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 こちらの記事に、石油価格に応じた2016年のベラルーシの3つのシナリオという話が出ている。

 これによれば、ベラルーシ大統領令第504によって設定された2016年の経済見通しは、GDPが0.3%増となるとされているが、その前提条件として、ベラルーシの商品・サービスが3.5%増加し、また、2016年にロシアの景気後退が収束し、同国の年平均為替が1ドル=63ルーブルとなり、油価が50ドルとなることが想定されている。しかし、問題は油価も、ロシアの為替レートもすでに目標を下回っており、プーチン大統領も公然と予算修正の可能性に言及していることである。

 ベラルーシ当局は、2016年の経済見通しを建てるに当たって、油価50ドルという1つの公的なシナリオしか用意していないが、ロシア経済発展省は油価40ドルというより慎重なシナリオも用意しており、その場合にはロシアのGDPは1%減となる。ベラルーシの経済専門家であるアントン・ボルトチコによれば、このシナリオになると、変革が期待できない停滞の時代が2016年に到来し、ベラルーシは2016年に経済の面で膠着状態に陥る。

 さらに、油価が20~30ドルとなる悲観シナリオとなると、ベラルーシ当局はもちろん、ロシア当局の想定にもない。ただ、エネルギー専門家によると、その油価水準になる可能性は決して否定できないという。ベラルーシの専門家らによると、このシナリオでは、ロシアでも、ベラルーシでも、深甚なリセッションは不可避となる。アレクサンドル・ムハによると、2016年の国家予算では石油収入は債務の償還に充てられることになっており、もしも2016年に油価が想定の50ドルを大きく下回るようなことになると、国家歳出を削減し、債務返済に充てざるをえないかもしれない。専門家のアレクセンドル・チュブリクは、油価が50ドルであってもそれ以下であっても2016年に状況は厳しく、問題は油価ではなく政府が構造改革、つまり国営企業改革や経済の効率改善に何か手を打つかということであり、もしも何の対処もなされないと、今日すでにある問題が、2017年に噴出するだろう、と指摘する。


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