もう1年以上、色々な面々の写真を撮っては「freesouls」のタグをつけてFlickrに投稿し続けてきた。ブログにも以前に書いたけど、Wikipediaなどのフリーコンテンツ系プロジェクトのために、友人たちの魂を解放するのが僕の務めだと考えたからだ。「freesouls」という言葉は実はLawrence Lessigのアイデアだ。
2007年に台湾で開催されたWikimaniaにて、むちゃくちゃカッコいいアート系雑誌の創始者・編集長であるSophie Chiang、そして、ライターのChristopher Adamsと出会った。当時僕自身も出版で四苦八苦していて、クリエイティブ・コモンズの本のビジネスモデルを検討中だったため、Christopherにクリエイティブ・コモンズの写真集を作ったらどうかと提案した。
彼がその案を気に入ってくれたので少し検討を進めてみると、僕の写真を使って実演的位置づけの本を作ったうえで、他の写真家たちにも同様のものを作らないかともちかけるのが最も簡単だろう、ということになった。
このプロジェクトに取り組んでいくにつれ、だんだんと野心が膨らんでいった。幸いChristopherはハッカーとしてのセンスもなかなかで、SocialtextとFlickrとGoogle Docsを使って本の編集作業を効率よく管理できた。Christopherは本の画像およびカテゴリを管理するためにFlickrのAPIを使ってPythonのスクリプトを書いてくれさえした。
Christopher率いるデザイナー陣の作業がもうすぐ終わるので、最後の校正を手配して印刷の計画を立てる準備に入っている。
本にはLawrence LessigやHoward Rheingold、Yochai Benkler、Isaac MaoにCory Doctorow、Lawrence LiangとMarko Ahtisaariのエッセイも掲載される。
Lessigの本の前書きから次の一節を引用する。
Joi Itoは、技術と創造の自由を広めるための重要なムーブメントの中心にいつづけてきた。彼は自分の仕事を愛し、上手にキャリアを積み上げてきた。自分がなれなかった何かをしのんで毎朝悔しがったりすることはない。彼の仕事のフィールドにおける成功はまた、それらのフィールドの人々のことを彼自身に理解させることになった。二十余年に及ぶそのキャリアの中で、各分野(営利、非営利の両方)の人々をよく知るようになり、そして友人となった(Itoには敵はいない)。友人として彼らに接し、常に気にかけ、寛大で、決して力が及ばなかったり短気になったりすることはない。彼特有の視点で人々を見て、人々を理解する。彼は人々の最も美しい一面や特徴的な一面を見ることを学び得て、友愛をもって接するのだ。
デジタル技術のおかげで、我々はJoiがどのように世界を見ているのかを垣間見ることができるようになった。技術を手にすることや実践するためのコストは下がり、Itoは熟練したアマチュア写真家になることができた。ここでの「熟練」とは、彼が見ている相手の本質を写真で捉える方法を身につけたことを意味する。大抵10分間で被写体の人物について「知る」ことを求められるプロの写真家と異なり、彼は、彼のプロとしてのキャリアすべてを費やすことができたのである。彼は人々の最も美しい側面や驚異的な側面を見るようになり、それを写真に写し取る技を完成させ、我々全員と共有するのだ。
本は、ボックスセット版、通し番号つきの限定版、普及版の3つの版でリリースする。このうち1種類か全種類が、秋以降にAmazonで入手可能になる。また、我々は一定期間、断片的にオンラインでも様々なフォーマットや形式で公開していく予定だ。またこのプロセス全体を、可能な限りカーボンニュートラルにできるよう調整中だ。
ボックスセット版は50部しか作らない予定なので、興味がおありの場合はなるべく早めにchrisアットマークraysend.comにEメールを送って欲しい。
最後に、本の校正をしてくれるボランティアを数名募集している。手を貸していただけるならこちらもChristopherにメールを送って欲しい。
なお、Amazon.comのページで申し込んでいただければ、発売時に通知を受けることもできる。
まだ完成していないのだけど...。Christopher率いるチームのみんな、いくつものモデルリリースに対処してくれているMika率いる僕のアシスタントのみんな、SFの撮影に手を貸してくれたPat、エッセイを提供してくれた皆さん、そしてモデルリリース文書にサインをしてくれることで、この本の扱いの自由度を大幅に高めてくれた皆さんに感謝したい。
僕の大切な友人たちの中で、本に登場しない人たちにはお詫びしたい。画質を基準にして限られた枚数の画像を選んだため、本に登場してしかるべき、大勢の人物が登場していないんだ。もう一弾追加する必要があるかもしれない。お気に入りのバージョンとか画像とかが本に載らなかったという皆さんにもお詫びしたい。デザインの基調をより細かく調整できるように、画像の選別の最終判断はChristopherとデザイナー陣に任せることにしたんだ。
もちろん、本も画像もCreative Commons Attributionライセンス下でライセンスされ、被写体の皆さんからもモデルリリースをもらっている。
本がリリースされたら楽しんでいただきたい。終盤の製作作業も報告するからブログは引き続きチェックしておいてもらえればと思う。