いささか旧聞だけれど、マイルドヤンキーとかアホかと思う

「マイルドヤンキー」論への違和感 “再発見”する東京の視線と、大きな物語なき後のなにか (1/5) - ITmedia ニュース

このところ「マイルドヤンキー」という言葉が注目を集めているが、私はこれにどこか違和感を感じてきた。「そうした新たな社会層が台頭している」と言われるのだが、私は思うのである。「それってもしかして、日本の平常運転では?」と。

 マイルドヤンキーについて、たとえばNHKの報道番組ではこのように解説していた。

  • 地元志向 世界は半径5キロ
  • 車、酒、タバコ、パチンコが好き
  • 仲間を大切にする
  • 礼儀正しく優しい

 

今さらな感がする話題で恐縮ですけれど。
「マイルドヤンキー」という言葉がネットで話題になり、引っかかるものを感じていました。引用している冒頭記事に賛同するわけですが、そこで筆者は「違和感」と表現してるけども、地方在住者としてはそんな言葉で一括りにしておまえら何が面白いねん、というか。もっと言うと「あほか」とも思う。

 

『地元志向』なのがマイルドヤンキーだと言うのなら、東京生まれの人間がそのまま地元で就職しその後も地元で一生を送る、という場合はどうなのでしょうか。そういうのはマイルドヤンキーとは言わない、とでも仰るおつもりなのか。地元と言えば東京を除く地域だとでも?

 

なんかイヤな感じがふんぷんと匂って来ます。
ま、これを言い出した輩が博報堂らしいのですが、訳知り顔の広告屋が田舎もんをバカにするためにレッテルを張りました、みたいな感じがするのは卑屈すぎるのでしょうか。
そこにあるのは「東京中華思想」と言いますかね。「ホイチョイプロダクション」の馬場氏が確か博報堂出身でしたか。あの辺の感度高いぜオイラ、みたいな連中ね。
そもそも上京志向とか、東京にあこがれる人間のほうがいわゆる田舎者感が溢れてるような気がしますが。家賃など物価が高くて可処分所得が少ない都会のどこがいいんだと*1。

 

「地元志向、世界は半径5キロ」などと言うのは明らかに東京人間がぬかし・・、いや言いそうなことです。半径5キロで普段の生活が完結すると思うのがそもそもどうかしてるのでして。私の場合でいえば通勤で15㌔かかる。職住近接という妄想が間違っていますわ。
「車が大好き」あのな、地方では公共交通機関が発達してないんだよ、ボケ*2。夜の8時過ぎ、路線によっては7時が最終のバスだとかがフツーなのですわ。車が好きとか言うレベルじゃなくて、必須交通手段なんです。
「酒・タバコ・パチンコが大好き」
だったら、1億総マイルドヤンキーでしょ。東京でクリエイティブでグローバルで高度な戦略のお仕事をしてるすべての御仁はパチンコはもちろん、酒は飲まないし、たばこは吸わないので「マイルドヤンキー」ではないのでしょうかね。でもって、吸うタバコはマイルドだとか、下らんこと言うんじゃないでしょうね。
「仲間を大切にする・礼儀正しく優しい」
それまでの定義だけだと批判が殺到しそうなんで、少し褒めたのでしょうか。そんなきれいごと、おためごかしは要らんわ。

 

マーケティングのために、ある層をそういう名称をくっつけて分かりやすくするのが、虚業たる広告代理店なんかの仕事なんでしょうがね。B層だとかの語句を作ったのも電通でしたか。博報堂は「マイルドヤンキー」で対抗なのでしょうか。長くて普及しないんで、略して「マイヤン」とかにするとか。

 

私は神戸生まれで大阪育ち、その後いろいろあって16年前から愛媛県にすんでいます。ここでは地元から一歩も出たことがない、四国から電車で大阪に行くのに、岡山で新幹線を乗り間違えて博多方面に行きはしないだろうか、と危惧する人にも出会いましたがね。マイルドかどうか知らんが趣味嗜好がヤンキーっぽい人がいるのは確かでしょうが。
でもそれが「マイルドヤンキー」だとする東京モンの視線には承服しがたい、というか。呆れるというか。
そんなもん、何処にでもいる多くのフツーの人じゃん。

 

ていうか、ニッポンジンそのものがこれに該当すんじゃないのでしょうか。私の嫌いな「絆」だとか。普段は排除と差別ばかりしてるくせに気持ち悪いってんです。

「ヤンキー」というネガティブな印象の言葉をつけることで、こういう連中は優越感に浸って仕事した気になってんでしょうかね。

 

 

*1:それは個人的な話

*2:つい言葉が荒くなりました