方解石
方解石(ほうかいせき、calcite、カルサイト)は、鉱物(炭酸塩鉱物)の一種。組成は炭酸カルシウム (CaCO3)。
方解石 | |
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分類 | 炭酸塩鉱物 |
化学式 | CaCO3 |
結晶系 | 六方晶系 |
へき開 | 三方向に極めて完全 |
モース硬度 | 3 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 無色、白色、淡黄色 |
条痕 | 白色 |
比重 | 2.7 |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
概要
編集石灰岩の主成分鉱物で、鉱石として扱われる場合は石灰石、石材として扱われる場合は大理石と呼ばれる。変成岩である結晶質石灰岩では、方解石の細かな結晶が、再結晶して大きくなる。純粋なものは透明か白だが、不純物を含んで色のついているものもあり、美しいものは大理石として珍重される。特に無色透明な自形結晶のものは、氷州石(アイスランドスパー)と呼ばれる[注釈 1]。
一般に知られる方解石は、劈開した後のマッチ箱を押しつぶしたような平行六面体の結晶体で、複屈折(透明な方解石を通して向こう側を見ると二重に見える光学的特徴)をおこす鉱物として知られており、純粋なものは光学用に用いられる。欧州では、羅針盤が存在しない時代、この複屈折を利用して、はっきりした影ができないような曇天、雨天時でも太陽の位置(方位角)を調べることができるコンパスとして用いられていたとする説がある[1]。
日本で鉱業的に採掘しているものは大理石としての産状のものに限られ、かつては各地の熱水鉱床やスカルンなどの鉱山で産出された。今日でも二子山など、無色透明の美晶を産する場所もある。
方解石グループ
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “バイキングの伝説の石「サンストーン」、実際の航海に使用 仏研究”. AFPBB News (フランス通信社). (2011年11月4日) 2014年5月14日閲覧。
参考文献
編集- 沼野忠之 『岡山の鉱物』 日本文教出版〈岡山文庫〉、1980年、ISBN 4-8212-5092-6。
- 松原聰 『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』 学習研究社、2003年、ISBN 4-05-402013-5。
- 松原聰・宮脇律郎 『日本産鉱物型録』 東海大学出版会〈国立科学博物館叢書5〉、2006年、ISBN 4-486-03157-1、ISBN-13: 978-4-486-03157-4。
- 国立天文台 編 『理科年表 平成19年』 丸善、2006年、ISBN 4-621-07763-5。
- 近山晶 監修 『図解雑学鉱物・宝石の不思議』 ナツメ社、2005年10月20日発行、ISBN 4-8163-3858-6。
関連項目
編集外部リンク
編集- 炭酸塩アトラス
- “石灰石・ドロマイトとは”. 吉澤石灰工業株式会社. 2013年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年1月17日閲覧。
- Calcite(mindat.org)
- Calcite Mineral Data(webmineral.com)
- "Calciteグループ". 地球資源論研究室. 2022年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月1日閲覧。