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「930CA」開発者インタビュー
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すぐに撮れることにこだわった高速起動とスライドデザイン
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930CA
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カシオ計算機が昨冬モデルの「830CA」に続き、2機種目のソフトバンク向け端末「930CA」を発売する。830CAはオーソドックスなモデルだったが、930CAはカメラ機能を強化した「EXILIMケータイ」だ。カシオとしては初めてスライドデザインも採用している。
EXILIMを冠してどうなったのか。930CAの開発を担当するカシオ計算機の開発本部 デザインセンター 第四デザイン室の杉岡 忍氏とカシオ日立モバイルコミュニケーションズの第二事業部 企画チーム マネジャーの西尾 豊一氏に聞いた。
――まず最初に930CAのターゲットやコンセプトについてお聞かせください。
西尾氏
カシオによるソフトバンク向け1号機の830CAは幅広いターゲットを意識しましたが、2号機となる930CAは、よりコンセプチュアルな製品になっています。カシオとしての特色を出しながら、ユーザーの皆さんに魅力を感じてもらえる商品とは何かという視点でキャリアさんとも相談の上、カシオのデジカメブランド名「EXILIM」を冠した商品としました。
EXILIMケータイと言うことで、当然カメラに主軸を置いています。カメラの画素数は、国内のケータイとしては最高レベルとなる8.1メガピクセルカメラを、広角28mm相当のレンズとともに搭載しました。
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側面キー
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今回、このモデルでは、ケータイカメラだからこその、「撮りたいときに、すぐ撮れる」という点にフォーカスをあて、ポイントの組み立てを行ないました。その大きな要素の一つとしましては、側面にカメラ起動専用のキーを配置し、このキーを押していただくことで、0.99秒でカメラを起動できるようにし、「撮りたいときに、すぐ撮れる」の実現を目指しました。
また、サッと取り出してパッと撮る写真もキレイであって欲しい、「だれでも、かんたん、きれい」という点にも注力をしました。写真を撮ったときに、それがどういうシーンかを解析して、それに基づいた最適な画像チューニングを施す「オートモードセレクト」機能を搭載しました。デフォルトではこの「オートモードセレクト」が有効になっていますので、そのままこの状態で撮っていただければ、簡単にキレイな写真を撮っていただけるのではないかと考えております。
このほかにも、顔検出AF/AEやコンティニアスオートフォーカス、ぶれ補正、美撮りなどの機能も830CAに引き続き搭載しています。
また、たくさん撮っていただいた高画素写真も快適に閲覧できる「スナップビューア」という画像閲覧アプリケーションを搭載しました。こちらも側面に起動キーを配置して、待受画面から起動したり、あるいは、カメラからワンタッチでビューアに切り替えて、今撮った写真をすぐに見られるようにもしています。
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カシオの杉岡氏（右）とカシオ日立の西尾氏（左）
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さらに、写真を撮って見るだけでなく、撮った写真を簡単にブログ・SNS等へアップロードできる「ブログアップロード機能」も搭載しました。8メガで撮影しても、このフローに沿って操作していただければ、画像のリサイズなども行われてブログやSNSに簡単にアップロードできます。
カメラ以外の点では、トレンド機能としてワンセグやFeliCa、最大7.2Mbpsでのダウンロードが可能な3Gハイスピードにも対応しました。ワンセグは、予約録画はもちろん、「タイムシフト再生という」、ワンセグ放送を視聴中に電話がかかってきたとき、通話終了後に通話開始した時点から視聴を再開できる機能にも対応しています。
また、830CAでも搭載していたモバイル便利帳は、内蔵するコンテンツをカメラに関連したものに入れ替えました。キレイに写真を撮る方法や撮った写真の使い方を楽しんで学んでいただければ、と思います。なお、830CAでも搭載していた「お役立ちマナーブック」は引き続き搭載しています。
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EXILIMケータイのアイデンティティーでもあるレンズ回り
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ディスプレイとキーのあいだに段差や凹凸があり、親指でスライド操作しやすくなっている
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波紋上にデザインされたテンキー
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――なぜスライドデザインを採用されたのでしょうか。
杉岡氏
ケータイは常に電源を入れた状態で持ち歩くデバイスです。日常生活で、不意になにかあって写真を撮るときには、ケータイが使われることがほとんどです。なにかあったとき、パッと取り出してすぐに写真を撮れる、ということに主軸を置きました。簡単にすぐ撮れる、そのスピード感を狙っています。
デザイン面では、女性もターゲットにしているので、外見であまり機能感を出し過ぎないことをテーマにデザインしています。しかし、EXILIMケータイとしてアイデンティティー、ブランドイメージを継承する意味で、カメラ回りは従来のデザインを採用しています。
このほか特徴的なところとしては、ディスプレイとキーエリアに意図的な段差を作りました。これは片手操作の際に親指がかかりやすく、カメラとしての持ちやすさを意識した結果です。同様に逆側にも同様の盛り上がりを設け、モニター面が一段下がるようにする事でモニター部保護の役割も持たせました。カメラとしてはもちろん、スライドケータイとはどう使われるのか、といったことに素直に向き合い、カシオがスライドを作るとどうなるか、ということへの一つの解としてデザインしました。
カシオは2軸や折りたたみでは「開けやすい」との評価をお客さまからいただいていました。930CAでは、開ける＝スライドさせる、となります。スライドさせやすい造型はどうなのだろう、と考えた結果、ディスプレイ側を一緒に握らないようにデザインし、さらにディスプレイ側の盛り上がりによってスライドを押し引きしやすくしています。
メインキーについては、今回はカーソルキーがディスプレイ側にないフルスライド形状なので、当然キーのエリアが狭くなります。ここでどれだけ使い勝手をよくするかがポイントとなります。キーは凹凸のはっきりした波紋形状で指にフィットし、触感でもわかりやすくしました。カシオにとって、キーが押しやすいというのは持ち味の一つなので、こだわってデザインしています。
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カメラは当然、スライドを閉じたまま使える
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――スライドにすると、すぐにカメラを構えられる、というのが重要なのでしょうか。
西尾氏
「撮りたいときに、すぐ撮れる」というのが大きなコンセプトとしてありましたので、930CAではスライドデザインを選びました。
杉岡氏
カメラが0.99秒で起動するといっても、そのほかのアクションが入って時間がかかってしまっては意味がありませんが、スライドであれば、そのほかのアクションを必要としません。
――0.99秒でカメラが起動する、というのは、どういった工夫をされたのでしょうか？
西尾氏
フロー全体を見渡して、要改善ポイントをリストアップし、それらを突き詰めていって目標値を達成したという形です。
――カメラだけでなくビューアも専用キーを用意されているのがユニークですね。
西尾氏
本家のコンパクトデジタルカメラでは、たいていビューア起動キーを装備しています。撮りやすいことも重要なのですが、撮ってから見る、見てから撮る、という動きも必要になることがあるので、「見る」という操作のユーザビリティを向上させるために、ビューア専用キーを設けました。
――今回、スライドを閉じた状態でも3つのキーと側面のキーで操作できるようになっていますが、閉じた状態では何ができるのでしょうか？
西尾氏
カメラやマルチメディア系の機能にフォーカスしています。カメラについては、横に構えて撮って操作していただけるように、設定メニューなども閉じたまま使えるようにいたしました。
――microSDは今回、最大8GBのmicroSDHCに対応していますね。
西尾氏
今回は8メガという大きな画像を扱うので、大容量のmicroSDHCにも対応しています。保存用としてキレイな画像を撮っていただくため、デフォルトでは最大解像度の8メガピクセルに設定されています。これは8メガサイズの画像も「スナップビューア」で快適に見られるということと、撮った写真を大きく引き伸ばしてプリントしたり、パソコンで編集や切り出しをしたり、後からさまざまな使われ方に対応できるようにとの考えからです。
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カラーバリエーションは4色で展開
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――カシオさんはほかにもタフネスというブランドも持っていますが、今回のモデルでEXILIMブランドを使うことにした理由とは？
西尾氏
今回のモデルが、弊社がソフトバンクさまで出させていただく2機種目となっており、現状ではカシオ製端末の存在そのものをご存じないユーザーさんが多くいらっしゃる状況ととらえております。そういう中で、まずはカシオ製端末を多くの方に使っていただきたいとの考えから、よりユーザーさんの感度の高いカメラに焦点を当てた商品から投入させていただきました。
――そういえばソフトバンクではカメラブランドのついたケータイがありませんね。
西尾氏
確かにそうですね。そういった意味では「EXILIM」という名称から、ひとりでも多くのユーザーさんにカシオ端末の存在を知っていただければ幸いです。
――カタログなどを見ると女性を意識しているように感じられます。ターゲットは女性ユーザーがメインターゲットに？
西尾氏
男女問わず、女性にも男性にも手にとっていただきたい商品です。ただ、高機能系イメージの商品となると、通常、男性の方が感度が高くなります。ですので、商品告知上では女性の方にも訴えかける部分を盛り込み、どちらの方にも興味を持っていただきたいと考えております。カラーバリエーションも、男性、女性とも、広く受け入れられるようなバリエーションをご用意させていただきました。
――本日はお忙しいところありがとうございました。
■ ＵＲＬ
製品情報（カシオ）
http://k-tai.casio.jp/products/930ca/
製品情報（ソフトバンクモバイル）
http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/930ca/
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（白根 雅彦）
2009/02/19 12:23
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