橋口文蔵

橋口 文蔵（はしぐち ぶんぞう、嘉永6年6月1日（1853年7月6日） - 明治36年（1903年）8月10日）は、明治期の官吏、実業家。札幌農学校長等を歴任。

橋口文蔵

経歴

薩摩国で薩摩藩士・橋口兼三の長男として生まれる。叔父に樺山資紀、橋口伝蔵、いとこに樺山愛輔がいる。

明治5年（1872年）に慶應義塾に入り、卒業後に開拓使に勤務していたが、官費留学生となり明治12年（1879年）にマサチューセッツ農業大学に留学。明治14年（1881年）に帰国したのち農商務省奏任掛から、少書記となる。その後、北海道庁理事官となると、現地で各種の製糖研究と技術普及を行う。更に農場開発にも着手した。

1891年アイヌ民族共有財産を別会社の株券に替えたスキャンダルにて、北海道庁第二部長ならびに札幌農学校校長ともに「非職（諭旨免職）」になる。

札幌農学校長「非職（諭旨免職）」を経て、根本正、藤田敏郎等の、墨国（メキシコ）の太平洋沿岸視察が始まると、これに参加し、明治27年（1894年）にメキシコを探検。森鷗外から「大胆そのものの人物」と称された。帰国後に台湾総督府殖産局入局。更に明治29年（1896年）には台北県知事となる。

明治28年（1895年）に北海道伊達市大滝区の優徳および北湯沢に農場を拓いたのが旧・大滝村の開拓の始まりと伝えられる。

親族

• 町田咲吉 - 長女の夫。東京帝国大学農学部教授。
• 田尻鉄太郎 - 三女の夫。子爵。

栄典・授章・授賞

• 1896年（明治29年）3月31日 - 勲五等瑞宝章
• 1897年（明治30年）12月28日 - 勲四等瑞宝章

参考文献

• 丸山信編『人物書誌大系 30 福沢諭吉門下』日外アソシエーツ、1995年3月、ISBN 4816912843

関連文献

• 『立身致富信用公録. 第11編』国鏡社、1903年5月、「橋口文蔵」の項。

関連項目

• 円山公園 (台北市)

公職
先代 田中綱常	台北県知事 1896年 - 1898年	次代 村上義雄
先代 （新設）	台湾総督府殖産部長心得 1895年 - 1896年	次代 押川則吉 部長
先代 （新設）	台湾総督府財務部長心得 1895年 - 1896年	次代 山口宗義 部長
先代 岸三郎	紋鼈製糖所長 1883年 - 1887年	次代 田村顕允 紋鼈製糖会社社長