カオスラウンジの話は取り上げないと決めてたんだけど、これだけは書いておきたいので書いておくこととする。
■
カオスラウンジと呼ばれた集団があった。
「ネットにある画像は著作権フリー」と言い張って他人の画像でコラ画像を生成したり、即売会で購入した同人誌を踏みつけた行いを「現代アート」言い張る集団だった。
その行いから各所に火種をばらまいていたし、コラされた元の画像の製作者から突っ込まれた事もあった。
しかし彼らはそれらを「著作権フリー」と言い切り「何か文句があるなら訴えてみろ」と言い放った。
実際に訴えるにしてもリスクが大きすぎるため泣き寝入りするしかなく、カオスラウンジと言う集団が痛い目を見ることはなかった。
しかし彼らを批判していた者達の一人が商標譲渡を受けた。これが今年の夏の出来事。
Togetter - 【速報】カオスラウンジ カオスラウンジの商標権をマジスタンスに取られる【pixiv現代アート騒動】これによりカオスラウンジと呼ばれた集団は、自分達の集団名である「カオスラウンジ」と言う名を失い、「自称カオスラウンジ」という何とも微妙な名前を冠する集団へとなってしまったのである。
<ここまでが前史>
■
で、主題は何かという話なのだが、カオスラウンジの批判者の一人であった影レス氏が譲渡された『カオスラウンジ』の商標権をオークションに出してしまったことがそもそもの始まり。
Togetter - 【速報】カオスラウンジの商標権がヤフオクで1円スタート【pixiv現代アート騒動】【現代アート最終章】カオス*ラウンジ商標権【そして茶番へ】 - Yahoo!オークションこのオークション自体は既に終了済み。
「なぜ影レス氏がわざわざオークションに商標を出したのか」ということについては、実際に影レス氏本人の文章で読んでもらいたいんだけど、要約すると「商標譲渡に至るまでの一連の過程は影レス氏のアートであり、そのアートの価値を第三者に決めて欲しい」ということなんで、それほど「商標譲渡」までがアートに思えてくる。
しかし同時にディス・ソリューション宣言を読むと、それが少し違って見えてくる。
カオス*ラウンジ ディス・ソリューション宣言長いし難しい横文字連発なので分かりにくいと思うけど、要約すると「これが売買と言う形で成立した段階で「インターネット上などの仮想空間で行われた出来事」が一つのアートとして価値を認められたと言う事になる」ということだと思ってもらえればだいたい合っているかと思う。
今までは仮想空間での出来事は基本的に「取るに足らない出来事」として扱われていたように思う。
ネトゲでもソーシャルゲームでも何でもいいんだが、例えばソシャゲだったら有料ガチャを回す人々は「たかがデータにお金を払っている人達」と言う目で見られてきた。
物事の価値基準は本人達に委ねられ、たかがデータであってもそれに価値があると感じている人がいるにも関わらずだ。
少なくとも現状の仮想空間、つまりインターネット上の出来事は「0と1で作られたもの」でしかないのは間違い無いといえる。
そう考えると俺が今ここに書いている文章も、極論を言えば「俺」という人間が「0と1」の配列を書いているだけにすぎない。
ではそれに価値はあるのだろうか。ここに書いている文章が所詮は0と1で形成され、それが様々なプロセスを経て日本語へと変換されている。だが俺が書いてきたあれやそれといった物達は価値がないものなのだろうか。
影レス氏が行った今回のオークションはそういう「0と1の集合体でのやりとりは果たしてアートとして認められるのか?」という挑戦であり、ひいては「仮想空間上での出来事には価値があるのか?」という、我々が常日頃からその恩恵を得ている「インターネット」というものの価値に挑んだものなのではないだろーか。
もし今回のこれに価値があると誰かが思い、金銭が支払われたその時に「仮想空間上でのやりとり」は初めて「第三者から見ても価値があると感じられるものだ」ということが証明される。
これもまた「既存観念に対するアーティスティックな行い」であり、影レス氏の「アート」なのだろう。
まあその辺のアートな面白さを理解していない人が落札しちゃったから今ややこしい問題が発生してるんですけどね!
Togetter - 日本のこれからの現代美術の為に9,999,999JPYを貸して頂けませんでしょうか?さて、どうなるんかね。
実際に「金銭が支払われる」という展開を予想していただけに、支払われないままキャンセル扱いだとちょっとショックだなー。
コメントの投稿