25年度GDPギャップ+0.4%、7年ぶりプラス 労働需給が逼迫=内閣府試算

25年度GDPギャップ+0.4%、7年ぶりプラス 労働需給が逼迫=内閣府試算
内閣府は26日開催の政府の経済財政諮問会議で、日本経済の潜在成長率からの乖離を示すGDPギャップが2025年度にはプラス0.4%となり、2018年度以来7年ぶりにプラス転換するとの試算を公表した。2022年2月、都内で撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 26日 ロイター] - 内閣府は26日開催の政府の経済財政諮問会議で、日本経済の潜在成長率からの乖離を示すGDPギャップが2025年度にはプラス0.4%となり、2018年度以来7年ぶりにプラス転換するとの試算を公表した。少子高齢化による人手不足で労働需給がひっ迫することなどを理由に挙げた。
GDPギャップは安倍政権下の18年度はプラス1.0%の需要超過状態にあったが、消費税率を引き上げた19年度にマイナス0.3%に転じた後、コロナ禍の20年度はマイナス4.5%まで落ち込んだ。その後は回復基調にあり23年度はマイナス0.3%まで縮小、24年度もマイナス0.3%が見込まれる。
女性や高齢者の労働市場参入により12年度以降増えてきた労働力人口がコロナ禍以降は頭打ち傾向となっており、日本経済は「需要不足の局面から供給制約の局面に入る」と内閣府は判断している。
消費者物価指数(総合)の上昇率は24年度に2.5%が見込まれ、25年度は2.0%に落ち着くとの試算も公表。名目賃金は24年度、25年度ともに2.8%上昇を見込み、実質賃金のプラスが定着し実質個人消費も24年度の0.8%増から25年度は1.3%増に上昇すると試算した。
石破茂首相は同会議の締めくくり発言で、政府の経済政策が十分な効果を発揮するためにも財政に対する市場の信認の確保が不可欠であり、財政健全化の旗を降ろすことなく取り組むことが重要だと強調。25年度予算について「『経済あっての財政』との考え方の下、重要政策課題に必要な予算措置を講じつつ、歳出改革努力と計画的な財源確保の取り組みを継続することでメリハリの効いた予算としていく」と述べた。

竹本能文

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