コンテンツにスキップ

王家に捧ぐ歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

王家に捧ぐ歌』(おうけにささぐうた)は、宝塚歌劇団ミュージカル作品の一つ。脚本演出木村信司[1][2]、作曲は甲斐正人

ヴェルディ作曲のオペラアイーダ』を宝塚版として新たな脚本・音楽で書き直した作品。

ラダメスとアイーダそしてアムネリスの恋物語を中心にしながらも、「戦いは新たな戦いをうむだけ」をテーマに平和への祈りを高らかに歌い上げる。

登場人物

[編集]
ラダメス
エジプトの若き武将
アイーダ
エジプトの囚人、実はエチオピアの王女
アムネリス
エジプト王ファラオの娘
アモナスロ
エチオピアの王、アイーダの父
ファラオ
エジプトの王、アムネリスの父
ウバルド
エチオピアの王子、アイーダの兄
カマンテ、サウフェ
エチオピア王家の元家臣
ケペル、メレルカ
エジプトの兵士、ラダメスの親友

楽曲

[編集]

第一幕

[編集]
  • 甦る魂
  • 新たな戦い
  • エジプトは領地を広げている
  • 終わる 終わらない
  • ナイルの流れのように
  • お前は奴隷
  • アイーダの信念
  • ファラオの娘だから
  • アムネリスの詰問
  • 女官たちのいたぶり
  • アムネリスの宣告
  • 世界に求む-王家に捧ぐ歌-

第二幕

[編集]
  • ラダメスの告白
  • 愛している
  • 忘れている
  • ラダメスの決意
  • 月の満ちるころ
  • 虫けら
  • 神の許し
  • 三度の銅鑼
  • ファラオの暗殺
  • 戦士たちの動揺
  • アムネリスの命令
  • エチオピアの滅亡
  • 狂気のアモナスロ
  • アイーダの決意
  • ラダメスとアイーダ
  • 世界に求む-王家に捧ぐ歌-

宝塚歌劇団での上演 

[編集]
2003年 - 星組公演(初演)
  • 湖月わたる檀れいトップコンビお披露目公演として、7月11日から8月18日(新人公演は7月29日)に宝塚大劇場、9月19日から11月3日(新人公演は9月30日)に東京宝塚劇場で上演。
  • 正式タイトルは『三井住友VISAシアター グランド・ロマンス「王家に捧ぐ歌」―オペラ「アイーダ」より―[1][2]』。
  • 公演ポスターは森村泰昌が担当。振付にロシアの名バレリーナ、マイヤ・プリセツカヤを招聘した。
  • 2003年度文化庁芸術祭演劇部門で優秀賞を受賞[3]
  • 専門誌「ミュージカル」の「2003年ミュージカル・ベストテン」第1位に選ばれたほか、演出家賞も木村信司が受賞した。
2005年 - 星組公演
  • 星組選抜メンバーにより2月2日から2月24日まで中日劇場公演として上演。
2015年 - 宙組公演
  • 朝夏まなとトップお披露目公演として、6月5日から7月13日(新人公演は6月23日)に宝塚大劇場、7月31日から8月30日(新人公演は8月13日)に東京宝塚劇場で上演。
  • トップ娘役の実咲凜音がアイーダ役を務めた。
2016年 - 宙組公演
  • 宙組選抜メンバーにより、5月5日から5月28日まで博多座公演として上演。
2022年 - 星組公演
  • 星組選抜メンバーにより、2月8日から2月27日まで御園座公演として上演。

主な配役

[編集]

青背景が主演男役、ピンク背景が主演娘役を示す。

宝塚版の公演キャスト
  2003年星組 2005年星組
中日公演
2015年宙組 2016年宙組
博多座公演
2022年星組

御園座公演

ラダメス 湖月わたる[1][4] 朝夏まなと[5][6] 礼真琴[7]
アムネリス 檀れい[1][4] 伶美うらら[5] 彩花まり[6] 有沙瞳[7]
アイーダ 安蘭けい[1][4] 実咲凜音[5][6] 舞空瞳[7]
アモナスロ 一樹千尋[1][4][5][6] 輝咲玲央[7]
ファラオ 箙かおる[1][4][5][6] 悠真倫[7]
ウバルド 汐美真帆[1] 真飛聖[4] 真風涼帆[5] 桜木みなと[6] 極美慎[7]
ケペル 立樹遥[1] 嶺恵斗[4] 愛月ひかる[5] 澄輝さやと[6] 天華えま[7]
メレルカ 柚希礼音 大真みらん[4] 桜木みなと[5] 瑠風輝[6] 天飛華音[7]
カマンテ 真飛聖[1] 綺華れい[4] 澄輝さやと[5] 蒼羽りく[6] ひろ香祐[7]
サウフェ 涼紫央 麻尋しゅん[4] 蒼羽りく[5] 星吹彩翔[6] 碧海さりお[7]
ネセル 英真なおき 英真なおき [4] 寿つかさ[5][6] 天寿光希[7]
神官ヘレウ にしき愛 にしき愛[4]  凛城きら[5][6] 朝水りょう[7]
神官メウ 高央りお 高央りお[4] 松風輝[5] 朝央れん[6] 遥斗勇帆[7]
女官アウウィル 叶千佳 陽月華[4] 瀬音リサ[5][6] 二條華[7]
女官ターニ 陽月華 南海まり[4] 遥羽らら[5][6] 瑠璃花夏[7]
ファトマ 万里柚美 万里柚美 [4] 美風舞良[5] 純矢ちとせ[6] 白妙なつ[7]
新人公演キャスト
  2003年星組 2015年宙組
ラダメス 柚希礼音[8] 桜木みなと[5]
アムネリス 陽月華[8] 遥羽らら[5]
アイーダ 麻尋しゅん[8] 星風まどか[5]
アモナスロ 真汐薪[8] 穂稀せり[5]
ファラオ 祐穂さとる[8] 留依蒔世[5]
ウバルド 大真みらん[8] 瑠風輝[5]
ケペル 綺華れい[8] 和希そら[5]
メレルカ 夢乃聖夏 秋音光[5]
カマンテ 彩海早矢[8] 七生眞希[5]
サウフェ 鶴美舞夕 潤奈すばる[5]
ネセル 美城れん 実羚淳[5]
神官ヘレウ 大河睦 朝央れん[5]
神官メウ 天霧真世 澄風なぎ[5]
女官アウウィル 仙堂花歩 真みや涼子[5]
女官ターニ 陽色萌 美桜エリナ[5]
ファトマ 琴まりえ 彩花まり[5]

スタッフ

[編集]

2003年

[編集]

出典は90年史[9][2]。スタッフ名の後ろに「宝塚」「東京」の文字がなければ両劇場共通。

2015年

[編集]
宝塚大劇場公演

参考資料:宝塚大劇場公演プログラム

外部での上演

[編集]

2009年に『The Musical AIDA -宝塚歌劇「王家に捧ぐ歌」より-』が上演された。脚本・演出は宝塚版と同じく木村が担当。主演は宝塚版でアイーダ役を務めた安蘭けい。宝塚版はラダメスが主役に対し、本作はアイーダが主役となるように脚本と演出が変更された。

主なキャスト

[編集]
主な公演キャスト
  2009年
アイーダ 安蘭けい
ラダメス 伊礼彼方
アムネリス ANZA
アモナスロ 沢木順
ファラオ 光枝明彦
ウバルド 宮川浩

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j 90年史 2004, p. 163.
  2. ^ a b c 90年史 2004, p. 166.
  3. ^ 2018年5月1日中日劇場(中日新聞文化芸能局)発行「中日劇場全記録」
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 2005年中日キャスト(宝塚公式) 2020年2月27日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af 2015年キャスト(宝塚公式) 2020年2月27日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 2016年博多座キャスト(宝塚公式) 2016年2月27日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 2022年御園座キャスト(宝塚公式)”. 2022年5月16日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h 90年史 2004, p. 164.
  9. ^ 90年史 2004, p. 163-164.

参考文献

[編集]
  • 編集:森照実春馬誉貴子相井美由紀山本久美子、執筆:國眼隆一『宝塚歌劇90年史 すみれの花歳月を重ねて』宝塚歌劇団、2004年。ISBN 4-484-04601-6 

外部リンク

[編集]