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6インチ「ZenFone 2」や日本発売を見込むWindows 10 Mobile端末が続々

「COMPUTEX TAIPEI」で見つけたスマートフォン

 PC業界が中心となったイベントだけに、「COMPUTEX TAIPEI」ではスマートフォンの存在感はそこまで大きくない。既報のように会期前日の6月1日には台ASUSが自分撮りに特化した「ZenFone Selfie」を発表したが、その他のメーカーは発売済みの端末が展示の中心を占めている。とは言え、Windows 10でクロスプラットフォームが実現するように、PCとスマートフォンの距離は以前より縮まりつつあるのも事実。日本では見かけない、珍しい端末も展示されていた。ここでは、COMPUTEX TAIPEIの展示会場で見かけた、気になるスマートフォンをチェックしていこう。

“PC業界のイベント”という色合いが濃いため、Mobile World CongressやIFAに比べ、スマートフォンは少なめ。写真のブースがあったECSという会社もモバイルとは一切関係ないが、会場の華やかな様子を伝えるために掲載しておくことにした

ASUSは6インチ版の「ZenFone 2」を出展

 6月1日のプレスカンファレンスで、1300万画素のインカメラを搭載した「ZenFone Selfie」を発表したASUSだが、ブースには参考出展として6インチ版の「ZenFone 2」も展示されていた。残念ながら実機に触れることはできなかったが、外観とスペックは確認できた。

ディスプレイが6インチの「ZenFone 2」

 6インチ版のZenFone 2は、ディスプレイのサイズが0.5インチ大きくなっているほか、チップセットも変更されている。会場のスペックシートには「64ビットオクタコアCPU」と記載されていたが、これはどうやらクアルコムの「Snpadragon 615」を指しているようだ。外観はZenFone 2に近いが、チップセットについてはZenFone Selfieと同じとなる。

スペックシートによるとオクタコアCPUを搭載し、レーザーオートフォーカスにも対応しているという

 カメラ機能にも、一部違いがある。背面のデザインを見れば分かるように、赤外線ポートのようなものが搭載されている。これは、ZenFone Selfieが対応している「レーザーオートフォーカス」とのこと。ピントを素早く、正確に合わせることが可能となる。ディスプレイには「ゴリラガラス4」を搭載しており、画面サイズ以外にも、部分的に現行のZenFone 2よりスペックが上がっているようだ。

Acerは4月発表の「Liquid X2」を展示、Windows 10 Mobile対応機も

 ASUSと同じく台湾に拠点を構えるAcerも、スマートフォンが充実していた企業の1つ。同社も日本ではSIMフリースマートフォンとして、「Liquid Z200」をブックオフで販売している。このLiquidシリーズの最新モデルとして出展されていたのが、4月に米国で発表された「Liquid X2」だ。

Acerのフラッグシップモデル「Liquid X2」。背面もフラットな形状となる

 外観はXperiaのようなフラットなボディとなり、4000mAhの大容量バッテリーやF値1.8の1300万画素カメラを背面に搭載しているのが特徴。フロントカメラも1300万画素となり、ASUSのZenFone Selfie同様、自分撮りのトレンドを意識した端末に仕上がっている。日本で発売中のLiquid Z200はローエンドモデルで、価格も非常に安いが、Liquid X2はAcerのラインナップの中ではハイエンドという位置づけ。CPUもオクタコアとなり、64ビット対応、OSにはAndroid 5.0を採用する。

前面、背面ともに1300万画素のカメラを採用する

 また、同社のブースには発売中のWindows Phone 8.1を採用する「Liquid M220」も展示されていた。ただし、こちらに内蔵されていたOSは、テクニカルプレビュー版のWindows 10 Mobile。PCメーカーだけに、Windows Phoneにもいち早く対応する姿勢を示していた。同社の説明員によると、Liquid M220はWindows 10 Mobileへの対応を行う予定で、時期は9月ごろになる見込みだという。

AcerのローエンドWindows Phone「Liquid M220」。展示機には、Windows 10 Mobileのプレビュー版がインストールされていた

 マイクロソフトは、6月1日にWindows 10の提供を7月29日から行う旨を発表しているが、「最初のリリースはPCとタブレットになる見込み」としていた。こうした情報を踏まえると、Windows 10 Mobileのアップグレード開始はPCやタブレットよりやや遅れて、2015年内に始まると見てよさそうだ。

日本発売も示唆、台湾メーカーのWindows 10 Mobile端末

 台湾に本拠地を構え、日本にも銀座に拠点を持つ「BungBungame」は、Windows 10 MobileおよびAndroid 5.1に対応予定の端末「WOLF2」を展示していた。担当者によると、この端末は第4四半期に日本での投入を予定しているという。

WindowsとAndroid、2つのプラットフォームで登場する「WOLF2」。日本語のパンフレットもあり、市場投入を意識していることがうかがえる

 同じWOLF2という名称で2つのプラットフォームに対応しているが、それぞれ別の機種として扱われるとのこと。外観はカラー以外2機種とも同じで、ハードウェアのほとんどを共通化しているが、Windows版とAndroid版でチップセットが異なっている。Windows版はSnapdragon 410、Android版はSnapdragon 615となる。

Windows版はブラックでSnapdragon 410を採用、Android版はホワイトでSnapdragon 615を採用する

 チップセットが異なる理由について、BungBungameの担当者は「Windows 10 Mobileを採用するための条件として、Snapdragon 410が必要なため」と回答。よりパフォーマンスが高いSnapdragon 615を搭載したかったが、マイクロソフト側の対応がいつなのか分からなかったため、あえてチップセットをダウングレードしたといい、ため息をもらした。また、投入時期ももう少し早めたかったようだ。

 Windows版とAndroid版のどちらも、背面に1300万画素のカメラを搭載。5インチ、720×1280ドットのスーパーAMOLEDを採用している。Android版はバッテリーが2500mAh、Windows版は2300mAhとなる。

 このほか、BungBungameのブースには、サムスン製のチップセット「Exynos 7420」を搭載した「KALOS2」というタブレットが展示されていた。Exynos 7420は、サムスンの「Galaxy S6」「Galaxy S6 edge」に採用されているチップセットで、14nmのプロセスで製造されており、省電力ながらパワフルなのが特徴だ。Galaxy以外の端末ではまだ採用例がないため、話題を集めそうだ。また、USB Type-Cを採用していたり、2560×1600ドットのスーパーAMOLEDを採用していたりと、スペック的にも高い端末に仕上がっている。

サムスン製の「Exynos 7420」を搭載したタブレット「KALOS2」

マイクロソフトブースでは、話題沸騰中の「MADOSMA」が

 マイクロソフトのブースでは、同社のプラットフォームを採用する端末が展示されていた。スマートフォンは、Windows 10 Mobileに対応するものと、未定のものが合わせて展示されており、いずれも実機を操作することができた。

 日本からは、マウスコンピューターが実機を提供しており、「MADOSMA」が置かれていた。展示されていたのは法人向けとされるブラックのモデルとなる。

マウスコンピューターの「MADOSMA」が出展されていた

 このほか、マイクロソフトブースでは、Windows 10 Mobileのプレビュー版を搭載した、マイクロソフトの「LUMIA 640 XL」や、Cherry Mobileの「Alpha Prime」も紹介されていた。前者はSnapdragon 410を搭載するミッドレンジモデル、後者はSnapdragon 210を採用するローエンドモデルとなる。

 どちらもプレビュー版のためか、動作にはスムーズさが足りず、タッチを取りこぼすこともあり、チューニングはまだまだといったところ。マイクロソフトでは、ワンソースでPCやタブレット用に開発したアプリを利用できるWindows 10の特徴をアピールしていた。

マイクロソフトの「LUMIA 640 XL」
Cherry Mobileの「Alpha Prime」

石野 純也