江差町

北海道檜山郡の町、檜山振興局所在地
江差から転送)

江差町(えさしちょう)は、北海道檜山振興局中部にある日本海に面した。檜山振興局の所在地。江差追分発祥地。「日本で最も美しい村」連合に加盟している。

えさしちょう ウィキデータを編集
江差町
江差町章
江差町旗
1955年昭和30年)頃制定
江差町章
1955年昭和30年)頃制定
日本の旗 日本
地方 北海道地方
都道府県 北海道檜山振興局
檜山郡
市町村コード 01361-7
法人番号 1000020013617 ウィキデータを編集
面積 109.48km2
総人口 6,621[編集]
住民基本台帳人口、2024年11月30日)
人口密度 60.5人/km2
隣接自治体 檜山郡上ノ国町厚沢部町
爾志郡乙部町
町の木 ヒノキアスナロ
町の花 ハマナス
江差町役場
町長 照井誉之介
所在地 043-8560
北海道檜山郡江差町字中歌町193-1
北緯41度52分09秒 東経140度07分39秒 / 北緯41.86914度 東経140.12744度 / 41.86914; 140.12744座標: 北緯41度52分09秒 東経140度07分39秒 / 北緯41.86914度 東経140.12744度 / 41.86914; 140.12744
外部リンク 江差町

江差町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト
テンプレートを表示

町名の由来

編集

アイヌ語の「頭が・浜に・ついている・所」、すなわち「岬」を意味する「エサウイ(エサウシ)[1]」に由来するとされる。宗谷総合振興局枝幸町と同じ語源である[2][3]

このほか、探検家の松浦武四郎は「エサ[4]」(食べる・昆布が・ついている?)に由来する説を示しているが、前者が自然な説とされている[2]

地理

編集
 
江差町中心部周辺の空中写真。1976年撮影の2枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

面積 109.57 km2。檜山管内中部に位置する。西部は日本海に面し、厚沢部川の河口を有する。東部は山岳地帯。奥尻島と結ぶフェリーが運航されている。町には豊部内川や厚沢部川が流れ、沖には鴎島が浮かぶ。

人口

編集
 
江差町と全国の年齢別人口分布(2005年) 江差町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 江差町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
江差町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 14,896人
1975年(昭和50年) 14,409人
1980年(昭和55年) 13,930人
1985年(昭和60年) 13,313人
1990年(平成2年) 12,234人
1995年(平成7年) 11,301人
2000年(平成12年) 10,959人
2005年(平成17年) 10,131人
2010年(平成22年) 9,004人
2015年(平成27年) 8,248人
2020年(令和2年) 7,428人
総務省統計局 国勢調査より


隣接している自治体

編集

気候

編集

豪雪地帯に指定されているが、沿岸を流れる対馬海流の影響で比較的温暖である。ケッペンの気候区分では本州と同じ温暖湿潤気候(Cfa)に属するが、夏季は比較的冷涼である。しかし一方で冬季は比較的温暖である。道内の中では降水量が多いものの、冬季の気温が高いために降雪量は多くない。真冬でも積雪が観測されないことも多い。

  • 気温 - 最高34.6℃(2023年(令和5年)8月31日)、最低-12.7℃(1966年(昭和41年)1月20日
  • 最大日降水量 - 173.5ミリ(1995年(平成7年)8月20日
  • 最大瞬間風速 - 45.0メートル(1954年(昭和29年)9月26日
  • 最深積雪 - 194センチ(1945年(昭和20年)2月26日
  • 夏日最多日数 - 72日(2023年(令和5年))
  • 真夏日最多日数 - 19日(2023年(令和5年))
  • 猛暑日最多日数 - 0日(1961年(昭和36年) - )
  • 熱帯夜最多日数 - 11日(2023年(令和5年))
  • 冬日最多日数 - 129日(1944年(昭和19年)寒候年)
  • 真冬日最多日数 - 69日(1945年(昭和20年)寒候年)
江差町姥神町(江差特別地域気象観測所、標高4m)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 11.4
(52.5)
15.4
(59.7)
18.8
(65.8)
23.7
(74.7)
27.2
(81)
30.5
(86.9)
34.0
(93.2)
34.6
(94.3)
33.6
(92.5)
28.0
(82.4)
23.0
(73.4)
15.5
(59.9)
34.6
(94.3)
平均最高気温 °C°F 1.8
(35.2)
2.3
(36.1)
5.8
(42.4)
11.1
(52)
15.8
(60.4)
19.8
(67.6)
23.8
(74.8)
25.9
(78.6)
23.0
(73.4)
17.1
(62.8)
10.4
(50.7)
4.3
(39.7)
13.4
(56.1)
日平均気温 °C°F −0.6
(30.9)
−0.2
(31.6)
2.9
(37.2)
7.7
(45.9)
12.3
(54.1)
16.4
(61.5)
20.6
(69.1)
22.6
(72.7)
19.5
(67.1)
13.7
(56.7)
7.5
(45.5)
1.6
(34.9)
10.3
(50.5)
平均最低気温 °C°F −3.3
(26.1)
−3.0
(26.6)
−0.3
(31.5)
4.2
(39.6)
8.9
(48)
13.5
(56.3)
18.0
(64.4)
19.7
(67.5)
15.9
(60.6)
9.8
(49.6)
4.1
(39.4)
−1.1
(30)
7.2
(45)
最低気温記録 °C°F −12.7
(9.1)
−11.9
(10.6)
−10.6
(12.9)
−4.0
(24.8)
0.0
(32)
5.3
(41.5)
9.0
(48.2)
10.7
(51.3)
5.4
(41.7)
0.2
(32.4)
−6.7
(19.9)
−11.3
(11.7)
−12.7
(9.1)
降水量 mm (inch) 84.9
(3.343)
68.4
(2.693)
63.6
(2.504)
74.7
(2.941)
98.0
(3.858)
78.6
(3.094)
126.4
(4.976)
167.0
(6.575)
135.6
(5.339)
105.5
(4.154)
118.6
(4.669)
109.5
(4.311)
1,230.7
(48.453)
降雪量 cm (inch) 77
(30.3)
60
(23.6)
26
(10.2)
1
(0.4)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
6
(2.4)
49
(19.3)
219
(86.2)
平均降水日数 (≥0.5 mm) 22.9 19.1 14.7 10.9 11.8 9.8 11.5 10.8 11.8 14.3 18.7 22.8 179.1
平均降雪日数 27.8 24.5 19.1 5.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 11.4 25.2 115.7
湿度 67 67 66 70 77 80 82 80 74 69 67 67 72
平均月間日照時間 34.9 57.5 123.3 169.9 179.3 163.4 138.5 165.1 162.3 138.4 65.6 33.1 1,431.2
出典:気象庁 (平均値:1991年 - 2020年、極値:1941年 - 現在)[5][6]

沿革

編集

函館市松前町と並び、北海道で最も早く開けた地域の一つ。江戸時代ニシンの漁場および北前船によるヒノキアスナロなどの交易港で、「江差の五月は江戸にもない」といわれるほど栄えた。松前藩の所領であるが、1868年(明治元年)戊辰戦争の際に、旧幕府脱走軍の占領を受けた。その際、旧幕府海軍の主力艦である開陽丸が江差沖で座礁沈没した。廃藩置県後、一時期青森県に属していたが、1872年(明治5年)に開拓使函館支庁に移管、町役人を廃し、戸長役場を置いた。1882年(明治15年)、函館県に属し、1886年(明治19年)の県廃止後に北海道庁に属し、1897年(明治30年)檜山支庁が置かれた。

漁業不振や若年層の町外流出により人口は減少傾向にある。1997年平成9年)には道内の支庁所在地として初めて過疎地域の指定を受けた。さらに支庁所在地ではただ一つ、道庁のある札幌市への直行交通機関がない。2005年度から銀嶺バスが札幌 - 乙部 - 江差間で運行を行ったが、2006年度を最後に運行されていない。

姉妹都市・提携都市

編集

行政・議会

編集

町長

編集

町議会

編集
  • 定数:12人
  • 任期:2023年8月11日 - 2027年8月10日

衆議院

編集
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
逢坂誠二 65 立憲民主党 97,758票
比当 向山淳 40 自由民主党 83,006票
本間勝美 56 日本共産党 11,708票

経済

編集
 
鴎島から江差町中心部を望む
 
檜山振興局(旧・檜山支庁)が入っている北海道檜山合同庁舎
  • 現在の基幹産業は漁業である。近年は史跡や景観の観光資源を活用した観光事業に力を入れて、多くの観光客の誘致に努力している。
  • 北海道が進めた支庁再編問題の際に立てられた、「檜山支庁(現・檜山振興局)廃止反対」を訴える看板が町内のいたる場所にあった。

立地企業

編集

金融機関

編集

農協・漁協

編集

マスメディア

編集

カーディーラー

編集
  • Honda Cars江差 - 全国で唯一、道の条例に従う形で、いにしえ街道の街並みに合わせた外観で仕上げられている[7]。後述の旧中村家住宅はすぐ向かい。
  • 函館日産江差店ー函館市石川町にある函館日産自動車の江差店。

文化

編集

宗教

編集

郵便

編集
  • 江差郵便局(集配局)
  • 愛宕郵便局
  • 茂尻郵便局
  • 南浜簡易郵便局

宅配便

編集
  • ヤマト運輸:函館主管支店江差かもめ島センター
  • 佐川急便:江差営業所
  • 日本通運:函館支店自動車営業課(函館市)
  • 江差運送:江差町旧江差駅前に本社をもつ。

公共機関

編集

警察

編集

消防

編集

教育

編集

専修学校

編集

高等学校

編集

中学校

編集

小学校

編集

幼稚園

編集

学校教育以外の施設

編集

住宅団地

編集
  • 道営住宅南ヶ丘団地
  • 道営住宅円山通り
  • 道営檜山団地

交通

編集

鉄道

編集

町内を鉄道路線は通っていない。鉄道を利用する場合の最寄り駅は、JR北海道八雲駅新函館北斗駅木古内駅などがある。

廃止された鉄道路線

編集

かつて北海道旅客鉄道江差線江差駅があったが、2014年5月12日に廃止された。

バス

編集

タクシー

編集

檜山圏エリアに属するタクシー会社

  • 江差交通
  • 桧山ハイヤー

道路

編集

港湾

編集
 
えさし海の駅 「開陽丸」

文化財

編集

重要文化財

編集
  • 旧中村家住宅(北海道檜山郡江差町)主屋・文庫倉・下ノ倉

天然記念物

編集
  • ヒノキアスナロおよびアオトドマツ自生地

北海道指定無形民俗文化財

編集
  • 江差沖揚げ音頭 - 江差追分会館、江差沖揚げ音頭保存会
  • 江差五勝手鹿子舞 - 江差追分会館、江差五勝手鹿子舞保存会
  • 江差三下り - 江差追分会館、江差三下り会
  • 江差追分 - 江差追分会館
  • 江差餅つき囃子 - 江差追分会館、江差餅つき囃子保存会

江差町指定無形民俗文化財

編集
  • 江差鮫踊り - 江差追分会館、江差鮫踊り保存会
  • 江差田沢鹿子舞 - 江差追分会館、江差田沢鹿子舞保存会
  • 江差土場鹿子舞 - 江差追分会館、江差土場鹿子舞保存会
  • 江差鹿子舞 - 江差追分会館、豊川町郷土芸能保存会
  • 江差追分踊り - 江差追分会館、江差追分踊り保存会

江差町指定史跡

編集
  • 戊辰の役戦死者の墳墓地
  • かもめ島砲台跡(南北2か所)
  • 北前船飲用井戸
  • 北前船係船柱及び同跡(かもめ島周辺)

その他

編集
 
江差町郷土資料館
  • 江差町郷土資料館(旧檜山爾志郡役所庁舎) - 北海道指定有形文化財(建造物)
  • 正覚院寛保津波の碑 - 北海道指定有形文化財(美術工芸品)
  • 法華寺寛保津波の碑 - 北海道指定有形文化財(美術工芸品)
  • 江差姥神町横山家 - 北海道指定有形民俗文化財
  • 江差姥神神社祭礼山車・神功山人形および付属品 - 北海道指定有形民俗文化財、姥神大神宮渡御祭にて公開
  • 江差姥神神社祭礼山車松宝丸 - 北海道指定有形民俗文化財、姥神大神宮渡御祭にて公開
  • 檜山奉行所正門 - 江差町指定有形文化財(建造物)
  • 旧関川家別荘 - 江差町指定有形文化財(建造物)
  • 金丸家住宅母屋および土蔵 - 江差町指定有形文化財(建造物)
  • 開陽丸遺跡 - 遺物は江差町指定有形文化財
  • 江差町指定有形文化財(美術工芸品)上記含め15件
  • 江差町指定有形民俗文化財12件

名所・旧跡・観光・祭事・催事

編集
 
江差・いにしえ街道
 
江差の古い市街
 
復元開陽丸(開陽丸記念館)
  • 姥神大神宮
  • 五厘沢温泉
  • 砂坂海岸
  • 鴎島
  • かもめ島海水浴場
  • エビス浜海水浴場
  • 旧檜山爾志郡役所
  • 開陽丸青少年研修センター
  • いにしえ街道
  • 旧中村家住宅
  • 旧関川家別荘
  • えぞだて公園
  • 江差追分・山車会館
  • Cafe香澄Kazumi
  • 江差相撲道場(松ヶ根部屋中央大学相撲部、日本通運相撲部夏期合宿所)

祭事

編集

出身有名人

編集

脚注

編集
  1. ^ アイヌ語ラテン翻字: e-sa-us-i
  2. ^ a b アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
  3. ^ 山田秀三『北海道の地名』 北海道新聞社、ISBN 489363321X、1984年10月
  4. ^ アイヌ語ラテン翻字: e-sas-us
  5. ^ 平年値ダウンロード”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
  6. ^ 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
  7. ^ http://dealer.honda.co.jp/hondacars-esashi/ja/shop/6182016101.html
  8. ^ https://www.facebook.com/story.php?story_fbid=1030083859119185&id=100063527409682

関連項目

編集

外部リンク

編集
行政
教育