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全農号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
全農号
概要
日本の旗 日本
種類 高速貨物列車
現況 運行中
地域 青森県秋田県山形県新潟県富山県石川県福井県滋賀県京都府大阪府
運行開始 2023年11月5日
運営者 日本貨物鉄道
青い森鉄道
東日本旅客鉄道
えちごトキめき鉄道
あいの風とやま鉄道
IRいしかわ鉄道
ハピラインふくい
西日本旅客鉄道
路線
起点 八戸貨物駅
停車地点数 5
終点 百済貨物ターミナル駅
使用路線 青い森鉄道線奥羽本線羽越本線白新線信越本線日本海ひすいラインあいの風とやま鉄道線IRいしかわ鉄道線ハピラインふくい線北陸本線湖西線東海道本線片町線おおさか東線関西本線
技術
車両 EF510形電気機関車富山機関区
軌間 1,067 mm
電化 交流20,000 V 50/60 Hz(八戸貨物 - 間島えちご押上ひすい海岸 - 南今庄間)
直流1,500 V(村上 - 梶屋敷敦賀 - 百済貨物ターミナル間)
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全農号(ぜんのうごう)は、八戸貨物駅 - 百済貨物ターミナル駅間で運行される、専用のコンテナ貨物列車愛称である。

概要

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全国農業協同組合連合会(JA全農)、全農物流日本貨物鉄道(JR貨物)が共同で運行する米専用貨物列車で、2023年11月5日に運行を開始した。2024年問題に向けた米の安定供給のために、米の産地である東北・新潟・北陸地方から米の一大消費地である東海・西日本方面への輸送ルートの確保を目的として設定された[1][2]。2024年問題やドライバー不足などにより、農産品輸送の今後の輸送力確保に強い危機感を持つJA全農・全農物流に対し、JR貨物が米の産地である北東北や日本海側各地区を縦断する専用列車の運転を提案したことで実現した[3]。なお、米専用の貨物列車が定期的に運行されるのは過去に例はなく、全国初である[4][5]

車両を丸ごと貸し切って玄米を積載することにより、1回の運行で10トントラック50台分の量を輸送できる。2023年度は月2回の運行を予定しており、2024年度は月最大4回の運行を予定している。月4回運行の場合、年間JA全農が販売先まで運ぶ玄米の2%にあたる2万4000トンが鉄道輸送に転換できる[6]

定期運行開始前の2023年2月、3月、7月に計3回の試験運行を実施し、取引先からの発注の確保や、輸送中の米穀の品質確認などを行った。また7月の試験運行では玄米・精米大豆の3種類を輸送し、いずれも夏場の高温下においても、常温における長期輸送での品質への影響はないことが確認された[3]。初運行の列車では12ftコンテナ100基分の約500トンの玄米を輸送した[1][7]。今後は精米や大豆といった他の農産物も輸送する予定である[6]

取り扱う生産地の中には、宮城県岩手県など通常のトラック輸送に比べリードタイムが長い地域も存在するが、試験運行の段階で関係先に理解を得た上で輸送が実現した[3]

運行概況

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所定では日曜日運休である第4077〜4076列車を復活させ、運行する形となる。日曜日の夜に、宮城県岩手県から運ばれてきた玄米が積まれたコンテナ20基を積載して八戸貨物駅を出発し、東青森駅秋田貨物駅新潟貨物ターミナル駅金沢貨物ターミナル駅の各駅で、周辺産地で生産された米を玄米の状態でJAの倉庫から集め、コンテナ集配を担当する利用運送事業者の負担を軽減するため、パレットやフレコンの形態でコンテナに積載する。月曜日の夕方に百済貨物ターミナル駅に到着する[2][3][5]。また百済貨物ターミナル駅では、関西地区への納品物はトラックに乗せ換えて輸送するが、それ以外の地区への納品物は別の貨物列車に乗せ換え、東海地方や九州地方まで輸送する[7]。各貨物駅からはトレーラーで米卸の工場まで輸送する[8]。産地から販売先までの輸送期間は約1週間と設定している[6]

停車駅

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八戸貨物駅 - 東青森駅 - 秋田貨物駅 - 新潟貨物ターミナル駅 - 金沢貨物ターミナル駅 - 百済貨物ターミナル駅

  • 荷扱いを行う駅のみ記載。
  • 八戸貨物→百済貨物ターミナルの片道運行。

使用車両

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富山機関区所属のEF510形電気機関車が牽引機として使用される[9]

沿革

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脚注

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出典

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  1. ^ a b c “JA全農/2024年問題対応で米専用貨物列車「全農号」を定期運行”. LNEWS (LNEWS). (2023年11月1日). https://www.lnews.jp/2023/11/p1101406.html 2023年11月18日閲覧。 
  2. ^ a b “JR「米専用列車」爆誕!? 八戸~大阪で約1000km走破「全農号」運行開始で"安定供給ルート"めざす”. 乗りものニュース (乗りものニュース編集部). (2023年11月1日). https://trafficnews.jp/post/129067 2023年11月18日閲覧。 
  3. ^ a b c d “「24年問題」見据え、米専用列車を試験輸送=JR貨物/JA全農”. カーゴニュース (カーゴニュース). (2023年7月6日). https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/4259 2023年11月18日閲覧。 
  4. ^ “コメ専用貨物列車「全農号」が定期運行開始 八戸から日本海側産地を巡って大阪まで”. RABニュースレーダー (青森放送). (2023年11月6日). https://www.rab.co.jp/news/news108iuwzbx85wjogwkpz.html 2023年11月18日閲覧。 
  5. ^ a b “コメ輸送貨物列車「全農号」運行スタート”. 東奥日報. (2023年11月6日). https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1668095 2023年12月31日閲覧。 
  6. ^ a b c “[物流24年問題]「全農号(米専用列車)」いざ出発 玄米2・4万トン鉄道輸送に”. 日本農業新聞 (日本農業新聞). (2023年11月7日). https://www.agrinews.co.jp/news/index/194474 2023年11月18日閲覧。 
  7. ^ a b c “JA全農グル―プ/JR貨物、米専用列車「全農号」が定期運行開始”. カーゴニュース (カーゴニュース). (2023年11月9日). https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/4465 2023年11月18日閲覧。 
  8. ^ “物流の2024年問題に対応 米専用列車「全農号」 11月から運行スタート”. 農業協同組合新聞 (農業協同組合新聞). (2023年11月2日). https://www.jacom.or.jp/noukyo/news/2023/11/231102-70425.php 2023年11月18日閲覧。 
  9. ^ “お米輸送列車「全農号」運転開始”. 鉄道ファンrailf.jp (交友社). (2023年11月6日). https://railf.jp/news/2023/11/06/134000.html 2023年11月18日閲覧。 
  10. ^ 「米専用列車「全農号」 11月から運行スタート 〜鉄道へのモーダルシフトにより2024年問題へ対応〜 』(プレスリリース)全国農業協同組合連合会(JA全農)・全農物流株式会社・日本貨物鉄道株式会社、2023年11月1日https://www.zennoh.or.jp/press/release/2023/97852.html 2023年11月18日閲覧 

関連項目

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