監獄のお姫様 ネタバレと感想 第8話 刑務官若井ふたばの葛藤
宮藤官九郎さん脚本の【監獄のお姫さま】、第8話は「葛藤」です。これまた泣かせる話でしたね~。クドカンのドラマは間違いなくコメディなんだけど、随所随所に泣き所を欠かさないのがまたええんだす。
しかも、最後の最後、予告でまた大いに気になる映像が飛び込んできました。どうやらしのぶが(酔っぱらって)プリンスにユキ殺害を依頼したのは事実かもしれない可能性が浮上したようなのです?!つまり姫は冤罪じゃなかったってこと?!
クドカンなら大いにあり得るどんでん返しですが、来週はまだ9話ですから単なる思わせぶりかもしれず、決めつけるのは時期尚早で、まだまだ真相は闇の中です。
と、前置きはこれぐらいにして、以下ネタバレのあらすじです。
まずは結論から申しますると、ふたばはおばさんたちを裏切っていませんでした。自立と更生の女子刑務所でカヨの「復習ノート」を発見したふたばは、復讐など絶対に失敗する、と確信したのだそうです。あまりにも雑な不完全犯罪だ!
ふたばはなんとかしてカヨを思いとどまらせようとします。ふたばにとってカヨは年齢関係なく娘のように思えてならなかったのだそうです。
時々あるんです、刑務官も人間なんで。
今回ふたばは晴海にそう打ち明けていました。
再犯を見逃すわけにはいかないの!復讐計画なんて所詮は刑務所内の暇つぶし。シャバに出たら、復讐なんて忘れるのが人間よ。皆自分が可愛いのっ!
でもカヨは、罪を犯したのにのうのうと生きている吾郎が許せない、それがおばさんの正義だと反論しました。たとえ何度懲罰房に入れられようとその決意は変わりません。
その間、財テクこと千夏と姐御こと明美はめでたく仮釈放となりました。あ、リンちゃんも無事出られたようですね。
本来はカヨも彼らと一緒に仮釈される予定だったものと思われます。何せカヨは見事に美容師免許を取得し、刑務所内の「つぐない美容院」で働くことになったのです。
最初のお客は「のぶりん」だろうと皆から冷やかされ、実際に長谷川が来た時も、高山がちょっと目を離した隙に、シャンプーと偽ってひしと抱き合うほどの熱々ぶりでした。長谷川が帰った後もしばらくは「ほてり」すぎて、振り付きで「夏の扉」を歌わずにいられなかったほどなのです。
が、そこに歌いながら混ざってきたふたばの手には例のノートが握られていました。ここで、一旦無くした後見つけたノートの「復習」の文字が「復讐」に訂正されていたのを思い出さぬほど、カヨは鈍くないはずです。
実際ふたばは護摩たち上層部にもカヨの復讐について報告したそうです。カヨに再犯の怖れがあると言いながら、それでも絶対に失敗すると行きつ戻りつするのは、ふたばもまた葛藤していた証だったのかもしれません。護摩からは「妖怪そうでしょうか」と呼ばれてましたが。
高山もまたカヨに再犯の可能性はないと言い切りました。検事という立派な恋人がいるという理由からです。高山は、カヨが長谷川に「シャバに出たらもっとおばさんになる~50になる自分と長谷川は釣り合わない」と別れようとするのを見て大いに同情していたようです。
結局カヨはふたばが釈放前教育をするという条件付きで仮釈放が決まったそうです。ふたばが「そうでしょうか」を連発して上をかく乱させたのは、これに持っていきたかったからかもしれませんね。
ふたばはそこでカヨと一緒に料理を作り、カヨの作った晩御飯を食べ、カヨへの気持ちを打ち明けました。ふたばはこれまで受刑者とこんなに打ち解けたことはないそうです。ヤツラは勝手に線引きをし、どうせ分かりっこないと壁を作り、自分を悲劇のヒロインに仕立て上げるから。裏切るし。
でも馬場カヨは違ったそうです。カヨは図々しく自分の感情をぶつけてくる。それはでも、カヨ曰く、ふたばがちゃんと跳ね返してくれたからなのだそう。強く投げたら強く跳ね返してくれる最強の壁!なかなかないですよ~こんなイイ壁。
でもふたばは、だからこそノートは返せないのだと説きました。
馬場カヨのことが好きだから、ノートは渡せない。先生としてじゃなく母親として渡せない。好きだからもう会いたくないの。
そうなんですよね~。以前ここでもちらっと触れましたが、あれだけ苦々しい経験をしたふたばが、なぜ彼らの再犯を許してしまったのか、ずっと気になっていました。もしかしたらふたばは彼らを統率して復讐を遂げた後は、すべて自分がしたことだと罪をかぶるつもりなのでしょうか? それにあのコピーはどうしたん?
そう思えるほどふたばという人間は男気(女気)のある人間ですよね。
最初は長谷川と一緒にふたばを疑っていた洋子や明美も、いざふたばが戻ってきて笛を吹き、号令をかけると即、彼女への信頼を取り戻しました。マインドコントロールって言葉が浮かばないでもありませぬが。
ふたばが「仲間」になる決意をした理由とその経緯については次に持ち越されるようです。
一方、先に出所した千夏はマスコミ的な「みそぎ」をちゃっちゃと済ませ、明美は「わけえの」(尾美としのり~さすがにまだ覚えてます)から元夫が若い嫁に捨てられた挙句、介護施設に入れられたと聞かされていました。もう若くないのだから「わけえの」とは呼ばないでくれと語った彼を明美が 「わけえの、若くないの、わけえの!」 と言い直したのには大笑いでございました。
また千夏の「ハニートラップ」もめっちゃ楽しかったですね~。
派手なドレスに着替え、BGMにマドンナまで用意して踊り出した千夏に戸惑っていた吾郎って、単なるスケコマシなだけでどう見ても極悪非道な男には見えない気がするのは、おばさんもまた「薄手の白シャツ一枚でずぶ濡れで立ってた吾郎」に持ってかれちまった証拠でしょうか?
冗談はともかく、伊勢谷友介さんはこれからもどんどこコメディに出るべきですよね。千夏が椅子の上に置いていったハサミめがけてズリズリ移動していった姿にはお腹抱えて大笑いでした。
殺人はともかく「スケコマシ」の証拠を、レコーダーを無くしてしまった千夏に代わり、しっかり録音していてくれたのは、長谷川の事務官で、高校時代は体操部に所属し、身体が柔らかいことからガラケーと呼ばれていたという今池周太郎(上川周作)です。
父親は裁判官というエリートの若手に、早速ふたばが既婚か未婚かを確認したのも笑えましたね~。既婚なら用はないからさっさと出ていけというのがまたいかにもふたばらしい男らしさでしょう。今回どうしても吾郎に会いたいという晴海を乗せてのスピーディーな運転には惚れ惚れしちゃいました。あれなら遠距離恋愛も辞さないはずだ。
その一方でふたばは「男の胃袋をつかむため」に料理教室にも通っていたのだそうです。このギャップがたまりませんね。
さて、毎週大いに楽しませてもらってきた「監獄のお姫様」ももういよいよ終盤ですね。いったいどんな結末を迎えるのでしょうか。たとえどんな結末になろうとも、最後は号泣しそうな予感がしてなりませぬ。「監獄のお姫様」は続きを見るのが待ち遠しいです。
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