎解きがわかってきましたので、これからしばらく書きつらねてみたいと思います。
 以下、一連のエントリは、ドラクエ6をやったことがないと、まず理解できない話になっていきますが、ご容赦ねがいます。

 

     *

 

 ドラクエ6は、私はかなり好きなゲームです。ドラクエの4、5、6はまとめて「天空シリーズ」と呼ばれていますが、その3作の中では、4と6が同率で良い。その2つと比べると5はいくぶん落ちると思います。
 世間の評価とはちょっとずれてるかもしれませんね。ついでにいいますと、なんと! わたしは フローラ派です

 

 ドラクエ6って、ネット上では、ほとんど「駄作」に近い評価をされていることがあります。
 そこまではっきり切り捨ててはいなくとも、
「何が起こっているのかよくわからない」
「とっちらかったお話」

 という感想を持った人が、多いようです。

 

 それは、その通りなんです。

 

 ドラクエ6には「現実の世界」「夢の世界」という、2つのフィールドがあって、主人公が行ったり来たりする構成になっている。
 現実の世界で失われてしまった大事なものが、夢の世界にはまだ残っていたり、現実では不幸になってしまった人が、夢の世界ではしあわせに暮らしていたりする。
 それで、夢の世界の宝物を現実側に持ち込んで事件を解決したり、現実世界の問題を解決することで夢の世界の活力を取りもどさせたりする。
 そういう趣向になっています。

 

 そういう趣向になっているものだから、行ったり来たりしているうちに、
「今、自分はどこにいるんだ?」
 ということがわからなくなり、混乱してしまって、
「なんか、よくわからないから、もういい!」
 という気分になってしまいがちです。(私も、初回はそう思いました)

 

 しかも、ストーリー的な説明が、だんぜん、足りないのです。
 ただ単に情報が足りないだけではなくて、

 

「明らかに、背後で何か統一感のある物語が動いている気配がするのに、説明が足りなさすぎて、何が起きているのかわからない」

 

 という状態になっているものだから、フラストレーションがたまる。

 

 だけれども、作中のいくつかの情報をつなぎあわせて、想像力でおぎなって、方向性を与えてみたら、ある程度統一感のあるストーリーが見えてきました。
 その想像したストーリーが、なかなか魅力的だと思えたので、皆様にお知らせしたいと思います。

 

 といっても、現行のかたちで公開されている「ドラクエ6」の謎が解けたということではないのです。
 そうではなくて、

 

「ドラクエ6は、本来、どういう物語になるはず(予定)だったのか」

 

「どうしてそれが、断念されたのか」

 

 そういう設問の立て方をして、その方向で考えたら、だいたいわかったように思えたのです。
 そして、「本来こうなるはずだったドラクエ6」をふまえて描写をみていくと、ドラクエ6で不思議だったり説明不足であったりするように思えた部分がわかると思うのです。

 

 そういうことを、これからしばらく語っていきます。

 


●前提共有・二つの謎

 

 まず、前置き的に、前提条件として2つの謎を提示しておきます。
(この謎に答えることはべつに本論ではありません。ただの前提共有です)

 

 ドラクエ6には、大きく、2つの謎があって、ユーザー間でいまだに議論されています。

 

 ひとつが、
「ドラクエ6は、ドラクエ4と5から見て、過去の時代を描いた物語なのか?(つまり、同一の世界を扱った物語なのか?)」
 ということ。

 

 もうひとつが、
「ムドーの城に渡るときに、突然現れて、背中に乗せてくれた金色のドラゴンの正体は、バーバラなのか、そうではないのか」
 という謎です。

 

●ドラクエ4・5とのつながりはあるのか

 

 ドラクエ4と5(つまり天空シリーズ前2作)には、「天空の武具と天空城」というフィーチャーが、ありました。天空の武具を4つ集めると、空飛ぶ城に行くことができる。そこには、天空の竜神マスタードラゴンがいる。

 

 ドラクエ6には、天空の武具という名前ではなくて、「伝説の4つの武具」があります。そして、その4つを集めると「ゼニス城」という夢の世界の城にゆくことができます。 このゼニス城には、ドラゴンはいないのですが、形状や内部構造が「天空城」とまったく同一です。そしてゼニス城は、ドラクエ6のエンディングで空を飛び始めるのです。

 

 このことから、
「ドラクエ6は、4や5よりはるか昔の(しかし同一世界の)物語ではないか」
「伝説武具は天空武具の過去の姿。ゼニス城は天空城の過去の姿ではないか」
「これは、天空城がどうして空を飛び始めたか、という説明のエピソードではないか」

 ということが類推でき、通説となっていました。

 

 ついでにいえば、
「ドラクエ6のエンディングで、《未来の卵》から生まれ出てきたものとは、マスタードラゴンその人ではないか」
 とも言われており、これも通説となっています。

 

 通説になっていますが、その一方で、「違う。ドラクエ6は、4や5とつながっていない」という説を唱える人も、ときどきいます。

 

 しかしこの問題は、リメイクされたDS版ドラクエ6で、解決されました。「ドラクエ6は、4や5よりも過去の世界である」「歴史の順番は、ドラクエ6→4→5である」ということが、ほぼ明言されたのです。
 DS版には、クリア後に、「この世界の近い未来を見る」「この世界の遠い未来を見る」ということができる場所があります。
「近い未来を見る」と、そこには、ドラクエ4の登場人物たちが現れて、話をすることが出来ます。
「遠い未来を見る」と、そこにはドラクエ5の登場人物たちが現れて、同様に話をすることができます。

 

 ですから、ドラクエ6→4→5は、同一世界であって、時間の流れはこの順序だということは、ほぼまちがいなくなりました。タマゴから生まれたのはマスタードラゴン、というのも、ほとんど確定でよろしいでしょう。

 

 では、黄金竜とバーバラの関係はどうでしょう。

 

●バーバラはドラゴンなのか

 

 ドラクエ6の序盤には「ムドー」という悪役がいて、孤島に城塞を築いて悪だくみをしています。
 主人公たち一同は、ムドーをやっつけよう! ということで、船に乗って孤島に向かうのですが、仲間の一人である少女バーバラは、突然「私は船に残る」「みんなで行ってきて」と言い出すのですね。
 それで、バーバラを除いた主人公たちご一行は、ムドーの城まで近づいていきます。しかし、城は切り立ったガケの向こう側にあり、徒歩ではたどり着けないようになっています。それ以上進めません。

 

 ここで、仲間の一人である美女ミレーユが、突然、土笛を取り出すのです。
「もし言い伝えが本当ならこの笛で…」
 かなんか言い出して、笛を吹きます。

 

 すると、どこからともなく、金色に光りかがやくドラゴンが飛来して、一行を背中に乗せてくれるのです。ドラゴンは彼らを乗せて、ムドーの城へと運んでくれて、そしてまたどこへとも知れず去っていきます。

 

「バーバラはなぜか、一緒に行かない」
「いきなりどこからともなく、黄金のドラゴンが現れる」

 

 この2つの条件を重ね合わせたとき、
「あの黄金のドラゴンの正体は、バーバラだ。笛が吹かれたとき、船に残っていたバーバラは人知れず竜に変身して、仲間を運ぶために飛んできたのだ。だからバーバラは一緒に行かなかったのだ」
 という背後のストーリーが、見いだされるわけですね。

 

 ゲーム後半、魔法都市カルベローナに行くと、このストーリーを補強するような情報が手に入ります。

*「私たちは 肉体から 精神をときはなつことが できます。

*「それぞれの まほうりょくにもよりますが その肉体を べつの物に変身させることも できるのです。

*「いだいなる 大魔女 バーバレラの血を引く バーバラさまならきっと ドラゴンにでも…


 バーバラは大魔女バーバレラ(魔法都市カルベローナの始祖)の血を引いているから、きっとドラゴンにでも変身できる、というのです。

 

 しかしながら、一方で「バーバラは竜なんかじゃない」「黄金竜とバーバラは何の関係もないと思う」という人も、ドラクエ6のファンの中には、いるのです。
 バーバラが黄金竜だったら、いろいろつじつまが合う気はするけれど、ほとんど「ほのめかし」程度の情報しかないから、全然はっきりしない。
 はっきりしないから、想像するしかない。想像するしかないから「そうだ」と思う人もいるし「そうじゃない」と思う人もいる。そして結論は出ない。ドラクエ6って、そういう状況になっています。このことは、リメイクのDS版が出ても変わっていません。

 

 これは、「どっちが正しいのか」と言われれば、私は「黄金竜の正体はバーバラです」とするほうがしっくりくる(ストーリーとしても魅力的)と思います。

 

 けれどもまあ、「どっちが正しいか」という問い自体が、ナンセンスといえば、ナンセンスです。だって、どっちともとれるように、わざとそういう語り口になってるんですからね。

 

 とはいえ、「まーどっちでもいいしー」という態度は、それはそれで投げやりです。思考停止になってしまいますしね。
 ですので、考えを先に進めるために、「正しいか正しくないか」ではない、もう少し方向性の違う問題設定をしてみたいのです。

 

●「物語が断念された」という仮定

 

 こういう問題設定をしてみたらどうでしょう。こんな仮説です。

 

■ドラクエ6は、当初は「バーバラが竜になってムドーの城に連れて行ってくれる」というストーリーが想定されていた。
■しかし、そういう物語としてハッキリ語ることが、断念された。
■だから、「バーバラは竜かもしれないと思えるし、単なる考えすぎとも思える」というくらいの状態に、表現の後退がなされた。

 

 つまり、最初は完全に「バーバラは竜です」という話にするつもりだったんだけど、途中で堀井さんが「やっぱやめようか」と言い出した。少なくとも、ハッキリ「竜です」って言うのはやめようってことになった。だから、どっちともとれる、あいまいな扱いになっちゃってる。
 そういう感じなんじゃないか。そう考えると、いくつものことが、同時に説明がつくんじゃないか。

 

 どうしてそう言えるのか。
 もしそれが言えるとしたら、どうなるのか。
「ドラクエ6」って、本当はどういう物語になるはずだったのか。

 

 ということを述べるのが、今回の一連のエントリの目的です。

 

 次回から本論にはいります。

 

(続く)

■続き→「ドラクエ6」が本当に目指したもの(2)夢を叶えたホイミスライム


※本稿中の引用部はすべて「ドラゴンクエスト6」作中の文字表現です。著作権者は株式会社スクウェア・エニックスと共同著作者です。著作権法第32条に基づく、研究を目的とする引用としての使用です。


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コメント

バーバラが「船に残る」と言い出したのは、自分がドラゴンに変身することをわかっていた、更に言えば恐れていたからなんでしょうか?

物語冒頭でミレーユが呼んだ黄金竜もバーバラですよね?この時バーバラは記憶喪失&姿が見えない状態で一人彷徨っていた訳で、そんなところにいきなり自分がドラゴンに変身したりしたら、こっぴどいトラウマになってもおかしくありません。

そう考えると、船に残ると言った時のバーバラの心情が深みを増しますよね(自分がドラゴンだなんて嘘であってほしい、変身する場面を見られたら仲間に嫌われてしまうかもしれない、など)。
そしてムドー撃破後、それらを乗り越えてバーバラの自分探しの旅が始まる…胸熱!


という私の妄想でした(笑)
長文ごめんなさい

>あからしあさん

 こんにちは。バーバラは、自分がドラゴンになることを、意識してはいなかったけれども無意識というか、遺伝子に宿った記憶というか、予感というか、虫の知らせというか、そういうものによってなんとなく誘導されて船に残った感じじゃないかなと思っています。

 そうか。そういえば、物語冒頭のムドー戦(主人公が心と体を分離されたとき)にも黄金竜が出てきたんでしたね。確かにその黄金竜もバーバラでないとおかしいです。でも、そのときの記憶をバーバラが持っているとすると、いろいろつじつまがあいませんね。まぁ、いろいろ都合よく記憶喪失しているというあたりでいいと思います。
 でもその記憶を持っているからあえて船に残る、というのは、これはドラマとして美しいですね。確かにそうだ。

各種取材やゲームセンターCXなどで、堀井さんや関わりの深い人物から

人物自身が公言するスタンスはなく、脇役が人物のことを勇者だ魔法使いだと言うことでキャラクターを成り立たせる

という書き方をする方であるという話があります。
バーバラの件も堀井さんの物語の書き方からすると、おかしくない話ですね。


ドラクエ6の考察をここまで明確に書かれているのは初めて見ました。
ドラクエ7のキーファ=ラスボス論並に楽しめました

考察とても面白かったです。
壮大な物語が練られていたにも関わらず、ゲームのテンポの為に大胆に削る。
これが堀井さんが多くの人に愛される理由だと思います。
大人になった今はこういう設定を聞いても楽しめますが、子供の頃なら物語の情報量が多すぎるとプレイするのが億劫だっただろうなと思いますし。

加納さんの文章、とても読み易く好きです。

私はsfc版しかしておらず、こういう論争?も知らなかったのですが、
sfcではバーバラは最後まで夢の方の体しかなく、他のキャラと違い実体がありませんでした。だからエンディングでもバーバラだけ現実世界に残れなかった…。
そのため、私はバーバラの現実の体は竜に変化して、魂(夢の体)と切り離されているとみなしていたのですが。
それでなんとか、バーバラが身体と夢が合体するイベントが隠れてないかなと
結構探したりもしたものです。

DS版しかしてませんが、5に出てきたプサンが6にも出てきました

バーバラが変身するのであれば、崖からじゃなく最初から連れていってあげればいいのに…と思ってしまいます。
作中では戦闘シーンにおいて呪文ドラゴラムで何度もドラゴン化するので乙女心も何もないでしょう。
ムドーの島のドラゴンはもう二度と融合する事のできない完全にドラゴン化したバーバラの本体だと解釈しています。
自分の身体が完全にドラゴンになったことを認めたくないため無意識的に船に残ったのだと思っています。

身もふたもないことですがムドー戦ではバーバラ居ないけど、討伐後の同箇所でバーバラがいても竜が飛んできたような気がしますが、さて?

私は黄金竜はバーバラの実体(身体)であり、
黄金竜は現実世界(下の世界)では消滅していて、
ミレーユの土笛が夢見の雫と似た原理で
黄金竜に実体を与えているんだと考えています。
何故バーバラが船に残ったのかという理由については
バーバラの魔力(≒精神)が強すぎて
黄金竜と融合出来ない為だと考えています。
主人公の実体(身体)が主人公の夢(精神)と融合するのを
躊躇ったのと似ています。

主人公が伝説の武具を装備できる位特別なのは、
黄金竜が主人公を認めて、
黄金竜の先頭に主人公が乗って、
主人公が黄金竜を乗りこなすのを
黄金竜が認めたのと、
主人公が仲間の中で一番、
精神体で旅をした期間が長かったのが
大きいと思います。

バーバラは黄金竜の過去から現在にかけての夢(精神体)です。
ゼニスの城に安置されている未来の卵は黄金竜の未来の夢(精神体)です。
ゼニスの城は夢の世界をたばねる城ですから
ゼニスの城に安置されている未来の卵も夢(精神体)であるとするのが自然です。
ということは未来の卵の実体(身体)は何かを考える必要があります。
未来の卵の実体(身体)に一番相応しいのは黄金竜です。

ゼニスの城の中で唯一しっかりとした実体(身体)を持ってるのはペガサスだけです。
つまりゼニスの城が実体化する際には必ずペガサスの力が関わっているはずです。

ペガサスの翼と天空人の翼は非常に良く似ています。
ペガサスの翼が天空人の翼のルーツではないでしょうか。

天馬の塔でのペガサスの復活は、天空人誕生の原型、ルーツだと思います。

ちなみにゼニスの城の浮上はゼニスの城の実体化ではありません。
ゼニスの城以外の夢の世界の非可視化です。

カルベローナとバーバラ、黄金竜の関係は深いです。
そしてまたバーバラ、黄金竜とゼニスの城、夢の世界の関係も深いです。
つまりカルベローナはゼニスの城、夢の世界に一番近い場所の一つと
見て良いと思います。

DQ3にも天界に一番近い場所として竜の女王の城が登場しています。

私は
竜の女王の城=カルベローナではないかと考えています。

良く考えたら
今まで黄金竜の気配が全く無かったのに
ミレーユが土笛を吹くと
どこからともなくすぐに黄金竜がやってくるのは
黄金竜が現実世界では消滅していて
実質的には夢(精神体)だったと考えないと変です。

黄金竜が現実世界では消滅していて
実質的には夢(精神体)だったというのは
黄金竜=夢(精神体)ということではありません。
黄金竜はバーバラの実体(身体)の残骸みたいなもので
実体(身体)の要素も残っていて、
それがムドーの城周辺の夢と現実を
漂流しているのではないかということです。

DQ6の夢の世界=DQ5の妖精の世界では

バーバラ=黄金のドラゴンはどこから出てきた?ただの都市伝説でしょ。気分が悪い云々で船に残ったのは単にメンバー選考から漏れただけ。主人公、ハッサン、ミレーユは実体と精神を分けられた因縁の相手。チャモロは長老の言いつけでついて行かないといけないからじゃあバーバラ抜こうってだけ。

バーバラ=ムドー城のドラゴン説は一見しっくり来るんだけど

ドラゴンを呼ぶオカリナはミレーユが囚人の爺さんから貰った物だし
何故それを使うとバーバラが正体隠してドラゴンになって来るの?感じになる所もあるからね
あとSFC版だと城攻略後にバーバラ入りのPTで再度丘に行くと普通に黄金のドラゴン現れてバーバラも乗っけて飛んでく(DS版では修正されてるらしい)

製作者側のインタビュー見るにその意図が最初あったけど尺の関係とかで没になって
その可能性を匂わす程度で終わったみたいね

DS版に関しては議論してもどっちも否定しきれる材料無いし

大変深く、整理された内容に感動しました。
ホイミスライムが人間になったのがゲント族とのことでしたが、
昔はベホイミスライムが存在していて、それがゲント族の祖先というのはどうでしょう?
ホイミスライム、ベホマスライムが存在してベホイミスライムが存在しない理由にもなりますし、
何よりゲントの杖により、ベホイミと同じ効果が得られるという事実に合致します。

この辺りはファンの想像に任せる以外にはないのですが、自分は黄金竜の正体はバーバラだと信じています。
主人公に変身姿を見て欲しくないためにああいう行動になったのだと思ってます。
現実の世界では幸せになれなかったから夢の世界では幸せになりたい。
そう考えるとドラクエ6のストーリーって切ないですよね。

バーバラと主人公の子供がマスタードラゴンと思ってました
最後の演出も意味深ですし、デキてるでしょ

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