細木数子の占いのネタ 隋・蕭吉『五行大義』を読む
昨日は今年度最初の『五行大義』研究班。で、中身は
空亡
についてだ。これは
かの和泉宗章の天中殺の理論的根拠
で、それを踏襲している
細木数子の六星占術
でも使われている。
原文はコレ。
『五行大義』巻二
http://applepig.idv.tw/kuon/furu/explain/meisi/onmyouji/onmyoudou/five/daigi05.htm
要するに
1. 十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)と十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)を組み合わせると、十干の方が少ないから十二支が二個余る
2. 甲子から始めるシリーズ(1-10)では戌亥が余り、
甲戌から始めるシリーズ(11-20)では申酉が余り、
甲申から始めるシリーズ(21-30)では午未が余り
甲午から始めるシリーズ(31-40)では辰巳が余り
甲辰から始めるシリーズ(41-50)では寅卯が余り
甲寅から始めるシリーズ(51-60)では子丑が余る。
3. それぞれのシリーズで、十干と組み合わせがない余る二つの支を「孤」とし、「空亡」という
4. 五行に配当すると、
甲子シリーズ 戌(土)亥(水)→半空亡(水が半分ある)
甲戌シリーズ 申(金)酉(金)→全空亡(金がない)
甲申シリーズ 午(火)未(土)→半空亡(火が半分ある)
甲午シリーズ 辰(土)巳(火)→半空亡(火が半分ある)
甲辰シリーズ 寅(木)卯(木)→全空亡(木がない)
甲寅シリーズ 子(水)丑(土)→半空亡(水が半分ある)
という次第。ちなみに、十二支を子を北、午を南にして円形に時計回りに配列するとわかりやすい。
五行配当は
亥子 水
寅卯 木
巳午 火
丑辰未戌 土
申酉 金
であり、丑→辰→未→戌は90°ごとに土に配当されている。
で、孤となる支とペアになるのが
虚
で、これは
中央土の干、戊己と組み合わされて、元の位置から移動する支
のことだと『五行大義』は説明する。もう一度、孤と虚とを確認すると
シリーズ/孤/虚
甲子シリーズ/戌亥/辰巳
甲戌シリーズ/申酉/寅卯
甲申シリーズ/午未/子丑
甲午シリーズ/辰巳/戌亥
甲辰シリーズ/寅卯/申酉
甲寅シリーズ/子丑/午未
となる。例えば、最近の生年で占いをするとすれば
甲午シリーズ(1954-1963) 辰巳と戌亥が悪い
甲辰シリーズ(1964-1973) 寅卯と申酉が悪い
甲寅シリーズ(1974-1983) 子丑と午未が悪い
甲子シリーズ(1984-1993) 戌亥と辰巳が悪い
などという大まかなことを言えたりするわけだ。実際に占いをする場合は
生年月日と誕生時間
を使うわけだが、実はこの
空亡の元になっている暦は旧暦
なので、
新暦の生年月日は無意味
なのだ。だから、天中殺の和泉宗章は、占いがはずれたとき
元になっている暦が間違っているのに気がついた
と言って、潔く、占いを止めたのである。
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