ほんっとにはじめての HTML5 と CSS3

place-selfショートハンドプロパティは、
・justify-selfプロパティ（主軸）
・align-selfプロパティ（交差軸）
の2つを一括で指定するショートハンドです。
アイテム側に指定し、アイテムを個別に指定します。

1. place-selfショートハンドの値
   1. 値が1個の場合の場合の注意点
2. place-selfを使ってみた（サンプル）
   1. Grid Layout での place-selfショートハンド
   2. Flexbox での place-selfショートハンド

ボックス配置は、下記のように記事を分けます。

【63】アイテム間の空きを指定する gap（row-gap, column-gap）

【64-1】ボックス配置の全体的なルール（9コのプロパティまとめ）

【64-2】ボックス配置の「整列キーワード」まとめ

【64-3】アイテムの配置・分布を指定する justify-content（主軸方向）

【64-4】アイテムの配置・分布を指定する align-content（交差軸方向）

【64-5】アイテムの配置・分布を指定するショートハンド place-content

【64-6】アイテム個別の配置を指定する justify-self (主軸方向)

【64-7】アイテム個別の配置を指定する align-self (交差軸方向)

【64-8】アイテム個別の配置を一括指定する place-selfショートハンド　←今日はココ

【64-9】アイテムの個別配置を一度に指定する justify-items (主軸方向)

【64-10】アイテムの個別配置を一度に指定する align-items (交差軸方向)

【64-11】アイテム配置を一括指定する place-itemsショートハンド

参考：
・CSS Box Alignment Module Level 3 | W3C Working Draft
・CSS ボックス配置 | MDN

place-selfショートハンドの値

place-selfショートハンドプロパティの値は、align-self と justify-self の値を「半角スペース」で区切って書きます。

place-selfプロパティの値
CSS構文	<'align-self'> <'justify-self'>?
グローバル値	inherit; 親の値を継承 initial; 継承した親の値を解消しデフォルト値に戻す unset; 値を解除。親から継承されてるなら inherit、継承されてないなら initial と同じ動作

値の継承	なし	適用できる要素	Gridアイテム ブロックレベルのボックス（テーブルセルは含まず） 絶対位置にされたボックス

CSS構文は、
<'align-self'> <'justify-self'>?
となっています。これを読み解くと、
align-self の値が先、justify-self の値が後と順番が決まっています。
また、<'justify-self'> に「?」が付いてるので、値1個でもOK ということです。
値が1個だと、両方のプロパティに同じ値が適用されます。

疑問符乗算子「?」は、省略可能で 0 回または 1 回出現することを意味します。
CSSの値の定義構文はこちら→ 値の定義構文 | MDN

2つのプロパティの値はこちらです。

justify-selfプロパティの値
CSS構文	auto | normal | stretch | <baseline-position> | <overflow-position>? [ <self-position> | left | right ] autoがデフォルト値。
<baseline-position>	[ first | last ]? baseline baseline、first baseline、last baseline の3種の書き方。 baseline 単独で使うと first baseline と同義。 first baseline の代替配置は start、 last baseline の代替配置は end 。 注意：このキーワードはW3C仕様書の冒頭で「at-risk」に入ってて「勧告候補時に落とされるかも（may be dropped during the CR period）」とあるので無くなる可能性もあります。（2022年7月記）
<overflow-position>	unsafe | safe 注意：この2つはW3C仕様書の冒頭で「at-risk」に入ってて「勧告候補時に落とされるかも（may be dropped during the CR period）」とあるので無くなる可能性もあります。（2022年7月記）
<self-position>	center | start | end | self-start | self-end | flex-start | flex-end
グローバル値	justify-self: inherit; 親の値を継承 justify-self: initial; 継承した親の値を解消しデフォルト値に戻す justify-self: unset; 値を解除。親から継承されてるなら inherit、継承されてないなら initial と同じ動作

align-selfプロパティの値
CSS構文	auto | normal | stretch | <baseline-position> | <overflow-position>? <self-position> autoがデフォルト値。
<baseline-position>	[ first | last ]? baseline baseline、first baseline、last baseline の3種の書き方。 baseline 単独で使うと first baseline と同義。 first baseline の代替配置は start、 last baseline の代替配置は end 。 注意：このキーワードはW3C仕様書の冒頭で「at-risk」に入ってて「勧告候補時に落とされるかも（may be dropped during the CR period）」とあるので無くなる可能性もあります。（2022年7月記）
<overflow-position>	unsafe | safe 注意：この2つはW3C仕様書の冒頭で「at-risk」に入ってて「勧告候補時に落とされるかも（may be dropped during the CR period）」とあるので無くなる可能性もあります。（2022年7月記）
<self-position>	center | start | end | self-start | self-end | flex-start | flex-end
グローバル値	align-self: inherit; 親の値を継承 align-self: initial; 継承した親の値を解消しデフォルト値に戻す align-self: unset; 値を解除。親から継承されてるなら inherit、継承されてないなら initial と同じ動作

2つのプロパティの詳細は、前回・前々回の記事をご覧ください。
【64-6】アイテム個別の配置を指定する justify-self (主軸方向)
【64-7】アイテム個別の配置を指定する align-self (交差軸方向)

値が1個の場合の場合の注意点

値が1個の場合、align-self と justify-self の両方に同じ値が適用されます。

その場合、両方のプロパティに有効な値のみ 1個で指定できます。
どちらかに無効な値を 1個で指定した場合は、値そのものが無効になります。
ですので、justify-self でしか使えない right や left の値は単独では指定できません。

無効になると、何も指定していない状態 = 初期値の「auto」になります。 auto は normal を指定した状態で、normal は stretch と同じ。エリアいっぱいにアイテムを使います。
（auto、normal、stretch はどれを指定しても同じってことですね）

place-selfプロパティを使ってみた（サンプル）

place-selfショートハンドプロパティを使ってみます。
Grid Layout と Flexbox でサンプルを作ってみました。

Grid Layout での place-selfショートハンド

1番最初のアイテムに place-self を指定しています。
通常の横書きモードでのサンプルなので、主軸は左から右への横方向、交差軸は垂直方向です。

サンプルの HTMLやCSS の基本はこちら。

<div class="container">
  <div>ITEM*</div>
  <div>ITEM</div>
  <div>ITEM</div>
  <div>ITEM</div>
</div>

.container{
  box-sizing: border-box;
  border: 1px solid#ccc;
  padding: 0;
  display: grid;
  grid-template-rows: repeat(2, 7em);
  grid-template-columns: repeat(2, 50%); 
  }
.container div{
	box-sizing:border-box;
	padding:1em;
	text-align:center;
	}
.container div:nth-child(1) {
  /*place-self:「値」; はここに追加していきます*/
  background:#fcf}
.container div:nth-child(2) {background:#ffc}
.container div:nth-child(3) {background:#cfc}
.container div:nth-child(4) {background:#eee}

place-self: stretch center

place-self: center start

place-self: start end

place-self: center right

place-self: auto（ここから値1コのサンプルです）
（auto は初期値。何も指定しなければこれ）

place-self: normal（normalは stretch と同じ振る舞いになります）

place-self: stretch

place-self: end

place-self: start

place-self: center

place-self: baseline（first baselineと同じ）

place-self: last baseline

place-self: right
（right や left は align-selfに無い値なので単独で使うと無効。初期値のautoの状態です）

Flexbox での place-selfショートハンド

Flexbox の仕様書では、ボックス配置用のプロパティは、align-content、align-self、align-items、justify-content の4つしかありません。
というわけで、Flexアイテムには justify-self が効かないので、ショートハンドの place-self を使っても、2番目の値（justify-self）は無視されて、align-self の指定だけになります。
ですので、仕様書の「適用できる要素」に「フレックスアイテム」は含まれていないんですよね。

でもまあ Flexbox で place-self を指定してもエラーにならないようなので、一応サンプルを置いておきます。
1番最初のアイテムに place-self を指定しています。

サンプルの HTMLやCSS の基本はこちら。

<div class="con_flex">
  <div>ITEM*</div>
  <div>ITEM</div>
  <div>ITEM</div>
  <div>ITEM</div>
</div>

.con_flex{
	box-sizing:border-box;
	border:1px solid#ccc;
	padding:0;
	margin:0 0 .5em;
	height:10em;
	display:-webkit-flex;
	display: flex;
	-webkit-flex-wrap: wrap;
	flex-wrap: wrap;
	}
.con_flex div{
	-webkit-flex-basis:40%;
	flex-basis:40%;
	box-sizing:border-box;
	padding:1em;
	line-height:1em;
	text-align:center;
	}
.con_flex div:nth-child(1) {
  /*place-self:「値」; はここに追加していきます*/
  background:#aef}
.con_flex div:nth-child(2) {background:#fcc}
.con_flex div:nth-child(3) {background:#ccf}
.con_flex div:nth-child(4) {background:#fe9}

place-self: center start
2番目の値は無視されるので、align-self: center を指定したのと同じになります。

place-self: center right
2番目の値は無視されるので、上のサンプルと同様 align-self: center の指定です。

place-self: start end
同じく2番目の値は無視されて、align-self: start の指定です。

place-self: auto（ここから値1コのサンプルです）
（auto は初期値。何も指定しなければこれ。normalと同じになります）

place-self: normal
（normalは stretch と同じ振る舞いになります）

place-self: stretch

place-self: end

place-self: start

place-self: center

place-self: baseline（first baselineと同じ）

place-self: last baseline

place-self: right
（right や left は align-selfに無い値なので単独で使うと無効。初期値のautoの状態です）

次回予告

今回までの justify-self・align-self・place-selfショートハンドは、アイテム側に指定して、そのアイテムだけの配置方法を指定しました。

次回からは、○○-self の指定を、全アイテムに一発で指定するプロパティ justify-items・align-items・place-itemsショートハンドを使ってみよう。

まず次回は、justify-itemsプロパティ について見てみましょう。
これはコンテナ側に指定し、コンテナ内の全アイテムに対して justify-self の指定を一発で指定します。

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