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「頬をつねって席につかせる」は体罰? 文部科学省、体罰の禁止徹底を通知



▽ 体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知):文部科学省

同省は通知の冒頭で、体罰について「学校教育法で禁止されている、決して許されない行為」と述べています。通知は「体罰の禁止及び懲戒について」「懲戒と体罰の区別について」「正当防衛及び正当行為について」「体罰の防止と組織的な指導体制について」「部活動指導について」の5項目に分けられています。

同省は体罰の防止策として、指導が困難な児童生徒の対応を特定の教員が抱え込んだりすることのないよう、組織的な指導の徹底を学校に要請。校長や教員には、「場合によっては体罰もやむを得ない」といった誤った考え方を容認しないことや、どのような行為が体罰に当たるかについて正しく理解しておくことを指示しています。万が一体罰があった場合は、直ちに管理職や教育委員会へ報告するよう求めるとともに、日頃から体罰の実態把握に務めることが必要であるとしています。

体罰の参考事例として、次のような行為が挙げられています。

  • 身体に対する侵害を内容とするもの
    • 体育の授業中、危険な行為をした児童の背中を足で踏みつける。
    • 帰りの会で足をぶらぶらさせて座り、前の席の児童に足を当てた児童を、突き飛ばして転倒させる。
    • 授業態度について指導したが反抗的な言動をした複数の生徒らの頬を平手打ちする。
    • 立ち歩きの多い生徒を叱ったが聞かず、席につかないため、頬をつねって席につかせる。
    • 生徒指導に応じず、下校しようとしている生徒の腕を引いたところ、生徒が腕を振り払ったため、当該生徒の頭を平手で叩(たた)く。
    • 給食の時間、ふざけていた生徒に対し、口頭で注意したが聞かなかったため、持っていたボールペンを投げつけ、生徒に当てる。
    • 部活動顧問の指示に従わず、ユニフォームの片づけが不十分であったため、当該生徒の頬を殴打する。
  • 被罰者に肉体的苦痛を与えるようなもの
    • 放課後に児童を教室に残留させ、児童がトイレに行きたいと訴えたが、一切、室外に出ることを許さない。
    • 別室指導のため、給食の時間を含めて生徒を長く別室に留め置き、一切室外に出ることを許さない。
    • 宿題を忘れた児童に対して、教室の後方で正座で授業を受けるよう言い、児童が苦痛を訴えたが、そのままの姿勢を保持させた。

認められる懲戒としては、学校教育法施行規則で定められている退学・停学・訓告の他に「授業中、教室内に起立させる」「立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる」などが例に挙がっています。教員への暴力行為に対する防衛、他の児童生徒に被害を及ぼすような行為の制止といったやむを得ない場合の有形力の行使は、正当防衛・正当行為と判断されるとのことです。

▽ 学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例:文部科学省

文: 古関崇義

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