仙人

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
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仙人(せんにん)とは、とてもありがたい食べ物である。

概要[編集]

若き仙人。風格漂う姿。

仙人は人間を原材料とした発酵食品である。道教において(Dao)を極め、死ぬまで生きることの出来る術[1]を会得した人間の総称かと思いきやさにあらず、「仙」の文字通り山に住む者だけを仙人と言い、人里(主に橋の下など)に住んでいる者はよくホームレスなどと呼ばれている。そう(仙人の亜種だと)思って彼(女)らを見ると、そこはかとなく風格を感じられるかも知れない。

風体[編集]

悟りを開き、世俗の些事にこだわらなくなった彼(女)らは身なりなどどうでもいいとばかりに髪はざんばらヒゲはぼうぼう、衣服に至っては着ているのかいないのか、曰く「霊気をまとっている」との事で、たとえ全裸に見えてもそれは全裸ではないのである。まさに(裸の)王様然として泰然自若の振る舞いを見せ、たとえ警官が退去を迫ろうがヤクザが脅しに来ようが、あるいは借金取りが来たくらいではビクともしない。この辺りはに住んでいようがいまいが共通している。

修行[編集]

長生きの秘訣はとにかく寝ること、そして齷齪(あくせく)するなどストレスを溜めない事[2]に尽きる。そうすれば別段の修行などしなくても、人間は120歳くらいなら余裕で生きることが出来ると言われているが、さぞかしつまらない人生になるであろうことは言うまでもない。そうこうして修行が進んでくると次第に食事量が減って睡眠時間が長くなり、果ては一日22~23時間ほど眠ったら時おり口をもぐもぐさせ、を食べるだけで命を永らえることが出来るとか言われているが、そこまで行くと一体何のために生きているのかわからなくなって来る。しかしそんな迷いも吹っ切れた段階に入ればいよいよ仙人修行は完成したも同然、究極の悟りである「生きるとはすなわち死なないこと」すなわち「死なないために生きる事こそがの意味である」という境地に達することが出来るのである。

精進[編集]

……と言うのが本来の仙人修行であるが、やはり迷いが捨てきれずに「なんかもっと、こう修行らしい事をしなくちゃいけないのではないか」という真面目な仙人志望者が様々な修行法、すなわち精進を考え出したのであった。

練丹術(れんたんじゅつ)
要は「不老不死の薬を作って飲もう」というものであり、あれこれ混ぜて服用してみたものの普通の薬草では飽き足りなくなり、次第に強い薬に手を出して中毒患者が多発した。
練炭術(れんたんじゅつ)
酸欠によって「彼岸へ至り、死の淵からうどんげの花を摘み帰ろう」としたものの、そのまま帰ってこなかった
房虫術(ぼうちゅうじゅつ)
要は異性の肌から「若さ」を吸収して気血を巡らせることで活力を保とうと考えたものの、年寄りの冷や水でそのまま腹上死する者が後を絶たなかった。
導引術(どういんじゅつ)
呼吸法によって気を巡らせようと考えついたものであるが、過呼吸や無呼吸によってみんなバタバタ倒れていった。
辟穀(へきこく)
肉と穀物()を断つことで体内に溜まった肥毒を出そうと考えられたものであるが、要は単なるベジタリアンに過ぎないのであった。
みんなバカだね。どうせ食べられるだけの人生なんだから、とにかく命を永らえていればいいものを。
弟子たち について、師匠

功徳[編集]

もうちょっとだけ熟成させよう。
かなり熟成した仙人。功徳が期待できそうである。

そんな仙人を食べると功徳を積むことにつながり、長く生きた仙人ほどその功徳は高く、深いとされているため、妖怪の中にはわざわざ百年ほど[3]熟成させた上で食べるという気長な変わり者もいる。人間や動物が食べれば霊力を授かり[4]位階も高まるとされているものの、自分がその仙人より高い霊能を持っていないとかえってとなり、あまりに格が違う場合、食中毒によって死んでしまうこともあるため、むやみに仙人を食べるのは推奨されていない。

また、いくら仙人がありがたいと言っても決してそれが美味しいわけではなく、硬く筋張った上に加齢臭が鼻をつくそのはむしろ「不味い」に属するものである[5]。食べて食べられないこともないが、そこまでして食べるほどの価値はない。

結論[編集]

食べられるのを漠然と待ちながら、何もしないでただひたすら死なない事を目的として生き永らえることに何がしかでも価値を感じられるなら、仙人になるのも悪くないかも知れない。

脚注[編集]

  1. ^ 死ななければ生きているのだから、あながち間違った表現ではない。
  2. ^ そもそも感じないのが理想である。
  3. ^ 寿命が許すなら、千年でも彼らは待っていることだろう。
  4. ^ 俗にいう妖獣、霊獣と呼ばれる連中は、たいてい仙人を食った霊験によってその力を得たのである。
  5. ^ 良薬は口に苦し」とはよく言ったものである。

関連項目[編集]

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