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2010-09-21

郵便不正事件で検事が証拠品のフロッピー内の文書のタイムスタンプを改竄か 朝日のスクープ →検事の言い訳「改竄が見つからなかったので日付を変えるソフトで遊んでいたら、FDの日付が書き換わっていた可能性が」→検事がUSBメモリにコピーしたのはFDかそれともダウンロードしたソフトか

これがホントの話なら
 検察の暴走どころではない話
なんですが。
朝日のスクープ。


検事、押収資料改ざんか 捜査見立て通りに 郵便不正

2010年9月21日3時31分

 郵便割引制度をめぐる偽の証明書発行事件で、大阪地検特捜部が証拠品として押収したフロッピーディスク(FD)が改ざんされた疑いがあることが朝日新聞の取材でわかった。取材を受けた地検側が事件の捜査現場を指揮した主任検事(43)から事情を聴いたところ、「誤って書き換えてしまった」と説明したという。しかし、検察関係者は取材に対し「主任検事が一部同僚に『捜査の見立てに合うようにデータを変えた』と話した」としている。検察当局は21日以降、本格調査に乗り出す。
 朝日新聞が入手した特捜部の捜査報告書などによると、FDは昨年5月26日、厚生労働省元局長の村木厚子氏(54)=一審・無罪判決=の元部下の上村(かみむら)勉被告(41)=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=の自宅から押収された。FD内には、実体のない障害者団体が郵便割引制度の適用を受けるため、上村被告が2004年6月に発行したとされる偽の証明書や文書の作成日時などに関するデータが入っていた。特捜部は証明書の文書の最終的な更新日時を「04年6月1日午前1時20分06秒」とする捜査報告書を作成。FDは押収の約2カ月後にあたる7月16日付で上村被告側に返却され、村木氏らの公判には証拠提出されなかった
 朝日新聞が今夏、上村被告の弁護団の承諾を得てFDの記録を確認したところ、証明書の文書の最終的な更新日時が「04年6月8日午後9時10分56秒」で、特捜部が捜査報告書に記した最終更新日時と食い違うことが分かった。
 このため、朝日新聞が大手情報セキュリティー会社(東京)にFDの解析を依頼本来は「6月1日」であるべき最終更新日時「6月8日」と書き換えられていた。その書き換え昨年7月13日午後だったことも判明。この日はFDを上村被告側に返す3日前だった。
 また、他のデータについては上村被告が厚労省の管理するパソコンで操作したことを示していたが、最終更新日時だけが別のパソコンと専用ソフトを使って変えられた疑いがあることも確認された。検察幹部の聴取に対し、主任検事は「上村被告によるFDデータの改ざんの有無を確認するために専用ソフトを使った」と説明したとされるが、同社の担当者によると、このソフトはデータを書き換える際に使われるもので、改ざんの有無をチェックする機能はないという。
 特捜部は捜査の過程で、上村被告の捜査段階の供述などを根拠に「村木氏による上村被告への証明書発行の指示は『6月上旬』」とみていた。だが、証明書の文書データが入ったFD内の最終更新日時が6月1日未明と判明。村木氏の指示が5月31日以前でなければ同氏の関与が裏付けられず、最終更新日時が6月8日であれば上村被告の供述とつじつまが合う状況だった。
 朝日新聞の取材に応じた検察関係者は「主任検事から今年2月ごろ、『村木から上村への指示が6月上旬との見立てに合うよう、インターネット上から専用のソフトをダウンロードして最終更新日時を改ざんした』と聞いた」と説明。FDの解析結果とほぼ一致する証言をしている。(板橋洋佳)
(以下略)

ええと、
 今時フロッピーディスクに保存
って辺りがすでにすげーぞ、厚労省。いくら2004年でもさ。で、一番笑えるところは
 主任検事

 「上村被告によるFDデータの改ざんの有無を確認するために専用ソフトを使った」
って説明ですがな。朝日はこのソフトを作った会社に解析を依頼したようで、その会社の担当者に
 このソフトはデータを書き換える際に使われるもの

 改ざんの有無をチェックする機能はない
と断言されてるわけで、もし
 主任検事が、開発・販売(売り物だったらね)している会社も知らない「改竄チェック機能」を使った
とすると
 主任検事は、自由自在に裏機能を呼び出せるスーパーハッカー
ってことですか。そんなことねえよ、普通。上記記事には
 主任検事の言い訳
も載っている。


■主任検事が大阪地検側の聴取に対して説明した主な内容は次の通り。

 上村被告宅から押収したフロッピーディスク(FD)を返す直前、被告がデータを改ざんしていないか確認した。その際、私用のパソコンでダウンロードしたソフトを使った。改ざんは見あたらなかったため、そのソフトを使ってFDの更新日時データを書き換えて遊んでいたUSBメモリーにコピーして操作していたつもりだったが、FD本体のデータが変わってしまった可能性がある。FDはそのまま返却した。

ええと、
 私用のパソコンでダウンロードしたソフトを使った
上に
 USBメモリにコピーして操作
して
 証拠品で遊ぶ
って
 日本の法曹では普通に認められた業務内容
なんですか? 
天下の検察庁におかれましては
 この手の情報セキュリティ教育は検事に対して行ってない
ってことでしょうか。大体
 私用パソコンでダウンロードしたソフトを使った
って辺りで
 ダメ過ぎ
な悪寒。その
 私用パソコンのセキュリティチェックはできてるのか
って話で、
 いつの間にかウイルス拾った
ってこともあり得るわけでしょ。しかも、
 やったこと
は、
 要は証拠の改竄
じゃねえかよ、主任検事。てか、こういう言い訳が通ると思ってるんなら凄すぎ。

アメリカの犯罪ドラマ"CSI"で
 証拠を改竄した警官が退職後、その事実を腹心だったCSI捜査官に見破られて逮捕
なんて話があったけど、
 今回の話はこれが本当なら、ノンフィクション
だからな。

証拠採用されなかったってことは
 マズイ
と検察も思ってたんでしょ。それも
 素でバレないと思ってたからFDを返還
したんだろうなあ。
今回の検察のコンピュータリテラシーには相当問題がありますな。

続き。上記
 主任検事の言い訳
で、見逃せないのが
  USBメモリにコピーして操作
だ。
この
 USBメモリにコピーされたもの
というのは、なんなのか。
1. 業務用パソコンにUSBメモリをつけて、押収したFDの中身を吸いだし、私用パソコンに接続、ダウンロードしたソフトを使って「日付の改竄チェック」をした
2. 業務用のパソコンに私用パソコンでダウンロードしたソフトをインストールするためにUSBを経由した
さて、どっちだ、というと
 FDの中身が書き換わっている
わけだから、当然答は一つ。
 業務用パソコンにFDDをつけてFDを読み込み、私用パソコンにダウンロードした解析ソフトをUSBメモリにコピー、業務用パソコンにこのメモリを繋いでアプリケーションを立ち上げ、FDD内のデータもUSBに取り込んで「USB上ですべての操作を行った」
という主張である。で
 FDのイメージファイルをUSBで扱ってると思ったら、実は本体のFDを書き換えていた
と言い訳してるって事だ。
 業務用パソコンにセキュリティの定かでないUSBメモリを挿す
時点で、アウト。更に
 私用パソコンのファイルと業務用ファイルを持ち運び可能でなくしやすいUSBメモリに共存させた
のも、アウトだ。
もっとも、朝日がそこまで突っ込んでないからわからないけど
 私用パソコンで押収したFDを読んでいた可能性
もまだ残っている。そうなると
 業務を私用パソコンで行った
んだから、
 セキュリティ皆無
ということになる。私用パソコンから、本人が意図しない間にウイルスによる
 情報拡散
があったとしても、不思議ではない危険な状況だ。

ダメでしょ、どう考えても。

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