ペントスタチン

抗がん剤の一つ

ペントスタチン (英語: Pentostatin) は、プリンアナログに分類される抗がん剤である[1]デオキシコホルマイシン(Deoxycoformycin)とも呼ばれる。商品名はコホリンNipent

ペントスタチン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Nipent
Drugs.com monograph
MedlinePlus a692004
胎児危険度分類
  • US: D
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能n/a
血漿タンパク結合4%
代謝Hepatic, minor
半減期2.6 to 16 hours, mean 5.7 hours
データベースID
CAS番号
53910-25-1 チェック
ATCコード L01XX08 (WHO)
PubChem CID: 439693
IUPHAR/BPS英語版 4805
DrugBank DB00552 チェック
ChemSpider 388759 チェック
UNII 395575MZO7 チェック
KEGG D00155  チェック
ChEMBL CHEMBL1580 チェック
化学的データ
化学式C11H16N4O4
分子量268.27 g·mol−1
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成人T細胞白血病リンパ腫および有毛細胞白血病の治療に用いられる[2]。日本では、KMバイオロジクス株式会社がコホリン静注用7.5mgを販売している。

効能・効果

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この他、ペントスタチンはステロイド抵抗性の急性および慢性移植片対宿主病の治療にも使用される[4]

警告

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[2]

禁忌

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ペントスタチンは下記の患者には禁忌である[2]

副作用

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重大な副作用として[2]

  • 重篤な腎障害
溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)、腎不全
汎血球減少白血球減少顆粒球減少好中球減少リンパ球減少)、血小板減少貧血

が知られている。

作用機序

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ペントスタチンは代謝拮抗薬に分類される。ヌクレオシドであるアデノシンを模倣しており、アデノシン脱アミノ酵素を阻害して細胞のDNA処理能力を阻害する[5]

一般にがん細胞は健康な細胞よりも頻繁に分裂する。DNAは細胞分裂有糸分裂)に大きく関与しており、従ってDNAに関連するプロセスを標的とする薬剤は、健康な細胞よりもがん細胞に対して毒性を強く発揮する。

脚注

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  1. ^ “Combination chemoimmunotherapy with pentostatin, cyclophosphamide, and rituximab shows significant clinical activity with low accompanying toxicity in previously untreated B chronic lymphocytic leukemia”. Blood 109 (2): 405–11. (January 2007). doi:10.1182/blood-2006-07-033274. PMC 1785105. PMID 17008537. http://www.bloodjournal.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=17008537. 
  2. ^ a b c d e f コホリン静注用7.5mg 添付文書” (2020年10月8日). 2020年10月8日閲覧。
  3. ^ “Hairy cell leukemia: current concepts”. Cancer Invest. 26 (8): 860–5. (October 2008). doi:10.1080/07357900801965034. PMID 18798068. 
  4. ^ “Pentostatin in steroid-refractory acute graft-versus-host disease”. J Clin Oncol 23 (12): 2661–8. (April 2005). doi:10.1200/JCO.2005.06.130. PMID 15837980. 
  5. ^ “Pentostatin in chronic lymphocytic leukemia”. Expert Opin Drug Metab Toxicol 4 (9): 1217–22. (September 2008). doi:10.1517/17425255.4.9.1217. PMID 18721115.