Kindle3はどれくらい見やすくなったの?Kindle2と比較してみた

08 31, 2010
Kindle3はE-Inkの新世代電子ペーパーPearlの採用によりコントラストが50%向上したそうです。このことはKindle2ユーザであれば、文字がよりはっきり・シャープに見えることで実感できることと思います。では、どれくらい見やすくなったのでしょうか。Kindle2と比較する方法で検証してみました。検証方法は以前Kindle2とKindle DXの比較検証してくださった @ichinomoto さんと同じ方法(スキャンした物がKindleでどう見えるか Kindleをスキャンしてみた)をマネさせていただきました。

この検証過程での発見もたくさんありました。Kindle3からコントラストを調整する機能も実装されていました。Aaキーを押すとメニューのなかに"Contrast"があり、lightest~darkestまで5段階で調節が可能になっています。この機能はPDFファイルでも有効ですから文字が小さい場合はコントラストを最大(darkest)にすると視認性を改善させることができます。さらにKindle3には専用フォーマット形式の場合には、”Typeface”、”Line Spacing”の調整機能も追加されており、ユーザに対して一層の読みやすい環境を提供する工夫が施されていました。

スキャナー
Canon LiDE200にてカラー雑誌モード・解像度300dpiでスキャンしました。

お断り
見やすい、見にくいはわたくし個人の主観に基づくものです。視認性について特に技術的基準を設けて判定しているわけではありませんので予めご了承ください。


Kindle Storeで購入したデータ(AZW形式ファイル)
さすがに両方とも見やすいですが、Kindle3の方がフォントの輪郭がシャープでより見やすい。Kindle3からファイルを開いたときは上部のステータスバーが表示され、ページ送りすると消えてより多くの文字情報が表示されるように改善されたようです。

Kindle2
kindle2-iphonehacks.jpg


Kindle3
kindle3-iphonehack.jpg



青空キンドル(PDFファイル)
青空キンドルとは青空文庫の書籍データをキンドル用に最適のうえPDF化してくれる非常にありがたいサイトです。さすがにKindleに最適化されているだけあってPDFファイルでも十分に読みやすい水準です。

Kindle2
Kindle2-sorekara.jpg


Kindle3
Kindle3-sorekara.jpg



新書サイズのPDF(データファイルからPDF化)
以前、『生命保険のカラクリ』という新書が無料でPDFファイルが配布されていました(文藝春秋の新書『生命保険のカラクリ』が印刷可能なPDFで全文配布中(4/15まで))データからPDF化しているのでPDF拡大機能を使用しなくても視認できるレベルにはあると思います。ただし、新書サイズが限界のような気がしますし、これではとても快適には読むことができないと感じる方もいるのではないかと思います。

Kindle3の場合は、冒頭でご紹介したとおりコントラストを調節できます。Aaキーからコントラストを最大(darkest)にしてみるとどうでしょうか。視認性が相当程度に改善されますので、ちょっと読みにくいなと感じたら調節すると良いと思います。

Kindle2
Kindle2-karakuri.jpg


Kindle3(Contrast: default)
kindle3-karakuri-default.jpg


Kindle3(Contrast: darkest)
kindle3-karakuri-darkest.jpg



A4サイズのPDF(データファイルからPDF化)
A4サイズのWord形式などのデータファイルからPDF化すると、元データのフォントサイズにもよりますが、文書データの通常サイズである10~12ポイント程度では、Kindle2では残念ながらPDF拡大機能を使用しないと文字を読むことができませんでした。Kindle3でもコントラストを調節してなんとかという感じですから、6" Displayの限界かなーという気がします。
※表示に使用したのは日本通信の「bモバイル利用規約」です。

Kindle2
kindle2-provision.jpg


Kindle3(Contrast: default)
kindle3-provision-default.jpg


Kindle3(Contrast: darkest)
kindle3-provision-darkest.jpg


さいごに
Kindle3は従来機と比較して格段の機能改善を低価格で実現した素晴らしい電子ブックリーダーであることは疑いようがありません。しかしながらこのような読みやすくするための工夫を考えるにつけ、「日本語書籍を不自由なくこうした電子ブックリーダーで読むことができるのはいつのことやら」と嘆いてしまうのは私だけではないはずです。電子書籍難民の安住の地を求める旅はしばらく続くのでしょうね。
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