IBMは「SoftLayer」ブランドを終了させ、同ブランドで提供していた仮想サーバ事業とベアメタルサーバ事業を「Bluemix」に統合する。Bluemixはこれまで、IBMのソフトウェア開発クラウドプラットフォームという位置づけだった。
IBMがAmazon Web Services(AWS)やGoogleが提供するパブリッククラウドサービスに追いつくために、2013年に20億ドルでSoftLayerを買収してから、状況は大きく変化している。IBMはその後、「Cloud Foundry」ベースのPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)である「Bluemix」の構築に十億ドル規模の資金を費やした。
この2つは独立してはいるが、相互に関連する取り組みだった。しかし今後、SoftLayerの製品とツールは、Bluemixブランドに吸収されることになる。
米国時間10月25日、IBMはこの移行に伴い、新しい統合クラウドプラットフォームについての発表を行った。顧客はBluemixとSoftLayerのすべてのアセットを、1つのIBM IDを使用して、1つのコンソールで管理できるようになる。
IBMはSoftLayerのシステムや製品、サービス、サポートなどの実質的な内容は変更する予定はないが、移行に伴って名称の使用を取りやめ、SoftLayerブログもBluemixのドメインに移行する。
SoftLayerのデジタルコンテンツディレクターKevin Hazard氏は、「今後数日、数週間、あるいは数カ月間で、これまで『SoftLayer』という言葉が使われていたところで『Bluemix』というキーワードを目にするようになるだろう。従来のSoftLayerのサービスとBluemixのサービスは、統合されたクラウドプラットフォーム上で提供されることになり、それらはすべてBluemixブランドで提供される」と述べている。
ブランドの統合に伴い、SoftLayerの顧客は、インフラやサービスに対する請求をまとめるためにSoftLayerとBluemixのアカウントをリンクするなど、いくつかの作業を行う必要がある。
また、Bluemixのサイトや、SoftLayerがBluemixやIBMのWatson関連製品とどう統合されたかについて知る必要がある。統合された新しいBluemixのコンソールには、インフラ、アプリ、サービスなどのカテゴリが並んでおり、もはやBluemixが単なるPaaSではなくなったことが分かる。
Hazard氏によれば、今後数カ月間は、SoftLayer.com、IBM.com/BluemixのどちらでもSoftLayerの製品を利用できるという。IBMはまた、SoftLayerのインフラとクラウドサービスを管理するための制御ポータルを、Bluemixのコンソールに統合した。
今回のブランドの移行は、IBMが自社の「SoftLayer」のインフラを販売するだけではなく、「Microsoft Azure」や「Amazon Web Services」、「Google Compute Engine」も扱う「クラウドブローカー」に変わろうとしている中で起こった動きだ。
IBMのユーザーは、BluemixとSoftLayerのすべてのアセットを、1つのコンソール、1つのID、1枚の請求書で管理できるようになる。
提供:IBM
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。