インフレ目標設定、財政ファイナンス防ぐ1つの手段=岩田日銀副総裁

インフレ目標設定、財政ファイナンス防ぐ1つの手段=岩田日銀副総裁
4月2日、日銀の岩田副総裁は衆院予算委員会における金融・経済・財政等に関する集中審議で、インフレ目標の設定が財政ファイナンスを防ぐひとつの手段になっていると述べた。写真は3月撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 2日 ロイター] 日銀の岩田規久男副総裁は2日の衆院予算委員会における金融・経済・財政等に関する集中審議で、インフレ目標の設定が財政ファイナンスを防ぐひとつの手段になっていると述べた。
小沢鋭仁委員(維新)の質問に答えた。
岩田副総裁は、インフレ目標政策を採用することで、目標が達成された場合、政府の要請などに基づいて国債買い入れなど金融緩和を進める必要性がなくなることから、「インフレ目標の設定が、財政ファイナンスを防ぐひとつの手段になっている」との見解を示した。
その上で、日銀法改正の是非を問われ、「現在の日銀法の下で、2%の物価目標の2年程度での達成にまい進したい」とし、法改正については「政府・国会の中で議論を深めてほしい」と述べるにとどめた。
アベノミクスへの期待も反映し、金融市場は円安・株高・債券高(金利低下)の動きになっている。岩田副総裁は株高について「長く続いた資産デフレの中で株価水準が低くなっている」とし、「大胆な金融緩和というレジームチェンジによる株価の上昇は自然だ。すぐにバブルを警戒することはない」と強調。今後、金融政策の効果が発現していくことで、需給ギャップが縮小、物価が穏やかに上がっていくことで金利が上昇する可能性を指摘したが、「これは正常な金利上昇」と語った。一方、国債のリスクプレミアム拡大による金利の上昇を「悪い金利上昇」とし、警戒が必要と指摘。中長期的に財政の持続可能性を確保することが必要との認識を示した。
(ロイターニュース 伊藤純夫)

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