直諫の会
直諫の会(ちょっかんのかい)は、立憲民主党のグループ。2019年に超党派の政策グループとして結成された。通称、 重徳グループ。
会長の重徳和彦 | |
略称 | 重徳グループ |
---|---|
設立 | 2019年10月24日 |
設立者 | 重徳和彦、小熊慎司、青柳陽一郎等 |
種類 | 立憲民主党のグループ |
所在地 |
東京都新宿区舟町11 松澤ユニッツ103 |
会員数 | 立憲民主党所属国会議員 |
会長 | 重徳和彦 |
関連組織 |
民権政経アカデミー 改革結集の会 希望の党 |
沿革
編集結成
編集2017年10月の第48回衆議院議員総選挙に際し民進党が分裂。2019年中旬時点では旧民進勢力は立憲民主党・国民民主党・無所属議員による院内会派「社会保障を立て直す国民会議」などに分かれていたが、2019年9月30日にそれらの統一会派として「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」が結成された。
2019年10月12日、立憲民主党、国民民主党両党などによる合流会派内で、若手衆院議員が新たなグループを結成することが報道機関の取材により明らかとなった。当選3回以下の約10人が中心となること、グループ名は「直諫の会」であること、無所属の重徳和彦が会長に就くことなどもあわせて報じられた[1][2]。命名者の重徳はのちになって、由来を「徳川家康の愛読書と言われる『貞観政要』の「直言敢諫」からとった」と説明している(重徳の地盤の愛知12区は徳川家康の出身地)[3]。
同年10月24日、超党派の政策グループ「直諫の会」が正式に旗揚げされた[4]。参加した青柳陽一郎は、グループについて基本的に他グループとの掛け持ちができない「いわゆる派閥」であるとTwitterに投稿しており[5][注 1][6]、重徳自身もインターネット番組で会を「派閥」であると表現している[3]。
同年12月4日、会長の重徳らは国民民主党本部で平野博文幹事長と会談し、共同会派に属する議員が結集した政党を早期に結成することを求める提言書を渡した。立憲民主党の安住淳と大串博志、社民党の吉川元らにも同様に要請した[7][8]。
2020年4月30日、YouTubeチャンネル[9]を開設。5月7日から動画投稿を開始した。
新・立憲民主党が成立
編集2020年8月24日、立憲民主党と国民民主党の一部は、2つの無所属グループを加えた形で合流新党を結成することで合意[10]。直諫の会は、これに伴って行われる新党代表への独自候補の擁立を模索した[11]ものの断念。所属議員のうち、重徳、小熊慎司、源馬謙太郎、緑川貴士、森田俊和の5人は泉健太の推薦人に名を連ねた[12][注 2]。
2021年2月、公式Twitterアカウントを開設[13][14][注 3]。
11月19日、立憲民主党代表選挙が告示され、届け出順に逢坂誠二、小川淳也、泉健太、西村智奈美が立候補した。直諫の会として小川淳也、泉健太をそれぞれ応援することを決定し、所属議員11人のうち、6人(青柳陽一郎、伊藤俊輔、中島克仁、落合貴之、中谷一馬、源馬謙太郎)が小川淳也の推薦人に、2人(篠原豪、森田俊和)が泉健太の推薦人になった[15]。また、重徳和彦は11月17日に「(小川を)応援したい気持ちはある」と発言し[16]、緑川貴士は11月19日に泉を支持する意向を表明した[17]。
2022年9月、グループで重徳会長の地元・岡崎市の視察を行った。
自誓会とは、代表選で歩調を合わせたり共同街宣を行ったりと連携することが多い[18][19]。
2023年9月13日、直諫の会(重徳和彦、中島克仁、青柳陽一郎、山崎誠、井坂信彦、篠原豪、落合貴之、桜井周、源馬謙太郎、森田としかず、伊藤俊輔、中谷一馬、塩村あやか、藤岡隆雄、高松さとし)名義で『どうする、野党!? 「大きな政治」と「新しい改革」で、永田町の常識を喝破!』を幻冬舎から出版した[20]。
2024年立憲民主党代表選挙
編集2024年6月10日、幹事長の青柳陽一郎は、任期満了に伴い実施される立憲民主党代表選挙をめぐり、直諫の会から党代表候補を擁立する考えを記者団に示した[21]。
同年7月18日、会長の重徳はメンバーの議員とともに有楽町で街頭演説会を開いた[22]。8月2日には重徳らは国会内で記者会見し、直観の会がまとめた政策集を発表した。政策集は「政権奪取の軸」として医療制度や公教育の改革案などが謳われた。これらの活動をメディアは「代表選への地ならし」とみなし、重徳は若手候補者の一人として連日取り沙汰された[23][24][25]。
同年8月7日、代表選挙の日程が「9月7日告示、23日投開票」に決まった[26]。重徳は当初自身の立候補を視野に入れていたが、中村喜四郎が「野田氏につけ。要職をとれる」と説得[27]。8月19日、重徳、青柳、中島克仁、源間謙太郎の4人は野田佳彦と会談し、代表選挙への立候補を要請した[28][29]。8月29日、野田は報道陣の取材に応じ、立候補を表明した[30]。落合貴之は同日に配信された独立系メディアの番組で、野田への出馬要請を重徳から聞かされていなかったと明かした[31]。投開票の結果、野田佳彦が代表に就任。政務調査会長には会長の重徳和彦が就いた。
現在の構成
編集役員
編集会長 | 会長代行 | 幹事長 | 事務総長 |
---|---|---|---|
重徳和彦 | 中島克仁 | 青柳陽一郎 | 源馬謙太郎 |
所属議員
編集衆議院議員(計17名) | |||
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小熊慎司[注 4][注 5][注 6] (5回・参院1回、福島3区) |
青柳陽一郎[注 7][注 8] (5回、神奈川6区) |
中島克仁[注 9][注 10] (5回、山梨1区) |
重徳和彦[注 9][注 5][注 10] (5回、愛知12区) |
篠原豪[注 7] (4回、神奈川1区) |
山崎誠[32][注 11] (4回、比例南関東・神奈川5区) |
落合貴之[注 7] (4回、東京6区) |
井坂信彦[注 7][注 12][注 6][33][34] (4回、兵庫1区) |
野間健[35][注 8][注 13] (4回、鹿児島3区) |
緑川貴士[注 9][注 14][注 12][注 6] (3回、秋田2区) |
森田俊和[注 9][注 14] (3回、埼玉12区) |
中谷一馬[注 11] (3回、神奈川7区) |
伊藤俊輔[注 9][注 5][注 6] (3回、東京23区) |
源馬謙太郎[注 9][注 12][注 6][注 15] (3回、静岡8区) |
桜井周[36][注 12] (3回、兵庫6区) |
藤岡隆雄[注 8] (2回、栃木4区) |
高松智之[37][注 16][注 6] (1回、東京28区) |
|||
参議院議員(計2名) | |||
塩村文夏[38][39] (1回、東京都) |
宮口治子[注 6] (1回、広島県) |
かつて所属していた人物
編集- 柿沢未途
- 2021年10月に立憲民主党系会派を離脱。第49回衆議院議員総選挙で当選し、自由民主党より追加公認を得て、有隣会(谷垣G)に加入。
- 堀越啓仁
- 第49回衆議院議員総選挙落選後、離脱。
政治資金収支報告書の記載
編集年 | 本年収入額 | 会費納入者数 | 備考 |
---|---|---|---|
2019年(令和元年) | 91万9097円 | 13人 | [40] |
2020年(令和2年) | 133万 | 68円14人 | [41] |
2021年(令和3年) | 368万 | 円18人 | [42] |
2022年(令和4年) | 134万3000円 | 19人 | [43] |
2023年(令和5年) | 2304万8476円 | 19人 | [44] |
脚注
編集注釈
編集- ^ 民進党系のグループで「派閥」として活動するのは自誓会(当時、細野派)以来となる。
- ^ 特別会員の堀越は国のかたち研究会(菅直人G正会員)として枝野幸男の推薦人となった。
- ^ 国政政党の政策グループが公式Twitterアカウントを持つのは自由民主党の派閥である水月会を含めて二例目となる。
- ^ 2020年9月に入党。成立当初は事務総長を務めた。
- ^ a b c 花斉会出身。
- ^ a b c d e f g 新政権研究会にも所属。
- ^ a b c d 民権政経アカデミー出身。
- ^ a b c 国軸の会出身。
- ^ a b c d e f 2020年9月に入党。
- ^ a b 会派内グループ社会保障を立て直す国民会議からの参加。
- ^ a b 国のかたち研究会にも所属。
- ^ a b c d 自誓会にも所属。
- ^ 一清会にも所属。
- ^ a b 民進党と希望の党の合併に伴う新党名「新党ゼロ」を提唱した5議員の1人。
- ^ 凌雲会出身。
- ^ 旧国民民主党の公認内定を経て2020年9月に入党。
出典
編集- ^ “合流会派若手が新グループ=存在感発揮狙い”. 時事ドットコム. (2019年10月15日) 2019年10月26日閲覧。
- ^ “野党統一会派内に新政策グループ 24日に初会合へ”. 産経新聞. (2019年10月17日) 2019年10月26日閲覧。
- ^ a b “派閥のトップに聞いてみた、派閥の作り方、まとめ方【重徳和彦衆 議院議員】”. 政治家娘YouTuberみこちゃんねる (2021年3月3日). 2021年3月23日閲覧。
- ^ “野党会派に若手「直諫の会」=存在感アピール”. 時事ドットコム. (2019年10月24日) 2019年10月26日閲覧。
- ^ AOYAGI YOICHIRO@aoyagyTwitter 2019年10月26日
- ^ 野党統一会派、菅官房長官に新型コロナ対策で申し入れ
- ^ “野党若手議員が合流要請 立民・国民幹部らに”. 日本経済新聞. (2019年12月4日) 2019年12月4日閲覧。
- ^ “野党若手提言「共同会派を政党に」 立憲前向き、国民は慎重”. 時事通信. (2019年12月4日) 2019年12月4日閲覧。
- ^ 直諫チャンネルYouTube
- ^ 山下龍一、小林豪 (2020年8月24日). “立国の新党、無所属2グループも合流へ 150人前後に”. 朝日新聞 2021年11月9日閲覧。
- ^ “中堅若手ら、新候補擁立模索 立憲・国民合流新党代表選”. 朝日新聞. (2020年9月3日) 2020年9月10日閲覧。
- ^ “【合流新党】国民・泉政調会長の推薦人名簿”. 産経新聞. (2020年9月7日) 2020年9月10日閲覧。
- ^ @gemmakentaro (2021年2月4日). "衆議院議員 源馬謙太郎(げんまけんたろう)". X(旧Twitter)より2021年2月14日閲覧。
- ^ 直諫の会(ちょっかんのかい)公式アカウント (@chokkannokai) - X(旧Twitter)
- ^ “立憲代表選、4陣営の推薦人は計90人 国会議員の7割固まる”. 朝日新聞. (2021年11月19日) 2021年11月19日閲覧。
- ^ “立憲代表選、泉・逢坂・西村3氏が軸に 方向性は支援グループがカギ”. 朝日新聞. (2021年11月17日) 2021年11月23日閲覧。
- ^ “緑川氏は泉氏、寺田氏は小川氏支持 立憲民主代表選”. 秋田魁新報. (2021年11月19日) 2021年11月19日閲覧。
- ^ “野党も「大きな塊」で「派閥」活発化か 立憲初の代表選がもたらしたものとは”. 毎日新聞. (2020年9月18日) 2022年9月7日閲覧。
- ^ @gemmakentaro (2022年7月22日). "源馬謙太郎のツイート". X(旧Twitter)より2022年9月7日閲覧。
- ^ “どうする、野党!? 「大きな政治」と「新しい改革」で、永田町の常識を喝破!”. 幻冬舎. 2023年9月7日閲覧。
- ^ “9月に立民代表選 青柳氏、若手・中堅の「直諫の会」から擁立に意欲”. 神奈川新聞 (2024年6月10日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “立民・重徳氏、代表選へ地ならし? 中堅・若手G率いて街頭演説「与党になる」”. 産経新聞 (2024年7月18日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “立民・重徳和彦氏が党改革主張 中堅・若手G率いて政策発表 代表選出馬の言及避ける”. 産経新聞 (2024年8月2日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “「第3の候補」模索続く 推薦人20人高いハードル―立民代表選”. 時事ドットコムニュース (2024年8月8日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “野田・小沢両氏また会談 立民代表選対応で意見交換か”. 日本経済新聞 (2024年8月13日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ “立憲民主党代表選挙 9月7日告示 23日投開票に”. NHK. (2024年8月7日) 2024年8月7日閲覧。
- ^ “立民・重徳和彦政調会長、党刷新へ問われる手腕 「非民主」執行部入り”. 産経新聞 (2024年9月25日). 2024年9月29日閲覧。
- ^ “立民の中堅 若手議員ら有志 野田元首相に代表選立候補を要請”. NHK (2024年8月19日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ “重徳和彦 X 2024年8月23日 午後6:53”. 2024年8月27日閲覧。
- ^ “<詳報>野田佳彦元首相「安易な消費税減税しない」 共産党とは「一緒に政権担えない」 立民代表選に出馬表明”. 東京新聞 (2024年8月29日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ “枝野・野田にNo 積極財政・大減税派でれいわと共闘 江田憲司、立憲民主党・代表選に出馬 最側近・落合貴之インタビュー”. 日仏共同テレビ局France10 (2024年8月29日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ @yamazakimakoto (2022年8月20日). "山崎誠のツイート". X(旧Twitter)より2022年9月3日閲覧。
- ^ @shun76450 (2022年9月1日). "伊藤しゅんすけ(ItoShunsuke)のツイート". X(旧Twitter)より2022年9月2日閲覧。
- ^ 中島克仁 2022年9月2日
- ^ 塩村あやか 2023年10月6日
- ^ 矢崎けんたろう 2023年3月18日[1]
- ^ “解党後の進路について”. note (2020年9月11日). 2020年10月17日閲覧。
- ^ @shiomura (2022年9月2日). "塩村あやかのツイート". X(旧Twitter)より2022年9月3日閲覧。
- ^ “伊藤俊輔 Facebook 2022年9月2日 0時16分” (2022年9月2日). 2022年9月6日閲覧。
- ^ 『令和元年分政治資金収支報告書の要旨(令和2年11月27日付け官報)』(プレスリリース)総務省、2020年11月27日 。
- ^ 『令和2年分政治資金収支報告書の要旨(令和3年11月26日付け官報)』(プレスリリース)総務省、2021年11月26日 。
- ^ 『令和3年分政治資金収支報告書の要旨(令和4年11月25日付け官報)』(プレスリリース)総務省、2022年11月25日 。
- ^ 『令和4年分政治資金収支報告書(令和5年11月24日公表)』(プレスリリース)総務省、2023年11月24日 。
- ^ 『令和5年分政治資金収支報告書(令和6年11月29日公表)』(プレスリリース)総務省、2024年11月29日 。
関連項目
編集外部リンク
編集- 直諫の会(ちょっかんのかい)公式アカウント (@chokkannokai) - X(旧Twitter)
- 直諫の会 - YouTubeチャンネル